2023年8月6日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.3』にて、心直(REON Fighting sports GYM) とKNOCK OUT-REDバンタム級王座決定戦3分5R延長1Rで対戦する乙津陸(クロスポイント大泉) のインタビューが主催者を通じて届いた。
乙津は2021年10月にプロデビュー以来8勝(4KO)1敗の18歳ホープ。2022年6月には新宿FACE大会のメインイベントを務め、NJKFフライ級1位の谷津晴之を試合終了直前にKOしてみせ、10月には酒井柚樹と大熱戦を展開して「10年に1試合くらいの勝負を見せてもらった」と宮田充KNOCK OUTプロデューサーに言わしめた。12月には第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦に臨んだが、心直に判定で敗れてプロ初黒星。4月大会で再起戦を行い、優心に完勝を収めた。2023年6月、バンタム級に階級を上げてMASA BRAVELYをKO撃破。心直にリベンジマッチを挑む。
この再戦に至るまでには度重なる挑発を受けて、7月14日の会見ではついに怒りが爆発。乙津自ら心直に突っかける場面が見られた。やはり、心直に対する感情はかなり鬱積しているようで……。
──7月14日の記者会見は大変なことになりましたが……。
「うーん……余裕がないなって、すごく感じましたね」
──心直選手は「俺に口で攻められて、余裕をなくしてるぞ」という感じでしたが。
「余裕がないのはどっちだって思ってました。そもそも、あんなにガンガン言ってくると思ってなかったんですよ。もっと余裕な感じでスカしてくるのかなと思ってたら、あんなだったので」
──率直にムカついたんですか。
「ムカつきましたね。すげえ大先輩ヅラしてきたんですけど…確かに今は戦績とかあっちの方が多いですけど、試合数とかあっという間に追い着きそうだし、俺からしたらそんなの関係ねえよと」
──もともと心直選手に対しては12月の借りを返したいという気持ちは強かったと思います。それが「ムカつく」に変わったのはどこからですか?
「あの会見の中で、急に立ち上がって『申し訳ございませんでした!』って言った瞬間ですね」
──「頭がよかったら人が傷つくようなこと言わないだろうし」という乙津選手の発言に「傷ついちゃったんだ! 申し訳ございませんでした!」と返したくだりですね。
「あの瞬間にカチン! と来て、熱くなっちゃいました。6月の試合後に並んで挨拶した時もウザい絡み方してきたんですけど、その時は『こういうヤツだ」と分かってたんで、そこまで気にしてなかったんですよ。しかもアイツが負けた相手を倒した後でもあったし。でも会見の時は、意味分かんなかったし、『調子に乗りすぎだろ!』と思って」
──あの会見では、お互いにすごく感情的になってるなという印象でした。心直選手は最初から感情を露わにしてましたが、乙津選手は最初はそんなことなかったんですね。
「はい。記者会見だし、自分のことを聞かれたら普通にしゃべろうと思ってたぐらいでした」
──そしたら相手が思いのほかガンガン来たと。あの会見で抱いた感情は、今も影響していますか?
「ヤバいですよ。練習にすごく影響が出てます。ありがたいことに、『絶対殺す!』と思ってすごく身が入ってます。前回負けた試合の時、アイツは計量で最初オーバーしてて再計量になったんですよね。そのことも『じゃあ試合しなきゃよかったじゃん』とか言ってきて、頭おかしいんですよ。そういうのもムカつくし、『許せない!』って感じです」
──ただ、試合となると、そこまで感情的になって大丈夫なのかなとも思います。
「俺の中では、もう試合じゃないですから。ケンカとして挑みます。とりあえず今狙ってるのは、悶絶させて恥を晒させたいなと。悶絶してるところに『盛り上げてくれてありがとう』って言ってあげます。まあ、最後はぶちのめせればいいんですけど。とにかく黙らせたいですね」
──では、一発で意識を飛ばすというよりも、時間をかけて苦しめたい?
「まあ、一発で仕留められればそれでもいいんですけど、できれば、苦しみながら俺の顔を見てほしいなと思いますね」
【写真】昨年12月の初対決では50-47×2、50-46という大差で敗れた乙津──ただ、前回は徹底的に攻略されて敗れたという事実もあります。それを打ち破って倒す方法は、すでに考えてある?
「考えてるというか…今年からボクシングの練習も始めたんですよ。それでパンチのテクニックもスピードも前回とは全然違うし、ステップの踏み方も変わったし、ボディの打ち方もメチャクチャ改良したので、考える前にやれると思います。悶絶させるための練習を徹底しているので。このボディを食らってアイツがこんな顔になるのかとか想像して、練習中にニヤニヤしちゃってますから(笑)」
──「憎いあんちくしょうの顔めがけ」叩いてるわけですね。リアル『あしたのジョー』だ(笑)。
「あの会見の前までは『とりあえず倒せればいいかな』ぐらいだったんですけど、あの会見でやることが明確になりました。まあでも、ずっと『ウゼえな』とは思ってましたけどね。4月の優心選手との試合が発表された時も、アイツは関係ないのに引用リツイートして『2連敗w』みたいな感じで絡んできてたんですよ。そういうのもあるんで、どうしても感情的になりますね」
──熱くなりすぎて空回りということにはなりませんか。
「俺は全然大丈夫ですね。冷静にいって爆発させてやろうと思ってます。相手がやることは分かってるし、その対策ばっかりやってるんで、大丈夫です。逆にもし詰めてきたらラッキーかなと。倒しにきてくれたら、こっちは全然その方がやりやすいですからね。楽しみにしててください」
──この試合にはいろんな側面がありますよね。リベンジマッチ、王座決定戦、そしてあの会見の騒動が加わったわけですが、もしかして今は、その怒りが一番ですか?
「そうですね。今はベルトよりも、アイツを殺すことが一番です。もちろんベルトもほしいんですけど、今の感情では心直を殺すということの方が大きいです。殺意しかないです」
──物騒な話になってきました(笑)。
「毎日、サンドバッグがぶっ壊れそうなぐらいに殴ってますから。前回の試合とは比べものにならないと思いますよ。本当に試合が待ち遠しいです」
──ではそんな中ですが、この試合で一番注目してほしいポイントは?
「俺がアイツをどうやって殺すかですね。そこに注目してください」