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【RIZIN】堀口恭司が神龍誠に一本勝ちでフライ級王座戴冠&公開プロポーズ成功、朝倉海がアーチュレッタを2R TKOで戴冠! クレベルが斎藤裕を絞め落として逆転勝ち、平本蓮がYA-MANに競り勝つ、山本美憂が伊澤に一本負けで引退。上田がスダリオを一撃TKO! 皇治が三浦孝太をサッカーキック葬、ヒロヤが新井をTKO。新居が弥益をTKO

2023/12/31 13:12
RIZIN.45 速報 2023年12月31日(日)さいたまスーパーアリーナ▼第17試合 RIZINフライ級(-57.0kg)王座決定戦 5分3R〇堀口恭司(アメリカントップチーム)=56.90kg[2R 3分44秒 リアネイキドチョーク]×神龍 誠(神龍ワールドジム)=57.0kg※堀口恭司がRIZINフライ級王者に  2023年7月の『超RIZIN.2』でノーコンテストとなった「Bellator世界フライ級初代王座決定戦」が、『RIZIN初代フライ級王座決定戦」として再戦が組まれた。前回は、1Rに堀口の偶発的なアイポーク(堀口は否定)により神龍が続行不可能となっていた。  33歳の堀口は、空手をベースに修斗、RIZINバンタム級で王者に。2015年にUFCフライ級で世界王座挑戦後、2019年にBellatorバンタム級で日本人初の世界王者となる。初代・第4代RIZINバンタム級王者。2022年大晦日の前戦でフライ級に戻し、扇久保博正に判定勝ちしている。  23歳の神龍は、10連勝中のDEEPフライ級王座&CFFCフライ級王座の二冠王。レスリングベースで高い身体能力を持ち、ギロチンチョーク、ニンジャチョークなどのがぶりからの首系の極めを持つ。  1R、サウスポー構えの神龍に、オーソの堀口。前後のステップで右インロー。神龍は右前蹴りでけん制。前足にローシングルもそのままコーナーまで押し込み、首を抱えた堀口の左脇を潜りを狙いながらも正対して、両足を束ねて腰を引き付ける。  コーナー背に座る堀口は足を抜いてクローズドガードに入れてアームインギロチンチョーク狙い。中央側に頭を向けて再びギロチンチョークも。頭を抜く神龍。堀口は立ちに。そこでスタンドバックにつく神龍。引き込みながら足をかけようとする。  再びコーナーに這って立つ堀口に、左足をかけて右で送り手を取ろうととする神龍。正対した堀口はボディロックテイクダウン狙いも、これを神龍が潰してゴング。神龍が予想以上の身体の強さを見せた初回。  2R、ワンツースリーの右を当てる堀口に、組む神龍。小手に巻く堀口はいなして崩すが、神龍は亀からリストコントロールした腕を巻き込み横回転でリバーサル、サイドを奪いかけるが、堀口はしっかり足を戻してみたびギロチンチョークへ。  首を外した神龍は右で差して前に。顔をはがした堀口は左右から左を振るがそこをかわした神龍は前に。ボディロックで崩した堀口は、神龍の首投げはさせず。ヒザを打って小外がけテイクダウン。バックテイクから神龍の巻き込み前転を許さず。背後からパウンドしてリアネイキドチョーク! 両足をかけて絞めて引き込み、タップを奪った。  堀口恭司はRIZINフライ級のベルトをl腰に巻いた。  試合後、堀口は、「めちゃめちゃ強くて、1R、最初“つええな”と思ったんですけど、まあ、ベテランの意地を見せました。ちょっと神龍くん、ATTに来ない? 一緒に練習しよう」とマイク。  続けて、「もうひとつ、ある方に言いたいことがあるので、川村さん来てください」と、元RIZINガールの川村那月さんをリング上に呼びよせて、「川村さん、指輪を忘れちゃったんですけど、このRIZINのリングで自分は川村さんと出会い、川村さんはいつも自分のことをサポートしてくれて。そんな川村さん、結婚してください」と公開プロポーズ。  川村は、「ずっと一緒にいさせてください」と返答。「6年前からRIZINでお仕事して、いい意味で彼らしくないことをしてくれてありがとう。ビザが取れ次第、アメリカに行くので、これからも応援、よろしくお願いします」と挨拶。熱いキスをかわした。 [nextpage] ▼第16試合 -68.0kg契約 5分3R×フアン・アーチュレッタ(米国)=63.80kg ※体重超過[2R 3分20秒 TKO] ※右ヒザ→パウンド〇朝倉 海(JAPAN TOP TEAM/挑戦者)=60.95kg※朝倉が勝った場合のみ王者に認定&公式記録、アーチュレッタが勝利の場合は無効試合。※朝倉が新王者に。  アーチュレッタは、2020年9月の「Bellator世界バンタム級王座決定戦」で現暫定王者のパトリック・ミックスに判定勝ちでBellator同級王者に。2021年5月にセルジオ・ペティスに判定負けで王座陥落後、2022年4月にラウフェオン・ストッツに3R KO負けで2連敗。  しかし、2022年10月にエンリケ・バルソラに判定勝ちで再起を遂げると、2022年大晦日の「RIZIN×BELLATOR全面対抗戦」でキム・スーチョルにスプリット判定勝ち。2023年5月の『RIZIN.42』で井上直樹にも判定勝ちし後、2023年7月の『超RIZIN.2』で「RIZINバンタム級王座決定戦」で扇久保博正に判定勝ちで米国人初のRIZIN王者となった。  同級王座は、当初は朝倉海とアーチュレッタによる「王座決定戦」が予定されていたが、朝倉の怪我により対戦相手が扇久保に変更されていた。  朝倉は2019年大晦日の「RIZINバンタム級王座決定戦」で、現UFCのマネル・ケイプとの再戦に敗れてRIZINバンタム級王座戴冠ならなかったが、ケイプが返上した王座を巡り、2020年8月に扇久保博正に1R TKO勝ちで王座獲得に成功。2020年大晦日に堀口恭司との再戦で1R TKO負けで王座陥落も、2021年6月から開幕したジャパンGPで渡部修斗、アラン“ヒロ”ヤマニハ、瀧澤謙太を撃破し、決勝で扇久保博正に判定負けで王座返り咲きならず。  2022年7月に右拳の手術後、2023年5月の元谷戦で3Rにボディへのヒザ蹴りでKO勝ち。1年4カ振りの復帰戦を勝利で飾り、7月30日のアーチュレッタとの「RIZINバンタム級王座決定戦」へ進出したが、7月17日の練習で左膝内側側副靱帯損傷。王座戦をキャンセルしていた。今回は約7カ月ぶりの復帰戦となる。 ※大会開始前に榊原CEOがリングイン。コメインの朝倉海vs.フアン・アーチュレッタの「変則王座戦」が、試合の1時間前の計量で「68kg契約」で行うことを発表した。アーチュレッタが勝利した場合はノーコンテスト、朝倉勝利の場合はバンタム級王座を獲得する。  アーチュレッタが「試合1時間前計量」で68kgをパス。今回の「変則王座戦」が決定した。  先に朝倉未来、リリー&ビリーコーチとともに入場した海。続けてアーチュレッタが舞台を左右行き来してジャンプ。ティキ・ゴーセン、ポール・ヘレイラと花道を進む。  試合前にレッドカード(50%減点)が提示されたアーチュレッタ。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローは朝倉。かわすアーチュレッタ。朝倉は左ボディストレート。  左右を振ってコーナーに詰めて右ダブルレッグテイクダウンを狙うアーチュレッタを切る朝倉。しかし、その離れ際にアーチュレッタは右を当ててダウンを奪うと、立ち上がりにギロチンチョーク狙い。  しかし対角に抜けた朝倉が上でサイド、上四方に。下からシングルレッグでレッスルアップのアーチュレッタだが、右を当てた朝倉。しかし左を返すアーチュレッタが不利ながらダブルレッグへ。  ロープを背に差し上げる朝倉。ブレーク。近距離で左右を振るアーチュレッタ。左を当てて組みに行くが、切る朝倉は左ヒザ。両者離れて朝倉の右ストレートをかわしたアーチュレッタがスタンドバックについて、ゴング後に反則の右を入れる。  