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レポート

【Krush】☆SAHO☆が血まみれの激闘で勝利、日韓戦は日本が3戦全勝、チャン・リーが打ち合い制す、九州から新星来たる末松晄がインパクトあるデビュー

2023/04/08 20:04
Krush~RING OF VENUS~2023年4月8日(土)東京・新宿FACE ▼第9試合 日本vs韓国・3対3 女子-53kg契約 3分3R延長1R〇☆SAHO☆(闘神塾/S1レディース世界バンタム級王者)判定3-0 ※30-27×2、30-28×イ・ドギョン(韓国/チームサイコピットブルス/KTK女子フェザー級王者)  ☆SAHO☆は軽快なステップを駆使し、回転の速いパンチにローキック&前蹴りを上手く織り交ぜるパワフルなファイタータイプ。2017年9月にミネルヴァ・スーパーバンタム級王座を奪取し、2019年5月にはWMC日本同級王座との二冠王に。2020年11月、4人の王者によって争われたS1レディース バンタム級ジャパントーナメントで優勝。2021年12月からはK-1にも参戦し、真優をパワーで圧倒。2022年6月にはジェシンタ・オースティンに判定で敗れている。11月にはホームリングのNJKFでS1女子世界バンタム級王座決定戦に勝利し、世界王者となった。戦績は13勝(1KO)2敗。  ドギョンは空手をベースに持ち、蹴りを得意とするMKF 52kg級の王者で2018年4月の『KNOCK OUT』に初来日して小林愛三に判定負け。2022年7月に約4年ぶりの再来日を果たして小林と再戦を行ったが、判定で敗れた。戦績は11勝7敗1分。Krushには今回が初参戦となる。  1R、☆SAHO☆はジャブから右ロー、ワンツー・右ローと足を攻めつつ、前蹴りと左ボディでボディも攻めていく。ドギョンは右ストレートを中心に前へ出ていくが、☆SAHO☆はすぐにワンツーで反撃。終盤、左ボディをヒットさせた☆SAHO☆は一気に左右ボディとヒザでラッシュを仕掛けてドギョンにロープを背負わせる。  2R、ジャブと右ストレートでドギョンの顔面を鼻血で朱に染める☆SAHO☆。さらにヒザ蹴りと左右ボディを何度も突き刺す。それでもドギョンは強気に右フックを放ち、ヒザを蹴り返してくる。しかし、☆SAHO☆のパワフルかつ回転力のある技でドギョンをどんどん追い詰めていく。  3Rが始まってすぐ、ドギョンにドクターチェック。再開後、☆SAHO☆はジャブをしっかり当て、右を思い切り打つ。ドギョンも負けじとパンチで打ち合うが、そこへ☆SAHO☆がボディへヒザを突き刺す。顔面血まみれになりながらも前へ出て打ち合いに行くドギョンに☆SAHO☆も応じて打ち合う。ドギョンは流血が激しく2度目のドクターチェック。  再開後、雄叫びをあげて腫れあがった顏で前へ出る気迫のドギョン。☆SAHO☆の多彩かつ強烈な攻撃を受けながらも、下がらず前へ出て打ち合いに行くドギョンに、☆SAHO☆も容赦なく攻撃を繰り出す。試合が終了すると、ドギョンのガッツにも大きな拍手が送られた。  ドギョンの返り血で全身血まみれとなった☆SAHO☆は「倒し切れなかったのが悔いですが、今日一番私の試合が面白かったと思うし、男に負けないくらいの試合を見せられたと思います。中村プロデューサー、6月のK-1横浜大会に私を呼んでください。自分の試合は男の試合と同じレベルくらいの試合が見せられると思うので、自信があるので。私はいつもこうして応援してくれている人のおかげで頑張っているので、これからも女子格闘技を私が盛り上げていこうと思っているのでよろしくお願いします」とアピールした。 [nextpage] ▼第8試合 日本vs韓国・3対3 Krush女子アトム級 3分3R延長1R〇松谷 綺(ALONZA ABLAZE)判定3-0 ※30-27、30-28、30-26×ウォン・ガヨン(韓国/嶺南ムビジム)  松谷は兄・桐と共に2021年7月から卜部功也が代表を務めるALONZAに所属。2021年8月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪って判定勝ち。