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レポート

【Krush】稲垣柊が決勝戦をKO勝ちで新王者に、古宮晴が瓦田脩二に殊勲の勝利、岩尾力が圧巻のKO勝ち、山口翔大がANIMAL☆KOJI破る

2023/04/28 20:04
Krush.1482023年4月28日(金)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第10試合)第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント決勝 3分3R延長1R×塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)TKO 1R 2分30秒 ※レフェリーストップ○稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン)※稲垣が第10代王座に就く。  1回戦を勝ち上がった小嶋瑠久がドクターストップとなり、トーナメント規定ではリザーブマッチ勝者の佑悟が第1リザーバーだがドクターストップのため、決勝には小嶋に準決勝で敗れた塚本が第2リザーバーとして進出するという波乱。準決勝で優勝候補と目されていた寺島輝を破った稲垣と決勝戦を争うことになった。  1R開始と同時に前へ出て右ミドルを蹴った塚本だが、続くヒザ蹴りが稲垣の急所を直撃。インターバル後、サウスぽいーの稲垣はジャブを突きながら右へ回り込み、左ストレート、ヒザをしっかり当てていく。さらに左ローも。稲垣の左ストレートにグラつく塚本。  それでも前へ出る塚本は稲垣は左ロー、左フック、左ストレート。稲垣の左ローに倒れそうになった塚本はロープをつかんで耐えるが、稲垣が左ローの連打。鼻血も出す塚本は別のコーナーへ左ローで追い詰められ、ワンツーをもらったところでレフェリーがストップ。稲垣がKOで王座にたどり着いた。  稲垣はマイクを持つと「今日の2試合でまだまだこんなレベルじゃないと感じたのでK-1のスーパー・ライト級で戦えるようにもっと強くなっていきます。今日、自分の妹が誕生日で、皆さん拍手でお祝いしてください。K-1の舞台で活躍していく選手になっていくのでよろしくお願いします」とアピールした。 [nextpage] ▼セミファイナル(第9試合)Krushライト級 3分3R延長1R×瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/第6代Krushライト級王者)判定0-3 ※29-30×3○古宮 晴(昇龍會/K-1甲子園2021 -65kg王者)  瓦田は伸びのある右ストレートを武器にアグレッシブなファイトスタイルでデビューから5連勝。東本央貴、川崎真一朗、ワン・ジーウェイに敗れたが、その後は覚醒して2021年7月・9月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」で優勝し、王座に就いた。2019年12月から8連勝と快進撃を続けていたが、2022年2月のK-1で篠原悠人に判定で敗れて連勝がストップ。4月には初防衛戦に臨んだが大沢文也に敗れ王座を失った。10月には昇也にも敗れて3連敗を喫している。戦績は14勝(7KO)6敗。  古宮は聴覚障害のハンディを持ちながらもABEMAの『格闘代理戦争』で史上初の3人抜きに成功するなど大活躍。2020年4月にプロデビューし、2021年8月にはK-1甲子園 -65kgで優勝を飾った。プロでは2戦目で初黒星を喫するも、その後は4連勝と波に乗っている。戦績は5勝1敗。  1R、前に出る古宮は左右ボディからの蹴り。瓦田はジャブと右フックで対抗する。何度も前へ出てボディを打つ古宮に瓦田はやや下がり気味。  2R、古宮はワンツーから得意の顔面前蹴り。瓦田が真に出てくると下がり、また前へ出て右ロー、左ミドルを蹴る。瓦田の右ストレートをかわしての左ボディも。古宮の変則的な動きに後手に回っていた瓦田だが、得意のヒザをボディへ突き刺すと戦況が変わる。さらにパンチでもボディを攻める瓦田。コーナーに詰まる古宮へ瓦田が左右ボディ。  3R、パンチの打ち合いになると古宮が巧みにヒットを奪っていくが、瓦田もヒザとパンチをボディへ突き刺す。古宮はローも蹴るが、瓦田のボディが強烈だ。古宮の左右ボディにはヒザ蹴りで対抗する瓦田。さらに左三日月も蹴る。最後は打ち合いとなり、古宮は手数を出し、瓦田はヒザを突き刺す。  判定は3-0で古宮が元王者を破る金星を得た。 [nextpage] ▼第8試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R×愛瑠斗(健成會)KO 1R 0分55秒 ※左ボディブロー○岩尾 力(POWER OF DREAM/WINDY MUAYTHAIバンタム級王者)  岩尾は2014年7月にK-1 JAPAN GROUPに参戦すると、亀本勇翔、西京春馬に勝利したが2015年5月に朝久泰央に敗れた。その試合を最後にWINDY SUPER FIGHT、蹴拳、Bigbangなどの他団体に出場。バイク事故で大怪我を負い、2022年8月のKrushで約4年半ぶりの復帰を果たすと、小倉尚也を1RでKOに仕留めてみせた。今回はそれ以来の試合となる。戦績は12勝(6KO)3敗1分。  