NJKF 2023 3rd2023年6月4日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第9試合)S1世界ジュニアフェザー級王座決定戦 3分5R〇ヨッド・パランチャイ (タイ/パランチャイジム/BBTVチャンネル7スタジアムフライ級王者)判定3-0 ※49-46、50-47、50-46×波賀宙也 (立川KBA/元IBF世界ムエタイジュニアフェザー級王者)※ヨッドが新王座に就く。
波賀は2009年7月デビューのベテラン選手。第2代・第4代NJKFスーパーバンタム級王座、第5代・第7代WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座に就き、2019年9月にトンサヤーム・ゲッソンリットを破り日本人4人目のIBFムエタイ世界王者となったが、2022年6月の初防衛戦でペットング・ゲッソンリットに敗れて王座を失った。その後、片島聡志に勝利するも今年4月大会ではコンコムに判定負けを喫している。
ヨッドは95勝24敗1分の戦績を持ち、現BBTV王者。今回が初の海外での試合になるという。
1R、波賀はサウスポー。ヨッドはいきなりの飛び二段前蹴りでけん制。両者ローの蹴り合い。ヨッドは左ローと左前蹴りを多用する。片足を上げてのフェイントも多用し、波賀の反応を見ているようだ。波賀もフェイントをかけて左ストレートを打つ。まずは様子見のラウンドとなった。
2R、波賀が仕掛け始め左ミドルを多用。ローも蹴り合う。両者ともフェイントを多用していく。首相撲からのヒザになっても両者譲らず。ヨッドは徐々にペースを上げていき、左ローの威力を強めていく。ヒジも放つヨッド。
3R、首相撲でのヒザの蹴り合いになると、ヨッドは3度連続で波賀をコカす。さらに組んでのヒジ。波賀はミドルを蹴るが、ヨッドはそれにフックを合わせに来る。終盤、ヨッドはボディに狙いを絞ったか、前蹴りを連発してパンチでもボディを狙う。組んでのヒザも突き刺すが、これは波賀も蹴り合う。
4R、出会い頭にボディストレートを打つヨッド。波賀は左ミドル、左ストレートで対抗するが、ヨッドはフェイントを懸けてパンチでボディを狙う。さらにローキック。波賀は蹴り足をキャッチしての左ストレートをヒットさせる。終盤、波賀が右ストレートを空振りしたところでヨッドが左フックを振り、波賀がダウン。「ダウンじゃない」とアピールする波賀だが、認められなかった。
5R、逆転を狙って前へ出る波賀だが、ヨッドは空振りさせて逆にフックを打ち込む。波賀はパンチ、ヒジを繰り出すがすぐにヨッドに組まれてしまい攻撃が続かない。ヨッドが波賀の攻めを封じる展開が続き、試合終了のゴングが鳴るとヨッドはガッツポーズでリングを1周。その通り、ヨッドの大差判定勝ちとなった。
[nextpage]
▼セミファイナル(第8試合)日泰国際戦 60kg契約 3分3R〇ペッチ・パランチャイ (タイ/パランチャイジム)TKO 2R 1分25秒 ※セコンドからのタオル投入×山浦俊一 (新興ムエタイジム/元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者)
ペッチはまだ19歳と若いか戦績は98勝18敗で100戦を超えるキャリアを持つ。タイトル獲得歴はなく、蹴りを得意とする。同じく今回が初の海外での試合。
山浦は15歳でプロデビューするも16歳から21歳まで現役を離れ、22歳で復帰。2019年9月にNJKFスーパーフェザー級王座を奪取している。2020年12月にWBCムエタイ日本スーパーフェザー級王座も奪取。2021年2月にはNKBで高橋亮と対戦したがハイキックでTKO負け、4月の新日本キックで高橋亨汰にも判定負けと連敗を喫するも、11月の初防衛戦で久井淳平に判定勝ちした。前戦は今年2月、TAKUYAに判定勝ち。
たっぷりと時間をかけ、丁寧にワイクルーを舞ったペッチ。「このタイ人はガチだ…」との予感が漂う。
