MMA
レポート

【ROAD FC】スーチョルがアゼベドを下し、決勝進出「山籠りして準備をしなければ」×原口央「ドロ臭く戦う」=10月対戦

2023/08/31 01:08
 2023年6月26日、韓国アニャン体育館にて、『Road FC 65』が開催された。「グローバル63kgトーナメント準決勝」では、地元・韓国のキム・スーチョルと、ブラジルのブルーノ・アゼベドが対戦した。  スーチョルは、ROAD FCフェザー級王者。2021年に4年ぶりに復帰し、フェザー級王座決定戦に出場も、パク・ヘジンに1Rギロチンチョークで一本負け。2022年5月の再戦で、2R KO勝ちでタイトルを獲得した。  2023年9月には「RIZIN」で扇久保博正に判定勝ち。年末のBellatorとの対抗戦では、フアン・アーチュレッタと接戦の末に、スプリット判定負けで王座を逃している。  その後、2023年6月に「ROAD FC」の63kgトーナメントに参戦し、一回戦でロシアのアレクセン・インデンコにギロチンチョークで55秒一本勝ち。トーナメント出場の韓国勢として唯一、勝ち上がっている。MMA20勝7敗1分の31歳。  対するブラジルのアゼベドは、ノヴァ・ウニオンでトレーニングし、現在はドイツ在住。スピットファイアージム・ベルリンに所属する。修斗ブラジルでキャリアを積み、2023年2月の「ONE Friday Fights」で、ロシアのタレック・ガミドフに2R 肩固めで一本勝ち。6月の「ROAD FC」63kgトーナメント一回戦では、かつて根津優太に敗れたパク・ヘギュンと戦い、1R リアネイキドチョークで一本勝ち。スーチョルとの準決勝に駒を進めた。▼グローバル63kgトーナメント準決勝 5分3R〇キム・スーチョル(韓国)[判定3-0] ×ブルーノ・アゼベド(ブラジル)  1R、ともにオーソドックス構え。圧力をかけるスーチョルが左インロー。右ロー。さらに左ボディで前進して金網に詰めて組むと、右で差して押し込み左ヒザ。体を入れ替えようとするアゼベドもさせず、ブレーク。  左ミドルハイのアゼベドは右ボディストレート。スーチョルの左インローがローブローとなり中断も再開。右ローのスーチョルに左右で詰めるアゼベドに右で差すスーチョルは右ヒザ。右ヒザを変えるアゼベドにスーチョルは得意の足払いを見事に決めてこかす! すぐに立つアゼベド。  スーチョルはすぐに詰めて右の前蹴り。右ロー、左ボディ。左前蹴りと腹に突く。アゼベドは低いシングルレッグも背中を向けて足を抜くスーチョルはバックを取らせず。正対して向き合い、左ハイキック!  アゼベドの右をかわして右を打ち込むスーチョルは、押し込んでクリンチ、左ボディ、得意の首相撲ヒザ、アゼベドのニータップを潰して前に圧力をかけるスーチョル。下になり足を効かせるアゼベドに上から鉄槌! 後転して立つアゼベドをがぶり、離れ際に右ヘッドキックを叩き込んでゴング。  2R、アゼベドが右ローを打ち込む。組みもいい組み手にさせないスーチョル。左ジャブを当てるアゼベドに、スーチョルは左ボディ。クリンチからヒザを突き、離れては右カーフも。右前蹴りのスーチョルに、右ミドルのアゼベド。上下に蹴りを散らすスーチョルに、ダブルレッグはアゼベド。金網背に凌ぐスーチョルは頭を下げるアゼベドに鉄槌。差し上げてブレーク。  左右ローのスーチョル。スイッチしながら左ミドル、アゼベドも右の蹴りを上下に散らす。互いにブロッキングのなか、アゼベドは右ロー。スーチョルは左右のテンカオで前に。しかし、ここはアゼベドも組ませず。右を振ってゴング。アゼベドが盛り返すも一進一退のラウンド。  3R、両手でグローブタッチ。スーチョルが左ジャブから入る。ワンツーを強振するアゼベド。頭を傾けるスーチョルは右で差して体を入れ替え、左ボディ。右手でヒザ裏、左で押し込みニータップを狙うアゼベド。を差し上げ、逆に手を着かせるスーチョル!  そのまま押し込み、アゼベドに鉄槌。スクランブルから立つアゼベドを追う。ダブルレッグを仕掛けるアゼベド。それをがぶりバックに回るスーチョルの左手を巻き込み、前転ではなく横回転でスーチョルを巻き込んで上を取ろうとするアゼベド!  しかし、スーチョルもすぐに股を潜り立ち上がり。即、詰めて左ボディを突いて前に。首相撲からヒザ、右ミドル。その蹴り足を掴むアゼベド。スーチョルは細かいワンツーから、左ハイ!  もらったアゼベドは足が泳がせながらも足を手繰りに。それをがぶったスーチョルにガードを取るアゼベド。インサイドから鉄槌を打ち込み、シングルレッグに来たアゼベドを切って寝かせてサイドからパウンド!  ディープハーフのアゼベドを剥がして、両足をさばきながら鉄槌! アゼベドの下からの腕十字も危なげなく避けてゴング。判定は3-0でキム・スーチョルが勝利した。  強豪ラザバリ・シェイドゥラエフの計量ミス・失格により、不戦勝で決勝進出を決めていた原口央がケージインし、10月の決勝戦に向け、「キム・スーチョル選手はで強いんで。全局面で圧倒していたすごく強い選手だと思います。僕はこのトーナメントで一番目立っていない選手だと思うんですけど、このトーナメント、僕が一番人生を賭けているので、絶対に優勝します」と語った。   また、試合後のバックステージでの公式インタビューでは、「(相手の計量ミスで)試合が出来なかったのは正直、残念ですが、こういう運も実力だと思っている。キム・スーチョル選手は、すごく尊敬している強い選手。RIZINでも強豪に勝っている。全局面で強い。テクニックどうこうより、自分の持ち味のドロ臭さを出して戦う。自分はまだレスリングに頼っているのでオールラウンダーとは言い切れないですが、スーチョル選手は、過去の映像を見ても、ああいったハイキックやボディブローが厄介で効かせているので、僕のときにもやられるのかなと。タックルメインでもタックルだけじゃなく、組んでも離れたところでも戦います。しっかり準備期間で対策したいと思います」と意気込み。  続けて、「尊敬するキム・スーチョル選手と戦えて非常に嬉しいです。韓国という大きな舞台で試合をするので、みんなスーチョル選手を応援すると思いますが、僕の試合を見て、応援してもらえたら嬉しいです。お互いに最高の試合をしましょう」とメッセージを送っている。  対するスーチョルは、試合後のバックステージでは、まずは準決勝について「アゼベド選手の根性を垣間見ることができました。最後に本当に終わらせようとしていたのに、こうして簡単じゃないなと。こんなに難しいとは思わなかった。運が良くてとにかく勝ったとも思っています。少しルーズになったので、もっと頑張らないといけない。1R、終わってから、何回かいい攻撃が入ったのですが、耐えられて“おいおい、これは最後まで耐えるんだな”と思いました」と、タフなアゼベドを称えた。  続けて、10月の決勝戦について、「原口選手は強い選手だし、今このくらいの調子で、あの選手にちゃんと勝てるかなという疑問があるんです、実は。準備をしなければならないようです。山の中とかに行って」と、新たにファイトキャンプを組みたいとした。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア