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【Bellator】「Showtime」ボクシング中継終了が意味するもの──コンテンツとしての格闘技の価値とファイターたちの行方は?

2023/10/18 21:10
 米国主要ケーブルテレビ局「Showtime」が2023年年末までにボクシング中継を終了。Showtimeスポーツチームを閉鎖することで、MMAを含むコンバットスポーツの「コンテンツを前進させない」ことを発表した。Showtimeの親企業となるパラマウント・グローバル社が廃止を決断した。  Showtimeの親会社であるパラマウント・グローバル社は声明で、「より効率的にリソースを配分し、ビジネス全体で提供するコンテンツを調整する戦略を進化させる中で、SHOWTIMEスポーツチームが制作するボクシングやその他のコンテンツを前進させないという難しい決断を下しました」と発表した。  Bellator売却の噂が絶えないこの時期でのShowtimeボクシング中継終了のリリース。Bellatorを所有するパラマウントは買い手候補を探しており、PFLのレイ・セフォー社長は交渉していることを公にしていた。  現在、Bellatorの公式スケジュールは、11月17日にシカゴで予定されている『Bellator 301: Amosov vs. Jackson』の1大会のみ。既報の通り、ウェルター級とバンタム級の2大王座戦をメインに、惜しげもなく各階級のスター選手が投入されている。  そのなかには「ライト級GP準決勝」として、パトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)vs.アレクサンドル・シャブリー(ロシア)の準決勝もラインナップされており、その勝者は王者にして先に決勝進出を決めているウスマン・ヌルマゴメドフ(米国)との「ライト級GP決勝戦」に向かうことになるが、この決勝が、いつ・どこで行われるかは未定だ。 「優勝賞金100万ドル(約1億5千万円)」を掲げて3月に開幕したこのトーナメントの優勝者を決めないことは考えにくく、それはどういう形で行われるか。  PFLがBellatorを買収した場合に考えられることは、一部選手は契約を移管し、しばらくの間、Bellatorブランドを残してライト級GP決勝を含む大会を継続。そのほかの選手はフリーランスとなることが予想されるが、“再契約”は買い手市場となっていくだろう。  そのうちのひとつは日本MMAマーケットになるが、厚遇されてきたBellatorトップファイターのファイトマネーを賄うだけの体力がどれだけあるか。 【写真】フィリピンメディアは「メイウェザーvs.パッキャオ」の再戦が2023年12月、もしくは2024年5月に行われる可能性を報じているが、果たして……。  格闘技に限らず、どのプロスポーツも中継・配信がマネタイズの柱となっており、その配信が過渡期にあるのが格闘技だ。コンテンツとしての格闘技が、ライブやスポーツ観戦などリアルのエンターテインメントとしてとらえられるなか、どれほどの魅力を持って観る者に訴求しているのか。格闘技団体はどこにリソースを割くのか。その最大の価値とは何か。今回のShowtimeの決断は、今後の格闘技界にどのような影響を及ぼすのか、注視が必要だ。 [nextpage] MMAとShowtimeとは?  MMAにおいてShowtimeは、Pro Eliteとともに「Elite XC」を主催し、2007年2月から中継を開始。日本の「Dynamite!! USA」などもライブ中継した。スコット・コーカーが代表を務めた「Strikeforce」の中継も行ったが、UFCを主催するZuffa社がStrikeforceを買収したことで終了。  しかし、2011年にバイアコムがBellatorを買収し、バイアコムがCBSコーポレーションを合併統合しバイアコムCBSとなったことで、2020年からCBS Sports NetworkでのBellator放送が開始。2021年2月から、CBSがオーナーのShowtimeでの放送がスタートしていた(2022年2月からバイアコムCBSは社名を「パラマウント・グローバル」に変更)。  一方、Showtimeでのボクシング中継は、1986年3月のミドル級統一王者マービン・ハグラーとジョン・ムガビの一戦から。2015年5月にはフロイド・メイウェザーvs.マニー・パッキャオをHBOと共催し、PPV購入者数460万件を記録。2017年8月にはメイウェザーとコナー・マクレガー戦も独占中継していた。  米国の主要ボクシング中継局となったShowtimeでは、ボクシング、Bellatorともにジミー・レノン・ジュニアがリングアナウンサーを務めており、「It's show time!」のコールがお馴染みだったが、長年のライバルであったHBOがボクシングから撤退してから約5年、Showtimeも11月25日のWBC世界スーパミドル級暫定王座戦デビッド・ベナビデスvs.デメトリアス・アンドラーデ以降は、ボクシングビジネスから撤退する。
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