2R、アーチュレッタのゴング後の攻撃にイエローカード。左右で前に出るアーチュレッタ。そしていきなりの左! 朝倉は左ハイ。ブロックするアーチュレッタ。右ジャブ、左ストレートをかわすアーチュレッタは左右を振って前に。さらにアーチュレッタは右! もらった朝倉は左の蹴りも後ろ重心。  ワンツーで前に出る朝倉。下がりながら右を振る朝倉だが右を被弾! さらに打ち終わりを狙う。2Rはスタンド勝負のアーチュレッタ。ハイで前に出る朝倉。アーチュレッタの右から左の入りを誘ってロープを背にして右ヒザ! 腹に被弾し、くの字に崩れたアーチュレッタにパウンドを連打し、レフェリーが間に入った。 ベルトを巻いた朝倉は、「やっと勝てました。うまくいかないこともありましたが、やり続ければ、こんな素敵な仲間たちが応援してくれます。これからも挑戦する姿を見せて、皆さんに勇気を与えたいです。僕ら兄弟は世界のトップに立てると思います。だから兄貴にも来年、チャンピオンを獲ってもらいたいです。これからも朝倉兄弟をよろしくお願いします」と挨拶。  続けて、アーチュレッタがマイクを持ち、「今週早めの時点で身体に異変があり、でも戦わないという選択肢はありませんでした。あなたたちは私のキャリアを再出発させてくれてモチベーションをいただきました。高いお金を払って来た皆さんの前で戦うために2人の戦士が戦いましたが、自分は叶いませんでした。榊原さんが、いつか鈴木(千裕)選手とやらせてくれると言っているので、鈴木、やろう」とフェザー級転向での王座挑戦をアピール。朝倉は「アーチュレッタの計量失敗を責めて良いのは僕だけなので、皆さんからアーチュレッタに何か言うことはやめてください」と語った。 [nextpage] ▼第15試合 RIZINフェザー級(-66.0kg) 5分3R〇クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)=65.90kg[3R 1分22秒 ダースチョーク]×斎藤 裕(パラエストラ小岩)=65.85kg  クレベルは、2020年12月のRIZIN初参戦からカイル・アグォン、摩嶋一整、朝倉未来、佐々木憂流迦、萩原京平、牛久絢太郎を相手に6試合連続一本勝ちで同級王座を戴冠。  2022年大晦日に現Bellator世界フェザー級王者のパトリシオ・ピットブル・フレイレに判定負けで4年ぶりの黒星を喫した。2023年6月の『RIZIN.43』で400gの体重超過で王座剥奪も鈴木千裕を初回、腕十字に極めると、2023年6月の前戦で元UFCの金原正徳に判定負け。今回が再起戦となる。  対する斎藤は、2023年4月に平本蓮にスプリット判定勝ち以来、8カ月ぶりの試合。第10代修斗世界フェザー級王者として、2020年8月にRIZIN初参戦。摩嶋一整を2R TKOに下すと、同年11月に朝倉未来に判定勝ちでRIZINフェザー級初代王者に。2021年6月には現王者のヴガール・ケラモフもスプリット判定で下し、4連勝。  しかし2021年10月の牛久絢太郎戦で跳びヒザ蹴りを受けたカットによりドクターストップで王座陥落。同年12月の朝倉未来との再戦で判定負けすると、2022年4月に牛久と王座を賭けて再戦。判定負けで王座奪還ならず、3連敗を喫した。2023年4月の前戦で平本に判定勝ちで再起を果たしている。  1R、グローブタッチ。ともにオーソドックス構え。クレベルは序盤は綺麗に左ジャブ、右ロー。左インローも。中央を取るクレベル。斎藤は腰を落として左ボディストレート。そこにクレベルの左インローが金的に当たり中断。再開。ジャブを見せるクレベルに、左ボディストレート狙いは斎藤。  クレベルは左サイドキック、さらに右前蹴りも、掴んだ斎藤が左ストレートを入れる。今度は頭を下げて右ジャブを突く齋藤に、クレベルの左インローが再び金的に入り中断。クレベルにローブローで「警告」。  コーナーに詰めて右ローを当てる斎藤。右カーフを返すクレベルは左ロー、斎藤は蹴りで出入りを見せる。ジャンプして詰めるクレベル。コーナーに詰めながらも踏み込み過ぎない斎藤。互いにローから組んで首投げ狙いからヒジを突くクレベル。さらに右ローも蹴り足を掴んだ齋藤は倒して、下のクレベルに蹴り。ブレーク。  左右で跳び込むクレベル。斎藤はワンツーで離れ右回り。追ってきたクレベルに右ストレートを当てる! 有効打を当て、攻め過ぎずにポイントアウトの斎藤。  2R、追うクレベルに回る斎藤。右ローを当ててバランスを崩すと、すぐに詰めたクレベルは再び右ロー! バランスを崩した斎藤にクレベルはダブルレッグテイクダウン! ハーフの斎藤は右で脇差し、蹴り上げから立ち上がり。ボディロックするクレベルの捨て身気味の投げを潰して上に。  左で差していたクレベルだが背中を着かされたクレベル。上から鉄槌の斎藤に、クレベルも下からヒジ、鉄槌。しかし、上の斎藤は右の鉄槌連打!  クローズドガードは解かないクレベルは腕十字を狙うと上体を立てた斎藤は、片腕を残さないように両腕を入れる。下のクレベルはオモプラッタからスイープ! トップを取り返すが、斎藤もフルガードに戻す。斎藤のトップからのクレベル攻略がここまでは奏功。  3R、前に出るクレベルはダブルレッグから引き込み。左で差して崩しに行くが、右で小手を巻いた斎藤はコーナーで立ちに。さらに自らダブルレッグへ。小外がけテイクダウン!  トップを取った斎藤に、しかしクレベルは右で首を抱えて左でオーバーフックで足で跳ね上げフックスイープからトップを奪うと、斎藤がハーフに足をからめようとしたことを利して足もかけてダースチョーク! 「ボペガー」と叫びながら、少しずつ絞めて最後は斎藤を絞め落とした。  試合後、クレベルは「今日はありがとうございました。今日スーパーカードで出来てめちゃ嬉しいな。でも1人いないな。高田(延彦)さん、ありがとうございました。疲れたなあ。今年は負けて、ベルトも400gで無くして、金原さんにも負ける……すごい難しい。自分の神様を信じている。  私は今年で変わった。すごい頑張ってる。みんなも仕事とか信じて。ずっと勝ったり負けたりはできない。社長、次、試合、いつですか? 金原と鈴木選手? あっ、鈴木、おめでとう。あれは強いな。忘れてない? 最後あなた負ける、私に。私のチャンス奪った。皆、今年でハッピーニューイヤー! 1、2、3、ボペガー!」と力強く語った。 [nextpage] ▼第14試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇平本 蓮(剛毅會)=65.95kg[判定3-0]×YA-MAN(TARGET SHIBUYA)=65.85kg 平本は、K-1でゴンナパー・ウィラサクレックにKO勝ちするなど活躍後、2020年大晦日にRIZINデビュー。萩原京平、鈴木千裕に敗れるも、2022年7月に鈴木博昭にスプリット判定で勝利し、同年11月に弥益ドミネーター聡志に70kg契約で判定勝利し、MMA2連勝をマークした。2023年4月、MMAキャリア5戦目にしてキャリア29戦の斎藤に挑み善戦するも判定2-1で敗れた。  RISEの“キングオブストリート”ことYA-MANは2018年2月にRISEでプロデビューし、当初は目立たない存在だったが2021年5月にRISEでオープンフィンガーグローブ着用試合がスタートすると頭角を現わし、大晦日RIZINに出場すると、皇治に判定勝ちして一気に名をあげた。  2022年6月の『THE MATCH 2022』では芦澤竜誠との因縁の試合をKOで制するも、10月に白鳥大珠に敗れ連勝がストップ。2023年5月にはRIZINにてMMAデビューを果たし、三浦孝太を初回TKOに仕留めた。8月に山口裕人をKOし、初代RISEオープンフィンガーグローブマッチ -65kg級王座に就くと11月にはOFGキック戦で朝倉未来を初回でKO。  