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インタビュー

【RIZIN】RENA「“まだまだ”ではないけど、やり残したことがある」──ケージと階級アップで「海外再挑戦」と伊澤星花戦への意欲も=4月29日(日)代々木

2023/04/20 11:04
 2023年4月29日(日)『RIZIN LANDMARK 5 in YOYOGI』(東京・国立代々木競技場第一体育館)の51.0kg契約(5分3R)でクレア・ロペス(フランス)と対戦するRENA(SHOOTBOXING/シーザージム)が19日、MMA練習拠点とするAACCにて公開練習を行った。  1分のスパーリングでは、元ONE Champioshipの澤田龍人を相手に跳びつき腕十字、バックテイクからのリアネイキドチョーク、マウントからの腕十字などを披露。順調な仕上がり具合を見せた。  2022年7月の前戦では、アナスタシア・スヴェッキスカ(ウクライナ)のローキック、下からの仕掛けを潰しての判定勝ち。スーパーアトム級トーナメント準決勝に進出したが、この試合で左眼窩内側壁を骨折し、以降のGPを欠場。期待されていた伊澤星花との試合は実現しなかった。  今回は、約10カ月ぶりの復帰戦。相手はMMA7勝4敗のクレア・ロペスで、元UFCファイターのブラッド・ピケット門下生となる。  器械体操、ムエタイ出身の体幹の強さを活かした、オーソからの強い右の打撃と、力強いテイクダウンからの絞めを武器とするロペスは、現在Combate Globalのアトム級2位。ここ6戦では現UFCのヤスミン・ハウレギと元Bellator・現Invictaのダニィ・マッコーマックにしか敗れておらず、7勝中、3つのKO・TKO、3つの一本勝ちをマークしている。  ロペス戦を前に、RENAは「何でもできるタイプ。手がすごく長くて飛び込んでくる威力はある。パンチでダウンを取っている場面もあり、パンチでも寝技でも、KO・一本率が高いので、私もKO率には自信があるので、フィニッシュする試合になると思います」と完全決着を想定。  2019年6月のBellator以来、キャリア2戦目のケージでの試合に向け、「ほんとこれね、痛いんですよ。(ケージレスリングを)やりすぎて、背中すごい青アザできて金網の洗礼を受けています」と苦笑しながらも、「(ケージでの試合には)良し悪しある。打撃でいうと(コーナーが無いので)追い詰めにくい。回られる、逃げられるということがありますが、寝技、組み技の部分では壁が使えて立ちやすさはすごく感じるので、良し悪し両方あるなと思いますが、間違わないようにと繰り返し・繰り返し、阿部(裕幸・AACC代表)さん、宮田(和幸・BRAVE)さん、それに練習仲間の浜崎朱加さん、澤田龍人選手から教わっています」と、組み技・ケージレスリングの猛者たちから指導を受けていることを語った。  今回の契約体重は「51kg」。スーパーアトム級(49.0kg)ではなく、ストロー級(52.2kg)に近い体重設定となる。  RENAは、「52kgでも良かったんですけど、『ストロー級への段階を踏んだらどうか?』という提案をいただいたので」と、北米にランキングがある階級への挑戦の足がかりとしたいとし、一方で「日本で49kgを作ってしまったし、そこでちゃんとした結果が出せていない、やっぱり戦いたい選手もいるので。伊澤星花選手がすごい強いので、対戦相手が日本にいないじゃないですか。誰とやるかといったら私以外いない。私が出ないと“女子格闘技、盛り上がってない感”をすごく感じるので、“トップ戦線に私が絡んでいかないと面白くなっていかないんじゃないか”とも思っているので、そこ(階級転向)は、いろいろ考えることがあって複雑です」とスーパーアトム級での戦いの可能性も残しつつ、「とりあえず今回のハワイ大会までは、自分のためにやり残したこと(海外挑戦)を、集中してやりたいなと思っています」と、今秋に開催が予定されてるハワイ大会への出場も視野に、今回のケージでの試合で結果を出したいとした。  新たな目標も掲げ「現役はまだまだ長そうですね」と問われ、「そうですね。“まだまだ”っていうわけではないですけど、もうちょっとだけはやり残したことがあるので、頑張ります」と、日米マットでの“やり残した”ことに挑戦するというRENA。 「怪我も治って、しっかりパワーアップして戻ってきたので、そこでガツンと、今回一本・KOしたいと思うのでよろしくお願いします!」と力強く語った“絶対女王”は、ケージ&RIZINルールでも強さを見せるか。 [nextpage] 海外再挑戦、日本でも「私が出ないと、女子格闘技、盛り上がってない感をすごく感じる」 ーー現在のコンディションは? 「今回はすごい2カ月くらい前に対戦相手も決まり出場も決まっていたので、すごくコンディション作りやすかったんで、調子はいいと思います」 ーー今回のテーマは? 「(今秋に)噂されている(RIZIN)ハワイ大会に向けて、やっぱりアメリカにもう一回挑戦したいというのは前々から言っていたので、それに向けての第一歩というか、それに向けての負けられない戦いじゃないかなと思います。