キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】2階級制覇に臨む心直「僕はもう乙津と関わりたくないので、この試合が終わったら、もう二度と僕の名前を出さないでほしい」

2023/08/03 17:08
 2023年8月6日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.3』にて、乙津陸(クロスポイント大泉) とKNOCK OUT-REDバンタム級王座決定戦3分5R延長1Rで対戦する心直(REON Fighting sports GYM) のインタビューが主催者を通じて届いた。  心直は“プロフェッショナルシスト”健太の愛弟子で、J-NETWORKフライ級新人王を獲得後、KNOCK OUT、REBELS、シュートボクシングに参戦。KNOCK OUTでは2021年に「初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント」に出場、SBでは日本バンタム級1位になっている。2022年12月のKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦では無敗のホープ乙津陸を判定に破り、王座に就いた。しかし、2023年3月の王者第一戦でMASA BRAVELYに判定負けを喫している。今回から階級を上げて2階級制覇に臨む。戦績は8勝(1KO)9敗2分。  7月14日に行われた記者会見では、発言を遮るようにして挑発し続ける心直に乙津が激怒。乱闘騒ぎにまで発展してしまった。お互いの感情はこれ以上ないほど高ぶっているこの一戦には、前回、昨年12月以上の注目が集まっている。当の心直はこの試合について、そして乙津に対して、どう思っているのか? 【写真】記者会見では挑発に怒った乙津(右)がつかみかかる場面も(C)KNOCK OUT──7月14日の記者会見は大変なことになりましたが……。 「なりましたね」 ──そんな、他人事みたいに(笑)。 「え? だってあれ、僕のせいじゃないじゃないですか。僕はただ思ったことを言っただけで、それに彼が逆上してああいうことになっただけで。別に僕が大変なことをした覚えはないですよ。僕は全く悪くないです」 ──でも、かなり挑発してましたよね? 「挑発? あれは挑発になるんですかね?」 ──挑発でなければ、「罵倒」と言ってもいいレベルだったと思うんですが…。 「うーん…ずーっと思ってたこともあったし、彼に対して僕は『ナメるなよ』とずっと思ってるんです。アイツは、表立っては言わないじゃないですか。『僕は聖人です。陰湿なことはしません』みたいなアピールをしてて。それでいて、裏でいろいろやるんじゃねえよってずっと思ってて。アイツはマジ悪人ですよ! だからこっちもそういう態度になっちゃいますよね。だから『罵倒』でいいと思いますけど」 ──なるほど……。ただ、これから「試合」をするわけじゃないですか。これは乙津選手にも言えるんですけど、試合に向けてそんなに感情的になってて大丈夫なのかな? と、傍目には思っちゃうんですよね。 「感情的というか…僕、この試合だけですからね。相手が嫌いというか、憎くてしょうがないというのは。8月6日は後にも先にも絶対負けられない試合だし、2階級制覇もかかってるし。その点、彼は何も背負ってるものはないじゃないですか。1回負けてる相手だし、まだベルトを持った経験もないし。強いて言えばジムの看板選手ではありますけど。でも俺は、ジムの看板選手なのはもちろんだし、『KNOCK OUT』のベルトも獲ってて『KNOCK OUT STYLE』のバラエティーにも出てるわけだし、『KNOCK OUT』を背負ってるわけだから、本当に絶対負けられないんですよ。ここまでアピールしたのもあるし」 ──それだけ覚悟が違うと? 「覚悟は絶対違いますよね。この試合にかける思い自体、相当違うと思いますよ。そこで差が出る試合になると思います」 【写真】昨年12月のスーパーフライ級王座を懸けた初対決では、文字通りの完封勝利──ただ、乙津選手にとってはリベンジマッチになります。昨年12月に負けた後は号泣してましたし、今回「借りを返してやる」という思いはかなり強いんじゃないかと思うんですが…。 「まあ、ここで彼がリベンジに成功したら彼のストーリーになりますし、逆に、それだけの思いで来てる彼を僕が退けたら、完全に僕のストーリーだし。12月の試合から、お互いいい感じにチクチクし合って、こないだの会見でもいい感じに盛り上がって、でもそのストーリーを完結させるのはどちらか1人しかいないですからね」 ──それはそうですね。 「どっちのストーリーになるのかっていうのは、興行目線で見ても、お客さん目線で見ても面白いじゃないですか。当日は絶対満員になるだろうし。ただ、そこで勝つのは僕ですけどね」 ──ストーリーということで言うと、3月に心直選手を下したMASA BRAVELY選手を、乙津選手がKOで倒して、心直選手との再戦の機会を掴んだわけじゃないですか。そこについては? 「それはかなり面白いものではありますよね。僕と同じREDルールで、僕が判定で負けたMASA選手を、彼はKOしてますから。