2023年7月8日(日本時間9日)米国ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナで開催される『UFC 290: Volkanovski vs. Rodriguez』に、日本の平良達郎(Theパラエストラ沖縄)が緊急出場することが決定した。
本誌『ゴング格闘技』では、平良陣営にこの経緯を取材。UFC3連勝中の平良がいかに試合を望んでいたか、今回の2週間間隔での連戦に、どんな覚悟で臨むのかを、至近距離から見てきた松根良太代表に聞いた。
平良は、6月24日のUFCフロリダ大会でクレジソン・ホドリゲス(ブラジル)と対戦予定だったが、ホドリゲスが3ポンド(1.3kg)の体重超過。陣営はホドリゲスが2試合連続の体重超過のうえ、前戦で白星を掴んでいることも鑑み、試合を受けないことを決めていた。
陣営の説得を受けていったんは試合を諦めた平良だが、松根代表は「達郎はひどく落ち込んでいて、僕も“こんな達郎、見たことない”と思うほどでした」と、いう。
「対戦相手が誰になるのか分からなくても、試合がしたい」という平良の意向を受け、イリディウム・スポーツ・エージェンシーのジェイソン・ハウスCEOから、2週間後のラスベガス大会、7月ロンドン、8月シンガポール、秋の大会などの提案があり、平良陣営はラスベガスを選択。そこで同じイリディウムがマネジメントするメキシコのエドガー・チャイレスとの130ポンド(58.96kg)契約試合が決定した。
対戦相手の“ピットブル”チャイレスは、MMA10勝4敗。10勝のすべてをフィニッシュ(6つの一本勝ちと4つのTKO勝利)勝利しており、緊急出場で戦うには危険な相手だ。
「8月のコンテンダーシリーズに再び出ることも決まっていた選手が、達郎の相手として推薦されて契約を掴んだので、絶対的に高いモチベーションでUFCデビュー戦に臨んで来ると思います。そういったリスクを踏まえても、達郎はやってくれると思います」と、松根代表は、試合を渇望した平良に期待を寄せる。
果たして、計量からこの5日間に何が起きていたのか、チーム平良はこれからどんな戦いに向かうのか。聞いた。