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【RIZIN】どうなる!? 斎藤裕vs.平本蓮──弥益ドミネーター、佐々木憂流迦、扇久保博正らが予想

2023/04/25 11:04
 2023年4月29日(土)、ケージで行われる『RIZIN LANDMARK 5』(国立代々木競技場 第一体育)でのフェザー級戦に、ファイターたちから注目が集まっている。  前戦で平本蓮と対戦した弥益ドミネーター聡志、5月6日に同じフェザー級で試合を行う佐々木憂流迦、斎藤裕と交流のある扇久保博正は、「斎藤裕vs.平本蓮」をどうとらえているのか。 弥益「平本選手は作戦を完遂できる気持ちの強さがある」「斎藤選手はどれくらい攪乱させられるか」  4月24日には「斎藤裕 vs.平本蓮──ドミネーターが予想する展開は?」の動画がc plus gym.のYouTubeにてアップされ、弥益ドミネーター聡志(team SOS)が、自身が対戦した平本と斎藤との試合について語っている。  2022年11月の自身の前戦を、「もちろん(平本が)打撃がめちゃくちゃ強いのは自分も身を持って体感したんですけど、心と脳がその記憶を手放そうとしてしまう」と苦笑する弥益は、平本の強さについて、最初に「作戦を完遂できる気持ちの強さがある」とした。 「あの(会場の)空気感のなかで、あれだけ手を出さないでカウンターに徹するというスタイルを貫けた。色気を出さずにというか、あれだけ(弥益が)倒れてたら“行っちゃおう”となるところを抑えて、勝ちに来た。(周囲を)気にせず自分がやるべきことをやる力を感じました」と、リスクを徹底的に排除して、待ちとカウンターに徹した平本のメンタルと遂行能力を評価する。 「打撃だけで見たら、斎藤選手といえど、ちゃんと“打撃”をしちゃうとたぶん差はあると思うので、お互い作戦をどうしていくのかなというのはすごく気になります」という弥益は、まずは平本が次戦でどちらで構えるかにも注目。  それまでの試合で、オーソドックス構えで戦っていた平本に対し、弥益は左足前を想定して打撃も組みも練習していたが、足指の怪我を治した平本は「先手を取る」と予告しており、次戦でどう構えてくるか。 「平本選手はどっちで構えるか。(サウスポー構えで来られて)あれくらい思考が一瞬止まったことはない」と振り返ると、「平本選手としては未知の部分を残したまま勝ちたいはず。ほんとうを言えば下になるシーンも見せずに──立てるかもしれないから分からないですけど──ヴェールに包まれたまま勝ちたいのが本音だと思います。それを斎藤選手がどれくらい攪乱させられるか。“相手の良くないところを引きずり出す”イメージで試合するんじゃないかなと」と、出来ること・すべきことを徹底する平本に対し、斎藤がいかにMMAの引き出しで錯乱させられるかが見どころと語った。  また同日に、金原正徳と山本空良が対戦するフェザー級戦についても、「山本選手の査定試合になる」と、元UFCの金原が、22歳のプロスペクトを試す試合になるという。 「山本空良選手は、ヴガール・ケラモフフに負けた選手のなかでは、一番拮抗した試合をしている。一方で、スタイルが特殊でパラメーターが特殊なので相手次第で変わる。その点、金原選手は隙が無い。パラメーターのへこんでいる部分を金原さんが突く試合になるんじゃないかなと。幻想がある山本選手を“裏番長”が査定する試合になる」とした。弥益と井上雄策はそのほかのLANDMARKの試合も一つずつ語っており、注目だ。 [nextpage] 佐々木「ファーストコンタクト、ケージの使い方に注目」 「平本選手の1個目のタックルの切り方でまず決まるなと思っています」というのは、5月6日(土)『RIZIN.42』有明大会のフェザー級戦でボイド・アレン(南アフリカ)と対戦する佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)だ。  平本を「29日の斎藤vs.平本、牛久vs.朝倉の4人のなかで、1人だけ2勝2敗でふたを開けないと分からない選手」と評する佐々木は、そのふたを開けた瞬間の動きに注目する。 「平本選手は殺傷能力が高い。タックルを切る技術能力とフィジカルを上げてきているなか、最初の萩原京平戦のときのような切り方のままなら普通にテイクダウンされてもっていかれちゃうけど、いまやっていることがフィットしていて、タックルの切り方が変わっていれば、たぶん勝つんじゃないか。前回の弥益戦の切り方だと、斎藤選手にはたぶんテイクダウン取られちゃう。そこからさらに変えてきているかが、未知数」  一方で、20勝7敗2分の斎藤裕については、今回の試合がケージであることが奏功するかもしれないという。 「斎藤選手はオールラウンダーで、テイクダウンも中間距離から一気に詰めて、ニータップ等のテイクダウンなどがある。グラップリングをやったら絶対、斎藤選手の方が強いけど、打撃では平本選手、むちゃくちゃ強いからね。斎藤選手はぴょんぴょん系で、パッと入る。中間距離から飛び込んでケージに押し込んで削る。