2022年2月には豊嶋里美に判定勝ちし、6月のK-1初代女子アトム級王座決定トーナメントの1回戦で菅原美優に判定2-0で敗れ、プロ8戦目にして初黒星。11月の再起戦では菅原とのタイトルマッチ経験もある優を判定2-1で破った。蹴りを中心としたコンビネーションのテクニックに定評があり、左ボディを始めとするパンチの技術にも進化を見せている。戦績は6勝1敗2分。  ガヨンも初来日で身長158㎝の16歳。戦績は6勝2敗でオーソドックス。  1R、両者かなり遠い距離。松谷はその距離から踏み込んでのハイ&ミドルキックを放ち、ガヨンは右ストレートからパンチの連打、松谷はその打ち終わりにミドルを蹴る。ガヨンはかなり積極的にパンチで入り込んでくるが、松谷はクリーンヒットを許さず蹴る。  2R、互いに右ローを蹴る。松谷はミドルも蹴って蹴り中心。ガヨンは右のパンチを思い切り繰り出し、踏み込んでの連打へ繋げようとするパンチ中心のスタイル。松谷の前蹴りが鋭く決まり、さらに右フックも。ボディを嫌がり素振りを見せるガヨンだが、ローを蹴って思い切りパンチを振るってくる気の強さを見せる。  3R、両者バッティングで2度の中断。松谷は左右ミドルに前蹴り、ヒザとボディを攻めていき、ガヨンはフルスイングのパンチで迎え撃つが、松谷の蹴りからパンチの回転が速く、松谷の手数が上回る。蹴りと右のパンチでガヨンを追い詰めていく松谷。終了直前に打ち合いにいった松谷が右ミドルからの左フックをヒットさせてダウンを奪う。ガヨンが立ち上がったところで試合終了となり、大差の判定で松谷が勝利。  松谷はマイクを持つと「また倒し切るって言っていたんですがダウンひとつで終わったことが悔しいけれど、勝てたのでホッとしています。自分はK-1のベルトを獲るためにここへ来たので、Krushもそうだし、K-1のベルトを目指してこれからも頑張っていきます」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 日本vs韓国・3対3 Krush女子フライ級 3分3R延長1R〇麻央(K-1ジム心斎橋チームレパード)判定3-0 ※30-28、30-27×2×ファン・ソンリム(韓国/ANA GYM)  麻央は5勝1敗の好成績を収めていたが一時リングから離れ、2022年12月のKrushで約6年ぶりに復帰。いきなりK-1 GROUP女子の主力選手である真優を判定で破った。蹴りを多用する手数の多いスタイル。  ソンリムは今回が初来日。身長163㎝の23歳。戦績は13勝5敗でオーソドックス。  1R、ソンリムはワンツーと右ローを繰り出すがスピードが感じられない。麻央は右ローを蹴りつつ右ミドル、右ストレートを放つ。攻撃の重さは麻央の方が上のようだ。  2R、ほぼ右の蹴りしか出さないソンリムだが、前蹴り、ミドルに加えてカカト落としも放つ。麻央はワンツーでアタックを繰り返し、右クロスをヒットさせる。さらに右ミドル。ソンリムの息がかなり荒くなった。  3R、麻央は右ローを蹴りつつ、前蹴りとミドル&ヒザでボディも攻めていき、ワンツーにつなげる。右の蹴りを出すソンリムだがその蹴りは弱々しく、麻央は構わず突っ込んでミドルや前蹴りを見舞っていった。  麻央は「本当は倒して勝ちたかったんですけれど出来なくて悔しいです。でも勝ってひと安心しています。最速でKrushのベルトを獲ってK-1に行きたいと思っているので。K-1のベルトも狙っているのでそろそろタイトルしたいなって思っているのでよろしくお願いします」とタイトルマッチをアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 Krush女子アトム級 3分3R延長1R〇山田真子(KINGS/元プロボクシングWBO女子世界ミニフライ級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-29×奥脇奈々(エイワスポーツジム/BOM女子ピン級王者)  山田はキックボクシングでJ-GIRLSアトム級王座、プロボクシングでWBO女子世界ミニフライ級王座に就き、キックボクシング6勝無敗2分、ボクシング7勝(2KO)無敗とパーフェクトレコードを残して引退。