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【UFC】ツァルキヤンがダリウシュを64秒KO「マカチェフをKOして見せる!」、緊急参戦ターナーがグリーンをTKO、バンタム級転向のフィゲイレードがフォントに完勝! ブレイディがウェルター級復帰ガステラムをキムラで極める、熱闘グイダはシウバに敗れる

2023/12/03 10:12
 2023年12月2日(日本時間3日朝6時~)米国テキサス州オースティンのムーディーセンターにて『UFC Fight Night: Dariush vs.Tsarukyan』(U-NEXT配信)が開催された。  同大会では、ガン闘病患者支援を打ち出しており、「UFC はガンと闘病しながら懸命に戦っているMMAコミュニティの人々(選手やコーチほか)を称える。UFCは スチュアート・スコット・ガン研究基金を支援することを誇りに思う」とアナウンス。大会の中継を通じて寄付を募っている。  2022年の『UFC281』でクリス・グティエレスが勝者マイクでコーチのマーク・モントーヤがガン闘病をしていることを明かした映像が流れ、会場にいるモントーヤに拍手が送られた。また、昨年ガンで亡くなったイライアス・テオドロウの追悼映像が流された。 【メインイベント】 ▼ライト級マッチ 5分5R〇アルマン・ツァルキヤン(アルメニア)21勝3敗(UFC8勝2敗)155.5lbs/70.53kg)[1R 1分04秒 KO] ※首相撲ヒザ→右ストレート×ベニール・ダリウシュ(米国)22勝6敗(UFC16勝6敗)156lbs/70.76kg)  レスリングの組みのツァルキヤンと、BJJ黒帯のダリウシュ。ともにMMAグラップラーとしてのみならず、蹴り技も得意とする。  34歳のダリウシュは、トニー・ファーガソンやマテウス・ガムロに判定勝ちするなど怒涛の8連勝。6月の前戦でシャーウス・オリベイラに右ハイを効かされ、パウンドアウト。連勝がストップした。  会見でダリウシュは、「ツァルキヤンは27歳と若くてとても才能がある。彼にはチャンピオンになる能力がある。多くの人が『このような男は避けるべきだ』と言っていることは知っているけど、僕は引退する前に必ず彼らと向き合いたいと思っているんだ。だって僕は世界最高の選手たちと戦いたいから。戦いを終えたとき、『最高の選手たちと戦った』と言える。『僕は誰も飛ばさなかったよ』と。ステイタスという点では、この試合に勝ってもランキング的にはどこにも行けないだろう。でも実際は、ランキングのためにここに来たわけじゃない。世界最高のファイターとして、世界最高の相手と戦うためにここに来たんだ。彼もその一人だと思う」と、多くのランカーが対戦を嫌うツァルキヤンとの対戦を受けた理由を語っている。  対するツァルキヤンは、UFCデビュー戦でいきなり後の王者のマカチェフと対戦し、マカチェフの蹴り足を取ってのボディロックでUFCで初めてテイクダウンを奪うなど、レスリングで互角に渡り合っている。5連勝後の2022年6月にガムロに判定負けも、接戦の内容だった。その後、ダミル・イスマグロフに判定勝ちすると、2023年6月の前戦では ジョアキム・シウバを3R TKOに下している。  Bellatorライト級GP決勝進出のアレクサンドル・シャブリーを練習パートナーに、アメリカントップチームでは堀口恭司とも練習を積んで来た。  1R、サウスポー構えのダリウシュは左の上下の蹴り。左回りのツァルキヤンはワンツーの右を見せる。左ローを返すダリウシュは右ジャブのダブルから左でツァルキヤンを下がらせる。  しかし、ダリウシュの前進をさばくツァルキヤンは、左から右でダリウシュにガードを固めさせて首相撲から右ヒザ、続けて同側の右ストレート! 打ち抜かれたダリウシュが後方に倒れ、ツァルキヤンがパウンド、レフェリーが間に入った。  試合後、ツァルキヤンはダニエル・コーミエーのケージの中でのインタビューで「この結果は予想していた?」と問われ、「もちろん、KOするつもりだったから。僕はこの試合を判定結果にするつもりなんかなかった。絶対いい試合をして絶対にフィニッシュして家に帰るんだって、心に決めていた。