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【UFC】サンドヘイゲンがフォントにフルマークの判定勝ち、吉田沙保里と戦い銅メダルのスアレスが元王者アンドラージをギロチン葬! エフロエフを苦しめたロペスがタッカーに飛びつき三角から一本勝ち! クロマド弟子のハリスが一本勝ち、平良達郎のフライ級で熱闘ダーデンがハドリー下す! 初参戦アルマバイエフがオズボーンに一本勝ち

2023/08/05 20:08
 2023年8月5日(日本時間6日)米国テネシー州ナッシュビルのブリヂストン・アリーナで『UFC Fight Night: Sandhagen vs.Font』が開催。ナッシュビルでの大会は2019年以来、会場は第1試合から大きな歓声に包まれた。  同大会は、日本時間6日(日)7時に開始のプレリムが、UFC公式サイトおよびYouTube公式チャンネルでライブ配信されたほか、10時開始メインカード6試合を含む全試合が『UFC FIGHT PASS』ならびに『U-NEXT』でライブ配信(※見逃し配信も)された。 UFC Fight Night: Sandhagen vs.Font 速報 現地時間2023年8月5日(土)、日本時間6日(日)米国テネシー州ナッシュビル /ブリヂストン・アリーナ ▼140ポンド キャッチウェイト 5分5R〇コーリー・サンドヘイゲン(米国)17勝4敗(UFC10勝3敗)[判定3-0] ※50-45×3×ロブ・フォント(プエルトリコ)20勝7敗(UFC10勝6敗)  メインは、当初出場予定だったウマル・ヌルマゴメドフが肩の負傷により欠場。8月19日の『UFC292』でソン・ヤドンと対戦予定もヤドンの欠場により対戦相手が不在だったロブ・フォント(プエルトリコ)が、140ポンドのキャッチウェイトでコーリー・サンドヘイゲン(米国)と対戦する。  キャッチウェイト戦ながらバンタム級4位のサンドヘーゲンは、2021年10月にピョートル・ヤンとの「UFC世界バンタム級暫定王座決定戦」で判定負けで戴冠ならず。  しかし、2022年9月にソン・ヤドンをヒジ打ちでカットさせて4R TKO勝ちすると、2023年3月には3位のマルロン・ヴェラを5R スプリット判定で下して2連勝中。  対するフォントはバンタム級7位、2018年12月のセルジオ・ペティス戦の判定勝ちからリッキー・シモン、マルロン・モラエス、コーディ・ガーブラントを相手に3連勝も、2021年12月にジョゼ・アルドに、2022年4月にマルロン・ヴェラにいずれも判定負けして2連敗。しかし、2023年4月の前戦でエイドリアン・ヤネスを1R 右フックからのパウンドでTKOに下し再起を遂げている。  ともに打撃を武器とするが、近年のサンドヘーゲンのテイクダウンも織り交ぜた戦いにフォントはいかに戦うか。  1R、ともにサウスポー構えから。オーソドックス構えになるとサンドヘーゲンがダブルレッグテイクダウン。右手でギロチンチョークを狙うフォントだが、左足は抜いているサンドヘーゲンがいったん仰向けになって首を抜くと、フォントはキムラで回して、ともにスクランブルで立ち上がる。  左ジャブのサンドヘーゲンに、ジャブを合わせてアッパーのフォント。しかし、サンドヘーゲンはまたもダブルレッグテイクダウン。下のフォントは巴投げ狙いで浮かせてシングルレッグへ。手首を持たれながらハーフで寝かせるサンドヘーゲン。  腰を抱くサンドヘーゲンにフォントはダブルアンダーで両脇を差して蹴り上げて立つ。ともにオーソドックス構え。インローのフォントは左右で前に。長い左ミドルを当てるサンドヘーゲンだが、その蹴り足を掴んで倒したフォントがバックにつきヒザを突てホーン。  