MMA
インタビュー

【UFC】プロハースカ「アレックスの間合いは弱点にもなる」「RIZINは常に自分の心の中にいる」=『UFC 295』でライトヘビー級王座決定戦

2023/11/12 09:11
 2023年11月11日(日本時間12日)に米国ニューヨーク州マディソン・スクエア・ガーデンにて『UFC 295: Prochazka vs. Pereira』(U-NEXT配信)が開催されている。 ▼ライトヘビー級王座決定戦 5分5Rイリー・プロハースカ(チェコ)29勝3敗(UFC3勝0敗)※UFC3連勝中 204.2lbs/92.62kgアレックス・ペレイラ(ブラジル)8勝2敗(UFC5勝1敗)204lbs/92.53kg  メインイベントは「UFC世界ライトヘビー級王座決定戦」。  同級は2022年6月にプロハースカがグローバー・テイシェイラを破り王座についたが、12月のダイレクトリマッチをプロハースカが右肩の負傷欠場で王座を返上。 「王座決定戦」がヤン・ブラホビッチとマゴメド・アンカラエフの間で行われたがドローで王者は決まらず。2023年1月にテイシェイラとジャマール・ヒルが王座決定戦を戦い、ヒルが判定勝ちで新王者となった。  しかしヒルが2023年7月にアキレス腱を断裂。またも王座返上となり、元王者プロハースカと、7月にライトヘビー級転向初戦で元王者ブラホビッチにスプリット判定で勝利したペレイラとの間で、3度目の「王座決定戦」が行われる。  元RIZIN王者プロハースカは、2016年の『RIZIN.1』から13連勝中。肩の負傷からの復帰戦となる。  元GLORY王者のペレイラは、MMA3勝1敗でUFC入り。3戦目でいきなり上位ランカーのショーン・ストリックランドに1R KO勝ちし、イズラエル・アデサニヤのミドル王座に挑戦。5Rに逆転勝ちしてタイトルを獲得した。しかし、2023年4月のダイレクトリマッチでアデサニヤにKO負けし、試合後にライトヘビー級転向を宣言。2023年7月に元王者ブラホビッチのテイクダウンに苦しみながら、打撃で上回りスプリット判定勝ちしている。 “石の拳”を持つポアタンを相手にプロハースカは、復帰戦にして王座戦でベルトを腰に取り戻すことが出来るか。プロハースカに本誌が聞いた。 ファイティングスタイルをひとつに絞らないように ──プロハースカ選手、お久しぶりです。ダナ・ホワイト代表が、「医師がこれまでに見た中で最悪の肩の怪我だ」と語った右肩の負傷から1年半、どのように完治させましたか。 「そうだね、1年以上か……いや、実際は1年じゃなくて、2002年はずっと、肩だけじゃなく、身体全体のリカバリーに務めながら今に至るんだ。今は過去最高のコンディションのように感じているよ」 ──今回はアメリカではなくチェコで練習をしてきたのですか。 「ファイトキャンプについてはチェコでやってきた。3、4カ月前にはタイにも行って、フルパワーでキャンプをしっかりと向き合えるように身体を整えたよ。肩を含めて全身の調整だ。その後チェコに戻り、UFCでアレックスとの試合が確定してからは、チェコでずっとキャンプをしてきたよ」 ──チェコのトップクライマーのアダム・オンドラとロッククライミングもされていましたね。 「本当に様々な事を得たと思うよ。彼はクライミングの分野ではトップの人だからね。自分と同じ街で育って、とても仲が良くて一緒にトレーニングする事になったんだ。自分からも彼にはMMAの事を少し教えたりした。ベーシックな事だけれど、様々な事に活用できるような事を。そして彼は自分にロッククライミングを教えてくれた。実はこれまでにも数度クライミングは挑戦してたから、そこまで難しくなくて、心から楽しめたよ。壁登りには僕の筋肉が時々には大変だったりしたけど。僕は腕が長いからね。だからクライミングするのはむしろ適していたと思う。体重も実はあまり重くなくて。試合まであと数日の時点で数kg落とせばいいだけの状態だった。だからロッククライミングをやるのは自分にとってはいいトレーニングだったと思っているよ」 ──そして、ヘンゾの黒帯で沖縄剛柔流空手出身のグンナー・ネルソンとのトレーニングはあなたにとってどのような意味を持ちましたか。 「彼とのトレーニングは本当に充実していた。限られた時間だったけれどもレスリングやグラウンドでの身体の使い方についての情報をかなり得る事ができたんだ。彼はグラウンドゲームと柔術のスペシャリストだからね。だから彼とトレーニングをしたいと思ったし、彼の知識から得るものがあると分かっていたから。本当に彼はその分野ではマスターだよ」 ──アレックス・ペレイラの印象を教えてください。近距離で殴り合いに持ち込んだアデサニヤ戦と、長い距離となった前回のブラホビッチ戦では、間合いが異なっていたように感じました。 「おぉ。いい質問だね。ありがとう。アレックスは前回の試合の時は間合いについてかなり慎重になっていたと思っているよ。その距離がアデサニヤ戦の時のキーになっていたから。ショートディスタンスだったことでアデサニヤはアレックスをキャッチする事ができた。アレックスは確かにショートディスタンスでとても力を発揮するタイプだ。だけど……反面それって弱点にもなり得るだろ? だからそれを知れた事は自分にとってとても良かったと思う」 ──なるほど。そこにヒジ・ヒザもあるプロハースカ選手とどんな間合いで戦うか楽しみです。今回の試合は組みの展開、もしくは組みながらの打撃にも注目しています。 「実は自分が準備をしてきた中で変えてきた事がある。自分のファイティングスタイルをひとつに絞らないように変えてきたんだ。アレックスに対しては自分の持っている全ての打撃の技術とレスリング、グラウンド、そしてパウンドであろうがサブミッションであろうが。全て持っているものを混ぜて出して勝利する予定だ」 ──日本でもU-NEXT等で試合が配信されます。ファンにメッセージを。 「ハロー、U-NEXTを見ているファンのみんな。いつも応援してくれてありがとう。UFCで試合するから見て欲しい。そして、日本のRIZINは常に自分の心の中にいるんだよ。日本の文化や日本のサムライ、武士道は自分の一部となっています。そんな贈り物を頂けた事を本当に感謝しています。ニホンダイスキ! またベルトを獲る為に勝ちにいきます。必ず勝つと信じている。またチャンピオンになる。真のチャンピオンにね。試合を楽しんで。さぁ、皆で勝ちに行こう。ビクトリー!」
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