「ムエローク2019グローバル」2019年7月21日(日)東京・新宿FACE
韓国人選手勢が台風の影響で飛行機が飛ばず、出場が不可能というアクシデントに見舞われるも、プロの部は全てKO決着で観客を魅了。ヒジで切り裂き、首相撲からヒザで突き刺すムエタイ特有の技の応酬が見られ「ヒザなし?ヒジなし?笑わせるな!」のキャッチフレーズに偽りなしの試合展開となった。
また、ジュニア33冠王・最強の小学生である曽我昂史の初のヒジあり国際戦、ムエロークジュニアタイトル戦と、ジュニア2試合もプロに負けじ劣らずのハイレベルな試合を見せ、観客の度肝を抜いた。▼第8試合 WMCインターコンチネンタルライトヘビー級王座決定戦 3分5R〇武来安(上州松井ジム/WPMF日本&J-NETWORKライトヘビー級王者)TKO 1R1分6秒 ※右ミドルキック×ヘンネリッキ・ソー・シリラック(ノルウェー)※武来安が新王座に就く。 武来安はアメリカ北西部のモンタナ州出身で、留学生として日本へ渡りキックボクシングでプロデビュー。これまでWPMF日本ライトヘビー級王座、J-NETWORK同級王座に就き、2018年9月にはK-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメントにも参戦。今回は本来のムエタイルールに戻って、インターコンチネンタル王座を目指す。相手はタイで修行中のノルウェー人選手。
開始早々からヘンネリッキが左右フックと右ストレートで武来安を攻め立てる。ガードしながら、ヘンネリッキをコーナーに詰めた武来安の右ミドルがヘンネリッキの腹に突き刺さり一撃でKO。武来安が王座を獲得し、世界王座へ一歩前進となった。
▼第7試合 スーパーバンタム級 3分5R〇佐々木雄汰(尚武会/ルンピニージャパンスーパーバンタム級王者)TKO 3R1分8秒 ※ハイキック×パン・ボーダム(タイ)
サウスポー構えの佐々木は、序盤から強烈な左ミドルと左ローを打っていく。パンが右ミドルを打つも佐々木はこれをキャッチし右ボディーストレートを打つ。ロープに詰めて左右フックや右ヒジと手数が止まらない。
3Rには佐々木のジャンピングハイキックがクリーンヒット。パンが倒れたと同時にレフェリーが試合をストップし、佐々木が衝撃的なKO勝利を収めた。
▼第5試合 ウェルター級 3分5R×誠(レンジャージム/WMC日本ウェルター級王者)TKO 4R2分47秒〇フェデリコ・ベロナリー(イタリア)
互いにパンチの打ち合いが多く、3Rになると誠の左右フックが目立ち、フェデリコがガードしてもグラつき、ガード越しから効かせている様子だった。3Rまでは誠優勢か。4Rになると誠は左ミドルと左ローを打ち、左ストレートと左ボディーストレートでロープに詰めていく。終盤になるとフェデリコが誠をロープに詰めてパンチ連打でレフェリーがストップ。フェデリコが序盤の劣勢をはねのけ、逆転KO劇となった。
▼第4試合 ミドル級 3分5R×長谷川 拓也(レンジャージム/WMC日本ミドル級王者)TKO 1R1分5秒 ※レフェリーストップ〇ルカ・ランバート(イタリア/MAX MUAYTHAI王者)
パンチの打ち合いとなったが、左縦ヒジで長谷川をカット。その後、パンチの打ち合いで長谷川の出血が悪化し、レフェリーが試合をストップ。
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▼第1試合 33kg契約 2分5R△曽我昂史(練馬チャンデットムエタイジム/鍛錬会)ドロー 判定1-1 ※49-48曽我、47-48ホヨーン、48-48△ホヨーン・チャウム(タイ/ランバージム)
1R開始早々に右ハイでダウンを奪う曽我。その後右ミドルを打ち首相撲からヒザとつなげ、曽我ペースに。
2Rになると縦ヒジを入れる曽我。右ローを連打する曽我に首相撲で応戦するホヨーン。ジャブから左縦ヒジを打ち、右ローを連打する曽我。3Rになるとホヨーンが首相撲からヒザをしつこく連打し、2Rまで劣勢だったホヨーンの反撃が始まった。
4Rもホヨーンは首相撲からヒザを打っていく。曽我は右ストレート、ホヨーンは首相撲で曽我を崩し、ヒザを連打。5Rは曽我の右ストレートがヒットするシーンが目立ち、ミドルの応酬で試合終了のゴング。
判定はドロー。序盤にダウンを奪い優勢に進めていた曽我だったが、後半に追い上げを許し、初の国際戦はドローに終わった。
▼ムエロークジュニア30kg級王座決定戦 2分5R●橋口泰賀(バルボーザジャパン)判定0-3 ※48-49、48-49、47-49○入江曜平(晴山塾)
1Rから互いにパンチとミドル、右ローの応酬が続き、2Rから首相撲とヒザが加わっていく。3Rはテンポよく左右ミドルを打つ橋口に、距離をとって左フックと右ミドルで応戦する入江。前蹴りから左右フック、首相撲と徐々に手数を上げていく橋口に、入江はジャブから右ミドル、右前蹴りで負けじと応戦。
4Rはミドルの応酬から首相撲。入江が首相撲からヒザで橋口を崩し、距離をとりながら右ミドルと左右フックを振り回していく。5Rは入江の蹴り、橋口のパンチと完全に攻勢が分かれ、残り30秒は首相撲からヒザの応酬で試合終了のゴング。判定の結果、入江が勝利し、王座を獲得した。
▼第6試合 スーパーフェザー級 3分5R-リク・シッソー(トースシンムエタイジム/WMC日本スーパーフェザー級王者)試合中止-チョ・ヨンフン(韓国)※天候不良によりチョが来日できず欠場。
▼第3試合 スーパーライト級 3分5R-DAIJU(尚武会)試合中止-メハマッド・サリー(WSRフェアテックスイラン/IFMA王者)※DAIJUが不慮の事故により出場不可となったため
▼第2試合 クルーザー級 3分5R-天承山(Life-AMICハイボルテージ)試合中止-リー・フシン(韓国)※対戦予定であったリーが天候不良により来日できず欠場。