ダンサーに囲まれてゴージャスな入場のYA-MANに対し、黒のガウンで、黒の集団に花道で敬礼で送り出されたBLACK ROSEの平本。リングサイドには朝倉未来が見守る。  1R、オーソドックス構えのYA-MANに、サウスポー構えの平本。左右で先に詰めるYA-MANに、平本も右を返すとボディロックでテイクダウンも。すぐに立つYA-MAN。押し込みヒザ。互いに近い距離で戦う。  ローを打つ平本に距離を詰めるYA-MANは組んでコーナーに押し込み、両脇差しからヒジ。押し込んで左右フックのYA-MAN。さらに右ロー。ヒジ。左ローを返す平本に、YA-MANは右をヒット! しかし、平本も左! 左ローを当てる平本は左ストレートを突き刺す。  組むYA-MANは押し込んでヒジもブレーク。右ローの平本。YA-MANの入りに右ストレートを突く平本。しかし押し込みYA-MANが右! さらに詰めてゴング。  2R、先に組んだ平本が四つからテイクダウン。しかしYA-MANもしっかり正対して押し込み、脇を差して右ヒジを打つ。左を当てて、YA-MANの打ち返しには組む平本。離れては左ストレートというよりも突き!  さらにボディロックでリング中央で小外がけを合わせてテイクダウン! 下のYA-MANは背中を見せて立つが、平本はリストコントロール。YA-MANはコーナーで立って正対。ブレーク。  先に前に出るのはYA-MAN。そこに左の突きを狙う平本! さらに詰めたYA-MANに左のテンカオ! 押し込むYA-MANは右ヒザ。離れ際に右ヒジ狙いのYA-MANに、平本は脱力して組んで逆に回してテイクダウン! ハーフで下のままYA-MANはゴングを聞く。  3R、前足が赤くなり軸がぶれるようになったYA-MAN。左右で前に出るが、そこに組んで小外がけテイクダウンは平本! リストコントロールしてバックからヒザ。立ち上がるYA-MANにブレーク。YA-MANが右瞼を横にカット。止血し再開。  平本の左ハイをブロックするYA-MAN。詰めると、平本は組んで前に。体を入れ替えるYA-MAN。コーナーを背に左右を打ち返す平本はコーナーを出る。左ジャブを突く平本。  YA-MANが振ってくると四つに組み。左右を振るYA-MANにダックしてかわす平本。互いに疲弊するが、YA-MANの右をスリッピングアウェー。コーナーに追い込んで右を当てるYA-MANだが平本も左を打ち返す。  判定は3-0で平本が勝利。頭を下げて詰めて強振したYA-MANに、的確に真っ直ぐを突いた平本は、組んでも四つからテイクダウン。序盤は立ったYA-MANだが徐々に削られ、平本がポイントを重ねて勝利した。  勝者・平本は、跪くYA-MANの隣に座り、背中を叩くと、YA-MANは言葉をかわさず咆哮。平本も踵を返して自陣コーナーに戻った。  試合後、マイクを持った平本は、「MMA甘くないからね。YA-MANくん、アマチュア修斗からやり直した方がいいよ。まあ冗談はさておいて、YA-MANが強くて、しょぼい勝ち方になっちゃいましたけど。朝倉未来、お前がブッ飛ばされるから俺がブッ倒したよ。最強になって戻ってきます。サヨナラ」と語った。 [nextpage] ▼第13試合 RIZIN女子スーパーアトム級(49.0kg)5分3R〇伊澤星花(Roys GYM/RIZIN女子スーパーアトム級王者)=48.65kg[2R 0分37秒 サイドチョーク]×山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE22)=48.85kg 25歳の伊澤は、MM11勝無敗の王者。2022年12月の「RIZIN.40」大晦日大会での女子スーパーアトム級ワールドGP決勝戦では、パク・シウと約1年2ヵ月ぶりに再戦すると判定2-1で勝利。GPを制した。2023年5月の「DEEP JEWELS 41」でアム・ザ・ロケットを1R 三角絞めで一本勝ち。7月の『超RIZIN.2』でクレア・ロペスにニンジャチョークを極めている。GPで伊澤が辛勝したパク・シウは山本とも練習しており、伊澤にとっては警戒すべきKRAZY BEE勢との試合になる。 山本は、日本女子レスリング黎明期に軽量級の女王として君臨し、42歳にしてMMA転向後はRENAと2度対戦するなど女子格闘技の人気を押し上げる活躍を見せてきた。2018年から2019年にかけて4連勝をマークも、2020年大みそかの浜崎朱加戦以降、RENA、大島沙緒里を相手に3連敗中で、49歳でMMA最後の試合に臨む。両者は当初、5月の『RIZIN.42』での対戦が決まっていたが、山本の怪我で延期となっていた。レスラー相手に強い山本が、伊澤のテイクダウンをいかに防いで自身の強いポジションを奪うか。サブミッションファイターの伊澤はいかに組んで極めるか。  引退試合でKIDと同じ『I Believe』で入場の山本美憂、カイル・アグオンとアーセンがセコンド。対する伊澤はK-Clannを離れ、夫COROと弟・風我がつく。  1R、拳を合わせなかったサウスポー構えの山本。遠間からダブルレッグテイクダウン! 伊澤はそこにアームインギロチンチョーク! 下から4の字ロックの伊澤に手のクラッチを外して首を抜いた山本は左でパウンド。腕十字もかけさせず、下から再びギロチンチョークを狙う伊澤にここも極めさせずトップキープ。  首を外して立ち上がった伊澤はヒザ。コーナーに押し込む山本はなおもヒザ。伊澤はコーナー背に登ってギロチンチョーク狙いも頭を下げない山本は作らせず。ブレーク。  再びシングルレッグでテイクダウンは山本。ギロチンチョーク狙う伊澤に極めさせず。  2R、足を痛めたか、ギアを上げた伊澤。右前手を突いて、右の蹴りで前に。山本が足を手繰りに行くと、その首を取り、右足でかわずがけで極めると、サイドから門脇チョーク改め伊澤チョーク! タップを奪った。  試合後、伊澤は、リングを去る山本に「山本美憂選手は私が小っちゃい頃からレスリングで活躍していた選手で、総合格闘技を始めた理由のひとつです。いつになっても強くて素敵でかっこよくて、山本美憂選手のようにもっともっと盛り上げて、新しい世代にバトンを繋げられるように頑張ります。私は女子格闘技が大好きですが、あまり好きじゃないという人が多くて悔しいです。もっともっと頑張るので、女子格闘技もよろしくお願いします」と惜別のマイク。  続けて、山本美憂の引退式で、アーセンは「母ちゃんはまた新しいことを見つけて挑戦すると思うので、挑戦を観たら応援よろしくお願いします、I LOVE YOU MAMA!」とコメント。  そして、最後に美憂にマイクが渡され、「まだ悶々としているというか……勝ってリングを降りるつもりだったので。最後と同じで戦績的には良くない選手だったにもかかわらず、RIZINの皆さん、ファンの皆さんがずっと応援してくれているので、こんなに幸せなアスリートがいるのかなと思います。ほんとうに寂しいです。まだいろんなことに挑戦していきます。ここまで支えてくれたコーチ、家族、皆さんに感謝したいと思います。ありがとうございます」と挨拶。10カウントゴングを聞いた。 [nextpage] ▼第12試合 RIZINヘビー級(120.0kg)5分3R×スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT / PUREBRED)=118.90kg[2R 0分55秒 TKO] ※左ヒザ→パウンド〇上田幹雄(BRAVE)=110.55kg スダリオは、大相撲で元貴ノ富士として活躍。2018年の3月場所で新十両昇進も2019年10月に引退。エンセン井上の指導を受けて、2020年9月の「RIZIN.24」でMMAデビュー。ディラン・ジェイムスにTKO勝ち。同年大晦日にはミノワマンにカーフキックを効かせ、TKO勝ち。21年3月に宮本和志を1Rわずか8秒でマットに沈め3連勝。