2R、前に出るフォントにサイドステップから一転、早々にダブルレッグテイクダウンを奪うサンドヘーゲン! ハーフガードのフォントを寝かせて、左で腰を抱き、右で脇差すが、その右足まで抱えるフォントは前に煽る。脇は差しているサンドヘーゲン。右足も抜いてハーフのフォントを寝かせてパス狙い。マウントは許さないフォントは左でオーバーフック。右手を解いたサンドヘーゲンは再び右で脇差し、左でパウンド・ヒジ。上のままホーン。  3R、右の蹴りを突いてサウスポー構えになるサンドヘーゲン。さらに跳びヒザも。テイクダウンを警戒するフォントは踏み込めず。詰めるサンドヘーゲンは1分過ぎにみたびダブルレッグテイクダウンを奪う。  右で脇差しハーフから上体を立てようとするフォントをヒジで剥がすサンドヘーゲン。右肩でプレスをかけ、フォントのキムラ狙いを早めに対処。跳ね上げて立とうとするフォントにすぐについていって寝かせてヒジで削る。腰を引いて残り30秒で立ち上がったフォント。詰めるがサンドヘーゲンがサークリングしヒジを狙う。  4R、後が無いフォントは前に詰めるが、そこにニータップでテイクダウンを奪うサンドヘーゲン! 左足は外のハーフガードの上から右で枕にして寝かせたサンドヘーゲン。腰を引いて金網まで這うフォントに、すぐに腰を引き付けて上体を立たせないサンドヘーゲン。右で脇差し、金網で上体まで立てたフォント。頭を下げて足を手繰ろうとしたサンドヘーゲンにギロチンチョークを狙うが、難なく首を抜いたサンドヘーゲン。フォントが立ち上がった瞬間に詰めてボディロックから小外がけで右足を手前に引き出して再びテイクダウンを奪う。  5R、詰めるフォント。サンドヘーゲンは左右にステップして前蹴り。テイクダウンのフェイント。フォントは逆に自らダブルレッグに入って金網に押し込み、シングルレッグへ。差し上げて体を入れ変えるサンドヘーゲンは、ハイクロッチから右足の踵を持ち上げて見事にケージレスリングでもテイクダウン! 金網に詰めてフォントの起き上がりにダースチョーク! ケージを蹴ってシングルレッグで首を抜いたフォントだが、下のまま。残り1分30秒。フルガードに戻したフォントは下から煽って潜ろうとしたが、右で脇差し寝かせたサンドヘーゲン。いったん上体を上げると、そこにフォントは左腕をひきつけ三角絞めへ。サンドヘーゲンは右手を股間に入れており、絞めさせず。首を抜いたところでホーン。  判定は3-0(50-45×3)のフルマークでサンドヘーゲンが完勝! [nextpage] ▼女子ストロー級 5分3R〇タチアナ・スアレス(米国)10勝0敗(UFC7勝0敗)※UFC7連勝[2R 1分31秒 ギロチンチョーク]×ジェシカ・アンドラージ(ブラジル)24勝12敗(UFC15勝10敗)  女子ストロー級元王者で現5位のアンドラージは、2021年4月の『UFC 261』で階級上のフライ級で王者ヴァレンティーナ・シェフチェンコに敗れ二階級制覇ならず。2022年4月からストロー級に復帰し、アマンダ・レモスにUFC史上初となるスタンドの肩固めで1R一本勝ち。ローレン・マーフィーにも勝利し3連勝も、2023年2月にエリン・ブランチフィールドに2R RNCで一本負け。5月の前戦でヤン・シャオナンの右ストレートで1R TKO負けと2連敗中。  対する10位のスアレスは、元レスリング米国代表で、MMA9勝0敗(UFC6勝無敗)。甲状腺がんサバイバーでもある。2008年と2010年の世界選手権55kg級の銅メダリストで、20101年には準々決勝で吉田沙保里に敗れたものの、敗者復活戦を勝ち抜いて3位となっている。  2016年4月のTUF23のフィナーレまで全試合一本勝ち。その後も本戦でビビアン・ペレイラに判定勝ちすると、アレクサ・グラッソにRNCで一本勝ち。カーラ・エスパルザをTKO、ニーナ・アンサロフに判定勝ち。その後、ヒザや椎間板などさまざまな怪我で長期欠場も、2023年2月の前戦で3年8カ月ぶりに復帰。