ONE Fight Night 10: Johnson Vs. Moraes 3 速報
2023年5月5日(日本時間6日)米国コロラド州ブルームフィールドファーストバンクセンター(ABEMA配信)
▼ONEフライ級 世界選手権試合 5分5R〇デメトリアス・ジョンソン(米国)[判定3-0]×アドリアーノ・モラエス(ブラジル)※DJが初防衛に成功
3度目となるデメトリアス・ジョンソン(米国)vs.アドリアーノ・モラエス(ブラジル)によるONE世界フライ級(※61.2kg)タイトルマッチが米国で行われる。
両者は、これまでシンガポールで2度対戦し、1勝1敗。
2021年4月の第1回目の対戦では、ONEフライ級GPで優勝したジョンソン(DJ)が、当時の王者モラエスに挑戦。2Rにモラエスが右アッパーでダウンを奪い、追撃のグラウンドの左ヒザ蹴りとパウンドでKO勝ちで初防衛に成功。
しかし、2022年8月には、DJが4Rに右ストレートをモラエスに効かせて、金網の詰めての左飛びヒザ蹴りでKO勝ち。王座奪取とリベンジを果たしている。
元UFC世界王者のDJ、そして堀口恭司らも所属するアメリカントップチームのモラエス。ともに念願の“ホーム”でのラバーマッチとなる。
今回のONEの米国大会は、UFCが第1回大会を行ったコロラド州での開催であること、そして、グラウンド状態での頭部へのヒザ蹴りを含む、ONEのグローバルルールセットがコロラド州のアスレチックコミッションで認められての開催ということで画期的な大会となる(※サッカーキックはNG)。
過去2戦のDJとモラエスとの試合では、このONEのルールが勝敗に大きく影響しており、これまで通りのONEのルールが北米でも採用されることは、両者の変わらぬ激闘が米国でも期待できることになる。また、同大会を米国とカナダのAmazon Prime加入者に無料で配信するONEにとっては、今後の本格的な全米進出に向けた重要な大会となる。
1R、ともにオーソドックス構えから。サウスポー構えにスイッチしたDJは左ロー。モラエスもサウスポーに変えて、DJがオーソに戻すとオーソに。詰めるモラエス。DJも圧力をかけるとモラエスは左ミドル。
DJは右ローを返すと、モラエスはワンツーの右。ブロックするDJにモラエスは右カーフ。DJも右ミドルを返す。その蹴り足を掴んで右を突くモラエス。かわすDJ。モラエスは右ローを当てる。
左前手のフックで詰めるDJに左で差して組むモラエス。右ヒザを突き上げる。金網背にするDJ。大内刈狙いのモラエスに足を抜く。押し込み右ヒザを突くモラエス。ブレーク。DJの左の蹴りを掴むモラエスは左ローでゴング。
2R、リーチのあるモラエスの右ストレートがかすめる。詰めるDJは左から右もモラエスはサークリング。サウスポー構えのDJは近い距離でヒジを狙う。中間距離で左フックを当てるモラエス!
組みからの脇差しての投げの崩しは残すDJも、なおも詰めるモラエス。金網に押し込んで細かいヒザも、突き放すDJがスタンドで距離を詰める。ここで組んでクリンチはモラエス。金網に押し込まれたDJは体を入れ替えるとダブルレッグテイクダウン!
