MMA
インタビュー

【RIZIN】最後は4.5kg水抜きした平本蓮「最悪の展開は“僕の判定勝ち”」「逆に俺がテイクダウンを取るかもしれない」=4.29『LANDMARK 5』で斎藤裕と対戦

2023/04/29 00:04
 2023年4月29日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館にてケージで行われる『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』の前日公開計量が28日、都内にて行われた。本計量は同日の午前に行われ、全選手がパス。  ダブルメインイベント第1試合(第8試合)フェザー級(66.0kg)5分3Rで対戦する、平本蓮(剛毅會)は65.75kg。斎藤裕(パラエストラ小岩)は65.85kgでそれぞれ計量をパスした。  本計量を終えて、すでに体重の戻しに入っている両者は、15時30分過ぎにフェイスオフ。その後、平本は「明日から僕の時代です」とマイクで語り、その場から立ち去り、斎藤は「試合は1年ぶりで凄くいい準備が出来て、自分でもコンディションがいいと思っているので明日期待してもらっていいかなと。チケットが完売しているので、PPVでもぜひ見てください」と気負うことなくコメントした。  公開計量後、斎藤はコンディションとフェイスオフの感想を問われ、「変わらずです。向かい合って気合入っているなと思いました。お互い、ですね。本計量のときに身体を見ましたけど、そのときはめちゃめちゃキツそうな感じはしました。でもコンディションは整えてきているとは思いますので、お互いベストでやりましょうと」と、平本の直前の印象を語った。  対する平本は「もうバッチリです。水抜きの幅もちょっと筋量増えたんで少しやってみたんですけど、めっちゃ飯食ってたんですが、寸前で、2、3時間くらいで速攻、落ちました。4.5(kg)くらいですね」と、最後の水抜きで一気に落とせたことを語っている。29日16時開始の同大会までに、両者はどんなリカバリーをするか。  いよいよ試合へと向かう平本に、本誌単独でインタビューした。 [nextpage] 平本「どっちが本気の殺し合いで行けるのかとなったら、どう考えても確実に僕のほうが狂気的」 ──減量から計量はいかがでしたか。 「もぅバッチリです。水抜きの幅も、ちょっと筋量増えたんで、少しやってみたんですけど、めっちゃ飯食ってたんで、寸前で、2、3時間くらいで速攻、落ちました。4.5(kg)くらいですね」 ――前回の会見でフェイスオフのときに向き合って、あのときに斎藤選手から左右の構えを変えて動いた。何か感じたことはありましたか。 「自分の中のマインドコントロールなのかなと。僕はあの動きに正直なんの意味もないなと思っていますが、(斎藤にとっては)ああいう感じでマインドセットする人なんだろうなという。僕は動かなかった。そういう、いま立ち止まって、どっちが本気の殺し合いで行けるのかとなったら、どう考えても確実に僕のほうが狂気的であるかなという風に自信があるので、そこが試合に出ると思います」 【写真】計量前のかつかつの状態だからこそファッショニスタぶりを発揮する平本。会見はリックオウエンス、計量はボッテガのイントレチャートパターンのバスローブか。 ――計量前日には「僕が作っていく試合になる」と言っていました。あれは単純に「先手を取る」とか「カウンターを取る」ということではなく、相手をコントロールするという意味に感じました。 「そうですね。コントロール。回転力を見せられると思います。この4カ月くらいやってきたのは空手の型で、一つひとつの型と自分が本来持っている活かすべき強いポイント、ボクシング力ですね。パンチのパワーとスピードと回転力。その強みを活かさずにはもったいないということで。僕のスタイルはドミネーター戦の待ちのスタイルだと思うんですけれど、今回はそういう自分の持ち味を出しつつ、空手を上手く融合させたスタイルを完成させました」 ――回転数が上がると質量が高くなる、と言っていましたね。それも単純にパンチの回転が上がるということだけではなく、テイクダウンディフェンスなどにも活きる? 「はい。今回、斎藤対策に一番やってきた練習です。それが完成したので」 ――その「回転数を上げられる状態」になっていると。 「そうです」 ──「骨を動かす打撃」というのは? 「たぶん、あの練習方法を見た人は何をやっているんだろう? と思う人もいっぱいいると思うけれど、そういう細かい型で。だからサウスポーが得意なのかオーソドックスが得意なのかとかそういうのもどっちも一緒です」 (C)Zuffa LLC ──それこそ攻めるときも、守るときも半身で歩くように左右を入れ替えられる。ところで、先日のUFCでイスラエル・アデサニヤがアレックス・ペレイラとの再戦でKO勝ちしました。ご存じの通り、ペレイラの圧力にアデサニヤがケージを背に詰まったところで、ペレイラが得意の左フックを打っていった。そこにアデサニヤは内側に右ストレートを2度振り抜いて、ペレイラをKOした。あれは、アデサニヤが距離をコントロールして、打ち気になっていたペレイラの方が態勢が崩れていたと見ますか? 「ペレイラが勝ち気になってたから。MMAの打撃って、どっちかというとちょっとビビってるというか、判断がすごく慎重になる方が意外に距離が合ってたりするんじゃないのかなと思って。けっこう勝ち気になればなるほど──あれも完全にたぶんもう仕留められると思って、ペレイラがガンガン行った。そこでアデサニヤが死んでなかったということですよね」 ――アデサニヤはそれが見えていたと? 「まあでもあのペレイラのパンチの風圧に、けっこう参ってたとは思うんです。そこに、やっていた練習が出たということだと思います。それこそ『型』ってそういうことですよ。やっぱり必死のときにそういう型が自然と出るということだと思います」 ――普段の稽古の型が出る……その意味で今回、組み技の部分でも、剛毅會の動きを理解している大塚隆史選手と練習していることは、活きそうですね。 「そうですね。大塚さんは本当すごい最高なコーチで、斎藤対策はバッチリ。自信しかないです」 ――テイクダウンについても……。 「逆に俺が取るかもしれないですからね。ケージに押し付けたりとか、あり得ますからね。そのへんも楽しみにしてる。終わった頃には、“そういえば平本の打撃ってあんなに凄いのに、なんでこんな比べられてたんだろう”というくらいの試合を見せたいです。“ヤバかったよね”って。そのくらいの強さを見せられる自信はあります。“モノが違えよな”って。小さい頃から格闘技をやってる凄みを見せたいなと」 ――一方で、これまでは引き算の戦い方のなかで、今後も見据えてできれば「ヴェールに包まれたなかで終わりたい」とも言っていましたが、今回の試合ではそれを引き出される可能性もある。そのドロドロの展開のことも想定はしている? 「というか、“技”というものが無いんです。“これじゃないと倒せない”という技が無くて、もう自然とその場にある引き出しを使ってやる感じで。だから出し惜しみというものではなくて。ただ、想定では苦しい試合を想定しています」 ――最後に、「自分が考える最悪の展開」というのも頭に入っている? 「それは“判定勝ち”ですね。KO勝ちしたいです」 ――自分がフィニッシュできないことが最悪の展開だろうと? 「そうです。だからKO勝ちします」
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