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【ONE】スタンプがMMAで一本勝ち! ペッダム敗れエナッシが王者に、ペトロシアンとサナが両国GP決勝で対戦! 澤田龍人が一本勝ち! 朴光哲がTKO負け、健太は惜敗=8.16「ONE:DREAMS OF GOLD」

2019/08/16 21:08
2019年8月16日、タイ・バンコクのインパクトアリーナでONE Championship「ONE:DREAMS OF GOLD」が開催された。ムエタイの母国らしく、立ち技を中心としたビッグカードが多く組まれるなか、女子キック&ムエタイ二冠女王のスタンプ・フェアテックスがMMAでONE本戦デビュー。見事な一本勝ちで3本目のベルト獲得に向け、幸先のいいスタートを切った。 ▼ONE Super Seriesキックボクシング世界フライ級選手権試合 3分5R○イリアス・エナッシ(オランダ)[3R 0分59秒 KO] ※左フック×ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)※エナッシが新王者に 『ライオンキング』のシンバのように抱え上げられ、羽のたてがみをつけて踊りながら登場したホームのペッダムはオレンジと黄色の髪色を披露。対するのはキック王国オランダから初参戦のエナッシ。 サークルケージでのボクシンググローブのキックボクシングルール。 1R、サウスポー構えのペッダムにオーソドックス構えのエナッシ。先に強い左ミドルを当てるペッダムにエナッシもロー。しかし続くペッダムの左ローが金的に入り、試合中段。再開。ワンツーから飛び込むエナッシ。さらに左のブラジリアンキックから左ハイをスナップを効かせて打つ! 続く左ハイをもらいながらも前に出るペッダム。エナッシは右の前蹴りから中に入る。 2R、圧力をかけはじめたペッダム。しかしエナッシも右から左ボディの対角攻撃。ワンツー、右ボディストレートも深追いはしない。左の前蹴り、サイドキックで距離を取るエナッシ。追うペッダムに右ストレートでペッダムがグラつく! 右からさらに強烈な左アッパーを打ち込むエナッシ! しかしペッダムもクリンチ。左のミドルはスウェイでかわしたエナッシが左ボディで飛び込む。 3R、左ミドルで飛び込んでいくペッダムに左右の連打から左の相打ちを当てたのはエナッシ! グラつくペッダムにラッシュ! 左アッパーでペッダムのアゴを上げさせると、金網に詰めて左フック! ペッダムが崩れ落ちたところでレフェリーが間に入った。 ONE初参戦でアウェーであるバンコクで、ペッダムを下しONE Super Seriesキックボクシング世界フライ級新王者となったエナッシは、「このベルトを巻くことが夢のひとつだった。嬉しいよ」とマイクで語った。 ▼ONE Super Seriesキックボクシング・フェザー級ワールドGP準決勝 3分3R○ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)[1R 2分50秒 KO]×ジョー・ナタワット(タイ) 金網のボクシンググローブマッチ。 1R、サウスポー構えのペトロシアン。オーソドックス構えから右ローを打つナタワット。ペトロシアンも左奥足へローを返す。ワンツーミドルをガードの上から当てていくナタワット。互いにローの蹴り返し。ナタワットの右を右に回ってかわして右を打つのはペトロシアン。さらに左ヒザを突くが、ナタワットの右ローが2度、ローブローとなる。 再開。ナタワットの左の打ち終わりに右ジャブを入れて、同じ位置にノーモーションで左ストレートを打ち込むペトロシアン! 後方に崩れ落ちたナタワットは、10カウントも立ち上がれず。“ドクター”ペトロシアンは静かに勝ち名乗りを受けた。 