1Rが始まってすぐ、右ローからの左フックでペッチがダウンを奪う。ゆっくりと立ち上がった山浦にペッチは味を占めたかパンチを繰り出していくがやや大振り。組むと簡単に崩し、組み際にヒジを打つペッチ。
2R、ジャブを打つ山浦にペッチは飛びヒザ蹴り。ペッチがジャブからハイを繰り出すと、山浦も同じ技を返す。山浦が首相撲でコカすと、負けじと首相撲でコカし返すペッチ。右ミドルを蹴ったペッチはミドルのフェイントを何度もかけ、山浦の反応を見ての左フック一閃。
右目に直撃したか、なかなか立てない山浦を見てセコンドからタオルが投入された。初来日のペッチがインパクトある日本デビュー戦をTKO勝ちで飾った。
[nextpage]
▼第6試合 日泰国際戦 スーパーフェザー級 3分3R〇ガン・エスジム (タイ/エスジム/元ラジャダムナン認定フェザー級7位)判定3-0 ※29-28、30-28×2×龍旺 (Bombo Freely/NJKFスーパーフェザー級5位)
ガンは2022年8月にジャパンキック認定ライト級1位・睦雅と対戦し、打たれても蹴られても前へ出るスタイルで左右フック&ロー、しつこく組みに行ってのヒジ&ヒザで判定勝ちしている。9月には馬渡亮太と対戦して3RにTKO負けを喫したが、この試合はジャパンキックボクシング協会の年間表彰式で年間最高試合賞を獲得している。
龍旺は中学生でキックボクシングを始めてアマチュアで経験を積み、2021年6月にプロデビュー。2022年9月大会では木下竜輔(伊原道場本部)に判定勝ち。アグレッシブなファイトスタイルとキレのある蹴りを武器にするサウスポー。史門は2021年5月にプロデビュー。同じく昨年9月大会では匠に判定勝ち。2月大会では史門と全勝対決を行ったがドローとなった。
1R、サウスポーの龍旺は左ロー狙いか。左ミドルも蹴るがこれはガンがしっかりカットしていく。ガンは強い右ミドル主体。龍旺がヒジを繰り出すと負けじとヒジを返す。
2Rになると龍旺はパンチ主体のスタイルに。左ヒジも狙っていく。ガンは強い右ミドルで龍旺の左腕を蹴り、首相撲に持ち込むと力量の差は明らかでガンが優勢。組まれないように下がる龍旺にガンは圧を強めていく。左フックも強打するガン。
3Rが始まってすぐ、首相撲に持ち込んだガンは右ヒジでカットを奪う。龍旺は左目上をカットしてドクターチェック。圧を強めるガンは徹底して組みに行き、ヒジとヒザを見舞う。龍旺は為す術無しの状態になり、最後はガンが龍旺をコーナーへ詰めて左右フック&ヒジのラッシュでダメ押し。
判定3-0でガンが龍旺に初黒星を付けた。
[nextpage]
▼第5試合 55kg契約 3分3R〇嵐 (KING gym/NJKFバンタム級3位)判定3-0 ※30-27×3、30-26×KAZUNORI (T-KIX/DEEP☆KICK-53kg級3位)
嵐は世界王者を目指して4歳でキングジムに入門、2021年にプロデビューした18歳。戦績は7勝(3KO)1敗1分。対するKAZUNORIは打ち合いを辞さない好戦的なファイターで戦績は14勝(4KO)23敗。 1R、自信満々の表情の嵐は左ミドル&ミドルハイと前蹴りを連発し、左右フックを振っていく。KAZUNORIがコーナーを背負って左右フックを打つと、嵐は首相撲でコカして“来いよ”と挑発。強烈な左ボディをヒットさせると、下がったKAZUNORIへ前蹴りを突き刺してダウンを奪った。嵐はパンチで仕留めにかかったが、これはKAZUNORIが凌いだ。
2R、サウスポーに構える嵐は待ちの体勢となり、左ハイと左インローを蹴る。思い切り振り抜くフックも見せる。KAZUNORIは右ローに活路を見出す。
3R、パンチの距離に持ち込みたいKAZUNORIは前に出るが、嵐の前蹴りでリセットされる。嵐は逃げ切り態勢に入ったか、前蹴りとジャブをサークリングしながら放ち、近付けさせない。強烈な左ボディも打つ。最後は打ち合いに応じ、KAZUNORIのパンチをノーガードでかわしながら右を打ち込み、判定勝ちした。