そしてタイトル戦を手にするんだって。(KO勝ちに)自分はレスリングもできるしグラップリングもできてストライキングもできる。今日はKOの日だ!」と語ると、対戦相手のダリウシュに感謝の言葉を述べた。 「ただ、とにかくダリウシュに感謝したい。ダリウシュは自分にとって、この階級で最も敬意に値する選手。ユーモアもあるしすごく人間味があるというか、人としてとっても素晴らしい人なんだ。自分と戦ってくれたことに感謝してる、だって何しろ、誰も自分とはやりたがらなかったんだ。そんな自分と対戦してくれて本当にありがたく思う」  続けて、今後について「こうしてトップ4を倒したからには、ナンバー2、3とやりたい。次の試合は、タイトル戦の前哨戦でなくては、もう1試合、タイトル戦の前にやったら、チャンピオンに挑戦したい。(現王者マカチェフとの前戦について)彼はレベルが違うところにいるファイターだけれど、22歳だった僕は27歳になって、こうして自分の実力をつけて証明してきて、次の試合は違うものになる。彼をKOしてみせる。それはもう素晴らしい試合になるだろうと思うよ」と、マカチェフとの再戦について語った。 [nextpage] 【セミメインイベント】 ▼ライト級 5分3R〇ジェイリン・ターナー(米国)14勝7敗(UFC7勝4敗)156lbs/70.76kg[1R 2分49秒 TKO] ※右フック→パウンド×ボビー・グリーン(米国)31勝15敗(UFC12勝10敗)155lbs/70.31kg)  ターナーはライト級12位。UFC5連勝から2023年3月にマテウス・ガムロにスプリット判定負け、7月のフッカー戦もスプリット判定で敗れている。MMAを始める前のバックボーンは無く、高校時代に放課後の裏庭で友人たちとボクシングを始めたのがきっかけだったという。  グリーンは13位。高校レスリングで州で2回入賞したレスリングがバックボーンながら、スタンドでの“ノーガード”スタイルでトニー・ファーガソン、グラント・ドーソンを相手にいずれもフィニッシュ勝利。2023年12月の前戦では、ジェイリン・ターナーにKO負けしている。  1R、ノーガードのグリーンは左を伸ばす。ターナーもスイッチして長いワンツーで左を突くと、左ハイをガード上に当てて組みに。突き放すグリーンは関節蹴り。  ターナーは、グリーンの左をかわして右! 一瞬間を置いてから身体が流れたグリーンに、ターナーはさらに右フックを打ち下ろすと、グリーンが後方にダウン!  ターナーは後ろを向いて身体が伸びたグリーンにバックマウントから左右の連打。頭を抱えていたグリーンだが、力が抜けガードも落ち、それでも止めないレフェリーに失神をさせられた。  緊急参戦でTKO勝利したターナーは「ショートノーティスだったけど結果を出すのが自分。レフェリーのストップが遅かったのには驚いたけど、勝つためには手を止めるわけにはいかなかった」と語った。 [nextpage] 【メインカード】 ▼バンタム級 5分3R〇デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)22勝3敗(UFC11勝3敗)135lbs/61.24kg[判定3-0] ※30-27×3×ロブ・フォント(米国)20勝8敗(UFC10勝7敗)135lbs/61.24kg  前フライ級王者フィゲイレードは、ブランドン・モレノと4回連続タイトルマッチで対戦し、1勝2敗1分。バンタム級転向を表明していた。フライ級2位。  バンタム級8位のフォントは、セルジオ・ペティス、リッキー・シモン、マルロン・モラエス、 コーディ・ガーブラントを下し、4連勝でトップ5入りを果たしたが、その後、ジョゼ・アルドとマルロン・ヴェラに判定負け。エイドリアン・ヤネスを1R TKOに下して再起を果たすも、2023年8月の前戦でコーリー・サンドヘイゲンのテイクダウンに判定負けしている。  1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるのはフォント。ワンツーでフィゲイレードに金網を背にさせる。フィゲイレードはニータップでテイクダウンも、すぐに立ち上がるフォント。