AZABU PRESENTS Krush.1512023年7月22日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)【株式会社 ランドハウジング Presents】Krushスーパー・バンタム級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス/王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×永坂吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者)※璃明武が初防衛に成功。
璃明武は空手のバックボーンを持ち、第15回「K-1アマチュア」Aクラス-55kgトーナメントで優勝。2018年4月にプロデビューを果たし、デビューから5連勝を飾ったが、7戦目で元Krushバンタム級王者・佐々木洵樹に判定で敗れ初黒星。2021年2月の再起戦で蒼士に判定勝ちして再起を飾ると、8月から開幕した「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝して王座に就いた。2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝へ進出するも金子晃大に敗れ、6月の『THE MATCH 2022』では江幡睦にも敗れて連敗。今回が初防衛戦となる。戦績は11勝(4KO)3敗。
永坂は全日本テコンドー選手権大会2連覇&MVP受賞、全九州テコンドー選手権大会7回優勝の実績を持ち、2018年11月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2戦目で璃明武、5戦目で小倉尚也に敗れるも、その後は3連勝。5月大会では第6代Krushバンタム級王者の吉岡ビギンを2RでKOし、7月大会では「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場した内田晶もKOした。戦績は6勝(6KO)3敗1分。
前述の通り、両者は2019年3月に対戦し、璃明武は3戦目、永坂は2戦目で璃明武が判定勝ちしている。また、このタイトルマッチは2022年11月のKrushにて行われることが決まっていたが、璃明武が練習中に右拳を負傷。右環指中手骨骨折と診断されたため欠場し、延期となっていた。
1R、永坂はサウスポーで広いスタンス。右インローを蹴る璃明武に永坂は左右フックを合わせに行く。思い切り踏み込んでの左ストレートも繰り出す永坂。璃明武はあくまでも右インロー。
2R、璃明武の右インローに3連打で飛び込む永坂。しかし、入り込もうとしたところへ璃明武が右ミドルからの左フックでダウンを奪う。璃明武の右ミドルには左右フックを叩きつける永坂。璃明武は左ボディを2連打し、左ミドルも追撃。右カーフを蹴り、続いて右の関節蹴り。チャンスと見た璃明武はヒザで畳み込むが、つかんでいたため反則に。璃明武は右の三日月、右カーフ、右ミドルを蹴って右カーフを蹴りすぐに右前蹴り。璃明武の蹴りに翻弄される永坂。
3R、左右フックを振り回して荒々しく攻める永坂に、璃明武は右カーフ、左ミドル、左ボディ。ジャブから左三日月、ヒザ蹴りと攻める璃明武に永坂は右フックを強振。璃明武はすぐに左のブロックを固める。永坂の強烈なフックが空を切るたびにどよめきが起こるほどの迫力。しかし、璃明武はそれをかわしてボディへヒザ、ジャブ。めちゃくちゃに振り回して前へ出る長傘に璃明武はかわして左フックを当てていく。残り数秒は勝利を確信した璃明武がリングを走って回る“ウイニングラン”。永坂は最後にハイキックを繰り出したが空振りに終わった。
判定3-0で璃明武が勝利。永坂のパワーに対して、テクニックを見せつけた。
璃明武はマイクを持つと「勝ちました! トーナメントで負けてTHE MATCHでも負けてしまって初めて連敗して、負けた状態で周りの人に王者になってからいい姿を見せれてなかったので、自分一人で戦ってないのでいろいろな人がサポートしてくれているので、負ける夢ばかり見ていたんですけれど勝つ姿を見せられて本当に嬉しいです。永坂は嫌いでしたが強かったし、彼のおかげで強くなれたので感謝しています。Krushで一番強い永坂を破ったので、もっとこれから強くなった姿でまた皆さんに試合を見せられるようにこれからも頑張ります」と語った。