『ハワイ大会』っていう言葉でモチベーションはすごく高くなっていたので、やっぱり日本だけというより、海外に行きたい欲があるので、モチベーションが高くなると練習も変わってくるので楽しいですね」 ーー怪我からの復帰で不安や緊張は? 「うーん、いや、特には無いですね。手術とかはなかったので、技術をもう一回あらためるにはいい期間だったんじゃないかと思います」 ーー試合に向けてご自身で、自信を持って臨めることは? 「2015年のデビュー戦で跳びつき腕十字で勝った試合で、あれで最後だと思ってたんですけど、気づけばもう15戦くらい(17戦)はしているので、そう思うとすごいあの頃よりは断然できることも、自信になっていることもたくさんあるので、やってきたことをすべて出すっていう感じですかね」 ーー公開練習でも跳び十字をやってましたけど、試合で出そうと? 「あったり、無かったり? 跳べないかもしれないですけど(笑)。アハハ、やっぱり下になるリスクが大きいのでなかなか。行けるチャンスがあれば行こうかなと思いますけど、そこは流れで決めたいと思います!」 ーー対戦相手のロペス選手は、器械体操をやっていたり身体能力が高そうですが、印象は? 「“何でもできるタイプ”だなというのと、映像を観る感じでは手がすごく長くて飛び込んでくる威力はある。パンチでダウンを取っている場面もあり、パンチでも寝技でも、KO・一本率が高いので、私もKO率には自信があるので、フィニッシュする試合になると思います」 ーーUFCで2連勝中のヤスミン・ハウレギ選手にはテイクダウンを凌がれて消耗したところを打撃で仕留められてますが、それ以外は2021年以降3勝1敗という強敵で、ジョーカーを引いたかもしれないという印象を受けましたが、RENA選手はどうとらえていますか。 「本当に初めて来日してくださる外国の選手っていうのは、雰囲気とか、見ないと分からない部分がたくさんあるので、今は想像ですっごく強い相手、負けるんじゃないかって思いながら毎日過ごしています」 ーー余裕という感じではない? 「そうですね、試合でパニックになっちゃうので、あまりにも想像以上だったら、しんどくなっちゃうので。想像以下になるように、いまはものすごい強い相手だっていう風に考えて練習しています」 ーー今日は組みの練習でしたが、打撃もあって一本も取れる選手の攻略は難しそうですが、比重としては立ちと組みのどちらを重きを置きますか。 「やっぱり私の売りは打撃なので、そこでスカッといくのが理想的ですけど、相手がそれに付き合ってくれない場合もMMAの展開としてはあるので、寝技も負けないぞって気持ちもすごいあるので、どっちできてもKO・一本を取りたいです」 ーー今回の大会がケージであることで、戦い方は変わりますか。 「良し悪しかな。打撃でいうと(コーナーが無いので)追い詰めにくい、今までは四角形で追い詰めやすかったんですけど。やっぱり回られる、逃げられるということがある。寝技、組み技の部分では壁が使えて立ちやすさはすごく感じるので、良し悪し両方あるなと思います」 ーーそれの利点を有効に活かしながら練習をしていると。 「そうですね。ほんとこれね、痛いんですよ(苦笑)。やりすぎて、背中すごい青アザできています。リングでしかほぼほぼ試合したことない(※2019年6月のBellator以来)ので、金網の洗礼を受けています(笑)。ケージをうまく使うにはどうしたらいいのかっていう技術もたくさんあるので、間違わないようにと繰り返し・繰り返しですね。ケージレスリングも、阿部(裕幸・AACC代表)さん、宮田(和幸・BRAVE)さん、それに練習仲間の浜崎朱加さん、澤田龍人選手から教わっています。上手くいって“おっしゃ!”と思ったらスコーンとこかされたりとか(苦笑)」 ーーMMAでケージとリング、どちらが向いていると思うところは? 「やっぱり60戦くらいやってきて……極端ですけど、60戦中59戦がリングなので。そう思うとリングのほうがやりやすいし、慣れはありますね。一方で、ケージでやることにすごいワクワク感。緊張とワクワクがあります」 ──レスリング出身で、ONE ChampionshipではシンガポールのEvolveで練習していた澤田選手のケージレスリングのディテールが、今回の試合に向けて力になっていると。 「そうですね、壁レスは澤田選手が多いですね。やっぱりレスラーなので、その点は押さえ込む力が強いので、そこでのいい点・悪い点を教えてもらっています」 ──スーパアトム級より上で階級が異なり、パワーアップした点は? 「フィジカルはKJトレーニングでやってます。主に身体の使い方をトレーニングしていて、股関節の動かし方や筋力アップですね。(KJ=三久保宏治コーチに)私が求めていることを伝えると、それをトレーニングとして組んでくれます。アメリカの現地のトレーニングが日本で同じことができるというのが素晴らしいところなので自信をもって挑めます」 ーーテイクダウンされにくくなったり? 「どうですかね。たぶん1回は倒されちゃうと思いますが、強くなっている自信はありますね」 ーー今回の契約体重は51kg。