1R開始早々、岩尾が放った左ミドルで愛瑠斗がダウン。立ち上がった愛瑠斗はすぐにパンチラッシュで逆襲に転じるが、岩尾のボディがヒザに突き刺さり、ダウンしかけたところへ岩尾が顔面へ2発ヒザを突き上げたが、これはつかみからのヒザと判断されダウンにはならず。しかし再開後、岩尾の強烈な左ボディブローが決まり、岩尾の圧巻のKO勝ちとなった。  マイクを持った岩尾は「1RのKOで勝ったのが凄く嬉しいです。この前の試合からちょっと空いちゃったんですけれど、ここからバンバン試合してKrushのベルトを狙います。自分の名前を覚えてください」とアピール。観客席からは元同門の武居由樹が拍手を送っていた。 [nextpage] ▼第7試合 Krushクルーザー級 3分3R延長1R×ANIMAL☆KOJI(TEAM ANIMAL)判定0-2 ※28-30×2、30-30○山口翔大(TEAM3K/RKSクルーザー級王者)  KOJIはMMAファイターとして2017年のDEEPフューチャーキングトーナメントでミドル級優勝。2020年2月の『ONE Warrior Series』にも出場している。MMAでの戦績は6勝9敗。2020年12月のK-1福岡大会に初参戦すると、K-JeeとKrush王座を争ったRUIを2RでKO。2021年3月には愛鷹亮にも判定勝ちし、その実績が評価されて12月にマハムード・サッタリの持つKrushクルーザー級王座へ挑戦したが、初回KO負け。さらに谷川聖哉、AKIRA Jrに連敗を喫したが、2023年1月のKrushで中平卓見に判定勝ちして連敗を食い止めた。戦績は4勝(1KO)3敗。  山口はフルコンタクト空手の統一大会であるJFKO全日本フルコンタクト空手道選手権で2018・2019年重量級連覇を始めとして、白蓮会館全日本大会5度優勝、正道会館全日本大会優勝、KWF世界大会優勝など数々の優勝実績を持ち、2022年2月にキックボクシングに転向した。K-1 GROUPには2022年9月から参戦し、現在まで2連勝。戦績は4勝(2KO)無敗。Krush、K-1に吹き荒れる空手旋風の一翼を担う。  1R、ステップを踏んでボディを打つKOJIに、山口は接近しての右インローと右ロー。ジャブから入り込んで左フックをヒットさせるのは山口。KOJIはボディから顔面へ右を打つ。単発で強い攻撃を出す山口に、KOJIはコンビネーションで対抗して右ローにつなぐ。しかし、山口の4連打をもらって棒立ちになり、右フックでグラつくKOJI。  2R、山口の徹底した右ローをまともにもらうKOJI。山口は近距離や離れ際にショートのパンチをしっかり当てていき、右ストレートも繰り出す。山口の右ハイをもらいながらもすぐに打ち返すKOJI。山口の後ろ蹴り、右ローにワンツーで対抗するKOJIへ、山口が近距離で上手くパンチを当てていく。  3R、KOJIは右脇を差しての右フックを何度も繰り返し、山口を削っていく。組み合いになると山口が右ローと太ももへのヒザ。ワンツーから組み付くKOJIは押し合いでも山口を削っていき、山口は完全にバテ気味。  しかし、判定は2-0で山口が2Rまでのリードを守って勝利。フルコンタクト空手からの侵略者が、クルーザー級で名のあるKOJIを乗り越えた。 [nextpage] ▼第6試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R×キリルアン・チョー.ハーパヤック(タイ/Chor.Hapayak GYM)判定0-3 ※29-30×3○石田龍大(POWER OF DREAM/K-1甲子園2019 -60kg王者)  キリルアンは22歳で63勝(12KO)7敗3分の戦績を持つムエタイ戦士。サウスポーから繰り出す左ミドルを中心とした蹴り技で試合を組み立てる好戦的なファイトスタイルを特徴としている。2022年12月のK-1に初参戦したが、金子晃大に3R2分38秒、KOで敗れた。  石田は2020年2月にKrushでプロデビューし、2戦目で初黒星を喫するも現在まで4連勝(2KO)と絶好調。プロ7戦目にして国際戦に臨む。戦績は5勝(2KO)1敗。  1Rから左右フックで打ち合いに行くサウスポーのキリルアンに同じくサウスポーの石田も強気に打ち合う。左ミドルから左ストレートを真っ直ぐに突く石田。何度も互いの右フックが交錯した。  2R、ブロックを固める石田にキリルアンは左右ボディの連打。石田は左カーフを蹴りながら下がり、左のカウンターを狙う。前に出て荒々しい左右フックとアッパーを繰り出すキリルアンは石田のパンチをもらっても構わず前へ出て攻める。石田の真っ直ぐに突く左ストレートがキリルアンの顔面を捉えるが、キリルアンは下がらない。  3R、ジャブで突き放す石田は左カーフ、インファイトを仕掛けるキリルアンには左フックを見舞う。キリルアンの左右フックに左ストレートで対抗する石田。キリルアンは石田のジャブ、左ストレートを警戒したか距離をとり、手数も減る。そこへ石田は左カーフ。残り15秒で石田がラッシュを懸けて連打でキリルアンにロープを背負わせ、試合終了。  判定3-0で石田が強敵キリルアンを破った。 [nextpage] ▼第5試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R○目黒翔大(優弥道場)判定2-1 ※29-30、30-29×2×赤田功輝(ALONZA ABLAZE)  目黒は4勝(2KO)6敗2分のサウスポーで、前戦は2022年11月に松本和樹に判定勝ち。