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【RIZIN】新王者・鈴木千裕の首を狙うフェザー級戦線──ケラモフが王座奪還を宣言、パトリシオがリヴェンジ要求、アーチュレッタはW王者対決を望む

2023/11/07 17:11
 2023年11月4日(土)、RIZIN初の海外大会がアゼルバイジャン・バクーのナショナルジムナスティックアリーナにて開催され、メインイベントの「RIZINフェザー級(66.0kg)タイトルマッチ」で鈴木千裕(日本/クロスポイント吉祥寺)が、王者ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)を1R、1分18秒 TKOに下し、フェザー級新王者となった。  鈴木を初回からシングルレッグでテイクダウンしたケラモフだが、両足を戻してフルガードにした鈴木がクローズドガードにせず、下から三角絞めのフェイントでケラモフの上体を上げさせたところで、足を蹴り上げ、踵落としを顔面にヒット。そこで意識が飛んだケラモフが脱力し、前に崩れたところに、鈴木が左右のパウンドを下から高速連打し、レフェリーが間に入った。  母国開催のRIZINでフェザー級王座を失ったケラモフは、TKO負けのダメージもあり、試合後のインタビューは欠席。翌日にSNSを更新し、ベルト奪還を宣言し、2024年2月に再起戦を行いたい意向を示している。 「こんにちは、皆さん。私は私の国でとても勝ちたかったし、私にとって非常に残酷な形でしたが、神は私のために他の計画を持っていました。すべての最高のもの、インシャアッラー(※全てはアッラーの思し召し)、私はより強く戻ります。私はそのベルトを取り戻します」 「昨日は鈴木の日でした。必ず戻ってくると約束します。2月に会いましょう、そして勝利したらベルトを自分に戻します」  RIZIN4連勝から、2021年6月の斎藤裕戦以来、2年5カ月ぶりの敗北。しかもケラモフにとって初のTKO負けだった。失意の敗戦にも、元王者は復活を約束している。  その言葉に対し、セミファイナルで武田光司を3R TKOに下したトフィック・ムサエフは「インシャー・アッラー、ブギ(=ケラモフの愛称)」とエール。  試合後のインタビューでも、「ヴガールと私は子供のときからの親しい仲間で、一緒に練習してきて一緒に有名になってキャリアを積んできました。一瞬のミスで負けてしまったけど、ヴガールは私にとってまだチャンピオンです。信じてください。彼は、絶対アゼルバイジャンにベルトを戻すと約束します」と、ケラモフの復活を信じていると語っている。  また、地元メディアも参加した会見で、「RIZINの榊原CEOからまたチャンスが与えられることを期待しています。やはり本当に良いサポートというのが何なのか、良い日だけじゃない、こういうチャンスのない失敗したときにこそ分かります。マスコミの皆さんにお願いがあります。ヴガールは本当に偉大な選手で、ベルトをアゼルバイジャンに持ってきた功績があります、こういったミスのあった日に、彼のモチベーションに繋がらない、逆にモチベーションを下げるような記事を上げないでください。ひとつだけ覚えていてください。彼は必ずベルトを取り戻しますし、マスコミの方には、彼のモチベーションになるような記事をあげてほしいのです。  今日のヴガールは予想外に負けてしまった。そのことで私も喜びを感じられません。それはヴガールについてだけではなく、ナリマンやラギモフについても同じで、彼らは勝利を目指し、勝利できるポテンシャルを持っていたのに予想外にこうして負けたことで、自分の勝利を喜べないくらい残念に思っています。ただこれが本当にこのスポーツであり、予想外なことも起きます。自分はアゼルバイジャンで大きなMMAイベントに参加したことのある唯一の選手ですけれども、もちろんそこで勝ったことも負けたこともあり、MMAとはそういうスポーツです。もちろんファンの方が選手に影響を与えることもあるし、いろんな原因があります。大事なのはなるべくプレッシャーを与えないことなので、なるべくヴガールのモチベーションを下げないようにマスコミの人にはお願いしたいと思います」と、母国凱旋試合を落としたケラモフをバッシングせずに、バックアップしてほしいとリクエストしていた。  