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【ONE】プラジャンチャイがサムエーをKOで返り討ちにして暫定王者に、スーパーレックは長身アナンを圧倒KO、マリキンがヘビー級王座統一! ダゲスタン出身・トルコのエルドランが中国のファン・ロンを左三日月蹴りKO

2023/06/23 23:06
ONE Friday Fights 222023年6月23日(金)タイ・ルンピニースタジアム ▼メインイベント フライ級 ムエタイ 3分3R〇スーパーレック・ギャットムー9(タイ/ONEキックボクシング世界フライ級王者)[1R 2分03秒 KO]※右ボディストレート×ナビル・アナン(アルジェリア)  スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得した名選手。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。  ONEでは2020年7月大会でONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤックを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。9月にはファディ・カレッドにも難なく勝利して2連勝で、2021年2月にイリアス・エナッシが保持するONEフライ級キックボクシング世界タイトルに挑んだが、判定3-0で敗れている。2022年の「ムエタイ・フライ級ワールドGP」では決勝へ進出するも、パンパヤックと両者が体重オーバーとなり、パンパヤックが判定2-1で勝利するも優勝者は無しという珍事となった。その後はダニエル・プエルタス、ダニエル・ウィリアムズに勝利して7連勝中。戦績は132勝29敗4分。  アナンはタイを拠点とする19歳のアルジェリア人キックボクサー。テコンドーと空手をバックボーンに持つ。2022年5月、ラジャダムナンスタジアムでKO勝ちし、史上最年少(18歳)のWBCムエタイ世界フェザー級王者となった。2023年2月にはライト級も制して2階級制覇に成功。近年はラジャダムナン・ワールドシリーズで戦っており、ONEには今回が初参戦。戦績は33勝4敗1分。188cmの長身。  1R、スーパーレックはいきなり後ろ廻し蹴りを放って場内を沸かせる。長身のアナンはロングリーチのジャブを突くが、スーパーレックはものともせず右ローを蹴っていく。スーパーレックが右ボディから右フック、そのままコーナーへ追い込むと右ローから右ボディストレートを突き刺し、アナンはその場に潰れるようにダウン。立ち上がることは出来ず、スーパーレックの圧勝となった。 [nextpage] ▼コ・メインイベント 暫定ストロー級ムエタイ世界王座決定戦 3分5R〇プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)[2R 2分10秒 KO]※右ヒジ打ち×サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)※プラジャンチャイが暫定王座に就く。  プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人。  2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちで王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年1月の『ONE Friday Fights 1』で再起戦を行い、コンペットに勝利した。戦績は339勝52敗3分。  サムエーはルンピニースタジアム認定スーパーバンタム級とスーパーフライ級の2階級、プロムエタイ協会ではスーパーバンタム級・スーパーフライ級・フェザー級の3階級を制覇。2011年にはルンピニー・ファイター・オブ・ザ・イヤーとスポーツライターズ・フレンズ・ファイター・オブ・ザ・イヤーの両方を受賞しているムエタイレジェンド。  2018年1月にONE最初のムエタイの試合を戦ったサムエーは、ONEフライ級ムエタイ世界王者にもなったが、2019年5月にジョナサン・ハガティに判定負け後、10月にストロー級転向。12月にはワン・ジュングァンに判定勝ちし、新設されたONEキックボクシング世界ストロー級王者となった。さらに2020年2月、ロッキー・オグデンを破りムエタイ世界同級王座も獲得して二冠王に。2020年10月にはジョシュ・トナーに2RでTKO勝ちし、初防衛に成功するも、2021年7月にプラジャンチャイに敗れて王座を失った。