モンタナ・デ・ラ・ロサを2R ギロチンチョークで極めている。  5位のアンドラージを下せば、王者ジャン・ウェイ・リーへの挑戦に近づく、スアレスの復帰第2戦だ。  スアレスのコーナーにはBellatorバンタム級暫定王者のパッチー・ミックスがつく。  1R、サウスポー構えのスアレスが先に左インロー。オーソのアンドラージはじりじりと圧力から右インロー。スアレスは左前蹴り、ミドル。右回り。アンドラージの右蹴り足を掴んで首相撲ヒザも尻もちをついたスアレス。立ち上がる。  右インローで前に出るアンドラージ。左フックをかわしたスアレスはシングルレッグから、足首を掴んでテイクダウン!  サイドを奪うと、ブリッジして立つアンドラージにがぶりヒザ。スタンドのまま首を下げさせられるアンドラージ左手を差して頭を上げるが、すぐに詰めるスアレスがヒザ。  離れるアンドラージ。詰めて右をかすめて前に出ると、スアレスの組みを剥がして前に。喧嘩四つのスアレスと蹴り合いホーン。  2R、やはり先に圧力をかけるアンドラージ。しかし低いシングルレッグでテイクダウンのスアレスにアンドラージはギロチン狙いで首を抱えるも下になる。  右足は外に出ているスアレスは、アンドラージの立ち上がり際に、逆襲のギロチンチョークへ。立とうとするアンドラージを二の腕に組んで後方に回してから、ノーアームギロチンチョークに組み直して、パッチー仕込みの伝家の宝刀でタップを奪った! [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇ダスティン・ジャコビー(米国)19勝7敗1分(UFC7勝4敗)[1R 1分22秒 TKO]×ケネディ・エンジーチュクー(ナイジェリア)12勝4敗(UFC6勝4敗)  1R、サウスポー構えのエンジーチュクが先に前に。オーソのジャコビーはサークリングしながら左ロー。金網に詰めるエンジーチュクの左をもらいながらも右ストレートを当てて返してダウンを奪い、鉄槌連打! レフェリーが間に入った。  UFC6勝1分けからの2連敗を喫していた元GLORY王者のジャコビーは、1年ぶりの復活勝利。エンジーチュクはUFC3連勝でストップした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ディエゴ・ロペス(ブラジル)22勝6敗(UFC1勝1敗)[1R 1分38秒 腕ひしぎ三角固め]×ギャビン・タッカー(カナダ)13勝3敗(UFC4勝3敗)  ディエゴ・ロペスは、MMA7連勝から「Contender Series 2021」で敗れるも、2023年5月の『UFC 288』で欠場選手の代役で5日前緊急参戦。16戦無敗のモフサル・エフロエフを相手に、5歳から始めた柔術を武器に腕十字やヒザ十字を仕掛け、判定負けも好印象を残した。アレクサ・グラッソの柔術コーチでもある。  対するギャビン・タッカーはUFC4勝2敗の柔術黒帯。UFC3連勝から2021年3月のダン・イゲ戦で右クロスに1R 22秒、KO負け。パット・サバティニ戦の2度のキャンセル後、2年5カ月ぶりの復帰戦となる。  1R、サウスポー構えのタッカーに、オーソドックス構えのロペス。タッカーの左インローに右フックを狙うロペスだが、タッカーの蹴りがローブローに。ロペスは両手を着いてインターバルも再開。  ローブローの後にローからシングルレッグのタッカーに、倒れながら跳びつき三角絞めをセットするロペスは三角絞めから中に入っている右腕を外側に極めながらタッカーを前転させると、そこでタッカーがタップ。  12個目の一本勝ちをマークしたロペスは、フライングトラインアングルのフィニッシュについて、「毎試合新しいことをしたいと思っている。柔術を活かすために」と語った。