2023年6月3日(土)神奈川・横浜武道館『K-1 WORLD GP 2023』にて、スーパー・フェザー級3分3R延長1Rで、ハン・ギョンミン(韓国/RAON GYM)と対戦するKrushスーパー・フェザー級王者・中島千博(POWER OF DREAM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
中島は極真空手で2017年第34回全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017年オールアメリカン大会無差別級3位、2018年USウェイト制軽重量級優勝などの実績を引っ提げてキックボクシングに転向。2019年5月にプロデビューし、2勝(2KO)を飾ったが2020年2月に横山朋哉に敗れプロ初黒星。9月も山本直樹に敗れ連敗となったが、2021年5月大会で伊藤健人からダウンを奪って勝利。2022年1月「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』では笠原友希に判定負けを喫したが、12月の初防衛戦では西元也史に判定勝ち。戦績は7勝(4KO)3敗。
対するギョンミンは頑丈な身体と前に出る突進力が特徴的な韓国人ファイター。どんな相手に対してもパンチとローで削り勝つスタイルで、韓国キックボクシング界の新世代として注目を集めているという18歳。戦績は17勝5敗。
アグレッシブさでは負けないように戦いたい
――2023年の初陣がK-1横浜武道館大会で決まりました。
「今回がK-1初参戦なので、オファーを受けた時は素直にうれしかったです」
――中島選手は今回がK-1初参戦ですね。それは意外でした。
「実はそうなんです(笑)。KrushとTHE MATCH 2022には出ているのですが、K-1にはプレリミナリーファイトでも出たことがなくて。だから『K-1で試合ができる!』と思って素直に喜びました」
――今挙がった『THE MATCH 2022』ではダウンを奪われての判定負けという結果でしたが、あの試合でどんなことを学びましたか?
「会場(東京ドーム)も今までにないぐらい大きかったですし、僕自身は試合するのが楽しくてリング上で欲が出てしまったというか。いい勝ち方を見せたいと思って、会長と立てていた作戦とは違う戦い方をしてしまったんですね。そうしたらダウンを取られて、鼻も折られて……。勝ちたいと思う気持ちは大事で、その試合のためにやってきたことを裏切ってはいけないと思いました。あの負けをきっかけに『試合は“試し合い”だから、ちゃんと練習してきたことをやろう』という考えになり、それが12月の防衛戦(西元也史からダウンを奪って勝利)につながったのかなと思います」
――色んなことに気づけた一戦だったんですね。
「いつも自分の持ち味・武器を生かして戦う練習をしているんですけど、それを出すよりも倒して勝ちたいという欲が勝ってしまったんですよね。普段やっていないことをやろうとして勝てるほど甘くないと思いました」
――中島選手自身、空手からキックに転向して、初期は蹴り技中心でしたが、最近ではパンチでも倒せるようになってきた。
「過去の負けた試合は自分が焦ってしまった・自分がポカして負けたことが多かったんですね。そこをしっかり分析して練習を続けていたら、今のファイトスタイルが少しずつ固まってきたように思います」
――中島千博スタイルが固まってきた、と。
「まだまだではあるんですけど…僕はパンチでも蹴りでも倒せて、パンチのタイミングがいいとか蹴りのフォームの美しさとか、そういう部分でも魅せられる選手になりたいです」
――対戦相手のハン・ギョンミン選手にはどんな印象を持っていますか?
「RISEのチャンヒョン・リー選手と同じジム所属で、18歳ながら22戦のキャリアがある選手で。試合映像を見ても若さ溢れる・ガンガン来る選手だと思います。僕の方が10歳も年上なんですけど、僕もアグレッシブさでは負けないように戦いたいと思います」
――盛り上がる試合になるという予感はありますか?
「ギョンミン選手も日本まで来て、K-1という憧れの舞台に立つわけなので、思い切りガンガン僕を倒すつもりで来ると思います。僕もそれに負けないように倒して勝ちたいと思います」
――同じ日に同じスーパー・フェザー級の大岩龍矢選手と横山朋哉選手が戦います。昨年9月の王座決定トーナメントの3位決定戦と言える試合ですが、この試合のことは意識していますか?
「去年のトーナメントを生で見させてもらっていて、僕自身あの大会に出られなかったことを後悔していますし、僕がいたら優勝していたという気持ちです。同じ大会で試合をできるのはとても光栄で、見てもらっているファンの方にしっかり中島千博のほうが強いんじゃないかと思ってもらえる様な試合をしたいと思います」