まあ、もしバンタム級にランキングがあるとしたら、僕が3位で乙津君が1位、MASA選手が2位ってところですよね」 ──だから乙津選手も会見でそのことに触れたんだと思います。 「『団体を守れよ』ってことですよね。『団体を守る』というのは、団体を背負ってるヤツが言う言葉であって。君は団体を背負ってないし、ただワンマッチで勝っただけでしょと思うんですよね。だからそのことについては何も気にしてないというか。まあ『言ってろよ』って感じです。実際、僕に勝って初めてその主張ができると思うんですよ。まずは、どんな形でもいいから俺に1回勝ってみろよと」 ──一度乙津選手に勝っているという事実は、この試合に影響しますか? 「やっぱりお互い、前回とは同じ内容にならないようにするじゃないですか。変な話、僕は同じ内容にすれば絶対勝てるんですけど、彼も同じ内容にならないように対策はしてくると思うので、また別の対策を用意しないとなって感じですよね。まあその準備は別に、6月に試合が決まった直後からやってますんで。僕はあの試合、MASA選手が勝つと思っていたんですよ。5.5対4.5というぐらいの僅差でですけどね。だからまあ、MASA選手対策でサウスポーの選手とスパーリングしたりとかもして、『こういう感じだよね』と固めてはいたんですけど、試合直前になって『乙津が勝つんじゃないかな』と思ったんです。直前というか、試合が始まった瞬間ぐらいに」 ──ほう。 「僕のセコンドについてくれている片島聡志さんと一緒に見ていたんですけど、『これは乙津の勝利もありますよね』『そうだね、これはあるね。2Rが楽しみだね』という話をしていて。そしたら2Rに倒したので、『やっぱりな』と。その時点で作戦は2、3個できたんですよ。あとは片島さんとの練習で合わせてという感じですね」 ──では今回の対策も万全と。 「そうですね。わりとしっかり固まってます」 ──昨年12月の1戦目の勝ち方は、「今の乙津選手に勝つにはこれが最適解か」というものだったと思います。それ以外にも方法はあるということですか。 「12月の時に考えていた作戦は、本当にリングでやったあのままなんですけど、その上で3Rか4Rに倒し切ろうと思っていたんです。ただそこまでで減量がうまくいかなくて、体に力が入らなくて。当日アップしていてもコンディションが悪いし、試合でも一発が出ないし。心臓も痛くて『どうするか、これ?』っていう状態だったんです。でもそれで試合するしかないですから、やったんですけど」 ──それでやり切れたわけですよね。 「そこは一つ自信にはなりました。『俺、これでも5Rできるんだ』って。 ──今回はバンタム級に上げて、減量の厳しさは軽減されましたか? 「いや、減量の体重幅自体は変わってないんですよ。3月に負けてから、バンタム級にシフトするために身体作りをしたので。半年弱ぐらいですかね」 【写真】乙津の発言に「腹いてー、腹いてー」と挑発する心直──なるほど。 「通常体重が1~2kg増えたんですよ。軽量級の1kgは大きいですからね。でも今は体重も順調に落ちてきています。今、僕のフィジカルトレーナーをしてくれている人は、ある競技の現役選手でもあるんですけど、格闘技のコンディショニングや減量にも詳しいので、いろいろ相談してやってるんですね。だから2ヵ月前からコンディションを作っていくのも兼ねて減量を始めていて、今は末期にあたるんですけど、もう数日で試合できるぞというぐらいには落ちてきています。だからけっこう調子はいいと思います」 ──前回より調子も良く、作戦も準備できていて、あとはやるだけですね。 「完璧ですね。どこを取っても負けることはないかなと思います」 ──これで乙津選手とは終わりにしたい? 「そうですね。嫌いなので。嫌いな人と関わりたくないじゃないですか。僕はもう乙津と関わりたくないので、この試合が終わったら、もう二度と僕の名前を出さないでほしいです。彼が今後もバンタム級でやるんだったら、絶対また言ってくるじゃないですか。そういうのもナシで、僕には挑戦できないということにしてほしいですね。ホントに嫌いなので」 ──そこまで嫌いな相手って、他にいないですよね? 「いないですね。僕って、子供の頃から嫌われることはあったんですよ。こういう人間なので、小学校ぐらいから異分子扱いされるというか、嫌われてきたんです。でも、僕を嫌ってきた人たちは、僕が結果を出すたびに黙ったので。だから今回も、彼にはちょっと黙ってもらおうかなと」 ──もう関わらないでくれと。 「僕も君には関わらないから、君も一切関わらないでくれと言いたいです」 ──では、それを認めさせるだけの勝ち方をしないとですね。 「もちろん。ズブズブの49:48とかで勝っても、また名前を出されてしまうので、しっかり倒すか、前回以上の差をつけて勝って、また泣かすかですよね」 ──心直選手の思いはよく分かりました。というところで最後の質問ですが、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「キタ! 注目ポイントか、難しいな…。試合が楽しみになってきたので、ネタをいくつか考えたんですよ。なので、勝利後のマイクパフォーマンスに期待しておいてほしいです」
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