朝倉未来選手のKO負けは、周囲がことをより分かりづらくしている
――ところで、そのRIZINで弥益選手が最初に試合をした朝倉未来選手が『FIGHT CLUB』のオープンフィンガーグローブのキックルールで、KO負けしたことについて、あの展開になることは可能性としてはあると思っていましたか。
「まあ……あるとは思っていました。やっぱり分からないですよね。1回ダウンを経験(フロイド・メイウェザー戦)するとかなり変わるところはあると思うんですよ。もちろん脳的なダメージもあると思うし、それだけじゃなく、精神的なこと、よりPTSDに近いものとかが、たぶん彼の考えとは別の場所で起こっている可能性もあると思ったので、以前のようにもらっても全部いなす強さみたいなものに、もしかしたら何かしら影響があるかなという思いは──何となく勝手に感じてたんですけど──でもそれを差し引いても、やっぱりYA-MAN選手のパンチが強かったんだろうなというのが結論です。朝倉選手と自分とでは生きる環境が違いすぎて、彼の考えていることなんて分かるわけないんですけど」
――MMAファイターとして、そういう形でキャリアを、ダメージを負うということは……。
「MMAファイターかつMMAファンの自分としては、もちろん朝倉選手にはMMAをやってもらって、MMAを盛り上げてもらいたい。彼がこの業界にいるのといないのとでは、大きく違う。だからこそ、周りの人の振る舞いとかのほうが逆に気になってしまいますね。彼自身というよりは、それを見ていろいろ言っている人が、ことをより分かりづらくしているというか。全然、自分はもっとシンプルに考えていいと思いますけど、それを許さない立場に彼がいるのだと思うんです。
状況は単純にシンプルに、MMAファイターの朝倉未来選手が、立ち技の試合に挑戦して立ち技の選手に負けたというだけなんですよ。でも今までのストーリーとか彼の立ち位置とかが何となく状況を複雑なように見せてしまっているだけで、そんなグダグダ言うことでもないと思う。それで彼の何かが致命的に終わるわけでもないと思っているので。昔戦ったことがある一人として、彼が俺の目に見える範囲で、何となく楽しい人生を送れていたら嬉しい──それくらいのしれっとした温度感です」
――では、平本戦であのダメージを負った弥益選手が、次の試合に向けて楽しい人生に向かっていますか。
「“あのダメージ”……か。自分はあの試合のせいでだいぶ頭皮に来たことのほうがダメージだと思ってるので、本当に。あの試合のせいでだいぶ薄くなったんじゃないかという疑惑が俺の中でありますけど」
――あっ、そんなに頭髪が逝きましたか。
「試合前にいろいろありすぎて、そのストレスでいってしまったんじゃないかという。別にAGA治療薬が引っかかって1年間試合できなかったわけではないので」
――えーと、ステロイドとかいろいろ気を遣いますね……急にブッ込んで来ましたが(苦笑)。
「それは書いておいてください(笑)。AGA治療してないんですよ。踏み出せてないんですよ、AGA治療に」
――そろそろ締めた方が良さそうです(苦笑)。
「いや、ちょっと水と光が……。とにかく自分は格闘家の“ふり”ができてることが幸せなんで、それだけですね、本当に。大晦日に格闘家の役ができるっていう。僕の中のほんとうの格闘家像というのは、自分が始める前に見ていた方々で、自分はその方々の影を追っているだけで」
大晦日RIZINで試合のドミネーター @MMA_pierrot と米とTシャツ物々交換。
— 手塚裕之 HIROYUKI TETSUKA (@Hiro_tgfc) December 25, 2023
それにしても身体の仕上がりやばすぎだろ。やってくれるに決まってる‼︎ pic.twitter.com/0TzJSgRN6x
――「ただの格闘家の真似事をしているファン」が、練習であんな身体を作れるはずもありません。現役のPANCRASE王者と戦う気持ちが出来ているのではないですか。
「だからなりきれるように、自分で自分を格闘家だと思い込めるように、これから役づくりを頑張っていこうと思いますので、よろしくお願いします!」