16歳ながら攻撃力がずば抜けている田川女神(右)
2019年7月21日(日)東京・浅草花やしき浅草花劇場で開催された、シュートボクシング協会主催『Girls S-cup 2019』。今を輝く女子ファイターたちの真夏の祭典として2009年にスタートし、RENAとMIOが活躍して毎年開催されてきた同大会は今年で11年目を迎えた。
今回はこれまでの主役であるRENAもMIOも出場しない初の大会となったが、そこでニューヒロインが誕生。MIOが返上したSB日本女子ミニマム級王座を懸けて行われた4人制トーナメントで優勝した、田川女神(TIA辻道場)だ。
田川は現在高校1年生で今回がプロデビュー戦。抜群のアマチュアキャリアがあることからトーナメントメンバーに大抜擢されることとなったが、準決勝(1回戦)でNJKFミネルヴァ・ピン級王者MARI(ナックルズGYM)を破り、決勝では前王者MIOのライバルであるSB日本女子ミニマム級1位MISAKI(グラップリングシュートボクサーズ)にTKO勝ち。デビューしたその日にチャンピオンの座に就いてみせた。
「元々、親が格闘技が大好きで、小学2年生の時に妹の愛心(あこ)と一緒に格闘技を始めました」と田川。「毎朝6時に起きて45分間走ります。7時半から学校に行き、15時半に帰宅。18時から始まる道場での練習までに、学校から帰ってきたら1時間、ミット打ちや筋トレをやります。道場での練習が終わっても、自分で練習量が足りないと思ったら練習を続けて、走りにいくこともあります。学校で修学旅行とかに行かない限りは休みはありません。練習量はプロ選手以上だと思います」と、強くなるための努力を続けてきた。
妹の愛心(右)はまだ14歳のためセミプロルールで出場、KO勝ちした
格闘技を辞めたいと思うことも「しょっちゅうあります」と言うが、「でもそういう時にお母さんに相談すると『それでも頑張らないと、今までやってきた分の積み重ねがもったないよ』と言われ、また頑張ろうと思うんです。あと、妹がいることでお互いに楽しいこと、しんどいことも分かち合って乗り越えられていると思います。格闘技を続けるにあたり、お母さん、妹の存在は大きいですね」と家族に支えられている。
Girls S-cupのトーナメントには「2012年のGirls S-cupで、ハム・ソヒと対戦した時のRENA選手が凄くカッコ良く印象的だったので私もずっと出たいと思っていました」と憧れを持っていた。
トーナメントの初戦でプロデビューを果たし、2戦目となる決勝でも勝ってチャンピオンの座に就いた田川だが、実は大会前に掲載されたシュートボクシング公式サイトでのインタビューでそのことを予告していた。
「まずは、プロ2戦目でチャンピオンになった選手はシュートボクシングの歴史で一人もいないので私がその記録を作ります。チャンピオンになったら、どんな相手とやっても自信満々で戦って余裕のある勝ち方を見せていきたいですね」
2年前の那須川との対戦
また、2年前のGirls S-cupではお互いプロデビュー前にセミプロルールで那須川天心の妹・梨々と対戦しており、判定勝ちを収めている。
「(那須川梨々のことは)めちゃくちゃ意識しています。私と対戦した時はスタミナ不足で後半バテバテでやっと立っている印象でしたが、RISEの試合を見たらスタミナも付いていました。攻撃力もあって当てるポイントが的確で、私と戦った時と比べものにならないぐらい強くなっている印象を受けました。それ以上に私も強くなっているので、いつか対戦したいですね」と、プロで再戦したいと語った。