10月13日、両国国技館で行われるONE Super Seriesキックボクシング・フェザー級ワールドGP決勝進出を決めたペトロシアンは試合後、サークルケージ内のインタビューで、「多くは語る必要はない。この試合の前まで東京はあまり好きじゃなかったけど、東京でサナと戦うよ」と語ると、サナもケージイン。互いに笑顔でハグをかわした。 ▼女子アトム級(※52.2kg)5分3R○スタンプ・フェアテックス(タイ)[3R 1分29秒 リアネキドチョーク]×アシャ・ロカ(インド) キックボクシングとムエタイの両競技でONE女子アトム級のベルトを巻くスタンプ・フェアテックスがMMAに再び挑戦。3本目のベルト獲得を目指す。 スタンプのMMAキャリアはタイのアマチュアMMAから。2018年6月に「ONESHIN CUP」にシン・ガードをつけて出場。首相撲からのヒザ蹴りを当て、しっかり脇を差し返してボディロックに切り替えてテイクダウン。マウントからのパウンドで1R TKO勝利を収めている。 また、同年7月のONEの育成大会「ONE Warriors Series」ではインドのラシ・シンデ(MMA2勝2敗)を相手に1Rわずか19秒、右ハイキックでTKO勝利を飾っている。 対戦相手ロッカはMMAではスタンプのキャリアを上回る。インドの「SFL」ことSuper Fight Leagueで活躍し、2試合を打撃でのTKO、2試合をリアネイキドチョークとギロチンチョークで極めるなど、すべての試合をフィニッシュしている。 開始9秒でTKOした左フック、42秒で極めたノーアームギロチンチョークもパワフルで、MMAでの近い距離でのパンチ、さらにスタンプが頭を下げると得意のギロチンが待っており、注意が必要だ。 スタンプは「クリンチのようなムエタイとの類似点を見つけたので、MMAに出場することは楽しみです。クリンチは本当にうまく使えます。MMAでは、ムエタイクリンチとレスリングのポジションで長い時間、試合を支配することが可能です。私はこの試合に本当に興奮しており、準備を整えるためにできる限りのことをしています」と語っている。 バックダンサー2人を従えて花道に登場したスタンプ。タイミュージックに乗って入場し、ケージイン。対するロカも髪を編み上げ黒のセパレートで登場。 1R、ともにオーソドックス構えから。ジャブでフェイントをかけるロカ。スタンプはアップライトのムエタイの構え。シングルレッグから組み付くロカに首相撲からヒザはスタンプ! 離れるロカも右を振っていく。ワンツーの右はロカ。さらに左右をかいくぐり首相撲からヒザはスタンプ! さらにボディロックから横につきテイクダウン! すぐにニーオンザベリーからマウントへ! パウンドにケージウォークで逃げようとするロカだが、バランス保つスタンプはなんと腕十字へ! 上体を上げてきたロカはシングルレッグに行くが、スタンプもバック回りつつマウントでまたぐとからヒジを打ち下ろす。 2R、ロカの前蹴りはしっかり見切るスタンプ。左の縦ヒジの動作を見せる。ワンツーに前に出るロカを見切りながら下がりながら右を打つスタンプは右ミドル! 蹴り足をとられそうになるが抜く。ロカのワンツーをかわして首相撲ヒザ、さらに離れ際にミドル、そして強い右ローを当てるスタンプ! スタンプ自らはシングル・ダブルでのテイクダウンの動きは見せない。 右ローを2度当てるスタンプ! 今度は右ハイへ。次は左インローを3度。しかし金網に詰まるときはガードを下げる。ロカの蹴りに右シトレートを合わせるスタンプは右ローを3連打! ロカの身体が流れる。さらに左ローも。ゴングにスタンプは踊りながら自陣に戻る。 3R、ワンツーから右を届かせるロカだが首相撲ヒザはスタンプ。