すぐに片ヒザ立ちから立ち上がるモラエスが押し込み、肩パンチ。ボディ打ちのモラエスにDJは細かく左右の足を入れ替える。
3R、DJは左ミドルハイも、その蹴り足を掴んでこかし、立ち上がるDJを押し込むモラエス。ここは早めに突き放したDJは、左ミドル。組むモラエスは押し込み右ヒジ! 警戒していたDJも右ヒジを返しに行く。シングルレッグのモラエスにヒザを効かせたDJだが、モラエスはクリンチ。ブレーク。
詰めるDJにモラエスのガードは腹を守り低い。そこに組み際のヒザを突くDJ! ヒザが落ちたモラエスは組みに。差し上げたDJが右で差して押し込み投げに。ここは凌いだモラエスだが、DJの圧力に下がる。シングルレッグで押し込むモラエス。引き出そうとするが残したDJが前に出て左ヒザを突いてゴング。
4R、関節蹴りで距離を取るモラエス。DJは左ミドルを当てると詰めて左ヒザ。体を入れ替えるモラエスだが、首相撲に腹を守る。ブレーク。モラエスのワンツーの打ち終わりに中に入るDJ。首相撲からいきなり跳びヒザ! ブロックするモラエスは押し込むが、体を入れ替えたDJは肩パンチ。右ヒジ、さらにジャンピングの左ヒザ! ヒジ。
スタミナ苦しいかモラエスが後退もクリンチから右で差して押し込み。ここで巧みに体を入れ替えるDJは首相撲からこかし! すぐに体勢を戻すモラエスだが組んでゴング。
5R、詰めるDJに、跳びヒザを狙うモラエス。しかし詰めたDJが金網に押し込み。体を入れ替えたモラエスは左ヒジ。ブロックするDJに、離れたモラエスは左から右に繋ごうとする。しかしステップが落ちないDJは組んで詰めてシングルレッグで引き出し。
バランスを崩されながらも残したモラエスは詰めて左右。ガードするDJは組んでの近距離での右ヒジ! 押し込むモラエスに左跳びヒザ! モラエスも前に出るDJに跳びヒザを狙うが、潰したDJが右で差す。左差しのモラエスが押し込み、首相撲から右ヒザも、DJも左差しから声を上げて投げに。
その投げは残したモラエスにブレーク。詰めるDJが前に出たところでゴング。判定は3-0でDJが勝利。ホームの米国で初防衛に成功し、ベルトを肩に片ヒザを着いてから左手を高々と天に突いた。
試合後、DJは「(空間の匂いを嗅ぐ仕草のDJが)米国は自由の匂いがするね。ゲームプランは決めずにいた。2Rにヒジとヒザを当ててこれで行こうと。(引退するか?)まだ戦いを見たい? (場内から歓声)まずは妻に相談するよ」とコメント。
次の挑戦者カイラット・アクメトフがケージインして「さあやろうぜ」と煽ると、アクメトフとフェイスオフ。両者をマット・ヒュームが分けた。
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▼ONEフライ級 ムエタイ 世界選手権試合 3分5R〇ロッタン・ジットムアンノン(タイ)[2R 1分34秒 KO] ※左ヒジ×エドガー・タバレス(メキシコ)※5度目の王座防衛に成功
ONEフライ級ムエタイ世界タイトルマッチ(135ポンド/61.2kg)。前日計量では、王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)と、挑戦者で前王者のエドガー・タバレス(メキシコ)がとも134ポンド(60.78kg)でパスしている。
ロッタンは、2022年5月のフライ級ムエタイワールドGP初戦でジェイコブ・スミスに判定勝ち後、8月の準決勝での計量で尿サンプル未提出のため欠場。11月のフライ級ムエタイ世界タイトルマッチで復帰し、挑戦者のジョセフ・ラシリに判定勝ちで4度目の防衛に成功。
日本大会で武尊との試合が海外報道されているロッタンは、メキシコ人初のWBCムエタイ・インターナショナル王者のタバレスを相手に初の米国での試合どんな動きを見せるか。タバレスは、2022年7月のスーパーフェザー級王座決定戦でカルメロ・ラゴナを下し戴冠している。
ABEMA解説席で武尊が見守るなか、ゴング。
ケージ&オープンフィンガーグローブでのムエタイ戦。
1R、ともにオーソドックス構え。左右ローから入るロッタンは右。タバレスはバックヒジ狙い。前蹴りの足を掴んで右を打つ。
左ハイはガード上のタバレス。左の前蹴りは掴んで左ボディを打ちこむ。互いに右ローから左ハイに繋ぐタバレス。ブロックするロッタンは右前蹴りを掴んで右ボディ打ち。さらに左右に繋ぐ。
ロッタンを「全部強く打つ」と評した武尊。「ムエタイファイターのムエタイルールだけど1Rから結構行きますね」と解説した初回。
2R、右の蹴りを上下に散らすタバレスにヒジ打ちで腰を落とさせるロッタンは前に。左から右。さらにタバレスの蹴り足を掴んで左の縦ヒジ! タバレスの右のバックヒジをブロックして、さらに向き直ったところに詰めて左ヒジ! タバレスをKO。5度目の王座防衛に成功した。
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▼ONEフライ級 サブミッション・グラップリング 世界タイトルマッチ〇マイキー・ムスメシ(米国)[8分03秒 リアネイキドチョーク]×オサマ・マルワーイ(イエメン)※ムスメシが2度目の王座防衛に成功
1R、先に詰めるムスメシが引き込みから外がけ対角の脇で挟んで左足に足関節狙い。後ろを向いて足を抜いたマルワーイに、今度は右足を掴んで内ヒールに!