試合後に渡米し強化合宿するが、6月の東京ドーム大会で柔術黒帯のシビサイ頌真に3Rにリアネイキッドチョークを極められ初黒星を喫する。  再渡米から10月の横浜大会ではSAINT相手に再起戦を白星で飾ると、手術とリハビリを経て、22年7月に約9カ月ぶりとなった関根“シュレック”秀樹戦で1R 53秒で復帰戦勝利。大晦日にマーク・ハントの弟子であるジュニア・タファにTKO負け。23年4月のロッキー・マルティネス戦でフルマークの判定勝ちを収めた。23年9月の「RIZIN.44」で元UFCファイターのトッド・ダフィーと対戦予定も、ダフィーの欠場により翌10月に「RIZIN LANDMARK 6」で韓国のイム・ドンファンに3R TKO勝ちを収めている。 上田は、極真会館2019年第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会優勝者。BRAVEの宮田和幸コーチの元でMMAの練習を積み、22年4月の「RIZIN.35」で高阪剛相手にMMAデビューも高阪の右フックを被弾しTKO負け。  RIZIN2戦目となった23年6月のRIZIN.43で関根“シュレック”秀樹と対戦し、1R早々に得意の近距離での左上段の蹴りでシュレックをマットに沈めTKO勝利、RIZIN初白星を飾った。2023年9月10日の「ReBOOT~K-1 ReBIRTH~」ではK-Jeeに2R KO勝ちしている。  1R、サウスポー構えから歩くように体を入れ替え、左インロー、前蹴りは上田。バックステップのスダリオ。上田はスダリオの詰めに左前蹴り。スダリオは右フックで詰めるがさばく上田は左の蹴りを上下に突く。  中央に戻した上田は、左前蹴り、右下段蹴り。さらに左ハイ! かろうじてブロックしたスダリオは左で差して組むと押し込んでボディロックでヒザを着かせる。背中を見せたコーナーで立つ上田は、ボディロックするスダリオに左をこつこつ突き、正対してヒザを突き、スタンドに戻す。  スダリオの左をさばき歩いて左上段の蹴り、続けて左中段の蹴りを腹にヒットさせる上田! 後ろ蹴りも見せたところでゴング。  2R、左を突いて前に出たスダリオを左ヒザ、左ストレートで押し返す上田。右インローを当てるスダリオに、上田は右カーフを当ててか詰めてきたスダリオに近距離でのフルコンタクト空手の回さない左上段蹴り! ヒザをアゴにもらい崩れたスダリオにパウンドラッシュ! 気が戻ったスダリオだが、防御できず連打にレフェリーが間に入った。  まさに「一撃」フィニッシュを決めた上田は、リング上で「いま現在、日本で一番強いヘビー級は僕でいいですか? いろんなところで試合後、勝って言いたいことがある、と言ってました。榊原社長、RIZINのヘビー級のベルトを作ってください。僕が日本人の底力を見せたいと思います!」と力強く語った。 [nextpage] ▼第11試合 RIZINフライ級(-57.0kg) 5分3R〇扇久保博正(パラエストラ松戸)=56.90kg[判定3-0] ×ジョン・ドッドソン(米国)=56.95kg 扇久保は、2012年に岡嵜康悦に一本勝ちで修斗世界フェザー級王座を獲得。13年に堀口恭司に敗れ王座陥落も、14年のVTJフライ級トーナメントでは春日井健士、カナ・ハヤット、シーザー・スクラヴォスに勝利し優勝。16年4月に修斗世界フライ級(-56.7kg)王者の菅原雅顕に一本勝ちで二階級制覇を達成。  16年7月からにTUFに参加すると、一回戦でエンカジムーロ・ズールーに一本勝ち。準々決勝でアダム・アントリンに判定勝ち。準決勝で現UFC世界王者のアレッシャンドリ・パントージャに判定勝ちを収めるも、決勝戦でティム・エリオットに判定負けを喫し準優勝となった。扇久保より下の戦績の選手らがUFC入りを決めるなか、扇久保にオファーは来ず。2019年7月からRIZIN参戦を決意。  2020年8月の「RIZINバンタム級王座決定戦」では朝倉海に敗れ戴冠ならずも、2021年のRIZINバンタム級JAPAN GPで春日井“寒天”たけし、大塚隆史、井上直樹、朝倉海を下し、優勝。  2022年9月にキム・スーチョルに判定負け後、2022年大晦日からフライ級に転向も堀口恭司に判定負け。2023年7月『超RIZIN.2』で、朝倉海の負傷欠場を受けて、バンタム級に戻してフアン・アーチュレッタと対戦するも判定負けで王座獲得ならず。今回は、再びフライ級に戻して、UFC世界王座に2度挑戦の実績を持つドッドソンと戦う。 対するドッドソンは、UFC10勝7敗。2013年1月と2015年9月に2度、UFC世界フライ級王座に挑戦している強豪で、2020年8月の最後のUFC以降は、ベアナックル・ボクシングのBKFCで3連勝。2022年大晦日にRIZINに初参戦し、所英男に1R TKO勝ち後、2023年5月の前戦で竿本樹生に判定勝ち。現在、MMA3連勝中だ。  1R、サウスポー構えのドッドソン。オーソの扇久保。詰めるドッドソンは右ジャブから左で詰め、互いにインロー。左右から詰めて両差しでコーナーに押し込んだ扇久保はボディロックから持ち上げ2回回してテイクダウン!  ハーフから左で脇差しパスガード。サイドから細かいパウンド。背中を着けたドッドソンに右で枕、時折パウンドを落として手首を持ってアームロック狙いも。腕を戻したドッドソンに細かいパウンド、ヒザを入れた扇久保はマウントへ! 左右を連打で突いてドッドソンを追い込む。  2R、右三日月蹴りが若干のローブローも気にせず再開を希望したドッドソン。ドッドソンの詰めに右の蹴りは扇久保。左ストレートの詰めにも右の蹴りを返す。喧嘩四つでローブローになるもドッドソンはすぐに再開。  右から左の蹴りは扇久保。ドッドソンの入りの右も強振する。右の三日月蹴りがドッドソンに圧力をかけている扇久保。頭を下げての入りにはドッドソンも左ミドルを狙う。ドッドソンの右の蹴りに右ストレートを狙う扇久保。  蹴り足を掴んでの押し込みも、ドッドソンはニンジャチョーク狙い。離れた扇久保はさらに右ハイも、それを肩口で掴んだドッドソンが押し込み。扇久保は外がけから足関節狙いでゴング。  3R、先に右ローは扇久保。ドッドソンの角度を変えた左ダブルをかわし、さらに左右のラッシュの前進もさばく。右三日月蹴りの扇久保は左フックも。ドッドソンは左インローも、扇久保は走り込んでのダブルレッグ。差し上げるドッドソンにいったん離れてすぐにダブルレッグに再びトライ。コーナー背に座って防ぐドッドソンは左足をロープ下に逃してスプロール。押し戻してコーナー背に立つ。  押し込みヒザを突く扇久保に、ブレーク。左の蹴り、テイクダウンディフェイントの扇久保は、近い距離で右ハイをガード上に当てると、左の上段蹴りも打ち込んで扇久保。ゴング。  判定は初回にテイクダウン&コントロールで組みのプレッシャーにより、以降のドッドソンの打撃にも圧力をかけ、得意の左右の空手の蹴りも活かした扇久保が3-0で勝利。2年ぶりの白星を掴んだ扇久保は、元UFC、そしてRIZIN2連勝中&ベアナックルファイト王者のドッドソン越えを果たした。 [nextpage] ▼第10試合 RIZINバンタム級(61kg)5分3R×元谷友貴(アメリカン・トップチーム)=61.0kg[判定0-3]〇ヴィンス・モラレス(Syndicate MMA)=60.75kg  34歳の元谷は、2021年12月の金太郎戦から、アラン“ヒロ”ヤマニハ、太田忍、倉本一真、ホジェリオ・ボントリンを相手に5連勝。2023年5月に朝倉海と対戦し、3R KO負け。2023年11月11日のDEEPでCOROを2R TKOに下し、再起を遂げたばかり。  33歳のモラレスはMMA13勝7敗でUFC3勝5敗・Bellator2勝0敗。2023年5月には『XMMA 6』で石原夜叉坊と対戦し、夜叉坊の左インローにワンツーを合わせてダウンを奪うと、がぶりから得意のダースチョークを極めている。