しぶといファイトを身上とする。赤田は4勝(3KO)1敗1分のサウスポーで、前戦は南雲大輝に判定待ち。 [nextpage] ▼第4試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R×松本 陸(TAD)延長R 判定1-2 ※9-10×2、10-9○黒川瑛斗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  延長R、左ローで前に出る黒川に松本も下がらず押し合いとなる。両者とも接近戦でローを蹴り、徹底した左ローの黒川に松本は左フック。押して左ローの黒川に左右フックを打つ松本。  判定は2-1と割れ、黒川が勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第3試合 第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R○稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン)KO 2R 2分45秒×寺島 輝(TANG TANG FIGHT CLUB) ▼第2試合 第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R×塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)判定0-3 ※30-28×3○小嶋瑠久(ARROWS GYM)※小嶋が決勝へ進出。  1R、塚本が右ストレートで先制。得意の蹴りの距離で戦いつつ、長いリーチからのワンツーを打っていく。小嶋は左インローで対抗するが、そこへ塚本が右を合わせる。小嶋はしつこく右ロー&カーフを蹴っていき、左インローと合わせて前足を狙い撃ち。小嶋の右ロー連打で塚本は何度もバランスを崩す。  2R、塚本はローを蹴られないように接近してのヒザ。離れると右ミドル。小嶋は徹底した右ロー狙いから左右ボディ。坂本のワンツーに小嶋は右クロスの強打。さらに左右フックで畳み込む。左右ボディと左右フックで攻める小嶋に塚本は右アッパー、ワンツーで応戦。小嶋が塚本をコーナーに追い込み、連打で防戦一方に追い込む。  3Rは塚本が前へ出てワンツーからヒザ、小嶋も負けじと左右フックとヒザで小嶋を下がらせる。アッパー、フックの打ち合い。小嶋はバックハンドブローを放つが、塚本は右フックからの右ストレート。これで小嶋の左目下が腫れあがる。足を止めての打ち合いは小嶋が有利。小嶋はボディ&アッパー、左右フックで塚本を追い込む。塚本も負けじと打ち返したが、小嶋が押し切っての判定勝ち。  小嶋が決勝進出を果たしたが、左目下が大きく腫れあがり、左目が塞がった状態。後にドクターストップがかかったことが告げられた。 [nextpage] ▼第1試合 第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R延長1R×FUMIYA(E x F)反則 1R 2分19秒○佑悟(Lion Gym/第4代KPKBウェルター級王者)  1R、パワフルな右ミドルで攻めていくFUMIYAに、サウスポーの佑悟は左ミドルからのワンツーで対抗。互いにインローも蹴る。FUMIYAの右インローがローブローとなり、試合再開直後、右ハイを空振りしたFUMIYAがそのまま回転してのバックハンドブロー。これが見事に決まり、佑悟は大の字に。佑悟は上体を起こして立ち上がろうとするも身体がいうことをきかず、FUMIYAのKO勝ちとなった。  しかし、ビデオ判定が行われ、FUMIYAのバックハンドブローはグローブではなく前腕部分が当たっていたことが確認され、佑悟が試合続行不可能なことからFUMIYAの反則負けに訂正された。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R×坂本寿希(リーブルロア/初代KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)KO 2R 1分34秒○今村流星(KINGS)  1R、今村はデビュー戦。坂本はサウスポー。互いにインローを蹴り合い、今村は右ストレートを直撃させる。さらに右ミドル。左フックが相打ちとなり、ダブルノックダウン。両者にカウントが入る。ワンツーから力強い左ミドルを蹴る坂本に、今村は前に出て圧力をかけていった。  2R、ジャブから右ストレートを伸ばして坂本を下がらせる今村だが、左フックに左フックを合わされてダウンを奪われる。それでも前に出ようとする今村を左ミドルで迎え撃つ坂本。足を止めての打ち合いで互いのフックが相手を捉える。坂本がパンチのヒットを奪っていく中、打ち合いに行った今村が左フックからもう一度左フックを直撃させてダウンを奪う。  立ち上がろうとした坂本だが、頭から崩れ落ち、今村の逆転KO勝ちとなった。 ▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushフライ級 3分3R永谷龍希(K-1ジム五反田チームキングス)吉村 匠(TAD)※ドクターストップによる試合中止。
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