しかもRIZINケージはちょっと変な形で、縦に長くて横にちょっと狭いからグラップラーに詰めやすくて有利」と、自身もクレベル・コイケ戦で経験したRIZINのケージが組みたい斎藤にとって有利に働くとした。  前戦ではサウスポー構えで、相手の攻撃をもらわず自分だけが当てて弥益を「打撃の塩漬け」に下した平本が、間合いを制し、斎藤のテイクダウンをいかに切るか。あるいは触られてもいかにケージを使って立つか。斎藤は2019年9月の修斗以来のケージをどういまの戦いにアジャストするか。  公式動画で平本は、斎藤の戦いを「ジャッジを味方につける泥臭さ、目に見えないすごく強いものを持っていると思う」と評し、「厄介な、タフな試合になる。だからこそKOしないと」と、相手に粘らせず決着させると語っている。 [nextpage] 扇久保「平本選手には勢いや自信を感じるが、厳しい試合になる可能性も」  斎藤裕と同じパラエストラグループで、練習の経験もある扇久保博正(パラエストラ松戸)は、平本蓮との試合が、「相当な激戦になるんじゃないか。とんでもない緊張感のある試合になりそう」と予想した。 「おぎちゃんねる。」で扇久保は、「普通に考えると、キャリアで30戦目の斎藤選手と、MMAでは5戦目の平本選手とでは、完全に斎藤選手の方が有利だなと思うんですけど」と、前置きしたうえで、「ここ最近の平本選手の勢いや自信を強く感じるので、どっちに転んでもおかしくない戦いになるんじゃないかなと。相当な激戦になるんじゃないかと思っています。平本選手は1発で倒す打撃を持っているので、とんでもない緊張感のある試合になりそうですね」と、両者の戦いを評した。  平本を「ドミネーター戦くらいから覚醒した」という扇久保は、その進化の速度が予想外だという。「あのドミネーター選手にあれだけ一方的に勝つのは僕も予想外で、めちゃくちゃ強くなっているなと思って見ていました」。  その強みは、やはり打撃だ。 「平本選手としては、寝技にはあまりなりたくないと思うので、できるだけ打ち合いに持って行かせるというか、“打撃を出させるため”に、遠間では蹴りなど出して、それをさばかせてパンチで入っていったりするんじゃないかなと思いますね」と間合いのコントロールと、前戦では封印していた蹴りをいかに掴まれずにパンチでの打ち合いに繋げるかに注目した。  対する斎藤については、これまでの試合とのコンディションの差を指摘する。 「斎藤選手は、前年くらいから厳しい試合が続いていて、スパンも短かったですよね。怪我も治らずに出ていた印象もあって、その頃、あまりコンディションが良くなかったんだろうなと思いながら見ていたので、ちょうど前戦から1年経って、コンディションが戻ってきているんじゃないかと。強かった時の斎藤選手に戻ってきているんじゃないかなとすごい期待が出来ますね」と、1年の休養が生きるという。  突出した打撃力を軸に戦う平本と、打撃も寝技もすべてを使って攻めていく斎藤との戦い。その距離と位置取りがキーになると、扇久保は語る。 「平本選手は、ドミネーター選手との戦いで、近距離でのパンチの威力がかなり高かったので、斎藤選手は近距離での打ち合いはたぶん避けるんじゃないかと。斎藤選手は、伝統派空手出身でステップもよくて、遠い距離からステップを踏みつつ、パンチのフェイントだったりを入れながら、やはりタックルで一気に距離を詰めて、身体に触ってケージに押し込んで、そこから削ってテイクダウンをして試合を作っていきたいんじゃないかなと」と、近い距離でショートをまとめるのに長けた平本に対し、斎藤は遠間からのMMAで散らしての飛び込みを使ってくると予想。  その際の注意点を「斎藤選手はやっぱり正面に立たずに、横から攻めていった方が僕はいいんじゃいないかなと思います」と、フェイントや散らしとともに角度をつけたアプローチが必要だとした。  構えも含め、剛毅會空手を採り入れて戦う平本のテイクダウンディフェンスの成長をどうとらえるか。弥益戦の進化を「予想外」とした扇久保だが、一概に前戦の動きがそのまま斎藤戦にあてはまるわけではない、とも語る。 「ドミネーター選手はどちらかと言うと“総合”のなかで、相手のタックルを切ってアームロックで切り返したりというタイプなので、ちょっと斎藤選手とはタイプが違う。斎藤選手は走りながらのニータップなどのタックルも出来るので、テイクダウン能力で言えば、ドミネーター選手より全然、斎藤選手の方が高い。さらに打たれ強さも斎藤選手の方が高いと思います」と、カウンターも巧みな平本に対し、タフな斎藤は様々なテイクダウンの仕掛けも持っているとした。 「ドミネーター戦だけを参考にすると、平本選手、相当有利なんじゃないかなみたいに思う人もいると思いますが、平本選手的には、かなり厳しい試合になるんじゃないかなと思いますね。でもいまの平本選手にあるもの──そこで持って行く可能性もあるかなと」と予想した、扇久保が語る平本の可能性とは何か。 互いに前戦とは異なるものがあるなか、両者は新たな姿で、ケージに上がることになる。発券と同時に完売した大一番に向け、ファイターならではのそれぞれの視点に注目だ。
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