そこからきっちり脇を潜りスタンドサイドからボディロックテイクダウン! すぐにマウンを奪うと、背中を見せたロカになんと、自らバックを選択。足をかけ、リアネキドチョークを極めた! 勝利後、スタンプは満面の笑顔で「2年にわたりBJJやMMAを練習してきたから嬉しい。すぐにトレーニングを再開したい」と語った。 シングルレッグ、ダブルレッグは使わず、首相撲からのボディロックテイクダウンの“ムエタイMMA”で、最後は寝技で極めたスタンプ。トップレベルのトータルファイターと戦ったときに同じ戦い方ができるか。同階級の王者はアンジェラ・リー、そして日本にはV.V.Meiがいるが……。 ▼ONE Super Seriesキックボクシング・フェザー級ワールドGP準決勝 3分3R○サミー・サナ(フランス)[判定2-0]×ジャバル・アスケロフ(ロシア) 金網ボクシンググローブマッチ。 1R、長身のサナとアスケロフは身長差20cm差。ともにオーソドックス構え。いきなり長い左ミドルを蹴るサナ。詰まるアスケロフは右バックフィストを打つ。かわすサナは右ヒザもかわすアスケロフも右ローを当てる。しかしすぐに左ミドルを当てるサナ! アスケロフは下がりながら右ローを打つが、金網に詰めるサナはロープ最上段のたわみのない金網際で右ストレートでダウンを奪うと、立つアスケロフに右アッパー&ヒザも。 2R、左ミドルを打つサナ。アスケロフを中央に呼び込むと右のテンカオで前へ。アスケロフも右のオーバーハンドで飛び込むが届かず。アスケロフの右ローを掴んだサナは右ストレート! 尻餅をつくアスケロフは立つと同廻し蹴りも空を斬る。右ヒザを突くサナ。 3R、後ろ廻し蹴りでかけ逃げ的に距離を取るアスケロフ。意を決して左右で飛び込むもサナの顔には届かず。左ローを打つサナ。アスケロフは連打で前に出るが、かわしたサナ。アスケロフは最後にバックフィストも当たらず。判定は2-0でサナが勝利。 10月両国で行われるONE Super Seriesキックボクシング・フェザー級ワールドGP決勝進出を決めた。 ▼ストロー級(※56.7kg)5分3R○アレックス・シウバ(ブラジル)[2R 4分55秒 腕十字]×ステファー・ラハディアン(インドネシア) 1R、先にシングルレッグテイクダウンはシウバ。いったん仰向けに1回転し抑え込みに行くシウバに、ラハディアンはダブルアンダーフックからフックガードで上体を立てシングルレッグから立ち上がり。左で差して金網に押し込む。 ブレークから右ストレートはラハディアン。さらに左ジャブがかすめる。右ローはラハディアンもシングルレッグテイクダウンからすぐにバック奪うシウバは4の字ロックを解くと腕十字狙いから、チョーク狙い移行もゴング。 2R、シウバの大きなワンツーに殴り返すラハディアン。そこにダブルレッグはシウバも差し上げるラハディアン。再度シウバはダブルレッグテイクダウンから抑え込みに行くも、すぐに立つラハディアン。シウバもワンツーで金網に押し込むとシングルレッグから手前のスペースに引いてテイクダウン! すぐにバック奪い4の字フックから、脇潜り右腕の腕十字狙い。凌ぐラハディアンに、逆側から足をかけて左腕に腕十字へ! 最後はうつ伏せで極めた。 [nextpage] ▼ムエタイ・バンタム級 3分3R○ムエンタイP.K.センチャイムエタイジム(タイ)[判定3-0]×健太(日本) オープンフィンガーグローブの金網ムエタイルール。 1R、オーソドックス構えの健太にサウスポー構えのムアンタイ。右ローから入る健太は軌道を変えて右ハイ! ムアンタイも左を蹴り返すと右ストレート。バランスを崩した健太が尻餅をつくがすぐに立つ。左ストレートで押し込んで左ヒジを振るムアンタイ! 健太も首相撲に応じると飛び込み際に右ヒザを振る。しかし圧力をかけるのはムアンタイ。健太はクリンチ。