3月にK-1王座を奪取した与座が、王者としての初戦を迎える
2023年6月3日(土)神奈川・横浜武道館『K-1 WORLD GP 2023』にて、スーパーファイトのK-1ライト級3分3R延長1Rで、アーロン・クラーク(アイルランド/Soma Fight Club)と対戦するK-1 WORLD GPライト級王者・与座優貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)のインタビューが主催者を通じて届いた。
与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。2021年12月にKrush初参戦を果たし、蓮實光を左ハイキックで豪快KO。2022年2月のK-1でいきなり朝久泰央と対戦すると、延長戦で勝利する番狂わせを起こした。8月には篠原悠人をKO、12月にはエークピカートに判定勝ち。2023年3月の朝久との再戦で勝利し、第6代K-1 WORLD GPライト級王座に就いた。戦績は14勝(6KO)2敗。
クラークはISKAライト級(-61kg)アイルランド王者、Cage Legacy -59kg アイルランド王者で戦績は15勝(6KO)3敗の24歳。世界各国で試合をし、59kg~67kgと幅広く階級を問わずに試合をしている異色のファイター。
自分の中で意識している選手は数人いるんですけど…
──3.12『K’FESTA.6』で見事に朝久泰央選手に勝ってK-1ライト級王者になりました。改めて振り返ってみていかがですか?
「あの試合に関しては、勝ち方じゃなくてどんな展開でも勝つっていう想いで臨んだんですけど、タイトルマッチということもあって自分の実力を発揮することはできなかったんです。ただ、その苦しい展開の中でもしっかり勝ちを獲れたのは大きかったのかなと思っています」
──朝久選手とはこの約1年間、因縁を引きずっていたわけですけど、スッキリしたところはありますか?
「自分的にはそんなに因縁っていうのはなくて……ただタイトルマッチを早くやりたいなっていうだけだったので。朝久選手に対しての想いっていうのは別にないし、想い入れも別になかったですから。ただ、日本人選手で一番強いのは朝久選手だったと思うし、これからは対世界なのかなと自分の中では思っています」
──ベルトが自分の手元に来て、チャンピオンとしての実感は湧いていますか?
「半々ですかね。自分の手元にベルトがあるのがまだ信じられないっていう気持ちもありますし、逆に立場上チャンピオンになったんで、いつも以上に気が抜けないっていうところもあるんですけど、良くも悪くも実感は少しずつ芽生えてきてます」
──そういう中で早くも6月3日横浜武道館大会で試合が組まれました。オファーが来た時はどんな心境でしたか?
「タイトルマッチ前は本当にプレッシャーがヤバくて、この試合が終わったら1年ぐらい試合をしたくないなって思ってたんですけど、終わったら早く試合がしたいなっていう想いになったんで、オファーが来たのは率直に嬉しかったですね。やっぱりチャンピオンが出ないと盛り上がらないっていうところもあると思うんで、ドンドン試合はしていきたいなと思っています」
──そこはチャンピオンとしての責任感とかもありますか?
「試合をしていい勝ち方をして自分を知ってもらうのが、いい認知のされ方だと思うんですよ。良くも悪くもいろんな認知のされ方があると思うんですけど、自分はやっぱり試合で自分の価値を上げていきたいと思っているので、そういう意味でもドンドン試合をしていきたいなと思っています」
──分かりました。では、対戦相手のアーロン・クラーク選手に関して、どんな印象をお持ちですか?
「噛み合うんじゃないかなと思っていますね。多分体は強い選手だし、自分の得意な近い距離はアーロン選手も得意な距離だと思うので、そういった意味では噛み合うかなという印象です」
──体重もいろいろな階級で試合をしていたり、キャラが濃い選手らしいんですが、そういう選手がチャンピオンとしての初戦に当てられてきたことに関してはどう考えますか?
「相手に関しては今回は別になくて、今後は相手どうこうというよりは自分との戦いになっていくと思うんですよ。本当に負けられないし、勝ち続けていかないといけないと思っているんで、相手選手というよりはプレッシャーだったり自分との戦いになっていくと思っています」
──それはチャンピオンとしてこういう試合をしなければいけないとか、以前よりもそういうプレッシャーや責任感が強いからですか?
「それもなくはないですけど、武尊さんが一目を置かれている存在だったのは、あれだけ勝ち続けたからだと思っているんですよ。自分も負けたら終わりだと思っているので、そういった意味での覚悟を見せたいなと思っています」
──武尊選手のような存在になるためにも勝ち続けていくんだと。
「そうですね。本当に負けたら終わりなんで、そことの戦いになってくるのかなと思っていますね」
──タイトルマッチの2日後には練習を再開されたそうですが、カード発表の会見では「当たり前だ」とおっしゃっていました。そういう意味でも鍛錬は怠れないということですか?
「僕は格闘技が好きなんで。練習は苦しい時もありますけど、根本的に好きなんで早く練習したいなって。遊びみたいな感じです(笑)。遊びに行こうみたいな感じですね。特に試合が終わったばっかりで追い込みとかでもないんで、練習も遊びに行こうみたいな感覚でやっています」
──今回の一戦はチャンピオンとしての初戦なので、ファンからも同じ階級の選手からも注目度が高いです。そういう中でどんな試合を見せたいと考えていますか?
「自分の中で意識している選手は数人いるんですけど、やっぱり試合を見せて自分の方が強いって思わせる試合を積み重ねていきたいなと思っていますね。その選手とやれるのかやれないのかはまだ分からないし、ただ勝ち続けていれば状況も変わってくるんで、そうなっていくのかなと思いますね」
──内緒なんですね。あと練習環境についてなんですけど、またオランダに行くことは考えてますか?
「今年中にもう一回行きたいとは思っています」
――KRESTでは与座選手のスパーリングパートナーがいないという悩みがあったと思うんですけど、そこに変化はありましたか?
「それは変わらずですね。出稽古に来てくれた選手とかもあんまりなので、その状況は変わってないです。悩みですね。スパーリング相手募集中って書いておいてください(笑)」
──分かりました。最後にお聞きしますけど、一つの目標であったチャンピオンになって、与座選手にとって次のモチベーションは何になるんですか?
「僕はモチベーションで動くというより、K-1を引っ張っていかないといけないし、K-1を引っ張っていく存在になっていかないといけないと思っています。そうなるためにはモチベーションに左右されていたらいけないと思うんですよ。だから無ですね。本当に無の状態で、積み重ねる毎日です」