BreakingDown 9.52023年10月8日(日)都内某所
▼第7試合 バンタム級ワンマッチ キックルール×レオTKO 延長6回〇シェンロン
『BreakingDown 9』でその狂暴っぷりで話題を呼んだ者同士、レオとシェンロンがバンタム級ワンマッチで対戦する。
レオは『BreakingDown 9』のオーディションに参加し、動画でかなり尺を使って紹介され、朝倉未来BreakingDown CEOは「ツッパリまくってたね。世の中に不満を抱えた悪の少年みたいな。可愛げがあるくらい見ていて面白い。なんか初めて出場した時のこめおみたいな。それよりもうちょっとひどいバージョンみたいな。あんまり口では威嚇してこないんだけれど、無言で殴って来るのがちょっとサイコパス的な。危ない危ない、ツッパってる。楽しみですよ」と、初期のこめおを見ているみたいだと、待望のキャラクター登場を嬉しそうに語っていた。
試合では西島恭平に敗れたが、試合後も西島に突っかかるなどの狂犬ぶりを発揮。大会後の総括でも朝倉CEOは「日本人のニューフェイスならBreakingDown的に面白かったのはレオですね」と評価していた。
対するシェンロンは『BreakingDown 9』で行われた「喧嘩自慢最強決定戦」に大阪代表として出場。「あらゆる犯罪に手を染めて来た」と自ら言い、前日記者会見では登場してすぐに相手の北関東チームに大乱闘を仕掛け、その後も乱闘を繰り返すというこちらも狂犬ぶりを発揮。そのメチャクチャさがBreakingDownファンに大人気。
当初はBreakingDownの人気選手ジョリーがシェンロンと対戦する予定だったが、ジョリーが練習中に眼窩底骨折を負ったためレオに白羽の矢が立ったのだという。狂犬vs.狂犬の結末やいかに。
試合開始から左右フックを振り回して前へ出るシェンロンにレオは打ち合いながらもミドル、ロー、ヒザと蹴りも混ぜる。シェンロンはガムシャラに左右の拳を振り回す。
延長1回、勢いが衰えないシェンロンは左右フックから捕まえるとヒザ。レオは右カーフを蹴り、ジャブを突いていく。シェンロンのパンチを頭を下げてかわすレオにシェンロンは捕まえてヒザ蹴りを連打した。
延長2回、シェンロンの左フックを空振りさせたレオが右フック。右へ回り込んでいくレオは右カーフ狙い。シェンロンは左右フックから掴んでのヒザ。シェンロンが左右フックでレオを防戦一方にさせる場面も。
延長3回、レオの右をかわしたシェンロンが右フック。掴むとヒザ蹴り。左右フックから右ローのシェンロン。パンチには防御に徹するレオが右カーフを蹴ると、シェンロンはバランスを崩す。
延長4回、連打で前へ出るシェンロンにレオは右フック。思い切り右を振り回すシェンロン。両者ともかなり手数が少なくなってきた。
延長5回。ここからはインターバルが1分から30秒に。打ち合いになるとシェンロンが左フックをヒットさせ、首ヒザに持ち込む。レオは左目に打撃をもらったか目を閉じたまま。そこへシェンロンが左右の連打で襲い掛かり、レオはダウン寸前。
延長6回が始まったところでレオにドクターチェック。レオは試合続行を希望したが、ドクターとレフェリーがストップをかけ、シェンロンの勝利となった。
シェンロンはマイクを持つと「メインっていうことで僕、任されたんですけれど、もっとみんなが期待していたずっと打ち合いの試合が出来なくて情けない、見合った試合をしてすいませんでした。11も大阪代表として控えているので、全然練習してなかったんですけどこれを機に練習してスタミナつけて、みんなを魅了するような男になっていくのでこれからもよろしくお願いします」と、練習して強くなりたいと意気込み。
そして「それとレオ君には負けてもツッパっとった方がいいと思うし、自分が19の時に10個以上離れている相手に喧嘩よう売れへんかったし、だからレオは根性があるなと思いました。路上かどこかでいつでもド突き合いしたるで。まだ教育してないからもっと教育したるわ」とレオには路上で教育してやると宣言した。
[nextpage]
▼第6試合 フェザー級(-63kg)ワンマッチ キックルール-尾田優也無効試合―虎之介
