重量級の迫力あるミット打ちを行った愛鷹。ノンタイトル戦とはいえ王者と対戦するチャンスをつかんだ
2019年8月24日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』の第7試合で、K-1 WORLD GPクルーザー級王者シナ・カリミアン(イラン/WSRフェアテックス・イラン)とノンタイトルマッチで対戦する、Bigbangヘビー級王者・愛鷹亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が公開練習を行った。
ミット打ちで重量級の迫力あるパンチを披露した愛鷹は「毎日いい練習ができているのでコンディションはバッチリです」と、精悍な表情でコメント。
2月に行われた初代K-1 KRUSH FIGHTクルーザー級王座決定トーナメント・一回戦で、RUIにKO負けを喫した時は「KRUSHのクルーザー級王座を獲れなかったら次はないと思っていた」と引退も考えたが、「負けた時に今辞めたら後悔しかないという気持ちが強くて、ステージを変えて新たな挑戦をしていこうかなと思いました」と、練習環境を変えるためKRESTへの移籍を決意した。
「練習量もそうですが、いろいろな選手がいるので様々な技術を取り入れたり、アドバイスもらったり。前にいた静岡のジムはプロが自分だけだったので、こうしてプロ選手がたくさんいる環境で練習することで精神的にも成長できています」
プロ選手が多いKRESTと言えども重量級の選手は少ないが、K-1 KRUSH FIGHTで最軽量のバンタム級王者・晃貴とマススパーをすることもあるという。
「技術が凄いし当て感もあり、ハンドスピードが速い。自分より階級が下の選手とスパーリングすると、ジャブも速くて当てられてしまうんですよね。それに反応できるようになれば重量級のパンチは見えるようになるんじゃないかと思います」
さらに愛鷹はプロボクシングWBA&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥やK-1ライト級王者・林健太を指導しているフィジカルトレーナーの高村淳也さんの下、フィジカル強化にも力を入れている。
「KRESTに移籍してすぐにフィジカルトレーナーを探して、週3回以上は見てもらっています。今までもフィジカルには自信があったんですが、それは単純にパワーだけだった。そのパワーをどう相手に伝えるかが不足していました。高村さんにそこを補ってもらって、パワーとそれを伝える技術が合わさって段々強くなっているんじゃないかと思います」
カリミアンについては「身長が高くてリーチも長い。粘り強くてスタミナもある。でも、インファイターなのでパンチで打ち合ってくれるので面白い試合になるんじゃないかな」と評し、「当てさえすれば倒せる一発は持っていると思っているので、どう当てるかですね。20cm違うので、背伸びしてミットを持ってもらって高い打点に打つ練習をしています。パンチの軌道が斜め上になるので、フィジカルトレーニングでも斜め上に押し出すトレーニングをしています」という。
その打ち方で強い一撃を放つのは「難しい。不利なところはあるんじゃないかな」と言いながらも、「そこを超えていかないと勝てないので」と、体格差を克服する挑戦だ。
「最初に話をいただいた時はビックリしましたが、チャンスをもらえたので嬉しい。6月にビッグバンで対戦したOD・KEN選手もトーナメントでシナといい試合していたのを見ていたので、自分も十分戦える相手だと思っています」と、OD・KENにわずか37秒でKO勝ちしたことが自信につながっている。
記者会見では余裕しゃくしゃくだったカリミアン。愛鷹は「チャンピオンなのでああいうキャラを作っているイメージです。正直イラっとはしましたね。自分の方が年上だし、そこは次の試合で態度を改めさせたいですね」と“礼儀”を教えてやるつもりだ。
そして最後に「日本vs世界・5対5の先鋒なので、先鋒は流れをつかむ大事な役目なので日本人全員が勝つ流れを作ります」と、自分が日本チームに勢いを付けたいと語った。