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇タナー・ボーザー(カナダ)21勝10敗(UFC5勝5敗)[判定3-0] ※30-27×3×アレクサ・カムール(スロバキア)6勝3敗(UFC1勝3敗)  ヘビー級から下げてきたボーザーと、スティーペ・ミオシッチのトレーニングパートナーのカムールは2年2カ月ぶり復帰戦。  1R、ともにオーソドックス構え。圧力をかけて右フックから右で差して金網に押し込むカムール。ボーザーは右を差し上げて体を入れ替え。離れるカムールは、またも詰めて組んでクリンチボクシングで離れる。回りながら左右ローのボーザー。  圧力をかけるカムールは大きな右を強振も空振り。ボーザーはジャブを突いて首相撲ヒザ。しかし左ジャブを当てるカムールが首相撲からこかし。ボーザーもすぐに立つと、近距離で右ヒジ。ジャブのダブル、左インローとこつこつ突く。大きなパンチから組むのはカムール。離れ際に右ハイを見せるボーザー。  2R、ワンツーから右ハイのボーザーが前に。押し込むも離れるとカムールが左ジャブをヒット。しかしボーザーが右を当てると、場内は大歓声。カムールもローを当てるが、ボーザーは右を差して金網まで押し込み。カムールはヒジを突くも、ボーザーは首相撲ヒザ。離れても詰めて近距離で左右を当てて押し込み。離れ際にボーザーは左ヒジ、左右をまとめる。  離れても左場内当てるボーザーが前に。カムールの左をもらったボーザー。左目尻から出血したカムールが押し戻してブザー。  3R、左右で前に出るカムールを体を切り返して右で差して押し込むボーザー。ブーイングのなか、離れるカムール。左ボディストレート、左ミドル、右アッパーを突くボーザーが右で差して押し込み、ハイクロッチ、シングルレッグも倒れないカムールが前に。ワンツーの右を当てて、インローでバランスを崩すが、倒れないボーザーは右で差して前に。  離れるカムール。大きな振りから右で差して押し込むが、体を入れ替えたボーザーは左フック! さらに左右を被弾するが、倒れず。ボーザーが金網に詰めて左右からヒザを打ち込み、ブザー。  判定は3-0(30-27×3)でボーザーが勝利。ライトヘビー級で初白星を掴んだ。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ルドビト・クライン(スロバキア)20勝4敗(UFC4勝2敗)[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×イグナシオ・バハモンデス(チリ)14勝5敗(UFC3勝2敗)  1R、サウスポー構えのクラインに、オーソドックス構えのバハモンデス。右ローのクラインに左右を返すバハモンデス。左ハイをガード上に当てるクライン。長身のバハモンデスはワンツーから高い右ヒザを狙う。  ワンツーの左を当てたクライン! 金網背に崩れて引き込む形になったバハモンデスは下から腕十字狙い。さらに頭を抱えるバハモンデスにすぐに首を抜き鉄槌。フルガードのバハモンデスの脇腹に細かいパンチ。下のバハモンデスは背中をつけたまま腕十字、三角絞め狙い。それをかわして鉄槌連打のクライン。被弾しながらバハモンデスは金網背に立ち上がると跳びヒザを狙う。  2R、長いワンツーを打ち込むバハモンデス。クラインも右から左の飛び込み。バックステップでかわすバハモンデスはクラインの左をかわして右の蹴り。しかしクラインも左の蹴り。近づくとバハモンデスは得意の首相撲ヒザ。すぐに剥がすクラインが、飛び込んでのダブルレッグテイクダウン。立ち際にリストコントロールして押し込み。離れるバハモンデス。右ストレートは長いもさばくクラインは左ロー。右フック!  ワンツーから右ハイで前進するバハモンデス。クラインも左ハイを返すが、ジャブを軸に押し戻すバハモンデス。しかし、残り30秒でクラインはまたもダブルレッグをドライブしてテイクダウン! 