2023年9月29日(金)東京・後楽園ホール『Krush.153』の対戦カード発表記者会見が、8月23日(水)都内にて行われた。
Krushスーパー・フェザー級タイトルマッチ3分3R延長1Rとして、王者・中島千博(POWER OF DREAM) vs.挑戦者・髙橋直輝(若獅子会館)が決定。中島は2度目の防衛戦。
中島は極真空手で2017年第34回全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017年オールアメリカン大会無差別級3位、2018年USウェイト制軽重量級優勝などの実績を引っ提げてキックボクシングに転向。2019年5月にプロデビューし、2022年1月「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』では笠原友希に判定負けを喫したが、12月の初防衛戦では西元也史に判定勝ち。6月のK-1ではハン・ギョンミンにKO勝ちしている。戦績は8勝(5KO)3敗。
髙橋は2022年からスーパー・フェザー級に階級を上げると、遠藤信玄にKO勝ち、友尊にKO勝ち、斎藤祐斗にKO勝ち、西元也史に判定勝ちと4連勝。軽快なステップで回り込んでのカウンターを狙うほか、左右フックを思い切り振って回転させる。初代ACCELバンタム級王者。戦績は17勝(5KO)7敗2分。
Krushでは今回が初のタイトルマッチとなる髙橋は「タイトルマッチは嬉しいけれど、タイトルとかは気にせず楽しんでやっていくと思います」と、タイトルは気にせずいつも通りにやると挨拶。中島は「2度目の防衛戦なのですが、今回もしっかり勝ってベルトを守っていきたいと思います」と防衛を誓う。
互いの印象を聞かれると髙橋は「凄い真面目でカッコいい選手ですよね。俺はやってやんぞって選手が多い中で武道精神と言うか。僕は好きですね」と中島の姿勢を褒め、中島は「嬉しいことを言っていただけました。髙橋選手はとても好青年で人柄もいいと思いますが、試合になったら関係なく殴り合ったり蹴り合ったりするので負けないようにしたいです」と、2人ともトラッシュトークとは無縁の清々しいやり取り。
ベルトへの想いを聞かれると、髙橋は「この1年いろいろなことがあって絶対に勝たないといけない理由が増えて。僕個人の問題ですが、とりあえず絶対に勝たなあかんのです。館長に獲りましたよと言いたいと思っています」とし、中島は「僕で10代目ですが初代から素晴らしい方たちが獲ってきたベルトで、やっと僕が手にした初めてのベルト。とても思い出深いベルトなので獲らせたくない気持ちがあります。髙橋選手もいろいろな想いがあると思いますが、僕もいろいろな想いを背負って辿りついたので手放したくないです」と答える。
その後の展開について聞かれると、髙橋は「自分の名を残すこと。ジムもどんどん有名にしていきたいです」と言い、中島は「このベルトを持っていれば自然ともう一つのベルトまで行けると思っているのでこのベルトをまず守ることです」とした。
髙橋は以前の会見で絶好調の理由を聞かれると「毎朝、起きた時に“絶好調!”と言うことです」と答えており、それはまだ続けているのかとの問いに「もちろんですね。今日の調子がしんどいと思っても“絶好調!”だと思って頑張ります」という。
互いのスタイルについて、中島は空手をミックスしたキックボクサーとは違う動きをすることに髙橋は「僕が不器用なトリッキーだとしたら、中島選手は基本に忠実なトリッキーで凄い基礎が出来ていて。僕は基礎をしようと思っても出来なかった人間なので(笑)。面白いと思いますよ。なんかダンスみたいでしょうね」と、互いのスタイルがぶつかり合って面白い試合が見られるのではないかと笑う。
一方の中島は「やはり強いので、強い人は他の人と被らない何かがあると思っていて。構えも打ち方も他の人と違うところがあるなと思っています」と髙橋のスタイルを評した。
髙橋が挑戦者として来ることは「スーパー・フェザー級で4連勝していて、僕が戦ったことのある友尊選手にも西元選手にも勝っているので、次は高橋選手だなと思っていました」と予期していたという。
また、中島は「宮田さんは僕がデビューした頃にKrushプロデューサーをやってくださっていて、その時から『頑張って』と声をかけてくれました。辞める時も『これからもガンガン試合して上がっていってください』と言われたのを覚えています。今回王者になって試合を見ていただけるので、進化した僕を見ていただけるように頑張ります」とのエピソードを話した。
宮田Pは「古川会長と中島選手は一緒にいることが多くて、中島選手はどんな時も礼儀正しく挨拶してくれる選手なので、僕も他の選手より余計に励ましの声を言った記憶があります」と振り返った。
そして最後に髙橋が「階級を上げて5戦目。きりよく5連勝でベルトを獲りたい」と言えば、中島は「試合は字の通り試し合い。いつも練習で試していることを試合で出すのが僕のスタイルなので、前の試合とは違う技を練習してそれを出して試したい。そして勝てればと思っています」と、新しい技で勝ちたいと語った。