ジャパントップチームで朝倉海とのファイトキャンプを経て今回RIZIN初参戦。  1R、ともにオーソドックス構え。左右フックのモラレスをさばく元谷に圧力をかけてコーナーに詰める。元谷は左フック。コーナーに詰めたモラレスの左の蹴りがローブロー気味も続行。  ワンツーから左ハイに繋げるモラレス。ブロッキングの元谷に、元谷は、左右を腹にも突き上下にまとめる。右フックを返す元谷。モラレスはコーナーに詰めて首相撲ヒザ。テイクダウンには行かず、突いて離れる。  右カーフを返す元谷に、モラレスは左右で詰めて元谷の蹴りに合わせて初めてダブルレッグテイクダウン。コーナーで下になる元谷はハーフに。いったん体を離し、足をさばくモラレスに、出血の元谷は背中を見せて立ちあがったところでゴング。  2R、右前蹴り、長いジャブ、左右で前蹴りを放つモラエス。中に入れない元谷だが、ダブルレッグをドライブしてテイクダウン。し奥の手首をコントロールするが、立つモラレス。モラレスの左を受けて左を返した元谷はダブルレッグテイクダウン!  コーナー下で両足を束ねる元谷はリストコントロールするが、回って手首を外したモラレスは細かい左右。右アッパーを突き、元谷の右ローにショートをまとめる。  3R、先に右カーフを当てる元谷。右の相打ちも左の蹴りを返すモラレス。元谷は詰めて左も、モラレスは巧みなステップで回ってかわす。右を当てる元谷に、右アッパーを返して細かくまとめるモラレス。  このラウンドもダブルレッグテイクダウンは元谷。マット中央でモラレスを寝かせる。スイッチの腕を差し込むモラレスは、バック狙いの元谷に足をかけさせず落として、スクランブルから足を手繰る元谷にギロチンチョーク狙い。しかし対角に右足を抜いた元谷はハーフから肩固め狙い。背中を見せて立とうとするモラレスのバックに!  しかし右腕の脇を潜るモラレスは正対際からダースチョーク、さらにペルヴィアンネックタイのチョーク狙い。それを外した元谷が上からパウンドもゴング。  判定はボクシング技術で上回り、スクランブルでも強さを見せたモラレスが3-0で勝利。JTTのロゴをつけたモラレスがRIZIN初勝利を飾った。 [nextpage] ▼第9試合 RIZINバンタム級(-61.0kg)5分3R〇太田 忍(パラエストラ柏)=61.0kg[1R 2分21秒 TKO] ※パウンド×芦澤竜誠(フリー)=61.0kg  太田は、2016年リオ五輪グレコローマンレスリング59kg級銀メダル、2019年ヌルスルタン世界選手権63kg級金メダル。2020年大晦日の『RIZIN.26』でMMAデビューし、所英男に2R 腕十字で一本負けも久保優太、祖根寿麻に連勝。2022年7月に元谷友貴の総合力の前に判定負けしたが、2023年4月の 『RIZIN LANDMARK 5』でレスリング時代に1勝2敗と負け越していた倉本一真に1R、右フックでKO勝ち。2023年7月の『超RIZIN.2』では、ストライカーの瀧澤謙太にもスタンドバックからのパンチ連打で瀧澤を場外逃避させ、1R TKO勝ち。  10月の前戦では、63.0kg契約で元ONE Championshipの佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)と対戦し、判定負け。MMA戦績4勝3敗。  対する芦澤は、2018年6月の第2代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで第3位に輝き、9月には小澤海斗に勝利。スーパー・フェザー級に階級を上げて臨んだ2019年6月に大岩龍矢に敗れて引退を表明したが、2020年9月のK-1 DX「芦澤竜誠を殴りたいやつ、大募集」で現役復帰を宣言。  2021年9月にはかつて敗れた卜部弘嵩と約3年ぶりに再戦し、リベンジに成功した。2022年6月19日の『THE MATCH 2022』にてRISEのYA-MANとオープンフィンガーグローブマッチで激突もKO負け。  12月にK-1との契約満了を発表すると大晦日にRIZIN参戦を表明。2023年4月、因縁の皇治に判定勝ちするとキックは引退、MMAに専念するとしていた。  1R、ともにオーソドックス構え。遠間に立つ芦澤は左右の足を入れ替えるが、素早いダブルレッグテイクダウンは太田。  背中を着いた芦澤は予告通り、下からヒジ打ち。しかし右手で枕に巻いた太田は、左足をパスしてハーフから右脇を流して肩固め狙い。さらに脇を差してきた芦澤に、がぶり返しから上になりダースチョークへ。  両手を組んで外したかに見えた芦澤だが、太田が自ら外したか。すでに身体が伸びている芦澤に、上の太田が右のパウンド2発のダメ押しで、すぐにレフェリーが間に入った。  試合後、太田は「あれ、なんかあった? なんかあった? 芦田選手が真剣にMMAをやっていたのを知っているので拍手を。来年からベルトを目指して頑張ります。あと、この後、扇久保選手が戦います。パラエストラ千葉ネットワークをよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 RIZIN MMA特別ルール 65kg契約 5分2R×三浦孝太(BRAVE)=64.90kg[2R 0分59秒 TKO] ※サッカーボールキック〇皇治(TEAM ONE)=64.95kg “キング・カズ”こと三浦知良の次男の三浦孝太は、2021年の大晦日にMMAデビューし、YUSHIにサッカーキックでTKO勝利。2022年8月にはタイでエキシビションのキックボクシングマッチとしてブアカーオと対戦し、3Rレフェリーストップ(勝敗無し)。  9月のMMA第2戦ではブンチュアイに1Rで腕十字で勝利した。2023年5月はYA-MANにTKO負け、7月には再びタイでムエタイのエキシビションマッチを行い、ジョーカーと時間切れで引き分けている。  皇治は、2021年大晦日のRIZINでYA-MANに判定負け後、2022年3月に梅野源治に判定勝ち。2022年5月にはHEATでダウサコン・モータッサナイにスプリット判定勝ち。2022年9月と11月にはボクシングルールのエキシビションを行い、約1年ぶりとなった2023年4月のキックルールでは芦澤竜誠に判定2-1で敗れた。試合後には引退を宣言したが、MMAファイターとして今回復帰する。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央を取る皇治。ワンツーを振る皇治を距離でかわす三浦は、序盤は組みではガード高めのムエタイスタイルから速い右カーフ。さらに右ロー。  ワンツーで飛び込む皇治をバックステップでかわす三浦。さらにスリーまでつなげる皇治も三浦の詰めに右ローを2発。しかしコーナーに詰まると三浦の右がかすめる。皇治も左を返して押し戻すと右の三日月蹴り。  ワンツースリーで前に出る皇治。バックステップの三浦の入りに左前手を合わせに行く皇治。皇治は右からコーナーに詰めて細かく左右も出る三浦。右の打ち終わりに左を突くと、バランスを崩す三浦。コーナーを出て右を振るが、皇治は左ボディ!  三浦のシングルレッグを切ってがぶりの皇治は左右パウンドで三浦が鼻血を流す。  2R、じりじりと詰める三浦はダブルレッグからコーナーに詰めるが、差し上げて顔を剥がしてヒザ蹴りで押し戻す皇治は、右ヒジ、左ボディ。ロープ背にダブルレッグに入る三浦をがぶり。三浦はレッスルアップで立ち上がり押し込むが、左ヒジを当てた皇治は、崩れた三浦にパウンドラッシュ! サイドからパウンド、立ち上がりサッカーキック3連打! レフェリーが間に入った。  三浦は鼻から出血。MMAデビュー戦をTKO勝利で飾り、涙を見せる青木真也と熱いハグをかわした皇治。  皇治は、「ちょっとステロイド打ったら、こんな感じになっちゃうな。