2023年9月9日(日・現地時間)フランス・パリで開催される『GLORY 88』でバダ・ハリ(モロッコ)が復帰戦を行うことが発表された。メインイベントでジェームズ・マクスウィーニー(イギリス)との対戦が決定。
ハリは2023年10月のアリスター・オーフレイムとの決着戦に臨み、2度のダウンを奪われて判定5-0で敗れ、リング上で「キャリアを終わらせることを真剣に考えています。これ以上(リングの上で)証明できることはないと思います。今夜、私のためにここに来てくれた人たちへ、本当にありがとう」と引退を示唆する宣言をしてその去就が注目されていた。アリスターはその後、ドーピング検査で陽性反応が出たため、この試合は無効試合となっている。
38歳のバダ・ハリは106勝(92KO)16敗3無効試合と驚異的な戦績を持つが、近年の7試合は2試合が試合中に負傷してのTKO負け、2試合が完璧なKO負け、そして3試合がノーコンテスト(両者ドーピング検査で失格、ファンの乱闘騒ぎで試合中止、相手がドーピング検査で失格)となっており、前回の勝ち星は2015年8月にまで遡る。
オランダの格闘技メディア『VECHTSPORTINFO』が、アリスター戦の後に「バダ・ハリは引退するべきか、現役を続行するべきか」のアンケートをSNSで行ったところ、ファンの87%は「引退した方がいい」と回答したという。
そのため、今度こそ引退ではと思われていたが、今回の電撃的復帰のアナウンス。バダ・ハリは自身のSNSにて「WGP…最後にもう一度だけ」と投稿。WGPというのは、GLORYが12月に開催することを発表した8人制のヘビー級ワンナイト・トーナメント『GLORY Grand Prix』のこと。
優勝賞金50万ドルのこのトーナメントは、初代王者を目指して年間で出場者決定トーナメントや出場者決定戦が行われており、すでに2枠が埋まっている。実績や人気を考えれば、この試合に勝てば出場権が与えられる可能性は高い。
対戦相手のマクスウィーニーは50戦以上のキックボクシングキャリアを持つほか、UFCやONEにMMAファイターとして出場したこともあり、30戦以上の戦績がある。キックボクサーとしてはバダ・ハリのレベルにはいないが、最近の打たれ弱さが目立ってきたバダ・ハリにとっては、勝利の半分以上がKO勝ちという“一発”の強さが脅威となるだろう。