アトム級(47.6kg) やスーパーアトム級(49.0kg)でもなく、ストロー級(52.2kg)ではないですが、ストロー級に近い51kgになったのは? 「52kgでも良かったんですけど、『ストロー級への段階を踏んだらどうか?』という提案をいただいたので、その段階をいただけるのであればという感じでした。対戦相手は52kgで試合している選手なので。でも体格は同じくらいなので、向こうも減量苦はないんじゃないかと思います」 ーーストロー級を目指すということは、Bellatorにはまだその階級のランキングが無く、ストロー級ランキングがあるのはUFCになります。やはりそこを目標にしたいということでしょうか。 「そうですね。ただ、まだ日本での戦いも残っているので、そう思うと断言はまだできないですけど。ハワイ大会に向けて自分がどこまで、何kgで通用するのかを確かめる、もう1回チャレンジする、という点でのストローのチャレンジと思ってます」 ーー対戦相手のロペスは、打撃も体の軸の強さから踏み込んでの右アッパーでダウンも取っていますが、どちらかというとむしろ組み寄りの選手なのでは、という動きも見せています。ロペスの身体の圧力についてどう感じていますか。 「やはりそこも組んでみないと分からないので、難しい部分ではありますけど、組み力が強い選手とやりつつ、感覚を確かめつつっていう感じにはなっています」 ーーいまこのAACCに中井りん選手が出稽古に来ていますが、階級上の選手と組むことも? 「はい。打撃だけとか組み技だけとか、MMAとか、流れのなかでたまにやらせてもらいます。それに圧力という点では、トライフォース赤坂でもフルケージでの軽いマスで、藤野関(藤野恵実)に押さえ込まれて(苦笑)、いい体格で圧力もあるので、ケージでの対外国人としてはいい練習ができました」 ──今後は52kgのストロー級を目指してやっていくことになりますか。 「ハワイ大会まではとりあえずは。日本で49kgを作ってしまったので(RENAのMMA転向時にスーパアトム級が作られた)、そこでちゃんとした結果が出せていないので(完全に転向は)難しいところではありますけど、ちょっと色々考えつつ、です」 ーー「日本でやり残したこと」というのは49kgでの結果、ということですか。 「そうですね。やっぱり戦いたい選手もいるので。そういう面で、まあ私が出ないと“女子格闘技、盛り上がってない感”をすごく感じるので、“トップ戦線に私が絡んでいかないと面白くなっていかないんじゃないか”とも思っているので、そこは、いろいろ考えることあって複雑ですけど、とりあえず今回のハワイ大会までは、自分のためにやり残したこと(海外挑戦)を、集中してやりたいなと思っています」 ーー「日本で戦いたい選手」というのは去年実現しなかった選手のことでしょうか。 「うん、まあそうですね。伊澤星花選手がすごい強いので、対戦相手が日本にいないじゃないですか。誰とやるかといったら私以外いない。(山本)美憂さんの引退試合は決まっていますけど、面白い、みんなが見たいと思わせられるカードはそこしかないんじゃないかなって」 ーーもうひとつ、去年GPで実現しなかった浜崎朱加選手との試合は目標のなかには入っていないですか。 「無いですね。ハハハハ。ちょっとホッとした部分があります」 ーー予定されているハワイ大会が、RIZIN主催なのか、Bellator主催なのか分からないですが、そこをクリアしたのちに、海外のプロモーションで試合をしたいと? 「うーん。でも、私はRIZINで始まりRIZINに終わるつもりなので。そこはうまいこと榊原(信行)さんが交渉してくだされば、(海外に)チャレンジという形でやらせてもらえたら嬉しいなって思いますね」 ーーRIZINに海外大会をどんどんやってほしいという気持ちも? 「そうですね、年1回でもあればすごいモチベーション上がりますね。同時にやっぱり日本が活性化しないと面白くなくなっちゃうし、注目もなくなっちゃうので。2年に1回とかでも全然いいし、そういうのがあったら嬉しいなとは思います」 ーーということは、現役はまだまだ長そうですね。 「そうですね。“まだまだ”っていうわけではないですけど、はい。もうちょっとだけはやり残したことがあるので、頑張ります」 ーーところで、大事な試合前の気持ちの作り方は? 「“ここまできたらやるしかない”というか。後悔が無い、不安要素が一切無いように日々の練習を頑張って、あとは“もうやるしかない!”みたいに作ります」 ーーリラックス方法は? 「お風呂が大好きなのでスーパー銭湯とかよく行きますし、犬が4匹いるので、わらわら一緒に寝てリラックスしています」 ーー最後にファンにメッセージを。 「前回、トーナメント一回戦で勝ったんですけど、怪我での欠場ということで残念な思いをさせてしまった方々、そして心配してくださった方々に申し訳ないなと思ってたんですけど、怪我も治って、しっかりパワーアップして戻ってきたので、そこでガツンと、今回一本・KOしたいと思うのでよろしくお願いします!」
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