MMA
インタビュー

【RIZIN】山本アーセン、福田龍彌戦に向け、「“この人の首が欲しいな”と心から思える相手」×中村倫也「自信を持って迎えられる」=9月24日(日)さいたま

2023/09/21 12:09
 2023年9月24日(日)、さいたまスーパーアリーナにて開催の『RIZIN.44』に向け、フライ級(57.0kg)で福田龍彌(MIBURO)と対戦する山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)が19日、所属ジムにて公開練習を行った。  グレコローマンで世界カデット選手権69kg級金メダルの山本が、今回の公開練習の相手に指名したのは、フリースタイルU-23世界選手権61kg級優勝の中村倫也(フリー)。8月のオクタゴンデビュー戦で勝利したばかりのUFCファイターが、盟友の大一番前に合流した。27歳の山本と28歳の中村はピュアブレッド大宮で幼少時代から交流があり、KRAZY BEEでの練習仲間でもある。  山本が今回対戦する福田は、DEEPで強豪揃いのGPで優勝した全てをこなせるストライカー。アーセンは伊藤裕樹戦で見せた「無限レスリング地獄」を遂行できるか。  公開練習後の囲み取材で山本は「福田選手には自分からラブコールを送った。“この人の首が欲しいな”と心から思える相手」と語り、セコンドにつく予定の中村は、「あとは集中力と自信が鍵」と、最後にメンタルを仕上げて迎うと背中を押した。 (福田のような)「のしのし」タイプが好きです ──9月24日の試合に向け、アーセン選手のコンディションはいかがでしょうか? 中村 (山本が中村を見て)コンディション、もうエグいっスよ。ヤバい。バッチリです。 山本 ほんとうにバッチリです。 ──今回の公開練習ではピュアレスリングを見せました。その意図は? 山本 自分たちのバックボーンのレスリングを忘れないように、しっかり試合でも使えるように温ってる感じです。 ──山本選手は、今回の福田戦でどういうところを見せたいですか。 山本 何が起きるのか分からない試合だと思うので、しっかり目を離さないで観ていただけたらなと思っています。 中村 前回から立ちも寝技も細かいところを修正してめちゃくちゃ精度上がってます。前回の試合はやっぱり3年前だったんだなという試合(復帰戦)だったんで。 山本 ヘッドコーチでございます。全部倫也さんに従っております。 中村 いやいや(笑)。(山本は)疲労がすごい先週、先々週と溜まっていたけど、だんだん集中力が上がってきて整ってきましたね。 山本 はい、間違いない。メンタルも整ってきた。 ──福田戦に向けて、相手の印象とどんな対策を練ってきましたか。 山本 やっぱり本物のファイターだし、叔父(山本“KID”徳郁)がチャンピオンだった修斗のチャンピオンだったから、『獲物』って言い方は変かもしれないけど、“倒してぇーな”と、前回よりも“この人の首が欲しいな”と心から思える相手です(※現MIBUROの福田は元PUREBRED京都所属)。 ──以前の試合から強化してきた部分は? 山本 これ毎回質問されて言うんですけど、「集中的に強化」は自分はやってなくて、「全体的に強化」しているので、総合格闘家として、1個2個レベルが上がっているところをしっかり見せられたらと思っています。 ──ところで、今回の公開練習のみならず、囲み取材にも中村倫也選手を同席させたのは、寂しいからですか? 山本 はい、マジで(笑)。もう倫也には何飲む・何食うにしても、『倫也、飲んでいいの?』『いいよ! 飲めよ』とやってて、減量前も、試合前に限らずっと日々、ついてもらっています。 中村 アーセン、分かっていることも多いので一人でやってますよ。 ──そんな中村選手は、UFC本戦で勝利してきました。刺激になりますか。 山本 刺激しかないっスよね、ヤバいっすよ。試合になると倫也さん、人変わるし、目怖くなっちゃう(笑)。試合前に練習相手も一回させてもらって、試合前のウォーミングアップもさせてもらったこともあって、試合に向けて上げていくのも間近で見て、ウォーミングアップとかの倍の倍を超えてくるのが倫也だから、そんな人、見たことない。 中村 俺の話になってるから(笑)。 山本 刺激でしかないし、俺も負けず嫌いの“弟”だから、“あー、もっと見せないとダメだな”っていうのはあるっスね。 ──さきほど中村選手は、山本選手の前回の試合を「復帰戦という感じがした」と評しましたが、本来のポテンシャルは出ていなかったと? 中村 あのときあの日で100パーセント出したけど、もっともっと上がるところはあるし、本来の戦いたいスタイルはしっかりやり抜き通したなかで、いろいろ細かいところで、まだまだ磨けるところがいっぱいあったので、そこも全部発展段階ですけど直していって、今回バッチリ自信を持って迎えられると思います。 