ワンツーは左回りでかわすフィゲイレードはそこに左を返して、シングルレッグテイクダウン。ここも立ち上がるフォントが前に。  フォントの左ジャブから長い右をかわしたフィゲイレード。スタンドバックについて崩そうとしたフォントを突き放す。左をガードに届かせるフィゲイレードは、左ジャブの刺し合いを効かせて前に! 右ボディも突いて組みも、フォントは差し返す。先に左を当てるフィゲイレード。再び左ジャブにフォントの身体が止まる。  2R、右で差してケージに押し込むフィゲイレードだが、左ヒザがローブローとなり中断。再開。上体を立てて立ち会うフィゲイレード。ガードを上げて近づくフォントに右アッパーを突き上げるフィゲイレードはシングルレッグ。切るフォント。踏み込んでのを当てるフィゲイレードに、フォントはワンツースリーの連打も、ステップバックで回るフィゲイレードは、シングルレッグテイクダウン。フォントの立ち上がりに組みには固執せず。  スタンド。前に出るフォントに右アッパーのフィゲイレード。フォントは左ジャブを突くと右カーフ。組みを混ぜて戦うフィゲイレードは、ワンツーの打ち下ろし、さらに右ハイをガード上に当ててフォントを下がらせてホーン。  3R、一転組みに来たフォントに小手に巻いて突き放すフィゲイレード。歩きながらスイッチするフィゲイレードは、下がりながら左ジャブ。右ボディから左に繋ぐフォントにステップするフィゲイレードは左! 効かされ後退するフォントを狙いすまして打つフィゲイレード。フォントはワンツーの右を届かせて押し戻すとヒジも突くが、「来い」と招いたフィゲイレードは巧みにシングルレッグテイクダウンからすぐさまマウント! パウンド。フォントのブリッジを潰してヒジ! 片足を戻すが、両脇を差してパスしたフィゲイレードはサイドポジションから離れて打撃を打ち込みホーン。  判定はフルマークの3-0(30-27×3)でフィゲイレードが完勝。テイクダウンを混ぜてフォントに付け入る隙を与えなかった前フライ級王者は「正直に言えば、もっと打撃戦をしたかったよ」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ショーン・ブレイディ(米国)16勝1敗(UFC6勝1敗)170lbs/77.11kg[3R 1分43秒 キムラロック]×ケルヴィン・ガステラム(米国)18勝9敗(UFC12勝9敗)170lbs/77.11kg  ミドル級からウェルター級に復帰するケルヴィン・ガステラム(米国)が、ヘンゾ・グレイシーの黒帯のショーン・ブレイディ(米国)と対戦する。最年少でTUFを制し、ミドル級王座挑戦経験もあるガステラムは、かつて減量で苦しんだウェルター級で再び頂きを目指すという。キングスMMAからアリゾナのファイトレディーでファイトキャンプを行ってきた。ブレイディはUFC5勝1敗の注目株。  1R、サウスポー構えのガステラムが先に詰める。左を振るとブレイディから組みに。四つからヒザを突くと、ガステラムはヒジ。金網に押し込むブレイディはシングルレッグでテイクダウン! バックテイクから4の字ロックする。  残り3分から正対したガステラムは離れる。ブレイディの左にバランスを崩したガステラムは左を突くが、ブレイディは左を突き、ニータップでテイクダウン! ケージまで這うガステラムにバックテイクし、リアネイキドチョーク狙いも立ち上がろうとするガステラム。対角の手でガステラムの手首をコントロールし、スクランブルするガステラムにバックキープ。  2R、左ローを突くブレイディは、右ローを打ち返してきたガステラムの蹴り足を掴んでテイクダウン! ハーフから立ち上がろうとするガステラムを寝かせて、バック、マウントとコントロール。エビとブリッジで金網に近づくガステラムは正対を仕掛けるが足を手繰れず再びバックを許す。金網背に上体は立てて座るガステラムの両足を足で束ねて細かいパウンド。足を抜いたガステラムの立ち際をバックを奪い引き込みホーン。  3R、先に圧力をかけるガステラムに、左回りのブレイディ。ガステラムの打ち終わりにかち上げてのニータップでテイクダウン! すぐさまパス。