[nextpage]
▼第4試合 NJKFフライ級 3分3R〇谷津晴之 (新興ムエタイジム/NJKFフライ級1位)判定3-0 ※30-26×3×西田光汰 (西田キックボクシングジム/NJKFフライ級7位)
谷津は2020年2月デビューの19歳。2021年12月に王者・優心に挑むもプロ初黒星。22年は4月にNKB、8月にKNOCK OUTに乗り込むもいずれもKO負け。今年に入ってタイ修行を行い、3月に2連戦して2試合ともKO勝ちを収めての凱旋出場。戦績は7勝(3KO)4敗3分。西田は2021年12月デビューで、4戦4勝負けなしの21歳。 1R、スピーディーな谷津は3連打を繰り出し、左フックと右ハイにキレがある。西田も右オーバーハンドで反撃するが、谷津のスピードについていけない様子。左フックからの右ストレートをヒットさせた谷津がコーナーへ詰め、連打を見舞ってスタンディングダウンを奪った。
2R、谷津はジャブ、前蹴りで距離をとり、左右のミドルやハイキック。右ボディからの左フックのコンビを多用し、左フックをヒットさせる。西田はこのコンビを読んだか、最後の左フックに左フックを合わせ始めるが、谷津は蹴り主体にチェンジ。
3R、逆転を狙って打ち合いに行く西田。谷津はジャブと前蹴り。パンチの回転では谷津が上回るが、西田もしっかりと一発を当てていく。最後は両者足を止めての打ち合いとなるが、ここは回転力とスピードで優る谷津がコーナーを背負わせる展開となり、判定3-0で谷津が完勝した。
[nextpage]
▼第3試合 NJKFフライ級 3分3R〇愁斗 (Bombo Freely)KO 1R 1分27秒 ※左ヒザ蹴り×高橋大輝 (エスジム)
愁斗は2022年5月にデビューし、戦績は2勝2分で負けなしの21歳。高橋は2勝(1KO)1敗1分の27歳で、2022年9月のBigbangではKO勝ちしている。 1R、愁斗は躍動するような動きで左右ハイキック、しなる左ミドル、右ストレートを打っていき、鋭いヒザを突き上げる。距離をおいて高椅が踏み込んでくるところへ、踏み込むと同時に左ヒザをグサリ。このヒザが強烈に突き刺さり、高椅は悶絶。愁斗が壮絶なKO勝ちを飾った。
[nextpage]
▼第2試合 ミネルヴァ アトム級 2分3R×AZU (DANGER GYM)KO 2R 1分42秒 ※左ヒザ蹴り〇Nao (AXGYM)
1R、開始と同時に突進するAZUを前蹴りとワンツーで迎え撃つNao。組みになるとヒザを積極的に蹴っていく。突進してボディを打つAZUにNaoは回り込みも駆使して右を当てていく。
2Rも右を出しながら突進するAZUにNaoは右を打ち付ける。前蹴り、左ミドル&ハイも蹴り、組むと左ヒザを連打。これにAZUはダウンし、立ち上がることは出来なかった。Naoの鮮やかなKO勝ちとなった。
[nextpage]
▼第1試合 NJKFフェザー級 3分3R×パヤヤーム浜田 (KING gym)判定0-3 ※27-30×3〇隼人(西田キックボクシングジム)
1R、サウスポーの浜田に隼人は回転の速いパンチと奥足を狙った右ロー。この右ローが何度も強く決まる。終盤は浜田がスーパーマンパンチも繰り出し、盛り返した。
2R、隼人のパンチ&ヒザに鼻血を噴き出す浜田だが、ボディブローを繰り出すと隼人が失速。コーナーへ詰めての連打を見舞った隼人に浜田はボディを強打する。
3R、隼人は待ちの体勢となり、ローを蹴って浜田がパンチを出してくるところへ右を返す。連打が利く隼人は2連打、3連打と返していき、ヒザも突き刺す。最後は浜田が足を止めての打ち合いを仕掛けて意地を見せたが、判定3-0で隼人が圧勝した。
[nextpage]
▼OPファイト Amateur Matches over40 1分30秒2R△ゴッドファーザーTOMO (FREEDOM@OZ) ナイスミドルライト級第5代王者ドロー 判定0-0 ※19-19×3△クラッシャー萩原 (TeamK.O.garage) ナイスミドルウェルター級第4代第6代王者