(C)ONE Championship/GONG KAKUTOGI
2023年11月30日(木)、ONE Championshipが都内で会見を行い、2024年1月28日(日)有明アリーナにて『ONE165:Rotang vs. Takeru』を開催することを発表。キックルール(3分5R)で武尊vs.ロッタン・ジットムアンノン、MMAルール(5分3R)で青木真也vs.セージ・ノースカットの2カードが決定し、4選手が登壇した。
本誌では、会見後に4選手およびチャトリ・シットヨートンONE会長兼CEOに個別インタビューを行っている。武尊、ロッタンに続き、今回は青木と対戦する“スーパー”セージ・ノースカットンのインタビューを掲載したい。
27歳のノースカットは、UFC6勝2敗から2019年5月にONEにウェルター級で参戦し、元IT'S SHOWTIME 77kg MAX世界王者のコスモ・アレクサンドレに1R KO負け。コロナ禍もあり、2023年5月にONEにライト級で復帰し、アフメド・ムジタバを1R ヒールフックに極めて、ONE初勝利を挙げている。
40歳の青木のMMAの試合は、2022年11月のサイード・イザガクマエフ戦以来、1年2カ月ぶり。ONE4連勝から、秋山成勲とイザガクマエフにTKO負けし、その間グラップリング戦も戦って来た。
両者は当初、2021年4月29日の『ONE on TNT IV』で対戦予定だったが、ノースカットが「新型コロナウイルスの影響が長引いた」ため試合を辞退。青木は、秋山戦がキャンセルされたフォラヤンと緊急対戦していた。
会見でノースカットは、「格闘技はもちろんアニメを見たりして育ったので、日本に来ることは常に夢でした。1月28日の日本大会は、日本のレジェンドの青木選手との戦いが決まり興奮しています。キャリアにとって大事な試合になると思います。ここから2カ月さらに磨きをかけていきます。青木選手の母国であるこの地で自分自身が戦えることが嬉しく楽しみにしています」と語っている。
会見後のインタビューで有明アリーナの「リング」で戦うノースカットに青木戦について聞いた。
今回の「リング」での青木戦は、プラスとマイナスの両面がある
──プライベートも含め、日本に来たのは初めてでしょうか。
「はい、初めて!」
──空手など武道をやっていたときに世界中を回ったそうですが、なぜ日本には来なかったのですか?
「行きたいと思っていた場所でしたよ! ロシア、クロアチア、アイルランド……、たくさんの国に行ったんだけれど、日本は行ったことがなくて。でも日本は“行きたいところリスト”に入っていた。でもあいにくここ数年、日本大会というのが無かったからね。だから今回、日本で戦えることがほんとうに楽しみなんだ」
──カジュケンボーとテコンドーでも黒帯で世界王者になっている。空手の種類は?
「スポーツ空手をやっていました。スポーツ空手には様々なスタイルがあって、キックボクシングのようなものもあったりするけれど、足へのキックは無し。だけどすごくフルコンタクトっぽい。でも、攻撃を4回繰り返すなかで、1発は蹴りを使わないといけないなど、それぞれルールが異なっていました」
──限定的な立ち技ルールの競技をやったことはMMAにどう影響していますか?
「うん、少しそういう部分はあります。すごくいろんなフットワークやムーブメントができるようになるということ、ほとんどの大会において、リングは20×20フィートで、ちょっとMMAより小さいんだけれども、そういうサイズ感としても悪くなかった。狭いなかでのフットワークが磨かれたよ」
──その意味では、今回の試合がケージでなくリングなのは、ノースカット選手にとって良い部分もありますか。
「まさに、そのことを考えていたんだ。実はこれがリングの試合になるって数日前に聞いたばかりで、いろいろとアジャストしなくちゃいけないのは確か。しかもリングとなると青木はPRIDEでもDREAMでも、リングでかなりたくさん戦ってきているし、その点では、ううむ、考慮すべきことがたくさんあるな、って」
──あなたのスタンディング面ではコーナーがあることは優位に働きますか?
「おそらくプラスにはなると思う。もちろん両面があると思っているけれど。というのも多くのファイターはテイクダウンされたら立ち上がるのにケージを使うけれど、コーナーにいない限りそれはできないから。考えなきゃいけないことは色々あって……。もし自分が打撃を当てて、彼がそこを追ってくる感じになるとどこにも行けなくなるというのもあって」
──グラップラーにとっては、ロープとロープの間でクラッチができますね。
「そう、ロープの後ろに手が回るという点は考慮しなくてはいけない」
──あなたとしても、ロープの間で腰を逃がしたり、テイクダウンされてもロープの下で頭を動かすことができます。
「そうですね。あと少なくともキックボクシングやムエタイのようなロープだとリバウンドするというのもあって、ヒジもヒザもケージではこうして体を傾けることができないですよね。でもリングなら頭の後ろ、トップロープの上にスペースがあると動きが変わってくる。もちろん自分にとってもポジティブな面はあります」