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▼セミファイナル(第8試合)Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定0-3 ※29-30×3〇髙橋直輝(若獅子会館/初代ACCELバンタム級王者)
西元は15勝のうち12勝がKO勝ちというK-1 GROUPきってのハードヒッター。2022年9月の「第5代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」のリザーブファイトで山本直樹を撃破し、12月にKrushスーパー・フェザー級タイトルマッチに臨んだが王者・中島千博に判定3-0で敗れた。今年、中国遠征試合を行ってダウンを奪っての勝利で再起。戦績は15勝(12KO)9敗2分。
髙橋は2022年からスーパー・フェザー級に階級を上げ、現在3連勝と勢いに乗っている。前戦は2023年3月に齋藤祐斗を左フックでKOした。軽快なステップで回り込んでのカウンターを狙うほか、左右フックを思い切り振って回転させる。戦績は16勝(5KO)7敗2分。
1R、西元が前に出てくると左右フックを繰り出す高橋は西元が打ち返してくる前に離れる。ジャブを突く西元にはロー。西元が入ってくるところに左右フックで先手をとる高橋。さらに左三日月も。入り際を狙われる西元は慎重だ。
2R、高橋は左右フックからロー&インロー、西元の入り際に左右の連打を出して入らせず、右ローや左インローを蹴る。西元は右クロスを一発入れるが、右カーフを蹴られる。西元のワンツーは遠く高橋にブロックされる。西元のローがローブローとなって中断。再開後、距離を詰める西元に高橋は左右フックとヒザ、西元はジャブから入るが右が当たらない。西元のジャブをもらって潜り込むような左アッパーを打つ高橋。
3Rも先手を取って右フックから左ボディ、ワンツーから左ボディと先に攻撃を当てていく高橋。西元は完全に後手に回っている。先に攻める高橋に対してガードするか、ジャブを出してもヘッドスリップでかわされる。西元の踏み込みにバックステップした高橋は飛びヒザ蹴り。西元がロープに詰めるも高橋はすぐに脱出する。ロープに詰めて接近戦に持ち込む西元だが、バッティングで倒れる。
再開後、すぐに試合終了となり、高橋が独特のスタイルで判定3-0で4連勝を飾った。
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▼第7試合 Krushスーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×森田奈男樹(エイワスポーツジム/第4回JFKO全日本空手道選手権軽重量級優勝)KO 3R 1分46秒 ※右ストレート〇璃久(HIGHSPEED GYM)
森田はフルコンタクト空手出身で第4回JFKO全日本選手権軽重量級優勝など数々の実績を持つ。2021年6月のKrushでプロデビューし夜叉猿に判定勝ちすると、11月の2戦目では藤岡裕平に空手仕込みの蹴りを連発し、左ハイキックでKO勝ち。3戦目も藤村大輔を2R46秒、後ろ蹴りでKOして大きなインパクトを残した。4戦目ではイゴール・シウバから内廻し蹴りや後ろ廻し蹴りでダウンを奪って4連続KO勝ちをマークしたが、2022年4月にK-1初出場でジョムトーンにKO負けで初黒星。2023年3月、ベテランの山崎陽一に判定勝ちして再起した。戦績は5勝(3KO)1敗。
璃久は2019年4月に『S-BATTLE』でプロデビュー。2戦目からはシュートボクシングを主戦場とし、4勝1敗の戦績を残す。『NO KICK NO LIFE』や『HOOST CUP』、『NJKF』などに出場し、今回がKrush初参戦。
1R、森田は開始同時に右ミドル、右ローで前へ出る。璃久はワンツー、右カーフ。璃久の左フックをもらう森田は後退、璃久が連打でコーナーへ詰める。さらに右のクロスをヒットさせる璃久。森田は左の三日月と左インロー、璃久のパンチが森田の顔面を捉えたラウンドとなった。
