2023年5月28日(土)東京・後楽園ホール『RISE 168』で開幕する「RISE QUEENバンタム級(-55kg)初代王座決定トーナメント」。その1回戦で対戦するフライ級6位・聖愛(魁塾)と神谷優良(KKC)のインタビューが主催者を通じて届いた。
聖愛は関西の名門・魁塾所属の女子大生ファイター。2020年2月にNJKFミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチに勝利して高校生の内にチャンピオンになるという目標を達成した。2021年2月の『ミネルヴァ』では初防衛に成功。2022年3月にはムエタイルールに挑みRINAに判定勝ちして初代WMC女子日本スーパーフライ級王者となった。10月にフライ級から階級を上げてRISEで村上と対戦も判定負け。RISEでは初戦こそ勝利したものの、KOKOZ、YAYAウィラサクレック、陣内まどかに敗れ3連敗中。戦績は10勝(2KO)5敗2分。
聖愛「魁塾にRISEのベルトがないのでベルトを巻く姿を見て欲しい」
――大学4年生ということで忙しいんじゃないですか?
「キックボクシング以外にも今はちょっと忙しくしてます」
――卒論とか教育実習とか諸々抱えてるんですか?
「卒論は書き始めるところで教育実習は試合が終わった後6月から行きます」
――卒論のテーマはもう決めてるんですか?
「卒論のテーマは2個で迷っていて、1つは普通の教育でもう1つは格闘技じゃないですけどキックボクシング関連のことを書けたら面白いと思って今は考えています」
――どちらに傾いても面白そうですね。
「アンケートとか取ったりして書けたらなって思ってます」
――教育実習の方は母校ですか?
「私が受験する自治体が違う場所になるのでそこの地区の中学校に行きます」
――教育実習とか卒論と一緒にキックの練習もあって一日一日が大変ですね。
「そうですね、ギリギリまで授業受けてそのまま練習に行ってます」
――でも逆にそういった日々だったら練習も集中出来るんじゃないですか?
「私もそう思ってて、毎日一日中キックボクシングのことを考えるよりはその時間を大事にできると思ってます」
――では練習は短時間集中型ですか?
「朝だけ時間あるときは走ってから学校行って練習とかはあるんですけど、基本は短い時間の中でぎゅっとやってる感じです」
――王座決定トーナメントの準決勝と位置づけられてる試合ですけど王座決定戦が目の前にぶら下がる形はどうですか?
「次に繋げないとなって思いますし、まずは目の前の一戦を大事にしたい気持ちの方が大きいです」
――準決勝を争う神谷優良選手は昔から知ってる選手ですか?
「全く知らなくて空手なんですかね? 前回、村上悠佳選手と戦った時に神谷選手とやってる試合を見て名前だけは知ってました」
――改めて映像とかチェックしたらどんな選手に映りましたか?
「一言で突進型かなって思います」
――顔面前蹴りを繰り出してくる選手と聞いてますけどその辺はどうですか?
「そういう場面も見られたんですけど、それよりも前に出てくる感じの選手という印象が強いです」
――前に出てくる突進力をさばいての試合になりそうですか?
「今回も55kgなのでフィジカル負けしないような身体も作ってきたので、そこはしっかり打ち合いたいです」
――今の聖愛選手にとって55kgという契約体重はどうですか?
「前回の試合では解説とかで『まだフィジカル面で負けてる部分があるんじゃないか』とかもあったんですけど、今回は全くそういうのは心配してなくてむしろ前よりも合ってると思います」
――もう一方のブロックはどちらが勝っても因縁のある再戦になりますがそこは意識しますか?
「どちらが勝ってきてもリベンジマッチになるし、すごい面白いなって思います。直近で負けた村上悠佳選手には55kgで作った借りは55kgで返したいって気持ちもありますし、色々考えてます」
――どちらかといえば村上選手に勝ち上がってきてほしいですか?
「そこはどちらでもいいですけど、KOKOZ選手が勝っても52kgでその時はやったので55kgでは圧倒的に勝ちたいですし、55kgで負けた村上悠佳選手にしっかり勝って私の方が強かったんだよっていうところを見せられるのも面白いかなと思ってます」
――魁塾のジムメイトはこの一戦どう見てますか?
「魁塾にまだRISEのベルトがないので、一番に獲ってもらわないとっていう雰囲気になってますね」
――聖愛選手がチャンピオンになったら魁塾での内部の番付はトップに躍り出そうですね。
「冗談ですけど『獲ったら敬語やな』みたいな感じになってますね(笑)」
――じゃあ百花選手も政所仁選手も憂也選手もみんな聖愛選手に敬語になるわけですね。
「多分ならないと思いますけど、言っとくだけ言っておこうかなって(笑)」
――試合までもうあっという間だと思いますけどこれから最終調整はどのように過ごしますか?
