(C)井賀孝 Takashi Iga/JIU-JITSU NAVI
2023年7月7日から9日、愛知県武道館にて「IBJJFアジア柔術選手権」が開催され、柔術を広める芸人として活躍中のガリットチュウ福島善成が、マスター4青帯ライト級で優勝した。
1,400名が出場した同大会で福島は、5選手が参加した45歳から49歳の「マスター4」の青帯ライト級(※道衣込み76㎏)に出場した。
ここまで福島は、2022年2月の「全日本マスター柔術選手権」で4試合を勝利して優勝(マスター3青帯ライト級)。5月の「東日本柔術選手権」で初戦不戦勝から決勝でキムラアームロックで一本勝ちで優勝(マスター2青帯ライト級)。7月の「全日本マスター柔術オープントーナメント」でも3回勝って優勝(マスター1青帯ライト級)。国内大会で1ポイントも取られないまま3回の優勝を果たしてきた。
そして9月の前戦では「ワールドマスター柔術選手権2022」を4回戦い、準決勝で敗れて3位となっている。
2022年の大晦日には、「RIZIN柔術フェスティバル」で金原正徳とエキシビションマッチを戦っているが、柔術の「公式戦」としては、今回の「アジア柔術選手権」が、2022年9月以来、10カ月ぶりの試合だった。
韓国人2名、日系ブラジリアン1名、日本人2名の計5選手がエントリーしたマスター4青ライト級。
1回戦(準決勝)で福島は、韓国のキム・キュチョル(パラエストラ)をポイント5-0、アドバンテージ3-0で勝利。序盤に引き込みからのスイープで2ポイントを先制すると、相手のデラヒーバガードからのプレッシャーを凌いで、パスガードに成功し3ポイント。5-0で完勝した。
決勝では、日系ブラジリアンのマルコ・アントニオ・シバオ(IMPACTO JAPAN BJJ)と対戦。福島は、開始早々に相手の襟を掴み引き込んでそのまま三角絞めの形に閉じ込めた。しかし、相手が1分ほど耐える展開となり、そこからストレートアームロック(腕十字)に切り替えて一本勝ち。試合時間はわずか2分ほどだった。
かくしてIBJJFアジア柔術選手権で優勝した福島について、指導する早川光由トライフォス柔術アカデミー総代表は、「ご縁があり、2年前よりトライフォースで柔術修行を開始されましたが、芸人さんが話題作りでやるとかそういう雰囲気は当初から一切無く、練習に取り組む姿勢や心構えは、黒帯の高弟たちと変わらぬレベルであると評価しています。アジア優勝は何ら驚くべき結果ではなく、ワールドマスターも取れると確信しています」と、その取り組みを高く評価する。
アジアを制したガリットチュウ福島善成もすでに「世界」に目が向いている。
本誌の取材に「今年も9月ラスベガスで行われるワールドマスターの前哨戦として、アジアで優勝したらポイントも入る(シード権をもらえる)ので、絶対に優勝しか考えていなかったです。韓国人選手、ブラジル人選手相手に勝てて、何よりかなり落ち着いて試合が出来て、決勝も一本勝ちが出来て本当によかったです。ワールドマスターに向けていい経験になりました」と、世界への「前哨戦」になったという。