2R、ワンツーで前に出る璃久は左フック、右アッパーを森田のガードの隙間から入れていく。さらに右ボディストレート。璃久の右ボディストレートで大きく下がった森田だが、左のショートで逆襲。しかし、璃久の連打を浴びて防戦一方に。そこで森田はヒザを突き刺して形勢逆転。璃久の左右フックを顔面にもらう盛だが下がらずヒザを突き刺す。さらに左ボディ、左ミドル。ヒザ、三日月と徹底してボディを攻めていく森田。
3R、森田は左ボディの連打、左ミドル、ヒザと徹底的なボディ攻め。ムエタイ流の足払いも見せる。前に出る森田を左右フックで迎え撃つ璃久も必死の応戦。前日記者会見での両者の言葉通り、根性と気合いの戦いとなった。ロープを背負った璃久に森田が左の蹴りを放ったところへ、璃久がカウンターの右ストレートを伸ばす。これが見事に決まり、森田はバッタリと倒れ、璃久のKO勝ちとなった。
苦しい場面からの勝利に嬉し泣きする璃久は「こんなところで泣いていて全然あかんと思うから、もっともっと強くなって12月に大阪でK-1あるんですけれど、ぜひ僕のことを使ってください。そして会場の方、一人でも多く名前を覚えてもらいたいです。和島(大海)さん、絶対に俺ベルト獲るから。それまで負けんといて下さい。押忍」と、K-1大阪大会への出場アピール、そして練習仲間でもある和島へメッセージを送った。
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第5代Krushバンタム級王者・佐々木洵樹(POWER OF DREAM)の引退セレモニーが行われた。
佐々木は元帝拳ジム所属のプロボクサーで、OPBF東洋太平洋フェザー級13位、日本フェザー級7位になった実績を持つ。プロボクシング戦績は19勝(7KO)4敗。
2019年2月からKrushに参戦すると、11月には晃貴を判定で破り、僅か3戦目にしてKrushバンタム級王座に就いた。2020年になると王座を返上し、8月のKrushでスーパー・バンタム級転向第一戦を行い龍斗に判定勝ち。12月K-1初参戦では璃明武との無敗対決も制した。2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」準決勝で玖村将史にKOで敗れ初黒星。これが現役最後の試合となった。生涯戦績は7勝(1KO)1敗。
関係者や家族からの花束贈呈があり、佐々木は次のように挨拶した。
「自分は15歳で北海道から来てK-1王者になりたくてキックボクシングを始めて, その後に帝拳ジムに入門してボクサーとして10年やって、日本ランキングに入ったんですがその後にまた夢を追いかけたくてK-1の道に行きました。振り返ると一番よかったのは王者になれたこともそうですが、いろいろな方に触れ合えて普通では味わえない世界を見れたのが自分の誇りです。帝拳のトレーナーもキックボクシングに転向してからはほとんど連絡をとってなかったんですが、今回連絡したら二つ返事で来てくれたので嬉しかったです。これから夢を持った選手や世間に格闘技の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。息子にも夢の力、何でもいいのでやってもらおうと思いますし、自分もこれから夢の力で頑張ろうと思います」
最後に10カウントゴングを聞き、佐々木は現役生活に別れを告げた。
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▼第6試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇目黒翔大(優弥道場)判定3-0 ※30-29×3×新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺/JAPAN KICKBOXING INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
目黒は5勝(2KO)6敗2分のサウスポーで、前戦は2023年4月に赤田功輝に判定勝ち。3連敗からの2連勝をマークした。山本優弥を師匠に持ち、しぶといファイトを身上とする。