下のバハモンデスは右足で二重がらみにする。  3R、右ジャブのクライン。バハモンデスもジャブから組んで押し込むも、すぐに突き放すクライン。ワンツーの左の打ち終わりにバハモンデスはシングルレッグも、スプロールするクライン。バハモンデスもバックには回させず。  圧力をかけるクライン。左ハイから着地せずにそのままサイドキック。スイッチからオーソに戻して前に出るバハモンデスだが、またもクラインは走り込んでテイクダウン! 下のバハモンデスの仕掛けを潰して、足を手繰るバハモンデスの顔面にヒザを押し付け、鉄槌。背中見せて立ち上がるバハモンデスのスタンドバックにつくクライン。バハモンデスは前転ヒザ十字を見せるが、クラインは右手を挙げながら残り4秒を極めさせずにホーン。  判定は3-0(30-27, 29-28×2)でテイクダウンを奪ったクラインが勝利。スロバキア出身のクラインはフェザーからライト級に上げて3勝1分の負けなしとなった。バハモンデスはUFC3連勝でストップ。 [nextpage] 【プレリム】 ▼バンタム級 5分3R〇カイラー・フィリップス(米国)11勝2敗(UFC5勝1敗)[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×ラオーニ・バルセロス(ブラジル)17勝5敗(UFC6勝4敗)  1R、ともにオーソドックス構え。細かいステップから角度をつけてジャブを突くフィリップス。さらに右ローも、そこに組んだバルセロス。フィリップスは跳びつき十字狙いから腕の抜き際に蹴り上げてすぐに立つ。  フィリップスの右ハイを掴んで組むバルセロスはスタンドバックから持ち上げようとするが、フィリップスはアームロック狙いから離れる。シングルレッグを狙うフィリップスは深追いせず。しかし、右ストレートでダウンを奪う! バルセロスの立ち際に首も狙うが、抜いたバルセロスに右後ろ廻し蹴りも見せる。  ダウンのイメージを取り返したいバルセロスは前に出て右アッパー。しかし、フィリップスは首相撲からヒザ。バルセロスはワンツーで前に。フィリップスは右ハイもバルセロスは肩口で受け止める。  2R、バルセロスの蹴りを受け止めテイクダウンのフィリップス。バルセロスの立ち際にバックにつこうとするが、すぐに正対して立つバルセロス。右ローのフィリップス。さらに右ミドルハイをガード上に突く。ステップが少なくなってきたフィリップス。左ハイは空振り。バルセロスは左フックを当てて前に出るが、切りフィリップスは右サイドキック。  ブロッキングのバルセロスにフィリップスは右オーバーハンドをヒット。詰め直すバルセロスに右ハイはフィリップス。圧力をかけるバルセロスは金網に詰めて組んですぐに脇を潜りスタンドバックに。再びアームロック狙いのフィリップスだが、正対際にスタンドバックにつき持ち上げテイクダウン。しかし、すぐにフィリップスはスクランブルで立ち上がる。左ジャブのフィリップス。  3R、圧力をかけるバルセロス。シングルレッグのフィリップスを切って左ロー。さらに右ハイも。かわすフィリップスはバックフィストの動きからワンツー。かわすバルセロスが詰めると右ヒザへ。ここはかわしたフィリップスは下がりながら左ジャブ。右ロー。バルセロスは左ボディストレート。  サークリングするフィリップスは左右の蹴りも威力に欠ける。互いに左の蹴りもその蹴り足を掴んでフィリップスに尻もちを着かせるバルセロス。右オーバーハンドから左で攻める。金網に詰めて右カーフも。回るフィリップスは右前蹴りで距離を取り、受けの体勢に。残り30秒でバルセロスがダブルレッグから脇を潜りスタンドバック、放し際に背後から蹴りを放ちホーン。  判定は3-0(30-27, 29-28×2)で序盤にダウンを奪ったフィリップスが勝利した。