パンチあるわ。木村ミノルせこいな……まあそれは冗談で。いつもホンマにありがとうございます。34歳で格闘家としてはおっさんかもしれないですけど、諦めずに歳考えずに挑戦したらいいことある。三浦選手は、僕に無いものを持って生まれたときからいろんなものを背負って重圧のなかでやってきてリスペクトしています。……もう卒業したよ。でもやっぱりモテてしゃーないな。芦澤竜誠、根性見せろよ。次の大阪大会で俺が絶対、神経締めしてやるから。芦澤、応援してるぞ。根性見せろよ。よいお年を。あーかっこいいよね」と、4月の大坂大会での対戦候補となっている因縁の相手にエールを贈り、マイクを締めた。 [nextpage] ▼第7試合 RIZINウェルター級(77.0kg)5分3R〇イゴール・タナベ(セラヴィー)=76.90kg[1R 1分32秒 リアネイキドチョーク]×安西信昌(TEAM CLIMB)=76.95kg  23歳のイゴール・タナベは、柔術世界選手権で、ジュブナイル青帯&紫帯で優勝、茶帯で3位と、すべての帯色でメダルを獲得。黒帯ではJBJJF全日本大会で21年・22年に階級と無差別の両方で優勝し2連覇を達成。  2021年11月のHEATでプロMMAデビューし、清水洸志に三角絞めで一本勝ち。2022年12月の巌流島でメルヴィン・マヌーフにヒールフックを極めMMA2連勝を飾ると、2023年7月の『超RIZIN.2』でRIZIN初参戦。ミドル級(84kg)契約で元DEEPウェルター級王者の阿部大治を1R、内ヒールフックに極めてバーバルタップアウト勝ち。RIZINデビューを勝利で飾ると、10月には元K-1ファイターのANIMAL☆KOJIも三角絞めで仕留めた。 MMA9勝5敗の安西は、アジア・ジュニア選手権5位などの実績を持つグレコローマンレスラー。2014年6月に川村亮にTKO勝ちしPANCRASEミドル級王座獲得。同年8月からUFCに参戦し、2015年9月にロジャー・ザパタにTKO勝ちでオクタゴン初勝利。  2017年9月にルーク・ジュモーに判定勝ちでUFC連勝も、2018年6月にジェイク・マシューズに1R TKO負けでリリース。DEEPでの1戦を経て、2019年12月のBELLATOR JAPANでマイケル・ペイジと対戦し、KO負けして以来の試合となった2023年5月のヴィクトル・ヴァレンズエラ戦では2RでTKO負けしている。  1R、ともにオーソドックス構え。左ボディストレートを見せる安西に、タナベは右ローを2発。安西の詰めにダブルレッグからすぐにバックテイク。右足をかけるとコーナー背に座る安西に4の字ロック。顎上から右腕を喉に、さらに左腕に巻き替えて右手首を持つ形でリアネイキドチョーク、頸動脈を絞めて極めた。  5戦連続、1R一本勝ちを極めたタナベは、マウスピースを外して「絶対、泣くんですけど、ほんとうに昨日は公開計量行かずに申し訳ございませんでした。水抜き本当は7.5kgを一晩で落として、どうしても回復できなかったです。絶対に大晦日出たかったし、家族にもっといいい暮らしをさせたいし、ずっと体重を落として、家族に八つ当たりもしてしまった、僕はほんとうに恵まれています。今日は僕がウェルター級トップになる第1章でした」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 RIZINフライ級(-57.0kg) 5分3R×新井 丈(和術慧舟會HEARTS)=56.85kg[2R 2分53秒 TKO] ※左フック、右ハイ、右フック〇ヒロヤ(ジャパントップチーム)=56.65kg  新井は、修斗史上初となる二階級同時制覇王者。強打を武器に、2016年3月にプロデビューも、弱点だった寝技に持ち込まれて2016年9月からMMA9連敗。しかし、和術慧舟會HEARTSに移籍し、組み技も強化し、強打を武器に怒涛の11連勝で修斗ストロー級(52.2kg)&フライ級(56.7kg)王者に輝いた。“ネバー・ギブアップ”を信条に、W王者となった2023年11月19日の前戦では、高谷裕之の愛弟子・山内渉と倒し倒されの大激闘の末、3R 2分55秒 KO勝ち。年間ベストバウトの呼び声高い名勝負を繰り広げたばかり。  1階級上のフライ級のベルトも獲得し、わずか1カ月12日間のインターバルで大晦日RIZINに初参戦する。  対するヒロヤは、DEEPを主戦場に、2021年10月からは4勝1敗と好戦績を挙げるも、2023年5月のDEEPで安谷屋智弘に判定負け。7月のRIZINで伊藤裕樹に、10月に中村優作にいずれもフライ級より1kg重い58kg契約で判定負けで3連敗中。しかし、粘りい強いテイクダウンと蹴りもある打撃で、伊藤と中村にはスプリット判定で惜敗しており、2023年に大きく飛躍している。  1R、ともにオーソドックス構え。いきおいよく中央に出た両者。先に詰める新井。左ジャブで前に。左ローのヒロヤに、ヒロヤはダブルレッグも、最初の組みを切る。左の蹴りを突くヒロヤに新井は右を突くと、ヒロヤのローシングルを切ってすぐに詰める。  左から右、さらに右で前に出る新井。右で差してコーナーに押し込むが、ヒロヤが体を入れ替えるとコーナーからすぐに出る。左ボディを当てて前に出る新井。ヒロヤは左の蹴り。詰める新井はヒロヤの左ジャブを交わして右! コーナーに詰めると左ボディ、ヒロヤのジャブをかわして右と繋ぐが、ヒロヤはブロックしてダブルレッグへ。  ここも切った新井は左から右。ヒロヤは2度テイクダウンアテンプトからコーナーに押し込みシングルレッグを狙うが、組ませない新井。  2R、アッパーから突っ込んでくるヒロヤを差し上げる新井。コーナーに押し込むヒロヤを突き放す。足を取りにくるヒロヤを離して左ボディは新井。  ヒロヤは右ハイ。そこに新居は左フックを返す。左から右をブロック上に当てて前に出る新井。下がるヒロヤは右ミドル! しかし右アッパーを突く新井は右をヒット!  さらに左右フックで前に出るが詰め切れず。ヒロヤの左フックをもらった新井が下がると、ヒロヤはコーナーに詰めて右ハイ! 足が止まった新井に右の打ち下ろしを2発当ててダウンを奪うとパウンドにレフェリーが間に入った。  試合後、ヒロヤは「3度目の正直、応援してくれたみんなありがとう。この場を借りて朝倉未来さんに。僕が格闘技をやっているのは朝倉未来がきっかけです。背中を押されて俺でも出来ると思って、地下から大晦日、チャンピオンに勝てました。希望、夢を与えてくれてありがとうございました。俺は絶対トップに行くんで応援よろしくお願いします」と語った。新井は本来の階級差が響いたか、また激闘の試合からのダメージも抜け切れていないままヒロヤに攻略された。 [nextpage] ▼第5試合 RIZIN MMA特別ルール 70.0kg契約 5分2R〇久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)=69.80kg[1R 4分28秒 リアネイキドチョーク]×安保瑠輝也(MFL team CLUB es)=69.85kg  久保はテコンドーからキックボクシングに転向し、高校2年生でプロデビュー。キックボクシングでNJKFフェザー級王座、WPMO世界スーパーフェザー級王座、K-1 WORLD MAX 2011 -63kg日本トーナメント優勝、ISKAオリエンタル世界ライトウェルター級王座、Krush -67kg王座、GLORYフェザー級SLAM世界トーナメント2013で優勝など多くのタイトルを獲得し、2014年にはK-1 WORLD GP初代ウェルター級王者となった。RIZINには2021年9月に電撃参戦、MMAデビュー戦を行ったが太田忍に判定負け。 2021年大晦日ではシバターと対戦して跳びつき腕十字に敗れたが、試合前に両者の間で申し合わせが行われていたことが判明。大きな騒動となり、久保は選手活動を自粛した。