新田は空手、ボクシングを経て17歳からキックボクシングを始めた。アマチュア大会で20戦13勝6敗1分の成績を収め、2019年2月のPancrase REBELS Ring 1でプロデビュー。10戦無敗の快進撃を続けたが、2021年10月の『KNOCK OUT』で力也に初黒星。2022年4月にはINNOVATIONスーパーフェザー級王座を奪取し、7月のRIZINで大雅と対戦するも判定負け。10月にはカミシロに延長Rで勝利して再起したのも束の間、12月に初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座決定戦で久井大夢にKO負けを喫した。2023年4月のINNOVATION王座防衛戦はドローで防衛に成功。戦績は10勝(4KO)3敗4分。
対抗戦と銘打ってはいないが、事実上のKrush vs.KNOCK OUTの戦い。ここまではKNOCK OUT側の4勝1敗となっているが、目黒は一矢報いることは出来るか。
1R、サウスポーの目黒は左ローを蹴っていき、左サイドをとって左フック、左ボディ。新田は様子見か、ジャブを突くのみ。
2Rも左右フックで距離を詰めていく目黒。新田はロープを背負ってこれを両腕ブロックし、右ローを蹴っていく。新田をロープに背負わせて連打を放っていく目黒。身体を丸めてディフェンス一辺倒の新田に手数を出して攻める目黒だったが、バッティングとなってしまい試合中断。再開後は新たも攻めの姿勢を見せるも、インローがローブローとなってしまった。
3Rも前に出るのは目黒。手数を出して左右フックで新田にロープを背負わせる。新田も左フックとワンツーで反撃も、目黒が前に出てくるとコーナーまで弱々しく下がってしまう。身体を押し付けてガムシャラにボディを打つ目黒。新田も右ストレート、ヒザを返すが手数が少なく、後ろに下がるため目黒のアグレッシブが目立つ。
判定は3-0で目黒がKNOCK OUTからの刺客を撃退した。
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▼第5試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇倉田永輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定2-0 ※29-28×2、28-28ד狂拳”迅(WIZARDキックボクシングジム)
倉田は2019年11月にプロデビュー。壬生狼一輝、池田幸司らバンタム級トップクラスには敗れたが、2022年2月からスーパー・バンタム級に階級を上げると愛瑠斗、紫苑にKO勝ち、黒田勇斗に判定勝ちと3連勝で勢いに乗っていたが、2月に内田晶に敗れて連勝がストップ。戦績は6勝(4KO)5敗1分。
迅は“狂拳”のリングネームを“狂拳”竹内裕二から授かり、2020年1月にKrushでプロデビュー。2戦目で永坂吏羅にKO負けを喫したが、2022年2月に光佑をKO、5月に坂本寿希に判定勝ちと連勝。怪我のため今回が約1年2カ月ぶりの復帰戦となる。戦績は3勝(1KO)1敗。
1R、迅は右カーフを狙い撃ち。倉田が右カーフを蹴り返すとしっかりスネでカットする。倉田は迅にロープを背負わせるとヒザを突き上げて来る。左ボディを打つ倉田に迅はワンツー・左ボディから後ろ蹴りを繰り出して沸かすも、ヒザを蹴ろうと足を上げたところに右フックをもらって倒れ、これがダウンに。立ち上がった迅は右の頭部から出血が見られる。
2R、ジャブと右カーフ、左三日月の迅に倉田は距離を詰めてヒザ。フックの打ち合いでは迅が左フックでヒットを奪う。両者かなり近い距離でフックとボディを出し合い、迅は右カーフを毛て左ミドル、右ヒザ。倉田も右ストレートで前へ出る。
3R,ジャブを突きながら前へ出ていく倉田に迅は左へ回り込みながら左右の連打、右カーフ。右ボディに倉田の動きが泊り、さらに右ストレート、右カーフでも倉田が棒立ちに。それでも反撃する倉田に迅はバックハンドブロー。最後は迅が追い込みを見せたが、ダウンを奪った倉田が勝利した。
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▼第4試合 Krushフライ級 3分3R延長1R×松葉斗哉(昇龍會/K‐1甲子園2022 -55kg準優勝)KO 1R 0分09秒 ※左フック〇悠斗(HUNGRY GYM/WMC日本ライトフライ級王者、第42代プロボクシング日本ライトフライ級王者)
