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【UFC】アジア人男子初のUFC王者も期待されるソン・ヤドンが拳銃強盗被害「無力感を感じた」が「誰にでも起こりうること」と注意喚起

2023/08/07 12:08
 UFCバンタム級史上4番目に多いノックアウト数の5KO・TKOを誇る同級8位のソン・ヤドン(中国)が先週、深夜の米国のガソリンスタンドで覆面の4人組に銃を突きつけられて強盗に遭ったことを投稿した。  カリフォルニア州サクラメントのチーム・アルファメールで練習するソンは、「私が遭遇するとは思ってもみなかった最近の経験を、皆さんにお伝えしたいと思います」と冒頭で記した。 「先週の水曜日の明け方、ガソリンスタンドで、友人と私は4人の覆面強盗に遭いました。彼らは武装しており、私たちは危険な状況にありました。彼らは私たちが持っていた貴重品をすべて奪いました。幸い、私たちは無事でした」  拳銃を持っていたという4人の覆面強盗を前に、MMA29戦(20勝7敗1分1NC)のキャリアを持つ“ザ・カンフー・キッド”は抵抗はしなかったという 「プロのファイターとはいえ、私は降伏することを選びました。彼らの銃を前にして、私の拳では太刀打ちできない。弾丸よりも速く動けないと分かっていたから」と、安全のために適切な行動を採ったソンだが、「その瞬間、私はかつて感じたことのない無力感を感じました」とも記している。  どんな屈強なファイターであろうと、銃器の前には無力だ。命をかけてまで守る所持品など無いだろう。ソンは、この出来事について「誰にでも起こりうること」と注意を喚起する。 「誰であろうと、どんなに強くても、危険に遭遇し、無力感を感じることは誰にでもあるということを伝えたいです。これは私が経験した試練であり、誰にでも起こりうることなのだと。  また、夜間、間違った時間帯に間違った場所にいることを避けるよう、みんなに言っておきたいです。危険を完全に避けることはできませんが、慎重な選択をすることで潜在的なリスクを減らすことはできます。  ご理解いただきありがとうございます。命を大切にし、正しい選択ができることを願っています。あなたの友人、ソン」  日本の外務省でも「万が一,強盗事件に遭遇してしまった場合の行動」として、「抵抗しないこと」が重要だとHPに下記のように記している。 「反撃する様なことは考えず,両手をゆっくりと犯人の見える位置に移動させ、抵抗する気がないことを犯人に示すことが重要です。また、相手が拳銃等の武器を所持している場合は,急に動くと犯人から攻撃される危険性が高いため、落ち着いて犯人の指示に従い,ゆっくりと動くことが大切です。一般的には、無抵抗で金品を差し出した場合に、更に生命・身体に危害を加えられる危険性は低くなります。自分の命をかけてまで守る価値のある物は無いことを忘れないでください」  ソンは、トップファイターながら、強盗に遭ったことを記し、その時、その場所にいたことを「間違っていた」と告白。「慎重な選択をすることで潜在的なリスクを減らすことはできる」と、自らの経験をもとに語っている。  母子家庭で育ち、9歳の時に中国四川省の首都・成都にあるエンボー(恩波)ファイトクラブに入門したソン。12歳で河北省散打選手権で優勝すると、15歳でプロMMAデビューを果たした。  それから10年。米国で練習を重ねるソンは、UFC9勝2敗1分で、前戦ではUFC5連勝中だったリッキー・シモンに5R TKO勝ち。8月19日に7位のロブ・フォントと対戦予定だったが、欠場している。  ZUFFA体制以降のUFCでアジア人男子選手では、岡見勇信をはじめ、堀口恭司、ジョン・チャンソンらがタイトルマッチを経験しているが、ソンは韓国のチャンソンと同じ8位で、現時点でもっとも王座に近いアジア人ファイターといえる。  強盗の危機を避けたソン・ヤドンは、オクタゴンのなかで戦い、頂を目指す。
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