その後はラジャダムナンで2戦2勝、2023年3月にはライアン・シェーハンにKO勝ちしている。戦績は373勝48敗9分。  1R、サウスポーのサムエーにプラジャンチャイは右インローを多用、サムエーも左インローを蹴る。じりじりと前に出るプラジャンチャイだが、両者ムエタイの定石通りに相手を見る。しかし、ここでレフェリーからファイトがうながされた。すると左ミドルを蹴り始めるサムエーにプラジャンチャイも右ミドルと右ローで応戦。プラジャンチャイは時折右ストレートも伸ばす。  2Rも右ローを蹴っていくプラジャンチャイにサムエーは左ミドル。サムエーの右ローに合わせたプラジャンチャイの右ボディから飛び込んでの左ストレートがさく裂。まともにもらって仰向けに倒れるサムエー。ダウンから立ち上がったサムエーにローからの左右フック、ヒジ打ちを叩き込むプラジャンチャイにサムエーは防戦一方となり、最後はプラジャンチャイの右ヒジでマットに沈んだ。  サムエーを返り討ちにしたプラジャンチャイは暫定ストロー級ムエタイ世界王座のベルトを高々と掲げた。 [nextpage] ▼キャッチウェイト (64.4kg) ムエタイ 3分3R〇セクサン・オー・クワンムアン(タイ)[判定3-0]×ネイサン・ベンドン(英国)  セクサンはタイのビッグマッチには欠かせないムエブー(アグレッシブに前へ出てムエタイの全ての技を使って戦うタイプ)のスター選手の一人。2015年9月のラジャダムナンスタジアムにて梅野源治を迎え撃ち、勝利を奪って梅野の進撃をストップした。同年にはラジャダムナンスタジアムの年間MVPにも選ばれている。『RISE WORLD SERIES 2019』に初来日し、-61kgトーナメント1回戦では大雅を破ったが、準決勝では白鳥大珠に敗れた。その後はロッタンやヨードレックペットを相手に連敗が続いたが、2022年は8戦して5勝1敗2分と盛り返してきている。1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』で初参戦すると、タイソン・ハリソンに判定2-1で勝利。その激闘ぶりにボーナスも支給された。  1R、セクサンよりもかなり体格が大きいベンドンはいきなり左ボディ。ジャブ、前蹴りでセクサンを突き放そうとするが、セクサンは前へ出て右ローを蹴る。セクサンのワンツーに右ヒジ、さらに左右ボディを見舞うベンドン。セクサンは一度下がるもすぐに前へ出てヒジで打ち合う。ベンドンの強烈な左ボディ、右フック、さらに右ヒジ、右アッパーを浴びるセクサンだが、もらってもどんどん前へ出ていく。ベンドンの左右フックにグラつくセクサン、首相撲からのヒザでも体格差にものを言わせてベンドンが圧倒する。  2Rも前に出るセクサンは右ローから右ストレート。ベンドンのヒジ、左ボディ、ヒザを浴びるが全く下がらずヒジを打ち返す。セクサンのガッツに場内は大盛り上がりとなり、セクサンの攻撃がヒットするたびに大歓声が沸き起こる。ヒジが乱れ飛び、組んでもヒザを蹴り合う両者。セクサンのヒジで右目上をカットされたベンドンは動きが悪くなり、セクサンの前進に追い回される形に。  異常な盛り上がりの中で始まった3R、セクサンは右ミドルから右フック、さらに左右のヒジ。ベンドンは左右フックで応戦し、セクサンを突き放すがすぐにセクサンは飛んできてパンチとヒザを見舞う。セクサンが飛びヒザ、組み付くとヒザ。このしつこいヒザにベンドンはかなり削られた様子でセクサンに投げられる。ブレイクになると走ってベンドンに襲い掛かり、ヒザを突き刺していくセクサン。前に出て攻め続けるセクサンにベンドンは疲労を隠せなかった。  判定は3-0でセクサンが勝利。ベンドンは両手を合わせてセクサンに敬意を払った。そしてセクサンには大声援が送られた。 [nextpage] ▼バンタム級 ムエタイ 3分3R×ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)[2R 1分23秒 TKO]※右フック〇ニコ・カリロ(スコットランド) “エルボーゾンビ”ことムアンタイは2020年1月にONEでブライス・デルヴァルに判定勝ち後、タイでフェラーリ・フェアテックスに判定負け。その後2年のブランクを経て、2022年4月にリアム・ハリソンと5度ダウンの奪い合いの大激闘を演じたが最後はTKO負けを喫している。今年1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』ではマブルド・ツピエフに判定勝ち。  カリロは15歳でムエタイを始め、WMO世界ウェルター級&世界スーパーウェルター級王者、ISKAムエタイ世界65kg級王者の三冠王。