松葉はK‐1甲子園2022 -55kg準優勝。K-1 GROUPには2022年9月から参戦し、これまで2勝(1KO)1分。通算戦績は3勝(1KO)3敗1分。
悠斗こと高橋悠斗は、元々はキックボクサーで2011年に国士舘大学所属として全日本学生キックボクシング連盟のフライ級王者となっている。プロデビュー後はNJKFの上位ランカー(最高2位)として活躍したが、2014年にボクシングへ転向。2019年10月に世界ランカーでもあった王者・堀川謙一を破り、日本ライトフライ級王者となった。しかし、2020年3月に決まっていた初防衛戦が新型コロナウイルスの影響により度々延期に。気持ちが切れてしまい、4月にタイトル返上と現役引退を発表。プロボクシングの戦績は11勝(5KO)4敗。2021年6月にキックボクシングに復帰し、『KNOCK OUT』で白幡裕星に判定負け。2022年9月にはWMC日本ライトフライ級王座を獲得している。戦績は20勝(9KO)13敗4分。
1R、いきなり前蹴りで悠斗を転倒させる松葉。続いて右ローを蹴り、ジャブを伸ばそうとしたところへ悠斗が電光石火の左フック。この一発で吹っ飛ぶ松葉。悠斗が衝撃的なKOでKrushデビュー戦を飾った。
悠斗はマイクを持つと「ボクシング、ムエタイ、いろいろやってきた中でこのKrushのリングに上がるのにいろいろな人が協力してくました。ベルトはもちろんなんですけれど、K-1に出たいです。僕より身長が低くても人を感動させられることを僕が伝えていきたいと思います」とK-1参戦をアピールした。
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▼第3試合 Krushフライ級 3分3R延長1R〇橋本裕也(K-1ジム五反田チームキングス)延長R 判定0-3 ※8-10×3×宗一郎(朝久道場/第3代KPKBバンタム級王者)※本戦の判定は29-30、30-30×2
橋本はK-1アマチュア出身で、2018年6月にKrushでプロデビュー。前戦は2022年1月に中澤誠に判定負け、5月は石郷慶人に不戦勝。戦績は3勝2敗4分。
宗一郎は4勝2敗1分のサウスポー。第3代KPKB(九州プロキックボクシング)バンタム級王者。前戦は2023年5月に安尾瑠輝に判定勝ちして、4戦目にしてK-1 GROUP初勝利。
1R、両者サウスポー。きびきびとした動きを見せる宗一郎に橋本はじりじりと間合いを詰めての左ストレート。宗一郎の左に左のカウンターを合わせ、宗一郎の蹴りには左右フックを合わせに行く。宗一郎は飛び込んでの左右フック。
2R、前に出てくる宗一郎に橋本は身長差を活かしたヒザを突き上げる。宗一郎は構わず突進しての左右フック。バッティングで中断した後、再開後は宗一郎が強い左ミドル、橋本は左ローで攻める。宗一郎が突進しての攻めの姿勢で上回ったか。
3R、両者ハイキックを放ち、宗一郎はワンツーで突進、橋本はジャブ。橋本は左ストレートから右フック、また左ストレート、ヒザと宗一郎が前へ出てくるところを迎え撃つ。宗一郎はワンツーを繰り出しながら前へ出続け、判定はドロー。
延長戦も前に出る宗一郎が右ボディ、左右フックと攻めていき、ダウンを奪う。飛び蹴りから左右フックで襲い掛かる宗一郎を橋本は突き飛ばしてのハイキック。宗一郎の右フックには橋本が顔面前蹴りを返す。至近距離での左右フックで勝負をかけるも宗一郎はかわし、判定3-0で勝利した。
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▼第2試合 Krush女子ミニマム級 3分3R延長1R〇ケイト・ウィラサクレック(WSRフェアテックス三ノ輪/M-1 JAPAN女子ライトフライ級王者)判定 ※30-26、30-27×2×青木 繭(SHINE沖縄)
ベラルーシとのハーフであるケイトは3歳から極真空手を学んで13年の経歴を持ち、本人も「ありすぎて覚えていない」というほどの優勝・入賞歴を持つ。男女混合大会や体重無差別で勝つことに意義を持ち、2016年にはなんと高校生の男女混合大会で優勝したことがある。K-1アマチュア大会を経て2020年10月の『Krush-EX 2020 vol.2』でプロデビュー。M-1 JAPAN女子ライトフライ級王座にも就いた。前戦は2022年11月、MOEに延長戦までもつれる接戦の末に判定負け。戦績を4勝3敗とした。