それは第7試合で判定勝ちしたメイマン・マメドフも同様で、「インシャー・アッラー、私の兄弟、私たちはあなたを信じている」と元気づけ、ケラモフの出稽古先である米国フロリダのキルクリフFCでの練習仲間のダリオン・コールドウェルも「リスペクト、ブラザー」とコメントを寄せている。 [nextpage] 世界6位となった鈴木の首を狙うものたち  一方で、前戦で緊急参戦の現Bellator世界フェザー級王者のパトリシオ・ピットブル・フレイレを70kg契約ながら右ストレートで1R KOに下し、アゼルバイジャンでRIZINフェザー級王者だったヴガール・ケラモフも1R TKOに下した鈴木は、MMAデータサイトの「Fight Matrix」でフェザー級の6位に浮上。  それはUFCで10連勝を記録したアーノルド・アレンの5位に続くランキングで、7位のジョシュ・エメット、8位のカルヴィン・ケイター、9位のパトリシオよりも上位となる。直近の試合が反映されるマトリックス上のデータゆえの順位ではあるが、2試合連続のジャイアントキリングを達成し、世界6位となった鈴木に海外からも熱視線が送られているのはたしかだ。 「RIZINのチャンプvs.チャンプ対決の準備ができている」と記したのは、大晦日に朝倉海を挑戦者にRIZINバンタム級王座の防衛戦に臨むフアン・アーチュレッタ(米国)だ。  KOTC時代にジュニアウェルター級、ライト級、バンタム級、フライ級の四階級制覇を達成しているアーチュレッタは、鈴木に「おめでとう」と記すと、「私が海を片付けた後、私と彼(鈴木千裕)が火花を散らすのを想像できる?」と王者対決に意欲を見せている。  また、7月の『超RIZIN.2』で70kg契約で鈴木に1R KO負けしたパトリシオは、日本語で、「鈴木千裕選手おめでとうございます。貴方は本物チャンピオンであることを証明しました。日本のファンのため、世界中のファンのため、そして僕らを愛してる格闘技のため.、お互いが自分のベルトを賭けて戦いましょう。“前の王者”とそんな出来なかったけど、貴方は本当に男の男だからこそ断らないでしょ?」と、“前の王者”がクレベル・コイケを指すのか、ケラモフを指すのか定かではないが、鈴木との再戦を要求している。  鈴木は、試合後の会見で「チャンピオンなので誰が来ても逃げちゃダメですよね。来るのかな。結果的にチャンピオンなので逃げる選択肢はないので、ずっと待っています。だから誰が来てもOKです」と、王者として決められた相手と戦う意思を示しているが、下からのパウンド連打で痛めた右手と親指について、会見で「ヒビかな。靭帯か分からないけど、痛いので東京に帰ったら病院で見てもらいます」と語り、YouTubeでは「親指が痛いですね。いま包帯は外したんですけど、やっぱ靭帯ですね。試合前にも痛めていたので」と、靭帯の可能性が高いことを語っている。  試合後には、9月にクレベル・コイケに判定勝ちし「千裕、勝って来いよ。やろうな。頼むぞ。待ってるぞ」とエールを送っていた金原正徳が、解説席からあらためて「やりましょう、大晦日」と対戦をアピールしているが、鈴木の右手の診断はどう出るか。  榊原信行CEOは、新フェザー級王者の鈴木千裕へのトップコンテンダーが金原であることをあらためて語っているが、鈴木の大晦日参戦については、「無理強いをすることはない」と怪我の回復状況次第としており、大晦日のフェザー級のカードは変動がありそうだ。  新王者の鈴木千裕を頂点に、  朝倉未来に一本勝ちしている前王者のヴガール・ケラモフ。  クレベル・コイケを破り、4連勝中の金原正徳。  鈴木千裕を無効試合ながら極めている元王者のクレベル・コイケ。  萩原京平・斎藤裕・牛久絢太郎に判定勝ちもクレベルとケラモフに一本負けの朝倉未来。  クレベルと朝倉に敗れるも萩原に判定勝ちの牛久絢太郎。  ケラモフに判定勝ち後3連敗も、平本蓮に勝利し、大晦日にクレベルと対戦する斎藤裕。  ほかにも中原由貴、摩嶋一整、平本蓮、適正階級に戻ったビクター・コレスニック、そして階級を下げて来る武田光司らがフェザー級王座戦線にからむべく、控えている状況だ。  追う者から追われる者へ──果たして、鈴木の次戦はいつ誰と戦うことになるか。
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