ウェルター級戦線での生き残りを懸けた戦いに臨む松岡 (C)M-1 Sports Media
2019年8月24日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』の第3試合、ウェルター級スーパーファイト3分3R・延長1RでK-1甲子園2017・2018 -65kg王者・近藤魁成(大成会館)と対戦する松岡力(K-1ジム五反田チームキングス)。
松岡は空手からキックボクシングに転向し、新日本キックボクシング協会でプロデビュー。2017年に現在のK-1ジム五反田に移籍し、2018年1月からKRUSHに参戦した。K-1初出場となった昨年12月の大阪大会では野杁正明にKO負けを喫したが、今年4月のKRUSHで第3代K-1 KRUSH FIGHTウェルター級王者・牧平圭太から勝利を収めて再起している。戦績は9勝(4KO)5敗2分。
対する近藤は幼少期より空手を学び、難病を克服して2017年に高校1年生でK-1甲子園を制覇。2018年3月にプロデビューを飾り、2018年K-1甲子園を連覇。2勝無敗1分の戦績で今年5月、木村“フィリップ”ミノルのK-1 KRUSH FIGHTウェルター級王座に挑戦し、KO負けで初黒星を付けられたが、ヒザ蹴りでダウンを先制してあわやの場面を作り出した。
「高校生に負けていたら次はない」という覚悟を持って試合に臨む、松岡のインタビュー。
当てさせないで当てる。そうやって完封しようかなと思ってます
──今回は近藤魁成選手と対戦が決まりました。オファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
「対戦相手として全く想像していなかったです。魁成くんの試合を見たことはありますが、うちのジムの選手が魁成くんと試合をすることが多くて、魁成くんじゃなくてジムの選手のことを見ている感じでしたね」
──魁成選手はK-1ジム五反田チームキングスの鈴木勇人選手や木村“フィリップ”ミノル選手と対戦経験がありますからね。実際に対戦相手として見ての魁成選手の印象はいかがですか?
「勇人さんとやった時よりミノルくんとやった時の方が全然レベルが上がっていて、まさに成長中の選手だなとは思います。ただファイトスタイル的には得意ですね。完全に得意なタイプです」
――かなり自信があるようですね。魁成選手は木村選手から先制のダウンを奪っていますが、あれは木村選手が自分から行くスタイルで、相性的な部分が大きいということですか?
「そうっすね。僕は当てさせないで当てる。そうやって完封しようかなと思ってます」
──去年の大阪大会で松岡選手は野杁正明選手にKO負けという結果でしたが、4月のKRUSH後楽園大会では元KRUSH王者の牧平圭太選手から勝利を収めました。前回の試合で掴んだ手応えはありますか?
「野杁くんの時はすっと負けたんですけど(苦笑)、あれもそれだけの実力差があったとかじゃなくて、格闘技の一瞬の油断を突かれたというか、そういう敗戦だったと思うんですよね。その一瞬の油断を突く・突かれるのが実力差ではあるんですけど。前回は元王者に対してけっこう完封できたんで、そこは自信にはなってますね」
──松岡選手は蹴りのイメージが強かったですが、牧平戦ではパンチもかなり効かせていましたよね。
「あの時は何でか分からなかったんですけどアップの時に全然足が動かなくて(苦笑)。本当は蹴るつもりだったんですけど、パンチでいくしかなかったんです。牧平選手もパンチの選手ではないので、パンチ勝負でもいけるかなとは思ってたんですけど、あそこまでパンチが当たったのは予想外でしたね」
──例えば松岡選手は自分の技の引き出しには自信がありますか?
「そうですね。自分でもオールラウンダーとは思っていて、その中で蹴りに特化していったタイプだと思っています。だから練習でボクシングスパーをやっても上の選手とやりあえるので、技術的に自分は高い方だと思ってます」
──記者会見で印象的だったのは「高校生に負けていたら次はない」という言葉です。若い選手の挑戦を受ける立場になって改めてその心境はいかがですか?
「僕が高校生の時に何してたかって考えたら、本当に毎日遊んで格闘技のことなんかほとんど考えてませんでした。その時の自分と当てはめるわけじゃないですけど、高校生のガキに負けたら本当あとがないんで。高校生は今から伸び盛りでまだまだ次があると思うんですけど、僕はもう26歳です。本当にあとがないので、高校生には負けられないですね」
──今はK-1もKRUSHもチャンピオンが同門の選手なので、すぐにタイトルマッチというのは難しい状況です。今ベルトに対してはどんな想いがありますか?
「もちろんベルトが欲しい気持ちは変わらないです。何か形に残さないと格闘技をやっている意味がないんで、ベルトを獲って形に残したいですね。本当に今は一戦一戦、負けたら引退ぐらいの覚悟を持ってやっていて、練習でもそういう意識で取り組んでいます」
──前回の大阪大会では悔しい内容・結果に終わりました。今年はどんな試合を見せたいですか?
「僕が試合を早く終わらす分には早い方が良いです(笑)。前回がっかりさせてしまった地元のファンの人がいるので、今回はその人たちを楽しませるような良い試合をして、勝って締めたいと思います」