スクランブルを狙うガステラムに肩固め狙い、上げられた腕を戻したガステラムの右腕を頭つきのキムラにとらえて絞り、タップを奪った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ジョアキム・シウバ(ブラジル)13勝4敗(UFC6勝4敗)156lbs/70.76kg[判定3-0] ※29-28×3×クレイ・グイダ(米国)38勝24敗(UFC18勝18敗)154lbs/69.85kg  1R、ともにオーソドックス構え。細かいステップで詰めるグイダ。「グイダ」コールを背に右カーフ。左を振って組みに行くが、シウバは切って回る。テイクダウンのフェイント、ワンツーで詰めるグイダ。間合いを取り続けるシウバにレベルチェンジから右をヒット! 一瞬、バランスを崩したシウバだが、グイダのシングルレッグを潰してパウンド連打。金網使い立つグイダにヒジも! 「グイダ」コールに右で差し返して押し込むグイダはクラッチして崩すが、シウバもテイクダウンはされない。  2R、グイダはワンツー、左ミドルハイ、さらに右で詰めてダブルレッグもギロチンチョーク狙いのシウバ。仰向けになり外すグイダにギロチンチョーク!  今度はクローズドガードに入れたシウバが絞めるが、首を掴まれながらグイダはスラムを2度、ついに首を抜くとダブルレッグで押し込む。シングルレッグから再びダブルレッグに移行し、テイクダウンを奪うグイダ。すぐに立つシウバを尻下でクラッチし、リフトしてみたびテイクダウン! ここも金網使い立つシウバにグイダは押し込みダブルレッグを仕掛ける。  3R、左フックから右ローを突くグイダ。左前蹴りのシウバはテイクダウンを警戒。グイダの詰めにサークリングする。小刻みなステップで左ハイを打つシウバ。ブロックするグイダだが、若干後退。シウバは大きな右、跳びヒザも空振り。  グイダはシングルレッグで左足を掴み、金網まで押し込むと、シウバは首を抱えて体を入れ替え、がぶり引き落とし。足を手繰りに行くグイダを切るが、なおもついていくグイダの首をアームインギロチンのシウバ。いったんジャンピングガードに入れて極めに行くが、着地して首を極めに。仰向けになって首を抜くも下に。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇ダスティン・シュトルツフス(米国)15勝5敗(UFC2勝4敗)185.5lbs/84.14kg[2R 4分10秒 リアネイキドチョーク]×プナヘレ・ソリアーノ(米国)9勝4敗(UFC3勝4敗)185.5lbs/84.14kg  1R、サウスポー構えのソリアーノは左から右を当ててシュトルツフスのバランスを崩す。オーソのシュトルツフスは打ち終わりにシングルレッグも固執せず放す。  前手の突き合いから、右三日月蹴りはシュトルツフス。続くシングルレッグを差し上げたソリアーノは突き放す。シュトルツフスは左を当てるが、ソリアーノも右を返す。シングルレッグのシュトルツフスは脇を潜りスタンドバックから持ち上げてテイクダウンもすぐに立ち上がるソリアーノ。ラウンド終了間際にシュトルツフスが右ストレートでダウンを奪うと、ソリアーノはすぐに立ち上がる。  2R、左インローを当てるソリアーノに後ろ蹴りを見せるシュトルツフスは左関節蹴り。さらにソリアーノの入りに右前蹴りを腹に突く。左をダブルで突くソリアーノだが遠い。今度は右ジャブをダブルで突く。右オーバーハンドからすぐに組んで再び持ち上げてテイクダウンはシュトルツフス。ソリアーノはここもすぐに立ち上がるが、シュトルツフスはスタンドバックから小外がけテイクダウン。立ち上がり正対したソリアーノをすぐにダブルレッグテイクダウンすると、バックからパームトゥパームでリアネイキドチョークを極めた。  シュトルツフスは、前戦のアブス・マゴメドフ戦の19秒KO負けから、再起。ソリアーノはロマン・コプィロフ戦のKO負けから連敗とに。  試合後、シュトルツフスは「ヴェガスとドイツでも練習出来ている。グラップリングでも自信がるんだ」と語った。 【プレリム】 ミーシャ・テイトが18年目の20勝。バンタム級復帰でアビラに一本勝ち「引退だと言われたけど、ギブアップしない」
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