2022年4月にはアイルランドの大会であのセクサン・オー・クワンムアンに判定勝ちしている。2023年4月の『ONE FRIDAY FIGHTS 13』でONE初参戦。12連勝中で戦績25勝3敗1分。  1R、ムアンタイよりもかなり体格が大きいカリロは左フックを強振、サウスポーのムアンタイは慎重に前へ出て左ミドルと右インローを蹴る。頻繁にスイッチするカリロはロングリーチの左右ストレートを伸ばしてくるが、ムアンタイも負けじと左ストレートを直撃させる。互いに相手のミドルキックをキャッチして崩しにかかる。首相撲からヒザを蹴ってきたムアンタイを軽々と投げるカリロ。その後もムアンタイは転がされまくる。しかし、ムアンタイはカリロのワンツーを浴びながらも前へ出ていった。  2Rもカリロはムアンタイのミドルをキャッチしては軸足払いで転がし、キャッチした足を持ったまま右の強烈なヒジを叩きつけるとムアンタイがダウン。もうこれで終わりかと思われるほどのダウンだったが、ムアンタイは立ち上がる。右ヒジと右ストレートで襲い掛かるカリロに左ハイキックを蹴るムアンタイだが、カリロの猛攻を浴び、右ヒジからの顔面ヒザで2度目のダウン。最後は右フックでなぎ倒され、カリロのTKO勝ちとなった。 [nextpage] マリキンがブラーKOで13戦無敗の王座統一、二階級制覇  正規王者のアルジャン・ブラー(インド)と暫定王者のアナトリー・マリキン(ロシア)が対戦。  インド系カナダ人初のレスリング・フリースタイル五輪代表選手のブラーは、2010年のコモンウェルスゲームズ120kg級金メダリスト。2014年にMMA転向、UFC4戦3勝1敗の戦績を持つ。2021年5月にONE世界ヘビー級王者ブランドン・ベラを2R TKOに下し戴冠。今回は約1年ぶりの試合となる。  対する暫定王者のマリキンはMMA11戦無敗、うち10試合をフィニッシュ(7KO・3一本)勝利。2022年2月の暫定王座決定戦でキリル・グリシェンコを右オーバーハンド一でKOし、ベルトを巻いた。  2022年12月にはONEミドル&ライトヘビー級王者ライニア・デリダーの持つライトヘビー級王座に挑戦すると、1Rに右フック&鉄槌でパウンドアウト。ライトヘビー級王者となっている。  両者の対戦は、3月のシンガポール大会でいったんアナウンスされたがキャンセル。タイのルンピニースタジアムの「リング」で実現することとなった。 ▼ONE世界ヘビー級王座統一戦 5分5R〇アナトリー・マリキン(ロシア)[3R 2分47秒 TKO]×アルジャン・ブラー(インド)※マリキンが統一王者に  1R、ともにオーソドックス構え。マリキンは左ボディストレートから右アッパーで組みつくが、突き放すブラー。マリキンは右前蹴り、右オーバーハンドで前に。さらにコーナーに詰めて左前手でフック。  ブラーを首相撲にとらえてヒザ。右ミドルを掴もうとしたブラーだが足を抜くマリキンが左ジャブを当てて右ストレート、左右ボディとコーナーから逃がさない。右アッパーを被弾したブラーは体を入れ替えてマリキンをコーナーに押し込むが、突き放すマリキンが右ボディ。最後はマリキンが左前手を伸ばしたまま、ブラーを見据え、ゴングを聞く。  2R、右前蹴り、右アッパー、右ボディでブラーをロープに詰めるマリキン。さらに左右ボディ、ブラーは組みに行くが離れるマリキン。コーナーに詰めて左ボディを突き上げる。ブラーは首相撲から右アッパーを突くが、すぐに剥がしたマリキンが左ストレート。  ブラーは左ジャブを返すが単発。ワンツーで前に出るマリキンの右ストレートにブラーのアゴが上がる。左ボディを返すブラーに、左ボディのお返しから左ジャブはマリキン。右ボディに繋ぐ。  3R、右ストレートから左の蹴りに繋ぐマリキンはジャブ右アッパー、ワンツーでブラーをコーナーにくぎ付けにする。コーナーのあるリングならではの攻防から、ブラーの低い組みをヒジを持って引き落としてがぶりからパウンドはマリキン。  ブラーはロープ間に身体を出してエスケー。再開時にリング中央で背中を着かされたブラー。立ち際にまたも場外逃避。ブラーにイエローカードが出された。  リング中央で下のまま再開ののブラー。そこにパウンドで入っていくマリキンに、ブラーは背中を見せて身体が伸びたままパウンドの連打を浴び続けると、レフェリーがストップした。  マリキンはリング上で、ONEが失った2人に対し1分間の黙とうを捧げると、「3つ目のベルトを獲る。(デリダーに)お前のベルトはフェイクだ。10月にやろう。お前のベルトは俺のベルトだ」とジャイアンばりのマイクで83kg(ミドル級)のベルト獲得を宣言した。  また、試合後にケージサイドに下りたマリキンを、チャトリ・シットヨートンCEOは、「この惑星でもっとも強いヘビー級王者だ」と賞賛。