健太の入り際に左ストレートを合わせるムアンタイ。 2R、ムアンタイの左ローに右ローを打ち返す健太。ヒジにはヒジ。しかしムアンタイは左ミドルを連打。後退する健太は金網に詰まらずサークリング。ムアンタイの左に左フックを返す。しかしムアンタイの左ストレートからの左ミドルに一瞬、動きが止まる健太。しかし頭を振って右フックで健太は押し返し! ムアンタイは首相撲にとらえヒジも健太も首相撲を差し返す。パンチで攻勢に出る健太。 3R、前に出てきた健太を前蹴りで2度こかすムアンタイ。右フックから左ハイに健太のあごが上がるが、見えている健太は前へ。ムアンタイの左ミドルをスウェイでかわすと前へ! ムアンタイがクリンチする。スタミナ十分の健太は前身と止めず。ハイをスウェイでかわし圧力をかける。そこに縦ヒジ、テンカオはムアンタイ。最終ラウンドでムエタイの流儀で流すムアンタイに健太は右ハイも繰り出すが、ゴング。 判定は、3-0で序盤を制したムアンタイが健太の反撃に決定打を許さず、ホームで勝利した。 ▼フェザー級(※70.3kg)5分3R○タン・リー(米国)[1R 1分28秒 KO]×朴 光哲(日本) 1R、オーソドックス構えの朴、サウスポー構えのリー。左の蹴りはリー。朴も右のインローを当てて右で飛び込む。その入りに左を合わせにいくリー。さらに左ハイは朴がブロック。リーの大きな左に左を合わせる朴。しかし、リーの左ハイに朴が右ストレートを合わせにいくがズラしたリーの胸に。 朴の頭が下がったところにリーは強い体幹から右フック! ダウンした朴にパウンド連打し、レフェリーが間に入った。 ▼ムエタイ・フライ級 3分3R○ルーシラー・プーケットトップチーム(タイ)[2R 0分29秒 TKO]×サヴァス・マイケル(キプロス)※サヴァスの蹴り足を掴んだルーシラーがテイクダウン。左手をマットに着いたサヴァスが傷め、ストップ。 ▼バンタム級(※65.8kg)5分3R○ユーサップ・サーデュエラフ(ロシア)[判定3-0]×キム・デフォン(韓国)※上久保周哉(TRI.H studio)は現地到着後、右目の負傷でドクターストップ、デフォンが緊急参戦。 [nextpage] ▼フライ級(※61.2kg)5分3R○チャン・ロタナ(カンボジア)[判定3-0]×グスタボ・バラルト(キューバ) ▼ムエタイ・キャッチウェイト 3分3R○プリーニ・ペッチインディーアカデミー(タイ)[判定2-0]×バングリアム・ノーラン(英国) ▼ストロー級(※56.7kg)5分3R○澤田龍人(日本)[1R 1分09秒 リアネイキドチョーク]×アジス・カリム(インドネシア) 2017年10月、修斗での猿田洋祐戦でのKO負けから、ONE WARRIOR SERIESで2連勝。Evolve MMAのトライアウトに合格し、シンガポールのEvolve Fight Team所属となった澤田。今回が本戦初出場。対するインドネシアのアジズ・カリムはMMA5勝3敗、ONEでは1勝1敗。 圧力かける澤田は左を伸ばして組むとオーバーフックから小手投げ、カリムが手を着いて耐えると、澤田は正対してから首投げでテイクダウン。マウントを奪うとパウンド、ヒジ狙い。背中を見せたカリムに両足をフックし、身体を伸ばして最後はうつ伏せでリアネイキドチョークを極めた。 ▼ムエタイ・バンタム級 3分3R○アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)[1R 2分25秒 TKO]×オギエン・トピッチ(米国) ▼バンタム級(※65.8kg)5分3R○ジャオ・ジーカン(中国)[2R 4分08秒 リアネイキドチョーク]×ポール・ルミヒ(インドネシア)
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