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇カールストン・ハリス(ガイアナ)19勝5敗(UFC4勝1敗)[3R 1分50秒 アナコンダチョーク]×ジェレマイア・ウェルズ(米国)12勝3敗(UFC4勝1敗)  1R、ともにオーソドックス構え。サイドキックのウェルズ。ハリスは組むも押しつぶしたウェルズが上に。ダースチョークを極めに行くが、仰向けになって凌ぐハリスが立ち上がり。追って押し込んできたウェルズにギロチン狙いも、ウェルズはダブルレッグテイクダウンで再び上に。上体を起こして金網背に座るハリスに左足をかけて左のパンチを打ち込む。  2R、先に圧力をかけるハリスに、右バックフィストを強振するウェルズはその回転のままダブルレッグテイクダウン! 立ち際を見極めてヒザ蹴り。さらに押し込んで両足を引き寄せ束ねてニアマウント。腰を引いて上体を立てているハリスの両足を引き寄せ上げてし左足をかけて立ち際に頭をつけてボディロックで寝かせに。ハリスは背中をつけずも、立ち上がることが出来ず。  ついに背中をつかせたウェルズが上からヒジ。ハリスは下から脇を潜り肩を固めるが、すぐに抜いたウェルズが上から削りホーン。  3R、前に出るハリスに大きな左右フックはウェルズ。ハリスの右に右を打ち返し。さらにワンツーから組んで押し込むも、ここは剥がしたハリスが右ボディストレート。その打ち終わりにダブルレッグで前に出るウェルズに金網に押し込むも、ハリスはアナコンダチョーク! 仰向けで筋肉の塊で凌ぐウェルズは余裕がありそうだったが失神!  マーシオ・クロマドの弟子でルタ・リーブリ黒帯のハリスが一本勝ち。「トレーニングキャンプで練習していた動きだ。ボーナスをくれ!」と語った。ガイアナ出身のハリスは、UFCデビューから2連勝後、2022年6月にシャフカト・ラフモノに1R TKO負けも、2023年3月のジャレッド・ゴーデン戦の判定勝ちに続く2連勝。ウェルズはUFC4連勝でストップ。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ビリー・クアランティーロ(米国)18勝5敗(UFC6勝3敗)[判定3-0] ※29-28×3×デイモン・ジャクソン(米国)22勝6敗(UFC5勝4敗)  1R、サウスポー構えのクアランティーロに、オーソドックス構えのジャクソン。  右オーバーハンドのジャクソンに右を返すクアランティーロだが、その入りに右アッパーを突くジャクソン。クアランティーロの組みにも体を入れ替え、離れる。  左から右のワンツーはジャクソン。左右にステップしてのワンツーにクアランティーロは被弾。ジャクソンはシングルレッグからダブルレッグでクラッチしてマット中央側にテイクダウン!  下のクアランティーロは左足をラバーガードで頭を押えてからフットチョークへ。上体を上げて外したジャクソンはパスガード、バックテイク、4の字ロックへ。  うつ伏せにして身体を伸ばそうとするジャクソン。クアランティーロはいったん中腰から正対し、潜り足関節狙いも外したジャクソンが立ち際に右ハイを打つ。  2R、右を振って組むクアランティーロに、体を入れ替えようとするジャクソンは首投げ狙い。さらに正対して上で組んで押し込み。四つから頭をつけてクラッチのジャクソンに、クアランティーロにボディ打ち!  さらにスタンドで金網背にギロチンチョーク狙いも、首を外すジャクソン。徐々に圧力をかけるクアランティーロ。首相撲から左ヒザ! 足が泳ぎ後退したジャクソンクにクアランティーロはクリンチアッパー! しかし左ローを掴んだジャクソンがテイクダウン。亀から立ち上がりのクアランティーロのバックを狙うが、落としたクアランティーロがクオーターネルソンも、ジャクソンは外して立ち上がり。肩で息をする。  詰めるクアランティーロはワンツー! 