虎之介は『BreakingDown 8』のオーディションから参加し、この時から朝倉未来が「この子凄いよね、ハードパンチャーで。プロでやっていった方がいい。もったいないよね、地下格闘技でくすぶってるの」と、そのポテンシャルを高く評価していた。『BreakingDown 8』では常連選手のとしぞうを破ったが、『BreakingDown8.5』では冨澤大智にKO負け。『BreakingDown 9』では右フック一発でフクタロスにKO勝ちした。
尾田は暴走族から反グレへの道を辿ったといい、『BreakingDown 9』の「喧嘩自慢最強決定戦」に出場。前日会見で大乱闘したシェンロンとの因縁の対決で右フックでKO勝ちしている。 開始と同時に飛び蹴りで突っ込む尾田。組んだところで虎之介の左ヒザがローブローとなり、試合は中断。回復を待ってインターバルがとられたが、尾田の試合続行は不可能に。尾田は担架で運ばれ、無効試合となった。朝倉未来は「再戦しよう」と2人に再戦の機会を与えることを約束した。
[nextpage]
▼第5試合 フェザー級(-63kg)ワンマッチ キックルール×としぞう判定0-3〇西島恭平
としぞうは『BreakingDown』の常連出場選手であり、自ら“トルネード”と名乗って「BreakingDownドリームをつかみたい」が決めゼリフ。ボクシング経験6年で北海道在住時代はマルスジム主催のイベントにも出場していたとのこと。『BreakingDown5』では小倉將裕に判定負けも『BreakingDown5.5』ではMMAルールで2018年東日本学生選手権(秋季)グレコローマンレスリング55kg級2位のおかせこに判定勝ち。『BreakingDown6』では元プロボクサーのジョーブログにも判定勝ち。
12月の『BreakingDown6.5』では元Krushの冨澤大智にボコボコにされて判定負けしたが、2023年2月に皇治がプロデュースする『NARIAGARI』の第1回大会に乗り込み、元WPMF日本フライ級&元蹴拳ムエタイフライ級王者のムエタイ2冠王・矢島直弥から番狂わせの勝利を奪った。同じく2月の『BreakingDown 7』では山川そうきにKO勝ちして波に乗ったかに見えたが、『BreakingDown 8』で虎之介に判定負け。『BreakingDown 9』ではオーディションでジョナス・アドリアンスと日本vs.ヨーロッパ対抗戦前哨戦としてスパーリングをしたが、延長戦で敗れ本戦出場を逃した。
西島は空手出身で2017年「全世界青少年空手道選手権大会」男子14~15歳60kg未満で優勝、K-1カレッジでは2020年に3位、2022年では準優勝を収めている。『BreakingDown 8』では山川そうきに判定勝ち、『BreakingDown 9』ではレオにも判定勝ちして連勝中。朝倉未来が「西島恭平くんはBreakingDownに出てちゃおかしいくらいのレベルですよね。スピードといい、一番強いんじゃない? 階級別にしたら。普通にRIZINとかに出ている選手の中でも打撃レベルは相当高いと思うよ」と高評価している。
1R、前に出るのはとしぞう。サウスポーの西島は左ミドルを連打し、左ハイの空振りからそのまま回転しての後ろ廻し蹴りでダウンを奪う。としぞうは右フックから突っ込むが西島はクリンチを繰り返す。来いやと挑発するとしぞうを前蹴りで転倒させる西島。左右フックで前へ出るとしぞうだったが西島は左ミドルを蹴り、バックステップでとしぞうの突進をかわしていく。ダウンを奪った西島が打ち合わず、上手く戦って判定勝ちとなった。
西島はマイクを持つと「僕はRISEだったりRIZINといった舞台で軽量級でトップ戦線に行きたいです。これからも北海道から日本や世界に行けるように応援お願いします」とアピールした。
[nextpage]
▼第4試合 ミドル級(-82kg)ワンマッチ キックルール×久保田覚延長戦 判定1-2〇やまかわしょうた
久保田は2021年11月にABEMA PPV ONLINE LIVEで放映された『朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円』に、朝倉未来への1人目の挑戦者として登場して話題に。その後はBreakingDownに定期的に出場し、記者会見にて椅子で相手を殴り流血させる事件も引き起こした。