マリキンも「ONEは僕のホームだ」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 ムエタイ 3分3R〇シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)[判定3-0]×エディ・アバソロ(米国)  シッティチャイはプロ160戦以上と鉄人的な戦歴を持つ現役のムエタイレジェンド。キックボクシングとムエタイを合わせ、世界王者に11回輝く。過去10年間に渡り、キックボクシングとムエタイで、最も圧倒的な強さを誇る選手の1人として評価を築き上げてきた。  ジャバル・アスケロフ、アンディ・サワー、エンリコ・ケールなど、数々の世界トップクラスのストライカーを倒したシッティチャイだが、2020年7月のONE初陣ではスーパーボンに判定で敗れた。2021年8月には7年ぶりのムエタイルールでタイの現役トップ選手タワンチャイから判定2-1で勝利。2022年に開催された「ONEフェザー級キックボクシング・ワールドGP」では決勝でチンギス・アラゾフに敗れたが、準優勝して実力を証明。今回は2022年10月にモハメッド・ブタサーに勝利して以来の試合となる。  1R、アバソロは軽快なフットワークから左右フック、首相撲でのヒザ。サウスポーのシッティチャイは左ミドルを蹴り、パンチとヒザでボディを狙い撃ち。シッティチャイの左ストレートに後退するアバソロだが、シッティチャイがヒジを打って来ると強気にヒジを打ち返す。さらにシッティチャイの左ミドルに左フックを合わせに行く。  2R、右ストレートと左フックで前へ出て攻めるアバソロだが、シッティチャイは首相撲に捕まえるとヒザ蹴りから転倒させる。さらにアバソロのパンチに合わせて左ミドル。アバソロもヒジで応戦する。ヒジとパンチの応酬が続く中、徐々に被弾が増えるアバソロ。シッティチャイの左ストレート、左フック、左ヒジがヒット。シッティチャイはカモンゼスチャーで挑発する。  3R、ヒジを出しながら前に出るアバソロにシッティチャイは右目上をカットされドクターチェックが入る。再開後も両者ヒジを繰り出し、シッティチャイは左ミドルと首相撲からのヒザ、さらに首相撲でコカしていく。さらに首相撲からのヒザ連打、離れ際に左ヒジ&左ストレートにアバソロが大きくグラつく。アバソロもヒジで反撃するが、シッティチャイはヒジで応戦して譲らず試合終了。  危ない場面も多々あったシッティチャイだったが、3Rに決定的な場面を作り判定3-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼バンタム級 ムエタイ 3分3R×ランボーレック・チョー・アッジャラブーン(タイ)[判定1-2]〇ファリヤ・アミニプール(イラン) [nextpage] ▼キャッチウェイト (59.87kg) ムエタイ 3分3R×ギンサンレック・トー・ラックソーン(タイ)[KO 2R 0分28秒]〇ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)  ギンサンレックは2020年にオムノーイスタジアムのライト級王座に就いた。クマンドーイやサオエークには敗れているが、ペットモラコットに勝利している。ONEには2023年2月の『ONE FRIDAY FIGHTS 6』から出場し、その時はゴントーラニーに敗れた。前回は4月にチョーファーに勝利し、ゴントーラニーとの再戦に臨む。  ゴントーラニーはラジャダムナンでは2018年にスーパーバンタム級、2022年にライト級と2階級を制覇。2021年にはプロムエタイ協会のライト級王者にもなっている。サオトーとサオエークに勝利したこともあり、ギンサンレックとは過去2勝1敗。  1R、ギンサンレックはサウスポーから左インロー、そして左ストレート。ゴントーラニーが右ミドルを蹴るとすかさず左ミドルを蹴り返すが、またすぐにゴントーラニーが右ミドルを蹴る。ギンサンレックが左ストレートを打った直後、引き際に合わせてゴントーラニーが右ハイをヒットさせると、ギンサンレックはその蹴り足をつかんで倒し、顔面に蹴りを入れるラフプレイ。  2R、ギンサンレックの左ストレートに左ヒジを合わせたゴントーラニー。ギンサンレックの左ミドルには左ボディも合わせる。ゴントーラニーの右ミドルにギンサンレックが右フックを返してきたところへ、ゴントーラニーは左フック。これが決まり、一瞬間をおいてギンサンレックはダウン。  