前K-1王者のパヤーフォン(左)に挑む松谷、攻略なるか
2023年7月17日(月・祝)東京・両国国技館『K-1 WORLD GP』の第一弾対戦カード発表記者会見が、5月11日(木)都内にて行われた。
スーパーファイトのK-1女子アトム級3分3R延長1Rで、パヤーフォン・アユタヤファイトジム(タイ/Ayothaya Fight Gym)と松谷綺(ALONZA ABLAZE)が対戦する。
パヤーフォンは20歳にして68勝(11KO)15敗1分の戦績を持つ、元WPMF世界女子ピン級王者。2017年11月に初来日するとムエタイの試合で3連勝。2019年10月にKrush初参戦でKrush女子アトム級王者・高梨knuckle美穂に挑戦し、延長戦の末に敗れたものの高梨を苦戦させた。2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」の1回戦でMIO、決勝では菅原美優を破り、タイ人女性初のK-1王者に就いたが、2023年3月の初防衛戦で菅原美優にリベンジを許し、王座を失った。従姉妹は大人気の韓国の4人組ガールズグループ「BLACKPINK」のメンバーであるLISA。本人もタレントの岡田結実に似ていることが話題となった。
松谷は兄・桐と共に2021年7月から卜部功也が代表を務めるALONZAに所属。2021年8月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪って判定勝ち。2022年2月には豊嶋里美に判定勝ちし、デビューから無敗を誇っていたが、6月のK-1初代女子アトム級王座決定トーナメントの1回戦で菅原美優に判定2-0で敗れ、プロ8戦目にして初黒星。11月に優を判定に破ると、2023年4月にはウォン・ガヨンに勝利。戦績は7勝1敗2分。最近では『週刊ヤングマガジン』及び『ヤンマガWeb』でグラビアに初挑戦して話題となった。
3月の試合が終わってからタイには戻らず、日本で練習を重ねているというパヤーフォンは「今回の試合に関しては100%勝つ自信があります」と笑顔。松谷は対照的に厳しい表情を崩さず「この試合でしっかり勝ってベルトに一歩でも近づけるように頑張りたい」と意気込んだ
相手の印象を聞かれると松谷は「元王者で強いし上手い選手だという印象ですが、自分とまだやっていないので、勝てない相手だとは思っていない」と自信のコメント。パヤーフォンも「私から見ても松谷選手は彼女なりの強い部分がありますが、今回に関しては勝つ自信があります。そのためにベストを尽くします」と勝利を信じて疑わない。
その100%の自信の根拠は何かと聞かれたパヤーフォンは「自分の中で自信を100%持っていないといけない、という意味です。絶対に勝って王者の座に返り咲きます」と答える。
対する松谷も「(菅原よりもパヤーフォンに対して)相性がいいのもあると思いますが、やってみないと分からないので自分も自信があるので当日の試合で見てもらいたいです」とパヤーフォン攻略に自信があるとした。
王者・菅原を意識しているかと聞かれると、松谷は「一番ベストなのは倒してダウンかKOかで勝つことが一番だと思いますが、そう簡単に倒せる相手ではないと分かっているので、自分だけ攻撃を当てて、パヤーフォン選手の思い通りに行かない試合をして次のベルトにつながる試合をしたいと思っています」と、前王者のパヤーフォンに圧勝して挑戦権を手にしたいとする。
パヤーフォンは「私自身も可能であればKOしたいですが、簡単ではない。リングに登ったら対戦相手の出方を見て勝ちたいと思います」と松谷の出方次第で戦法を考えるとした。
日本ではウィラサクラック・フェアテックスジムで練習を積み、「タイでの練習とはもちろん違いがあります。タイでの練習はムエタイが基本なので、ヒザ蹴りなどが中心。日本ではK-1ルールに合わせているのでパンチに力を入れています」とパンチを強化し、よりK-1に適応できるスタイルを作っているという。
タイの有名国立大学に通っているエリートでもあるパヤーフォンだが「今は休学中。この試合が終わったらタイで勉強を続けるために申請を出しています」と、休学してでもこの試合に臨む。その理由は「日本に居続けているのはK-1王者に返り咲きたいとの想いからです」と菅原から王座を奪回するためだと答えた。