ヒザをずらして足を抜くマルワーイにムスメシは外ヒールフックへ。ここも凌いで立ち上がるマルワーイ。ムスメシは足首を捻るがマルワーイのヒザは抜けている。ムスメシは内ヒールに切り替えるが足は組めていない。
足を外して上を取るムスメシはダースチョーク狙いに移行。背中を見せて立とうとしたマルワーイにムスメシはバックを奪うと、マルワーイの右腕を右足で縛って4の字ロック! 喉下の右腕のヒジを左腕で引き付けてからリアネイキドチョークを極めた。
5万ドルのボーナスを獲得したムスメシは「pizza & pastaを頂戴」と笑顔を見せた。
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▼アトム級 5分3R〇スタンプ・フェアテックス(タイ)[2R 2分27秒 KO] ※右ミドル×アリース・アンダーソン(米国)
スタンプは、元ONEアトム級キックボクシングとムエタイの世界王者。立ち技で60勝以上を挙げ、MMAでもONE女子アトム級世界GPで優勝を果たしている。
アンジェラ・リーには2R リアネイキドチョークで敗れるも、その後、ジヒン・ラズワンに判定勝ちで再起を遂げると、2023年1月のキック戦では、スーパーガールと大激闘の末、スプリット判定勝ちしている。
アンダーソンは、ブラジリアン柔術紫帯で、2021年9月に平田樹と接戦も判定負け。2022年5月の前戦では、アシャ・ロカ(インド / ネパール)を1R、三角絞めで下している。
いつものように入場でキレのいいダンスを見せたスタンプ。
1R、ともにオーソドックス構え。細かいステップのアンダーソンが中央を取ると、スタンプは右カーフ。アンダーソンはそこに右フックを狙う。2発目のカーフを当てるスタンプ。アンダーソンの右の入りに右を合わせるが、組むアンダーソンは首投げ! しかし際で上になるのはスタンプ。そこに下のアンダーソンは首だけを足で挟むが、首を抜いたスタンプが立つ。
右のダブルで前に出るアンダーソン。左ジャブを突き、右のバックフィスト! ここは回るスタンプに左ミドルからダブルレッグへ。
金網背に差し上げるスタンプはヒザを突いて突き放す。互いの右が交錯。アンダーソンは前蹴りから詰めてスタンプを後退させる。高地での会場の影響か、スタンプは手数が減る。
2R、圧力をかけるアンダーソンに、下がりながら左ジャブのスタンプ。アンダーソンの蹴り足を掴んでスタンドバックから背中に乗る。立ったまま背負うアンダーソンは着地したスタンプに正対。
ジャブのスタンプに右を突き、右で差して組むアンダーソンだが、突き放したスタンプは左のヒザ蹴りから右の中足蹴りをレバーに! アンダーソンは腹を押さえてダウン。そこに鉄槌2発を入れたスタンプにレフェリーが間に入った。
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▼ウェルター級 5分3R×ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)[2R 0分45秒 KO]〇ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
1R、サウスポー構えでミルコと同じ市松模様のパンツのクロアチアのソルディッチは左ストレートをガード上に突く。オーソのカデスタムは、そこに右を合わせに行くが、ソルディッチの左ローがローブローに。
右ミドルハイをガード上に当てるカデスタム。左ボディから右を突くソルディッチは詰めて左ハイ。ブロックするカデスタムは右ハイ。ソルディッチもブロックそ、左ストレートで前に。
左回りでブロックするカデスタムは左前手のフックは空振り。ソルディッチは左右ボディから左フック。ボディ打ちから右を振る。
2R、左ボディストレート、左ミドルを当てて前に出るソルディッチ。しかし、カデスタムは左フックを当ててダウンを奪うと、立ち上がってきたソルディッチに右ストレート!
再び立ち上がるソルディッチの立ち際に蹴りを見舞うと、ケージに詰めて右から左で沈めた。
初回に足を壊したというカデスタムは、「俺を殺したいやつは来い。決して殺せはしない」と淡々と語り、5万ドルボーナスを獲得した。
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▼ライト級 5分3R〇セージ・ノースカット(米国)[1R 0分39秒 ヒールフック]×アフメド・ムジタバ(パキスタン)
1R、ともにオーソドックス構え。右ローを突くもジャブの打ち終わりに、ムジタバがシングルレッグテイクダウン!