朝倉未来の暴走族時代の旧友であり、特攻隊長を務めていたやまかわは朝倉の薦めで『BreakingDown 9』に初出場。トライフォース赤坂で朝倉らと練習を積んで臨んだが、超10人ニキの右フックからの左フックをもらって秒殺KO負け。試合後には朝倉未来YouTubeチャンネルのメンバーから、試合の2日前にウエイトトレーニングで腰を痛めていたことを明かしていた。
互いに右ストレートを繰り出し、やまかわが綺麗に右を打ち抜いてダウンを奪う。ワンツーを連続して繰り出す山川に久保田もジャブや右を繰り出すが、やまかわの右をもらう。しかし、久保田が振った右でやまかわがダウン。立ち上がった山川が右ストレートをヒットさせたところで本戦終了。
判定はやまかわに1票入ったがドローで延長戦へ。ワンツーで前へ出る山川に久保田はジャブ、右フック。両者疲れからか振りが大きくなってなかなかパンチが当たらない。
判定は2-1と割れ、山川がBreakingDown初勝利を収めた。「しょっぱい試合でしたけど勝ててよかったです」と疲労困憊で息を切らしながらやまかわはマイクで話した。
[nextpage]
▼第3試合 ウェルター級(-75kg)ワンマッチ キックルール〇井上力斗判定3-0×森
井上はBreakingDownの主力選手である冨澤大智と小学校からの友人で、“喧嘩屋ニキ”の異名を持つ。2018年に冨澤と共に強盗致傷の疑いで逮捕歴がある。『BreakingDown 8』のオーディションから参加し、本戦ではラッパーのLARGE HIGHと対戦したがKO負けとなっている。
森は『BreakingDown 9』のオーディションでの狂犬っぷりが話題となった。プロMMAファイターとしても活躍する樋口武大に挑戦し、樋口を雑魚呼ばわり。乱闘となって樋口に大怪我を負わせた。本戦の戦いでは樋口に判定で敗れるも、格闘技歴なしにして樋口の攻めに耐えたことで注目された。
試合開始と同時にフルスイングで殴り合う両者、まずは井上が右フックでダウンを奪う。森はすぐにフルスイングフックで前へ出るが、またも右を被弾。それでも前へ出る森が右を繰り出すがダウンは奪い返せず、判定3-0で井上の勝利となった。
[nextpage]
▼第2試合 無差別級ワンマッチ キックルール×アンドレKO〇爆音那智
『BreakingDown 9』で大人気だった「喧嘩自慢最強決定戦」の地区対抗戦準決勝で行われた組み合わせの再戦。キックボクシング歴4年の喧嘩自慢横浜代表アンドレと柔道歴13年の喧嘩自慢大阪代表の爆音那智が対戦する。
予選での初対決ではアンドレが判定勝ちしているが、ローブローで試合の流れが変わったとの見方もされており、因縁の決着戦というところか。
開始後すぐに爆音が右フックで先制のダウンを奪う。さらに爆音は右ローを蹴り、すかさず右フック。これが見事に命中し、爆音がKO勝利を収めた。
[nextpage]
▼第1試合 ウェルター級(-72kg)ワンマッチ キックルール×LARGE HIGHKO〇外枦保尋斗
LARGE HIGHはラッパーで、『BreakingDown 8』のオーディションから参加。『BreakingDown 8』では井上力斗を飛びヒザ蹴りからの右フックでKOした。続いて『BreakingDown 8.5』にも出場し、BreakingDownで2戦2勝だった平石光一から延長戦で判定勝ちしている。
外枦保は『BreakingDown7』のオーディションで薬物依存の母を自ら通報したという衝撃的なエピソードを告白して話題に。キックボクシング歴は3年で、プロ戦績は5戦5勝(4KO)。BreakingDownでは2勝した後に『BreakingDown 8』でYURAにKO負けして初黒星。『BreakingDown 9』ではハイメにKO勝ちして再起を飾っている。
突っ込んでくるLARGE HIGHに外枦保は右ストレート。左右フックから左フックを振り抜いた外枦保がダウンを奪う。さらに左フック、右ストレートで畳み込む外枦保だったが、右フックをもらってダウンしたところに蹴りをもらってダウンを奪い返される。立ち上がった外枦保は左右フックでラッシュを仕掛け、LARGE HIGHは身体を丸めて耐えるが外枦保は攻撃の手を休めず、倒れるまで殴り続けてKO勝ちを飾った。