2022年11月、禊の復帰戦では奥田啓介をパウンドでTKOに破りMMA初勝利。2023年6月の第2戦では木下カラテを判定2-1で破り2連勝。  K-1出身選手同士のMMAルール。グローブタッチで久保のグローブを叩いた安保。  1R、サウスポー構えの久保とオーソドックス構えの安保。前後のステップの久保はニータップ。かわした安保に久保は右ストレートもかわす久保。安保は圧力をかけると右ハイ。その打ち終わりに久保がシングルレッグへ。  テイクダウンに胴を抱えて後方に回す安保だが、久保は足で安保の両足を束ねてそのままマウントへ。下から抱きつく安保の顔を剥がしてヒジ、鉄槌。安保のブリッジを潰してマウントから細かい鉄槌。背中を着けた安保は左脇を差し上げるが、そこにバックマウントを合わせた久保は、定石通り、安保の足を伸ばしてリアネイキドチョークへ。タップを奪った。  一本勝ちを決めた久保は、試合後、「安保選手がリアネイキドチョークと言っていたので、実は僕も狙っていました。伏線回収といったところでしょうか。開会式(オープニングセレモニー後)を託されたのでそれなりに激しい試合をしようと思いました。サラちゃんの歌に賛否両論あると思うんですけど良かったです。安保選手、今日は僕の方が先輩なんで、これに懲りず、K-1出身としてともにMMA頑張りましょう。来年はタイトルに絡むように頑張ります。必ずチャンピオンになります」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R×弥益ドミネーター聡志(team SOS)=65.75kg[2R 1分03秒 KO] ※右オーバーハンド→パウンド〇新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)=65.85kg  元DEEPフェザー級王者で、MMA13勝7敗の弥益は、2020年大晦日に朝倉未来に1R KO負けも、2021年6月に“ブラックパンサー”ベイノアと73kg契約で対戦し、スプリット判定勝ち。2022年3月に66kg契約で萩原京平に1R 腕ひしぎ三角固めで一本勝ちして2連勝を収めたが、11月に平本蓮と70kg契約で対戦して判定負け。1年1カ月ぶりの再起を果たす。  新居は現在4連勝中。2022年7月にハンセン玲雄を、2022年12月に高木凌をいずれも1Rにアームロックで仕留めると、6月の『RIZIN.43』北海道大会では、かつての練習仲間の飯田健夫を1RでKO。9月のPANCRASE第10代フェザー級王座決定戦では亀井晨佑を2Rにセンタク挟みで仕留め、王座に就いている。  1R、ともにオーソドックス構え。左右の足を入れ替える弥益に、新居が先に中央を取り、圧力をかける。サークリングする弥益。右カーフを当てると、2発目に新居が足を滑らせる。レベルチェンジから右カーフを当てる弥益。新居は左右から右アッパーも突くが、さばく弥益が下がりながら右を当てて距離を取ると、右カーフ!  いったん間合いを取る新居。右を振って前進。弥益の右ローに右ストレートを合わせに行くが、防御する弥益。左ボディから詰める新居。  しかし弥益は足をシャッフルして頭の位置を変える。弥益の右ローを受けた新居は左から右アッパーも、弥益はコーナーに詰まらずサークリング。  2R、新居にとっては“延長戦”の2R目。右を突く弥益の打ち終わりにワンツースリーフォーと前に出る新居。真っすぐ下がるようになった弥益はコーナーから出て右カーフを効かせるが、その2発目のローキックに新居は左から右オーバーハンド! 弥益が後方に大の字に倒れたところにパウンド! レフェリーが間に入った。  試合後、新居は「僕が夢見ていた大舞台。RIZIN大晦日でオープニング前に火をつけることができてとても嬉しいです。ドミネーター選手いい経験させてくれてありがとうございました。弥益選手は門番だと思ってるのでフェザー級の上層部のやつら、腕取りに行きます。腕取るかKOするので待っていてください。北海道の先輩、病気で『すぐるの大晦日までは持ちたい』と言ってくれていたのですが、先週亡くなって。きっと見ていてくれたと思うので伝えたいです。先輩勝ったよ!」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 RIZIN KICKルール(OFG着用)60.0kg契約 3分3R〇篠塚辰樹(MASTER BRIDGE SOUND/Krushフェザー級王者)=59.95kg[判定3-0] ※30-26×2, 29-26×冨澤大智(フリー)=59.80kg  篠塚はボクシングでアマチュア時代にインターハイベスト8の戦績を残し、プロ転向後はA級ボクサーとして3勝(2KO)1敗の戦績。2018年2月にキックボクシングに転向し、TEAM TEPPEN所属として2018年2月にRISEでプロデビュー。2019年5月の森本”狂犬”義久戦は因縁の対決として話題となったが、延長戦の末に敗れた。2021年3月にK-1初参戦を果たし、延長戦で小澤海斗に判定2-1で勝利。2021年12月にはKrushフェザー級王座に挑戦したが、新美貴士にKOで敗れる。2023年3月の復帰戦で林勇汰をKOすると、7月には佑典もKO。10月に森坂陸を判定2-0で破りKrushフェザー級王座に就いた。キックボクシング戦績は11勝(8KO)3敗。  冨澤は2019年にABEMAで放映された『格闘代理戦争 4th Season』にTEAM武尊のメンバーとして出演。番組終了後はK-1ジム総本部チームペガサスに入門し、2021年10月に『Krush-EX』でプロデビュー。渚に判定勝ちし、2022年1月の『Krush.133』でも内田竜斗に判定勝ち。プロ戦績はこの2戦のみ。  BreakingDown初出場となった2022年11月の『BreakingDown6』ではDEEPファイターのヒロヤと初のMMAルールで対戦して敗れたが、12月の『BreakingDown6.5』では本来のキックルールでとしぞうを圧倒して初勝利をあげた。  2023年3月の『BreakingDown7.5』では空手世界王者ダンチメン・あつきとの対決を制し、5月も戸塚悠人に勝利、7月の『BreakingDown8.5』では朝倉未来がそのポテンシャルを高く評価していた虎之介も秒殺KO、8月にも竜毅をKO、11月23日にはBreakingDownバンタム級トーナメント1回戦で虎之介をKOで返り討ちにして6連勝をあげた。  1R、サウスポー構えの冨澤が予告通り先に仕掛けるが、さばく篠塚はジャブ、さらにオーソから左を効かせてダウンを奪う。立ち上がった冨澤に、右インローの篠塚は、冨澤の左右の大振りをバックステップでかわして、冨澤の突進に頭を下げたときにバッティング。  再開。前に出ながら左右ミドルの冨澤だが、詰めてバランスを崩れるのは冨澤。前手を突きながら、冨澤の左右を距離でかわす篠塚。冨澤は左ミドルも、篠塚はワンツーからコーナーに詰めて右ヒザ! 左ジャブで間合いを制する篠塚は懐深く冨澤を入らせない。  2R、先に右ローの冨澤に、篠塚はジャブ、ガード低めにバックステップとスウェイも混ぜて冨澤をかわすと、入りにはクリンチ。左ボディから左フックの上下のダブルも見せる。右ローを突く篠塚。冨澤は右から左をかすめるが、篠塚は左ボディ。篠塚との距離が近くなると右ヒザをヒット。  篠塚は右ボディストレートも、冨澤も左ミドルを腹に返す。篠塚は左ジャブ、さらにボディから顔面へと打ち分ける。  3R、詰める冨澤。そこに左ジャブを合わせる篠塚は、ワンツーからヒザに繋げる。上半身を立てて空手の構えを採り入れた篠塚。冨澤はワンツーもかわした篠塚は、左を向いて“当たらないよ”と笑顔。冨澤は右ローから一気に前に出ると左をヒット!  しかし篠塚も右を返すと、近い距離に勝機を見出したい冨澤は左フックを当てて左右で前に。