ラジャダムナン3階級制覇のその先に、ONE参戦も見据える名高
2023年10月1日(日)神奈川・横須賀市にある神奈川歯科大学体育館にて開催される『Amazing Muaythai,Road to Rajadamnern × Shimizu presents BOM 44』で、チョンデン・シッダマン(タイ)とスーパーフライ級3分5Rで対戦する名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム)のインタビューが主催者を通じて届いた。
名高は2018年12月にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座を獲得、2019年4月にはルンピニーの同級タイトルも獲得し、日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者に輝いた。今年7月にはラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座も獲得し、外国人として史上初のラジャダムナンスタジアム2階級制覇王者に。その後も快進撃を続け、8月12日には、タイ・ラジャダムナンスタジアムにて開催されたRWSのメインイベントで同スタジアム認定フライ級タイトル初防衛戦を行い4RKO勝ち、9月のRWSでもKO勝ちして現在24連勝を誇る。
前人未到のラジャダムナンスタジアム3階級制覇を目指し、スーパーフライ級に階級を上げての2戦目となる。
“やっぱり吉成名高は違うんだな”と思わせるような試合をしたい
――今回、地元・横須賀での試合になりました。
「アマチュアを含めても初の地元での試合になります。会場の神奈川歯科大学体育館は実家から車で10分と近い場所にあり、普段、自分が生まれ育っている思い出深い場所で試合ができるというのは凄く嬉しいです。そこの会場のすぐ近くに公園があるんですけど、なんかイベントがあった時にそこの公園に行っていたので、そこで自分が試合できるのは本当に不思議な感覚です(笑)」
――今大会は今年6月20日に永眠された自民党県連元幹事長の竹内英明氏を偲ぶ追悼大会として開催されますが、生前には名高選手も交流があったそうですね。
「お会いしたことは2、3回ありました。僕がラジャダムナンのベルトを獲ってルンピニーのタイトルに挑戦する前の18歳ぐらいの時に、竹内先生の事務所に中川(夏生)会長とご挨拶に行ったことがありました。竹内先生は格闘技に詳しく、旧KNOCK OUTで自分と(石井)一成君のエキシビションマッチを会場で見られていたようで「絶対スターになれるから体に気をつけて頑張ってね」と優しく声を掛けて下さったことが凄く印象に残ってます。今年の1月に横須賀市のスポーツ大賞に選んでいただき、その表彰式には竹内先生がいらしていて、そこでも「頑張っているね」と言っていただき少しお話しました。その時はすでに体調が悪かったみたいですが、周りの人には全くそういう素振りを見せられてなかったので僕は全く気づず、『またお話できて良かったな』と思っていた数か月後に訃報をお聞きしまして凄くショックでした」
――天国から竹内先生にはどういった姿を見てもらいたいですか?
「竹内先生は横須賀のために色々動いてくださった方なので、竹内先生が愛した横須賀の地で最高のパフォーマンスを見せたいと思っています」
――今回の対戦相手チョンデン・シッダマンについてはどういった情報がありますか?
「動画を調べたところ、1年くらい前の映像しかなく、左でも右でもどっちでも試合してて、どちらの構えでも戦える選手なのかなと。身長は多分同じくらいでちょっと細身に見えたのですが、首相撲はちょっと厄介かなと。でも、正直なところ。今回自分の中では7月のラジャダムナンスタジアム認定フライ級タイトルマッチで対戦したウェウワー選手、8月の初防衛戦で対戦したルンヴィッタヤー選手と比べると、レベルは下なのかなと思います」
――関係者の情報によると、昨年9月の『超RIZIN』での名高選手のバンダサック戦の試合映像を見て、「名高とやってみたい。タイで有名な名高を倒す」と本人が名乗りを上げたそうですね。
「タイトルマッチで対戦したウェウワー選手も前日会見で自信満々の発言をしていて、上手いタイプの選手は自分がやられるイメージをあまり持たないから自信があるのではないでしょうか」
「5Rあるので、1R目は焦りすぎずに色々試しつつ動きたいと思っています。ここ最近はコンスタントに試合が続いていて、前回は足を怪我していた状態での試合でしたが、今回は怪我も良くなっていて万全の状態でできるかなと思うので、自分の中では色んな動きを出せるのが凄く楽しみです。ただ、相手が右と左のどちらの構えで来るのかはやってみないと分からず、相手がどっちの構えになってもこういう技が当たるかなと考えているものがあるので、スピード、フェイントを使って翻弄できればなと思います。他の選手には見せられない、自分だけのスタイルの試合を見せて、“やっぱり吉成名高は違うんだな”と思わせるような試合をしたいと思います」
――9月22日にルンピニースタジアムで開催された「ONE FRIDAY FIGHTS 34」ではスーパーレックvs.ロッタンや、4月に対戦したソンチャイノーイがジョムホートに2RKO勝ちなど、凄い試合の連続でした。名高選手が強すぎるが故に、ああいうバチバチな試合は成立しないですけど、ロッタンのような激しい試合をやってみたいと思いますか?
「全然思わないです(苦笑)。もちろんバチバチな試合は試合会場が盛り上がって凄くいいと思うんですけど、僕は自分だけ痛くなければいいなと(笑)。相手に何もさせない、完封する試合というのは、技術がないとできないことだと思うので、僕はそういう試合にこだわっていきたいですね。今、強い選手がONEに流れていて、自分の今の目標を達成した後、新しい目標を考えた時にONEの舞台も選択肢に出てくるのかなと。自分もそこの舞台に行って勝っていける自信がありますし、自分はロッタン選手やスーパーレック選手のレベルの選手になれると思っているので、3階級制覇したら会長たちと相談して考えたいと思います。ONEムエタイでチャンピオンになった日本人選手はいないので、僕が出るまではみんな獲らないように温存しといてほしいですね(笑)」
「今は3階級制覇に集中してますが、プラジャンチャイ(・PK・センチャイ)選手のストロー級だと、ゆくゆくはやっていける体重になると思うので、そういった選手たちとは拳を交えたい気持ちも最近出てきました。ONEルンピニーだとオープンフィンガーグローブなので、やると決まったら、色々と練習方法も変えなきゃいけないのかなとは思います。今いろんな大会がある中で、いろんな選択ができると思うので、凄くワクワクします」
――まさかの仰天プランでこっちもワクワクしてきました!
「ありがとうございます(笑)。今後の僕の展開にも期待してください」