青木は30代からキックボクシングを始め、『BreakingDown 5』のオーディションに参加してスパーリングで勝利、話題となった。その後は『BreakingDown 6』への出場を目指していたようだが、2022年10月にプロデビュー。2RでKO勝ちすると12月にはシュートボクシングに参戦し、1Rでダウンを奪って判定勝ち。2023年2月の新日本キックボクシング協会での3戦目も1Rでダウンを奪って判定勝ちと3連勝。しかし、4月の新日本キックで2-0の判定負けでプロ初黒星を喫した。Krushには今回が初参戦。
1R、ジャブ&ローのケイトだが、青木のショートのパンチを連続して顏にもらう。左右フックも被弾するケイトは左ミドル。ジャブから右ハイを蹴るケイトに青木は前へ出てのワンツー。長いジャブを伸ばすケイトに青木はすぐワンツーをリターンする。
2Rが始まってすぐ、ワンツーの打ち合いでケイトの右ストレートが直撃し、青木はダウンを喫する。ジャブ、左フックを当てるケイトだが青木の右ストレートを被弾。もらっても大丈夫と判断したのか。ジャブ、前蹴りで余裕を見せるケイト。青木は鼻血を出す。
3R、ケイトは高い位置への前蹴りを放ち、ジャブでも突き放す。ワンツーの連打で前へ出る青木にはヒザ蹴り。ガムシャラにパンチを繰り出して前へ出る青木と、どっしりと構えてジャブや前蹴りで距離をとる余裕のケイト。表情からも余裕が見てとれるケイトはジャブと前蹴り、ミドルと自分のペースで戦い続けた。
大差の判定でケイトが勝利した。
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▼第1試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×南雲大輝(スタースポーツクラブ/Air KBZゴールデンベルトチャンピオンシップ 2017年67kg級王者)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇松本和樹(T-GYM)
1R、両者サウスポー。まずはローを蹴り合い、飛び込んでのワンツーを繰り出す南雲に松本はジャブ。南雲の左ボディストレートが快音を発し、南雲はボディを狙っていく。圧をかける南雲に左ストレートで対抗する松本。
2Rも前に踏み込んでボディを叩きに行く南雲に松本は左ロー。松本は前傾姿勢の南雲にヒザを突き上げ、左ストレートを打ち込む。このラウンドは両者とも手数が減った。
3R、南雲が大振りの左右フックを振り回しての突進、松本は前蹴りで押し戻して左ロー。南雲は左ボディ、右フック。松本の左ストレートをもらっても前に出る。松本の左カーフでやや足取りが重くなった南雲、残り数秒で打ち合う両者だが、共に大振りでの空振りが続いた。
判定は3-0で松本が勝利。松本は3連勝、南雲は4連敗となった。
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▼プレリミナリーファイト第3試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R〇天野颯大(キング・ムエ/K-1甲子園2021 -60kg王者)KO 3R 1分10秒×上垣内一成(月心会ラスカルジム)
▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushバンタム級 3分3R×紀空(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-2 ※29-30、30-30、28-30〇坂本寿希(リーブルロア/初代KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)
▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushフェザー級 3分3R×夏気(TEAM RHAPSODY)不戦勝〇関口功誠(ALONZA ABLAZE)※夏気がドクターストップのため。