2023年6月7日(水)にタイ・ラジャダムナンスタジアムで開催された『スック パランマイ』にて行われた試合で、八百長の疑いがかかり、ストップされた試合があった。ムエタイの情報をSNSで提供している『Muay Thai Super Fight』が伝えた。
問題の試合は第2試合で行われたヨードサナンvs.グライトーン戦。最終Rに、それまで賭け率が優勢だったグライトーンがヨードサナンのパンチで唐突にダウン。2度目のダウン後、レフェリーが試合をストップし、グライトーンの“追放”を宣言した。
【写真】選手の追放を宣言するレフェリー。ムエタイのリング上では絶対的な権限を持つ(C)スック パランマイ この“追放”というのはムエタイ独特のルールで、あまりにも差がありすぎる試合内容や、選手にやる気がないとみなされた場合、そして八百長試合の疑いがある時にレフェリーが発令するもの。リング上で絶対的な権限を持つレフェリーが、それを見極めるのだ。
「最終R最初のダウンも何となくわざとらしく、2回目はレフェリーが即ストップ。さすがレフェリーよく見ています」と『Muay Thai Super Fight』は、“さすがタイのレフェリー”とその判断力を称賛。その後の調査の結果、両選手が結託して仕掛けた八百長の疑いがかけられたという。
ムエタイはギャンブルの対象となっているため、八百長試合には特に厳しい。試合中の賭けの流れは正常だったため、ギャンブルが成立されなかったことに激怒したギャンブラーたちはスタジアム側に対して厳正な調査を申し入れたそうだ。
ラジャダムナンスタジアムは現在調査中で、まだ八百長だと断定されたわけではない。しかし、「いずれにせよメジャーでは八百長はうまくいかないことがほとんどで、ギャンブルがあることにより様々な批判的意見の裏に、ムエタイとしての公正公平が保たれている一面もあります」と『Muay Thai Super Fight』は伝えている。