K-1史上初の三階級制覇王者でISKAのベルトも巻いた武尊(team VASILEUS)が6月24日、「次はロッタンを倒しに行きたい」と、あらためて次戦を現ONE世界フライ級ムエタイ王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)に照準を定めた。
武尊は24日の『Impact in Paris』(フランス・パリ/ゼニスアリーナ)で、2022年6月の『THE MATCH 2022』那須川天心戦以来の復帰戦に臨み、ベイリー・サグデン(英国)を5R 左ハイキックでKO。ISKAのK-1ルール61kgのベルトを腰に巻いた。
武尊vs.ロッタン「どっちが下がるのか、みんなが知りたい」(志朗)
ABEMA PPVで生中継された同大会のスタジオでは魔裟斗、志朗が解説。試合後の武尊に話を聞いている。
魔裟斗は武尊に「次の相手は誰になるか分からないけど、みんな楽しみにしているカードがあるからね。ロッタンとのカード。ターゲットはそこでしょ?」と質問。
武尊は「そうですね。もう、この試合が終わってから言おうと思ってたんですけど、僕はロッタンしか見ていないんで。次はロッタンを倒しに行きたいと思います」と、ONE Championshipと契約を結んだ、その頂点に立つ“破壊神”の名前を挙げた。
武尊vs.ロッタンについて、解説席の現RISE世界バンタム級王者&現ISKAムエタイ世界同級王者の志朗は、プロの目線からも「世界中のみんなが見たいカードじゃないですか。どっちが下がるのか、どっちがロープを背負うのかみんなが知りたい」とコメント。
魔裟斗も、「ロッタンと武尊、これは世界最高の打ち合いが見られますよ」と期待を寄せた。
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「5Rできてよかった。次に向けていい復帰戦になった」(武尊)
ロッタンは、5月6日の前戦『ONE Fight Night 10』でメキシコのエドガー・タバレスを左ヒジで2R KOに下しており、その試合を武尊は、ABEMA中継のゲスト解説として観戦。
そのときに、ロッタンについて「感情を出して戦う選手が好き。ロッタン選手、ほんとうにやりたい選手で、あらためてああいいうファイトスタイルを見ると戦いたくなりますね。ファイターの気持ちみたいなものをふつふつを沸き立たせてくれる」と対戦を熱望していた。
試合後のロッタンも、武尊に向かってカメラごしに「今日で僕のパフォーマンスが分かったと思う。武尊と戦うためならいつでも準備できてる。どこででも戦う」とメッセージ。その言葉を受けた武尊は「嬉しいですね。僕も同じ気持ちです」と語っている。
ロッタンがタバレスをKOに下したように、武尊もパリでの国際戦をKOで超えた。
それはONEでも王座戦に適用される5R戦だった。
370日ぶりの復帰戦でISKAとKGPのベルトを巻いた武尊は試合後、「5R制でちょっと作りにくかったけど、長いラウンドをできて、試合勘みたいなものが“こんな感じだったな”と後半になってどんどん戻って来ました。1、2Rは結構“こんな距離だったっけな?”と、手の長さとかも感じたりとかがあったけど、5Rできてよかった。次に向けてもいい復帰戦になったかと思います」と語っている。
(C)ONE Championship
そして、試合翌日の25日には、勝利のコーナーポストからのムーンサルトの映像とともに、「久しぶりの勝ち名乗り。フランスの現地の人達の歓声もすごく嬉しかった。2回の手術、病気休養、引退を何度も考えたけど続けてよかった。復帰まで支えてくれた人達、変わらず応援してくれてた人達みんなに感謝してまた次に進みます! I'm ready for ONE Championship.」とツイートに記している。
「ONE Championshipに向けて、準備は出来ている」と記した武尊。いよいよ、ロッタン戦に向けて、待ったなしの状況となった。
ムエタイルールとキックボクシングルールの双方で試合をしているロッタンと、武尊はどちらで戦うか。5月のONEの会見時には、このパリでの試合後にルールは決まっていくと思う、と武尊は語っている。
次なる勝利のムーンサルトは、リング上からかケージの頂上からか。今後に注目だ。