篠塚は誘い出したか、冨澤の左をかわしてその打ち終わりに右ストレート! 2つ目のダウンを奪うと仁王立ち。最後も冨澤をさばいてゴング。冨澤は跪いて号泣した。  判定は3-0(30-26×2, 29-26)で2ダウンを奪った篠塚が勝利。平本丈に続き、BLACK ROSE2連勝をマークした。 [nextpage] ▼第2試合 54kg契約 5分3R〇那須川龍心(TEAM TEPPEN)=53.85kg[2R 2分16秒 TKO] ※パウンド×シン・ジョンミン(韓国)=53.80kg  那須川天心の弟・龍心はアマチュア大会で数々の優勝を経て、2022年4月のRISEでプロデビュー。2戦目で6月の『THE MATCH 2022』でK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星を喫したが、フライ級に階級を下げると3連勝。  2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れ、6月にアマチュア時代のライバルだった相沢晟に判定勝ちで再起。8月にMA日本バンタム級王者のJINに判定勝ち。12月には龍太郎がTKO勝ちしている。戦績は7勝(2KO)2敗。  2016年12月に兄・天心がRIZIN初参戦でMMAに挑戦したのと同じく、MMAデビュー戦に臨む。  ジョンミンは15歳の時に那須川天心の試合を見て憧れ、キックボクシングを習い始めたという。アマチュア大会で5戦4勝1敗の戦績を残し、2022年8月にプロデビュー。2023年8月には初来日を果たし、福岡で開催されたKING OF STRIKERS 41で王者の堀凌生とメインイベントで対戦。1R序盤から積極的に攻め相手からダウンを奪うも、2Rにダウンを許し逆転TKO負けとなった。戦績は2勝2敗。同じくMMAはデビュー戦。  リングサイドで那須川天心が見守るなか、ゴング。  1R、ともにオーソドックス構え。那須川は右ローを空振り。ジョンミンの右ローを掴んでテイクダウンすると踏みつけの那須川。しかし下のジョンミンは四角から三角絞めへ。右腕を伸ばすジョンミンだが左腕も入っている那須川。ジョンミンは腕十字に移行して極めに行くが、またいだ那須川は踏みつけ! しかしジョンミンはなおも絞る。  ヒジを抜いた那須川が上に。下のジョンミンは右足でジャンピングフットスタンプ! かわしたジョンミンが立ち上がるとボディロックテイクダウン! 鼻血の那須川の背中をマットに着けさせると、ハーフから左で枕に。那須川が腰を切り、フルガードに戻すと、ジョンミンはインサイドガードからパウンドでゴング。  2R、右カーフから入る那須川。さらに左ジャブ、ワンツーもかわすジョンミン。右ハイのジョンミンをスウェイでかわす那須川。那須川の右カーフにローシングルレッグに入るジョンミンだが、スプロールする那須川はがぶりからニンジャチョーク狙い。  正対したジョンミンにマウント、バックマウントも、ジョンミンは蹴り上げで足を戻す。しかし足をさばいた那須川が右のパウンドを入れると、ジョンミンの動きが止まり、那須川が一気にパウンドラッシュ! 足を戻したジョンミンだが、顔面を固めて防戦一方。レフェリーが間に入った。  試合後、那須川は「やったぞ!ほんとうにやるまで怖くて……こうやって危なかったですけど勝てて良かったです。これからもMMAをやっていきたいんで、もっともっと強くなるので応援よろしくお願いします」と、MMA継続挑戦を語った。 [nextpage] ▼第1試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R×YUSHI(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)=60.60kg[判定0-3]〇平本 丈(剛毅會)=60.70kg  YUSHIはアマチュアキック8戦7勝1敗。最強ホストを決める地下格闘技『宴』の元軽量級王者で、2021年RIZIN大晦日での三浦孝太戦がMMAデビュー戦となった。その試合では1R3分ちょうど、三浦のサッカーキックでTKO負けを喫したが、そのアグレッシブなファイトスタイルと入場シーンで一躍話題に。BRAVE GYMや朝倉未来との練習を積んで臨んだ2戦目では、ZENKIに2RでTKO勝ち。3戦目では同じく宴王者の覇留樹にリアネイキドチョークで勝利した。そして2022年大晦日のRIZINにも第1試合に出場し、地下格闘技の帝王・中澤達也に勝利。2023年は2月にBreakingDownに出場し、こめおにKO勝ちした。  兄・蓮の影響で5歳よりキックボクシングを習い始め、2020年大晦日に蓮がMMAに挑戦した姿に刺激を受けて、自身もMMAに転向。2021年に放送されたABEMAの格闘オーディション番組「格闘 DREAMERS」にエントリーしていたが、事前に行われたPCR検査で陽性が出た為に泣く泣く断念。  しかし、その番組の2次オーディションを突破した名津井颯の入れ替え戦に参戦というチャンスを手にすると、勝利を掴み取った。最終審査では同じくストライカーの鈴木崇矢との対戦も、2R終了時に試合前から怪我していた左足が動かなくなり棄権。2023年3月のGLADIATORで約2年振りの復帰、そしてアマチュアMMAデビューを果たしたがKO負けを喫した。  1R、ともにオーソドックス構え。YUSHIは両脛にサポーターを着用。先に右ローはYUSHI。その入りに平本は左ジャブでYUSHIのバランスを崩す。詰めた左で差したYUSHI。平本は右で小手。YUSHIは投げに捨て身で崩れるが、差して立ち上がる。  スタンド、右ローを突くYUSHI。左右を突く平本に、YUSHIは右のスーパーマンパンチも平本はかわす。左インローは平本。さらに右カーフにバランスを崩すYUSHIは右の飛び込みも、かわす平本。右を振ってニータップでテイクダウンのYUSHI。平本の立ち際に右足をかけてスタンドバックに。  右肩を入れた平本は正対してボディロック、右ヒザを突き後方にテイクダウン! ハーフガードのYUSHIに、平本は左腕で頭を抱え込む。  2R、平本蓮がリングサイドについた青コーナー。サウスポー構えを見せる丈。YUSHIは左ミドルハイ。しかし圧力をかけるのは平本。インローから左ストレート。YUSHIの右ローをかわす。右カーフを当てる平本。YUSHIはバックフィストを見せるがスピードに欠ける。足を入れ替えながら戦う平本は右、さらにYUSHIの入りに右ヒザを突く。 「1回下蹴れ」の蓮の声にローを蹴って左ハイを突く平本。YUSHIは右スーパーマンパンチも、組みに行ったところに左右をまとめられ、左で差した平本がテイクダウン。亀になるYUSHIに右ヒザ、細かいパウンド。  3R、頭を下げなら右を突くYUSHIに平本は左ハイを当ててダウンを奪う。下のYUSHIを蹴る平本にブレーク。スタンド再開。「丈。悶絶させてやれ」の声に近づく平本。YUSHIはニータップも切る平本。サウスポー構えから左インローを当てる平本。  中に入れないYUSHI。平本の左ハイはかわすが、続く左に両足が揃う。詰めて強引に組みに行くYUSHIにボディロックテイクダウンは平本。サイドからYUSHIの腕を足で固定してパウンド。YUSHIは亀から立とうとするが、そこにヒザは平本。  YUSHIが正対したところに肩固めに入るが、平本は自身の右ヒザ裏をクラッチして防御。そのまま極め切れずも平本がスタンド、組み、寝技ともにコントロールして試合終了。判定は3-0で平本が勝利。YUSHIは5分3Rを肩で息をしてリングを降りた。  アマチュアでは苦しんだ平本だが、さいたまスーパーアリーナでのMMAプロデビュー戦で勝利をあげた。
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