押し込み腿にパンチでホーン。両手を挙げる。  3R、右を突いて組むジャクソンを突き放すクアランティーロは右ボディストレート。金網に詰めてのワンツー、首相撲ヒザをジャクソンは嫌うと組みに。しかしクアランティーロは四つから腹に右ボディ打ち。さらに剥がして金網に詰める。金網を背にするジャクソンにワンツーを効かせたクアランティーロが前に。しかし、体を入れ替えるジャクソンも右ストレートを返す。  激闘のなか首相撲ヒザの打ち合いはクアランティーロが優勢。しかし、ジャクソンも右ハイ! 受けながらもクアランティーロが右を振って前に。しかし、ここもガス欠かと思われたジャクソンがシングルレッグテイクダウン!  下のクアランティーロは再びフットチョークからオモプラッタ狙い。これは外したクアランティーロが立ち上がり、左右で前に。足が泳いだジャクソンだが打ち合いのままホーン。大歓声のなか両者が手を挙げた。  判定は2、3Rを取り返したクアランティーロが勝利。4月のエジソン・バルボーザ戦の1R KO負けから再起を果たしたクアランティーロは「俺はこんな試合をするために生まれてきたんだ。ジャクソンはタフだったけど、勝った!」と語った。ジャクソンはUFC4連勝からダン・イゲ戦のTKO負けに続く2連敗に。 [nextpage] ▼フライ級マッチ 5分3R〇コーディ・ダーデン(米国)16勝4敗(UFC5勝2敗)※UFC4連勝[判定3-0] ※30-27×3×ジェイク・ハドリー(英国)10勝2敗(UFC2勝2敗)  平良達郎が参戦で注目のフライ級。  ジェイク・ハドリーは、2023年3月の前戦でマルコム・ゴードンを強烈なボディブローで61秒KOに下した注目株。  ムハマド・モカエフのライバルでもあるハドリーは、元Cage Warriorsフライ級王者として、2022年5月のUFCデビュー戦では初の黒星を喫したものの、同年11月にカルロス・カンデラリオ(※平良達郎が判定勝ち)に三角絞めで一本勝ち。ゴードンも下し、2連勝中。10勝中8フィニッシュの決定力を持つ。  対するダーデンはUFC3連勝中。2022年3月にモカエフに1R ギロチンチョークで一本負けも、JP・バイズにTKO勝ち、カーロス・モタ、チャールズ・ジョンソンに判定勝ちしている。  1R、サウスポー構えのハドリーが先に圧力をかける。オーソのダーデンはその左をかわして右を上下に振る。さらに右インローも。前に出るハドリーは近距離で戦う。左ストレートのハドリーに右ストレート、右ボディはダーデン。さらに右ミドルも掴んだハドリー。足を抜くダーデン。ハドリーの左の蹴り足を掴んでテイクダウン!ハドリーは左目尻から出血する。  潜りから立とうとするハドリーを剥がしてバック狙い、正対したハドリーのサイドにつくダーデンにバギーチョーク狙いのハドリー。亀になって立とうとしたハドリーを再びボディロックテイクダウン! いったん上体を離したダーデンにハドリーは左右で前に。  そこにギロチンチョークはハドリー! しかしダーデンはホーンまで凌ぐ。  2Rも、先に左インローのハドリー。しかし、その蹴り終わりにダーデンはシングルレッグテイクダウン! ハーフからフルガードに戻すダーデンは足関節狙いに。縦四方のダーデンに立ちがるハドリーは果敢に前に。左ストレートを上下に散らし、左ミドルも、そこにシングルレッグはダーデン。  カウンターのニンジャチョークを狙うハドリーから首を抜くダーデンが押し込む。しかし、前に出るハドリーに、ダーデンがダースチョークへ! 両手を組んで凌ぐハドリーが、うつ伏せから立ち上がり、バックへ!  後ろ三角絞めから腕十字を極めに行くハドリーに、ダーデンは極めさせず、ヒジと首を抜いて上になってシングルレッグのハドリーに鉄槌を入れる!  3R、左ハイを見せるハドリー。ダーデンの右の蹴りに左ストレート。ダーデンも右ボディストレートから左を狙う。