ギンサンレックは起き上がろうとするも身体が全く言うことをきかず、ゴントーラニーのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼キャッチウェイト (53.98kg) ムエタイ 3分3R×ジョムホート・オート・ムエタイ(タイ)[KO 2R 0分36秒]〇アクラム・ハミディ(アルジェリア)  ジョムホートは2008年に7チャンネルのライトフライ級王者になると、2014年にはスーパーフライ級も制して2階級制覇。このスーパーフライ級王座は2度防衛後に手放したが、2018年に返り咲いて3度防衛、さらに2022年にも返り咲いた。また、2013年にはWBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、2015年にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座にも就いている。2023年3月の『ONE FRIDAY FIGHTS 8』で初参戦し、TKO勝ちを収めている。  ハミディは2018年9月のK-1に来日し、武居由樹と対戦したが初回TKO負け。しかし、その後は9連勝を飾り、その中にはRISEに参戦したフレッド“The Joker”コルデイロ、K-1に参戦したサンベル・ババヤンから奪った白星もある。2022年4月に一度連勝がストップするも、その後は4連勝中。戦績は28勝(17KO)4敗1分。  1Rが始まって10秒も経たないうちに、ハミディがワンツーから放った右ハイでジョムホートがダウン。苦笑いを浮かべて立ち上がったジョムホートへ、ハミディはヒジと左右フックを見舞い、ジョムホートもヒジを打ち返してくる。その打ち合いのさなか、至近距離から放ったハミディの右ハイが股もヒットし、2度目のダウンを奪う。  立ち上がったジョムホートは下がり、ハミディはジャブやワンツーを出しつつ、右ハイを何度も狙う。ジョムホートも強気にワンツーで前へ出てきて打ち合いに応じる。両者のパンチとヒジが激しく交錯する中、ハミディのヒザが突き刺さった。さらに飛びヒザを放つハミディだが、ジョムホートはワンツー、するとハミディが右ハイ。ジョムホートはハミディに組み付いては投げ捨てるラフファイト。  2R、ハミディは顔面前蹴り、左ボディからの右ロー、さらにパンチの連打でジョムホートをコーナーへ追い詰める。ジョムホートも左ストレートと左ミドルで反撃し、前に出たがハミディの右ストレートからの左ボディをもらって力なくダウン。立ち上がる素振りも見せず、ハミディのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼キャッチウェイト (53.98kg) ムエタイ 3分3R〇トンプーン・PK・センチャイ(タイ)[判定2-1]×ヨンダム・ソー・トー・ヒーウバンセーン(タイ) [nextpage] ダゲスタン出身トルコのエルドランが三日月KO勝利で9勝無敗に ▼ミドル級(※93.0キロ)5分3R〇シャミル・エルドラン(トルコ)[2R 0分27秒 KO] ※左三日月蹴り×ファン・ロン(中国)  ダゲスタン生まれでトルコ国籍のエルドランはMMA8勝0敗(3KO・TKO&1SUB、4判定勝ち)。2010年にジュニアのフリースタイルレスリング96kg級金メダル、2014年世界レスリング選手権大会では97kg級で銅メダルを獲得したが、ドーピング検査で陽性反応が出たため、2年間の出場停止処分を受けている。Fight Nights Global、EFCで連勝してきた32歳。  対するファン・ロンは、MMA19勝4敗。Glory of Heroes等で連勝後、2019年1月にONEデビュー。デリダーに1R ダースチョークで敗れたが、その後、モハメド・シエリフ、ユーリ・シモエス相手に2連勝。2021年12月にヴィタリ・ビグダシュに3R ギロチンチョークで一本負けすると、1年5カ月ぶり復帰戦となった2023年5月の前戦でもアウンラ・ンサンに2Rギロチンチョークで敗れている。2連敗中の29歳。  リングでのMMA。1R、サウスポー構えのエルドランが右ジャブからダブルレッグテイクダウン。下からバタフライガードで足関節狙いのファン・ロンを潰してパスガード、グラウンドヒザ。前転からヒザ十字狙うファン・ロンも極めさせないエルドランが、脇を差してきたファン・ロンを潰して上からヒジ・ヒザ、鉄槌。  2R、エルドランが左ミドル、ファン・ロンの右ボディストレートをかわして、左ストレートから左ハイ、さらに左ミドルを3度ヒットさせたエルドランが、左中足蹴りをレバーに当てて左ストレート。ファン・ロンが腹を押さえて、ロープ際まで下がるとレフェリーが試合を止めた。
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