フルガードに戻すノースカットは、下からムジタバの左足に外ヒールをかけてムジタバを倒すと、そのまま内掛けで絞り、外ヒールを極めた。一本勝ちのノースカットは5万ドルのボーナスを獲得。
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▼ミドル級 5分3R〇アウンラ・ンサン(ミャンマー)[2R 0分48秒 ニンジャチョーク]×ファン・ロン(中国)
1R、ともにオーソドックス構え。ファンは左ジャブ。ンサンは右ストレート、左ボディストレートを長く伸ばす。さらにサウスポー構えになり左フック! 左ミドルも突く。右を強振するファン。ンサンも右アッパーを突く。
ワンツー左ボディ打ちはファンも左目尻から出血。右ボディも当てるファン。さらに右。ンさんは左ボディ、左ストレートで押し返す。ファンはジャブを突き、ンサンの前手の右をかわして右ストレートを突く。
2R、ンサンの右に右フックを合わせたファン。動きが止まったンサンに右ボディも当ててダブルレッグテイクダウン! しかしそこにンサンがギロチン狙いからニンジャチョークへ! 首を極められたファンは中腰のままタップした。
ケージの中でンサンは、「ちょっとキツかった。全部フィニッシュしたいんだ。アメリカンドリームは生きている。ミャンマーに祈りを。キルクリフFCのヘンリー・フーフト、コーチたちありがとう。(次は?)僕はただ戦いだけ」と語った。
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▼ミドル級 サブミッション・グラップリング×ライニアー・デ・リダー(オランダ)[判定0-3]〇タイ・ルオトロ(米国)
元二階級王者のデリダー、MMAの前戦はマルキンに1R TKO負け。ルオトロ兄弟の兄タイ・ルオトロ。ゲイリー・トノン、マラット・ガフロフにいずれも一本勝ちしている。
向き合うと身長差を大きく感じる長身のデリダーとルオトロ。ツーオンで右手を両手で掴むルオトロ。デリダーは組み手を切ると、ルオトロはレスリングでスタンドバックを狙うがとらせないデリダー。ルオトロはダブルレッグも切るデリダー。立ちレスリングで勝負する。
シングルレッグに入るルオトロ。金網背に耐えるデリダー。ケージグラップリングならではの攻防。体を入れ替えるデリダー。金網に押し込むがルオトロも入れ替え左で差して押し込み。そこに右小手に巻き、投げも凌ぐ両者。ルオトロは脇を潜りスタンドバックについて右足をかけるが、手首を離し正対するデリダー。ルオトロはダブルレッグもここも金網まで下がり倒されないデリダー。
右で差して押し込むのはルオトロ。左で差して足も手繰るが、右小手のデリダーは小手に巻いて内股狙い。投げられないルオトロに、デリダーはノーアームギロチンチョークも、倒れて首を抜いたルオトロはすぐにスクランブル、長身のデリダーをがぶり、ニンジャチョークを狙うがデリダーも首を抜き、ゴング。
判定は積極的に攻め続けたルオトロが判定3-0で勝利。「デリダーをリスペクトしている。今後も大きな相手にも挑戦していきたい」と語った。
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▼ストロー級→キャッチウェイト ムエタイ 3分3R〇ジャッキー・ブンタン(米国)131.00, 1.0027[1R 2分34秒 TKO]×ディアンドラ・マーティン(豪州)) 126.00, 1.0168※両者ハイドレーションテストをパス出来ず、キャッチウェイト戦に
1R、「ジャッキー」コールの中、ブンタンが中央を取る。ともにオーソドックス構え。長身のマーティンは右の蹴りも、ブンタンも右前蹴り、ワンツースリーの左フックをヒット! さらに右ハイをガード上に当てる。さらにマーティンの入りに右を合わせる。
ブンタンは金網に詰めて左のフェイントから左ボディから右フック! マーティンがダウンし、そのままレフェリーが間に入った。ブンタンの1R TKO勝ち。3連勝を決めたブンタンは「自分のタイミングで戦えた」と語った。
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【ボーナス・バウト】
▼フライ級 5分3R〇カイラット・アクメトフ(カザフスタン)[判定3-0]×リース・マクラーレン(豪州)
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▼フライ級 5分3R〇オク・レユン(韓国)[判定3-0]×ローウェン・タイナネス(米国)
ライト級の前王者のオクは、2022年8月の前戦でクリスチャン・リーに敗れて王座陥落。
タイナネスはONEで7勝1敗。唯一の黒星は元王者のマラット・ガフロフに2020年12月にスプリット判定負け。2022年12月の前戦ではパク・デソンにスプリット判定勝ちしている。
1R、ともにオーソドックス構えから右カーフキック。左右で詰めるオクはケージ背にするタイナネスにパンチの連打。右を返して四つから押し込むタイナネス。ヒジ・ヒザを打ちこむ。
2R、タイナネスが右カーフキック。ダブルレッグテイクダウン。フックガードのオクは亀から立ち上がり。両足をかけてバックも背負って立つオク。着地したタイナネスは押し込むが、オクも首相撲ヒジ・ヒザ。
3R、圧力をかけるオクにタイナネスは右カーフキック。オクは左ジャブを突き、動きが落ちたタイナネスに左右で攻勢に。しかしそこにタイナネスはダブルレッグテイクダウン! 両足フックも外して立つオク。なおも詰めて組むタイナネスにケージ背に凌ぐオク。打ち合いのなかタイナネスはダブルレッグテイクダウンもオクががスクランブルで立ち上がり、ゴング。
判定3-0でオクが勝利した。