かわすハドリーは、右から左を打ち込む。さらに互いにインロー。バランスを崩させるのはダーデン。  左ストレート後にダブルレッグはハドリー。がぶるダーデンは左手を伸ばして足首を掴んでバック狙い。まだ右手をかけているハドリーだが動けず。下になるも離れるダーデンは上から足にキック。ハドリーはシングルレッグからダブルレッグに切り替えクラッチも、がぶるダーデンは両足を後方に。  ハドリーは再び足首を掴もうとしたところで下になり、シングルレッグへ。これをがぶり、足を手繰ろうとするハドリーをスプロールしてアピールしながら左のパウンドはダーデン! そのままホーンを聞いた。  熱戦の判定は3-0(30-27×3)でダーデンが勝利。UFC4連勝をマークした。ハドリーは2連勝でストップ。アルマバイエフの試合に続き、フライ級でもランカー以外の厳しい戦いが繰り広げられている。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ショーン・ウッドソン(米国)10勝1敗(UFC4勝1敗)[判定3-0] ※30-27×3×デニス・ブズカ(米国)11勝3敗(UFC0勝1敗) [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇アスー・アルマバイエフ(カザフスタン)18勝2敗(UFC1勝0敗)[2R 3分11秒 リアネイキドチョーク]×オデー・オズボーン(ジャマイカ)12勝6敗(UFC4勝4敗) フライ級でUFC4勝3敗と勝ち越しているオデー・オズボーンが、UFCデビュー戦のカザフスタンのアスー・アルマバイエフと対戦。  オズボーンは、2021年8月に3ポンドオーバーしたマネル・ケイプとのキャッチウェイト戦で跳びヒザ蹴りで敗れるも、CJ・ヴェルガラ、ザルーフ・アダシェフに勝利。タイソン・ナムにはTKO負けも、2月の前戦でチャールズ・ジョンソンにスプリット判定勝ちしている。  対するアスー・アルマバイエフはUFCデビュー戦の29歳。現在RIZIN参戦中のメイマン・マメドフに2017年に判定負け以降はBRAVE CFなどで活躍し、13連勝でオクタゴンデビューを決めた。フライ級の注目ニューカマーとなるか。  第1試合から大歓声のナッシュビル大会。  1R、先に圧力をかけるサウスポー構えのオズボーンに、右インローのアルマバイエフ。オズボーンも右ローを返すと、アルマバイエフは右オーバーハンド。さらに右オーバーハンドから、シングルレッグでオズボーンをテイクダウン。フルガードのオズボーンに右のパウンド、ヒジ。  下のオズボーンは三角絞め、腕十字狙い。交わしたアルマバイエフは、オズボーンの腕十字狙いをかついでパス。アルマバエフはサイドからヒジ。下のオズボーンがシングルレッグから亀になったところにペルヴィアンネクタイを狙うもホーン。  2R、アルマバイエフは右オーバーハンド、さらに右ハイでオズボーンをのけぞらせると右前足にシングルレッグ。抱えてケージまで押し込み、右で差してクラッチ。しかし突き放すオズボーンはサウスポー構えからワンツー。  しかし、アルマバイエフは右後ろ廻し蹴りから組みへ。これは切ったオズボーンだが、シングルレッグからボディロック、大内刈テイクダウンはアルマバイエフ!  金網際で背中を見せて立とうとするオズボーンにバックに回ったアルマバエフは、両足をフックして4の字ロック。左右の手を入れ替えてリアネイキドチョークへ。フェイスロックからの絞めをいったんは凌いだオズボーンだが、もう一度、右腕でリアネイキドチョークで絞めてタップを奪った。  UFCデビューのアルマバエフがオズボーンにほぼ何もさせず一本勝ち! フライ級でまた一人、注目選手が勝利を挙げた。
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