山本 前回は正直、隙がありすぎたスね。相手がそれが見えなかったのはラッキーだったから。もう見せないです。相手がそれを見えなかったからラッキーだから、次はもう見せないです。 ──その隙を今回は見せられない相手だと? 山本 そうですね。どの戦いもちょっとでも見せたらバチコンいかれるのが総合格闘技だと思うんで、懐を見せないように。 ──福田選手は主に左構えで前手と、左ストレートも強い。あの福田選手のようにのっしのっしと圧力をかけてくるタイプは、レスラーにとってテイクダウンはどうなんでしょうか。 山本 うーん……個人的になんですけど、のしのしタイプが好きです、騒がしいよりやりやすい。 ──福田選手は、DEEPのフライ級GPを判定ながらすべての試合を勝ち切っています。 山本 素晴らしいと思います。 ──あの強豪揃いのGPを勝ち上がってきた福田選手の試合をどう見てきましたか。 中村 GPやってるとき、見てた? 山本 (耳打ちして小声で)見ていない。 ──決勝の本田良介戦とかも見ていないですか? 組みの本田選手にテイクダウンをさせなかった。ただ、アーセン選手ほどの組み技の強い選手とこれまで……。 山本 やってると思いますよ。 中村 うーん……。 山本 まあやっているってことにしておこうよ。 中村 ……やっていない……。 山本 それでチャンピオンになってるんだから。ほかの国の団体だったり、どんなに小さな団体だろうが、1位になる人は、やっぱりすごいから。持って生まれた選手じゃないと1位にはなれない、絶対に。だから他の人と違うものを持っているし、ただ、俺も持ってるよっていう。 ──今回の試合まで少し時間が空きました。そこで福田選手と対戦するということに迷いは無かったですか。 山本 逆に今回の試合、正直なところを言うと、ちょっと怪我とかがあって、準備とか間に合わないかもしれないから、今回飛ぶそうかとチームで話し合っていましたが、それで『福田さんは1回いなくなるよ』って言われて、『ああそれは嫌だ』って言って、この試合を受けたんで、自分からラブコールを送ったんで。 ──それだけやりがいがある選手ということですね。 山本 “欲しい”です。 ──今の本当の自分の力が分かる試合になりますか。 山本 そうですね。また前回とレベルアップした自分を、確信に変えられるんじゃないかなと思っています。 ──中村選手は、この試合がどんな試合に、何が勝負を分けると考えていますか。 中村 そうですね……(山本に耳打ちされて)えーと、集中力、そこに尽きると思います。けど、自信だけなので、あと仕上げるものって。そこが仕上がれば自信が鍵になると思います。 ──山本選手は今回、どんな自分を見せたいですか。 山本 自分は勝ちにこだわっているから、練習でやっていることを全力で見せたら勝手に盛り上がる試合になるので、とりあえず勝ちます。勝てば盛り上がる。 中村 間違いないです。 [nextpage] 母・山本美憂を「あの人には終わりがない。ずっと主役でずっとルフィ」(アーセン) ──ところで母・山本美憂選手との練習は? 山本 いまグアムですね、母ちゃん。いま向こうのSPIKE22でいい練習が出来ていて、もうヒザも気にならないと言っていたので、絶好調で帰ってくると思うので、お楽しみにしていてください。 ──今回、引退試合に対して美憂選手に対して思うところがあれば。 山本 あの人には“終わり”がないですね。まず身体を動かしてないとストレスが溜まっちゃう人だから、それに世界選手権とか勝っていて人前で活躍するのを快感として覚えちゃってるので、何かしらやっちゃうと思う。ずっと主役だよ……。ずっとルフィだから。 中村 間違いない(笑)。 山本 「MMA最後」と言っていても、また違う形で表に出てくるのが山本美憂だと思うので“最後”と言うより、第1章、第2章が終わる、というくらいのイメージで続くので、最後じゃないです。 (※囲み後、山本は母がMMAに続いてボクシングをやりたいと語っていたことを明かしている。本誌では美憂がボクシング挑戦の意欲も持っていることも確認している) ──視聴者から、「あらためて対戦相手の印象」を。 山本 (カメラを指して)さっき聞いていたよね(笑)。 中村 「リスペクトも殺気もあります」と。 山本 そうリスペクトも殺気もあります。 ──前回と比べて心理面で違うところはりありますか。 山本 無いんじゃないですか、無いと思います。 ──今回の試合で一番見てもらいたいところは? 山本 僕を見てください。あとセコンドが何よりも豪華だから、3人揃ってヤバいから、ちょっとチーム力と団結力と、愛の量が違うから、そこを見ていただければ。入場から、入場曲もちょっと渋いの選んだので盛り上がってもらえればいいかなと思っています!
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