2023年6月3日(土)神奈川・横浜武道館『K-1 WORLD GP 2023』で、ゲスト解説を務める元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二が同大会で行われる「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」を占った。K-1公式YouTubeチャンネルにて公開された。
日本人初のボクシング世界ミドル級王者となった竹原は、ミドル級は「スピードとバネのある選手が多いんじゃないですか。特に黒人なんかは。リズムが違ったりするので、黒人選手なんかは特に。それに紛らわされてしまいますよね、戸惑わされてしまいます」と、ミドル級の外国人選手の特徴を話す。
トーナメントに出場する松倉信太郎(team VASILEUS)については「パンチにしろキックにしろある程度バランスのとれた選手」、神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)は「どっちかと言うとファイターなので、身体全体で行ってやろうっていうタイプなので、その気持ちはいいですよね。ただ、打ち終わった後がそのままなんですよ(ガードに戻ってない)。だからもらう。スピードのある選手だったらもらうし、いいところは正面から打ち合うことが出来るけれど、直した方がいい点は打ち終わった後に気を付けないとダメ」と評する。
外国人ではハッサン・トイ(トルコ/Team Toy)について「長身なんでね。左のリードブローがいいですね。リードで距離をとっている時はいいんですけれど、でも入られて打ち合いになった時に脆いところがありますよね。ただ長身なので伸びるパンチは気を付けた方がいいですよ」、ムスタファ・ハイダ(イタリア/Fight Club Firenze)については「彼はサウスポーなんでね。サウスポーって選手が少ないのでやりにくいですよね。左ストレート、左ハイキックをもらいやすいと思うんですよ。だからそこを気を付けて戦わないと、ちょっと危険ですよね」と評した。
日本人選手がミドル級(ボクシングは-72.57kg、K-1は-75kg)で勝つためにはどうすればいいか。竹原は「この大会に関しては、打たさない技術とスタミナですよね。ハッサンにしろムスタファにしろスピードがあるんでね、そこを気を付けないと。打たさないこと、あとはフルで戦えるスタミナです。気持ちの面で絶対に、僕の場合は1R・1Rを落とさないようにとにかくどこかで仕掛けたり、見せ場を作ってやっていましたよね」といったポイントをあげる。
実際、日本人選手が優勝する確率はどれくらいあるかとの問いには「40%くらいじゃないですか」と、半分よりも低い数字。「初戦を勝つことですよね、ラクして、KOか何かで」と1回戦を早く終わらせることがカギだという。
「僕の場合は何クソ根性しかなかったですね。みんなが無理だって言ったら、じゃあ勝つしかないじゃないですか。その見返し根性って言うんですか。心技体じゃないけれど心は絶対に負けない。日本人が無理だとかさ、体重は一緒ですよ。じゃあ五分じゃないですか。ただ日本はそういう重量級の歴史がなかっただけであって。これから切り開いていくんだって気持ちで戦えば優勝できるんじゃないですか」と、日本人が不利だと言うのなら“何クソ”と見返してやる気持ちで臨め、とアドバイスを送った。