遠い間合いから飛び込んでのパンチを繰り出す城戸
2019年8月24日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN~日本vs世界・5対5&スペシャル・スーパーファイト in 大阪~』の第8試合、「日本vs世界・5対5」スーパー・ウェルター級3分3R・延長1RでWMC世界スーパー・ウェルター級王者カルロ・ドンヤシュフィリ(ジョージア)と対戦する城戸康裕(谷山ジム)が、7月23日(火)都内所属ジムで公開練習を行った。
公開練習の開始時間から10分過ぎ、ジムに姿を現した城戸はすでに滝のような汗をかき、いつものような小ネタを披露することなく普通にミット打ちを行って公開練習を終えた。
城戸は開口一番「すいません、公開練習は来週だと思っていました。ランニングに行ってしまって、電話がかかってきてめっちゃ焦りました。熱いにも関わらず冷や汗をかいて、ダッシュでそのまま戻ってきました。多分、世田谷区で一番焦っていたと思います。今はそんなメンタルです」と、公開練習の日を間違えてランニングしていたという。
気を取り直し、今回から元々の70kg級(スーパー・ウェルター級)に戻すことについて「67.5kgだともう減量のことを考えていないといけない時期ですが、まだ全然絞れていません。70kgだった時のことを思い出しながらやっています。ウェルター級は『もういいや』というのがあったんですよね。元々は70kgでいい位置に行けた時に、挑戦みたいな感じで67.5kg旅行に1~2年行ってみて。でもベルトという島にたどり着かず、やばいぞ、燃料と食糧が切れる、と70kg島に引き返してきたという感じです」と、ウェルター級での挑戦は潮時だったと説明。
大阪での試合は2011年9月の『K-1 WORLD MAX 2011 -70kg Japan Tournament FINAL』以来だと言い、「あの時は大変でした。計量の前々日まで入院していて、熱が40度くらいあって。とりあえず計量へ行こう、と。減量はしたけれど」としみじみと振り返り、「大阪の試合にはセコンドでも仕事でも行っているので、別に。8年前の試合以降、海外でも試合をしているので、それに比べれば問題ない」とした。
ミット打ちで見せた伝統派空手のような、距離を大きくとってそこから飛び込んでストレートを打つ動きについては「最近あんな感じにしています。インとアウトの動きを細くやるんです。2年前のチンギス・アラゾフ戦後に大宮司さん(シルバーウルフ代表)と考えて編み出しました。僕の元々のスタイルはステップを使って引き付けてバンッといくスタイルじゃないですか。あれは自分からも前へ進んでパンチを落とすのをそれに付け加えたものです。手数はそこまで多いタイプではないので、一発で仕留める動きですね。だいぶ入るようになってきています」と、2年前からの研究と練習の成果だという。
対戦する初来日のカルロは29歳で戦績は29勝(11KO)5敗。東欧人らしい強靭な肉体とパワーを持ち、空手出身で多彩な蹴り技が得意。故アンディ・フグを尊敬していてカカト落としや後ろ回し蹴りを好んで使うタイプ。
城戸は「回転する系ですよね。こういう外国人いますね、回転大好きな。僕はあまり好きじゃない。正攻法でやって、やっつけようと思っています。一国(ジョージア)のチャンピオンですから、それは強いでしょう。ヨーロッパの選手は謎のところがあって、みんな強い。70kgはヨーロッパにとんでもない層がいるので、その中の一国のチャンピオンなので全然侮れない。ペトロシアンだって最初は『イタリアの選手だって?』という感じだったのに、とんでもなく強かったじゃないですか」と、ヨーロッパの70kg級の選手は無名でも侮れないと警戒する。
しかし話は脱線し、「煽り映像が緊張します。ちゃんとした構想はまだ浮かんでいませんが、大阪の方々に笑ってもらえたら一流になれたのかなって気がする。関東は関西に笑いでは一目おいていますからね。僕もリスペクトしています。大阪のお客さんをドッと笑わせられたら、自分がやってきたことに自信を持てるんじゃないかな。今回はそっちに70%の力を注いでいます」と、試合よりも煽り映像だと主張する城戸。
また、7月上旬にキューバやドミニカ共和国、カナダなどの国を巡る様子をSNSに投稿し、その間にも練習している動画をアップしていた城戸だが、「あれは練習に行ったのではなく、目的はあくまでも旅行。旅行に行ってもちゃんと練習をやっているんだぞ、というのをアピールしただけです。試合前なのにちゃんと練習しているのか、という言葉に対してのアピールの動画です」とネタバラシした。
そして最後には「70kgのトーナメントをやってほしい。11月にやってくれれば一番いいですね。そしてアラゾフ(第2代K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者)、日本には2度と来ないでくれ」と、スーパー・ウェルター級のトーナメント開催を希望した。