「まだ期間はあるのでスパーリングとか対人練習もしっかりやりますし、あとはやっぱり最後までフィジカルもしっかりやって試合に万全な状態で臨みます」
――最後に聖愛選手のファン、そしてRISEファンの皆様に熱いメッセージをお願いします。
「まずは一回戦をしっかり勝って、決勝はどちらが上がってきてもリベンジマッチになるのでそこでしっかりリベンジして魁塾にはRISEのベルトがまだないので、ベルトを巻いている姿を皆さんに見て欲しいです。応援よろしくお願いします」
神谷は幼き頃からフルコンタクト空手の試合に出場し、JFKOやJKJOなど多くの大会で実績を残した。KWF国際オープントーナメント世界カラテグランプリでは中量級で準優勝。2021年10月にシュートボクシングでプロデビューし、村上に判定負けも奮戦。プロ戦績は1勝3敗で今回は大抜擢となる。
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神谷優良「自分の強みである空手を皆さんにお見せして絶対勝ちます。押忍」
――右目の下があざになっていますが?
「練習でアザになりました」
――毎日ハードな練習をされているんですね?
「今大阪に2カ月ほど来ていて、キックの練習をしています」
――元々空手家として活動していたんですよね?
「はい」
――空手は何歳から始めたんですか?
「3歳から始めて今も続けています」
――空手を始めるきっかけは何でしたか?
「親が先生で気付いたらやっていました」
――空手家あるあるですね(笑)
「はい(笑)」
――ずっとフルコンタクト空手をやっているんですか?
「そうです」。
――流派はどちらですか?
「JFKO(全日本フルコンタクト空手道連盟)です」
――キックボクシングを始めたきっかけを教えてください。
「同世代の選手が活躍しているのを見て、先輩である田中恒成選手(ボクシング世界3階級王者)とかの試合を見て、自分も追いつかないといけないと思って始めました」
――それを決めたのはいつ頃ですか?
「ずっとやりたかったのですがきっかけとジムも無い状態でした。練習していたところは自分の道場ではなく他の空手の道場の先生に教えていただいている感じで、選手が他にいるわけではないので、スパーリングとかをする時は他のジムで出稽古させていただいてます。今回は負けが続いていたので、真剣にやりたいと思い大阪に来させていただきました」
-――大阪では何ヶ月練習されているんですか?
「今1カ月ちょっと経ちましたが、あと2週間くらい居る予定です」
――大阪のどこのジムで練習されているんですか?
「3Kジム(近藤魁成らが所属するジム)にいます」
――他にも女子の選手はいらっしゃるんですか?
「3Kジムにはいないですね」
――男子と練習しているんですか?
「そうです。空手でも女子が全然いないので慣れています」
――だから右目の下にアザができているんですね。
「殴られ過ぎてできました(笑)」
――キックボクサーとしてのデビュー戦が村上悠佳選手だったんですね。
「そうです」
――デビュー戦でいきなり強い人と当てられたんですね。
「いつかやるだろうなとは思っていたんですけど、デビュー戦からはキツイと正直思いました」
――実際に4戦戦ってみてキックボクシングの感触はどうですか?
「練習量が今まで足りていなかったので、だからこそ勝てないなっていうのを感じていました。空手だけでは通用しないという事を身をもって感じました」
――今回の王座決定トーナメントに抜擢されたことについて心境はいかがですか?
「4戦3敗と負けが続いている選手を起用していただいたことには感謝しかないですし、ここで勝ったらチャンスだと思っています」
――準決勝で当たる聖愛選手の印象はいかがでしょうか?
「何試合か見て、距離感が上手いのと華がある選手だなと思っています」
――3Kジムで対策はバッチリ練っていますか?
「まあまあ頑張っています(笑)」
――後楽園ホールで試合をするのは初めてですよね。
「初めてです」
――格闘技に目が肥えた後楽園ホールのお客さんの前で自分のどんなところを見てほしいですか?
「フルコンタクトの空手家としてもう負けられないですし、何より空手の後輩たちに負けた姿を見せたくないので勝って喜ばせたいです」
――周りの仲間からは応援を貰ってますか?
「DMとかで空手の後輩たちにたくさん連絡を頂きました」
――もう一方のブロックではデビュー戦で戦った村上選手がいますが、決勝でリベンジマッチを挑みたいという気持ちはありますか?
「もちろんあります。村上選手に勝っていただいて、私も絶対勝つのでリベンジしたいです」
――今後は空手とキックの二刀流でやっていきますか?
「今はそのように考えています」
――次に出る空手の大会は決まっていますか?
「決まってはいないです。今はキックに集中して、空手の試合は後輩たちの試合を見ていると自分も出たくなるので、出たい時に出ようと思います」
――フルコンタクト空手とキックは顔面パンチがあるかないかが大きな違いですが、その違いには適応できていますか?
「距離感とか顔面の攻撃は慣れてきました。痛みに対しては空手で培ってきたので余裕があります」
――痛みには強い方なんですね。
「空手の方が痛いので、そこは大丈夫です」
――今回、上段前蹴りとか空手家らしい攻撃を出す予定ですか?
「前蹴りは自然に出るので、打ち合いからも出せたら完璧ですね
――神谷選手のご両親は今回の試合についてどのように見ていますか?
「今回は大阪に来させていただいて、今までより練習をしているので楽しみにしています」
――最後にRISEファンの皆様に自己紹介も兼ねて熱い決意表明をお願いします。
「今回この4選手に選ばれると思っていなかったのですが、自分の強みである空手を皆さんにお見せしたいです。絶対勝ちます。押忍」