2019年11月に復帰して無敗記録を更新していたが、2021年3月のK-1でMIOにダウンを奪われプロ格闘家人生初の黒星を喫した。前戦は2022年6月にマリーヌ・ビゲイに判定勝ち。戦績は11勝1敗2分。  奥脇はムエタイルールを中心に活躍し、『BOM』を主戦場に様々な団体に出場。2021年12月に初のタイトルとなるBOM女子ピン級王座を獲得。2022年4月、K-1に初参戦して森川侑凜に判定勝ちした。戦績は6勝12敗1分。  1R、奥脇は左ミドルと左インローを蹴りつつ左へ回り込んでいく。山田はじりじりと前へ詰めるが、ローに右ストレートを合わされる。すると山田は離れた距離からの右ストレートを伸ばしていき、これでヒットを奪っていく。  2R、山田の入り際に蹴りを合わせようとする奥脇に、山田は鋭いステップインからの左ジャブ、さらに右オーバーハンドをヒットさせる。山田に入られてパンチをもらい始める奥脇。山田は前蹴りも使う。  3R、奥脇の蹴りにジャブ、右ストレートを合わせる山田へ奥脇も負けじと右フックをヒットさせる。山田も飛び込んでのクリンチが多くなり、やや膠着状態に。奥脇も逆転を狙って蹴りを放つが、判定3-0で山田の勝利となった。 [nextpage] ▼第5試合 Krush女子ミニマム級 3分3R延長1R〇真美(Team ImmortaL/NJKFミネルヴァライトフライ級王者)判定3-0 ※29-28×2、30-28×MOE(若獅子会館)  真美はアマチュアで15戦全勝の戦績を引っ提げて2018年10月にプロデビュー。2021年11月にERIKOを破り、NJKFミネルヴァ・ライトフライ級王座を獲得した。2020年6月からはKrushに参戦し、3勝2敗。前戦は1月にYuka☆から勝利を収めている。戦績は11勝(3KO)6敗。  MOEはK-1アマチュアの大会から実績を積み、現役女子高校生ファイター(現在は卒業)としてKrushのリングで活躍。2020年11月には菅原美優とKrush女子アトム級王座を争った。2022年からはミニマム級に階級を上げると3連勝の絶好調。戦績は6勝5敗。  1R、両者ともパンチからロー&ミドルへつなげていく中、MOEが右のカウンターを合わせてに行ってヒットを奪う。MOEペースになってきたかと思われたが、MOEの右フックに真美が右フックのカウンターを合わせてダウンを奪う。真美は慎重に右カーフでダメージを与えていく。  2R、MOEはコンビネーションを回転させるも離れ際に真美の右フックをもらってグラつく。真美は右ロー&カーフを蹴りつつのパンチのコンビネーション、MOEは左インローを蹴っていくが真美の右フックをもらう。  3R、MOEはパンチから蹴りにつなげていき、逆転を狙ってのハイキックを連発するが真美はしっかりアームブロック。MOEはかなり手数を出すも真美は下がらず前へ出て左右フックを繰り出していき、ローを蹴る。  判定は3-0でダウンを奪った真美の勝利となった。 [nextpage] ▼第4試合 Krush女子アトム級 3分3R延長1R〇チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)判定3-0 ※30-28、30-29、30-27×KAI(ファイティスジムMSC)  チャン・リーは2018年9月の『KHAOS.6』からK-1 JAPAN GROUPの大会に初参戦、女子アトム級の主力選手として活躍。2021年6月のKrush-EXでは期待のJKホープの紗依茄から判定2-1で勝利をもぎ取ったが、11月のKrushでは山田真子に判定負け。2020年1月には新鋭のKihoに勝利し、6月のK-1女子大会では紗依茄から自身初のKO勝ちを奪った。10月には菅原美優のKrush女子アトム級王座に挑戦したが、KOで敗れ今回が再起戦。戦績は7勝(1KO)8敗1分。  KAIは空手をベースとするMMAファイターで2014年からDEEP JEWELSに参戦。MM戦績は5勝6敗。2021年8月にKrushに初参戦するとC-ZUKAに延長R判定2-1で惜敗、11月にはYuka☆に判定負け、2022年6月にはケイト・ウィラサクレックに判定負けで3連敗中。キックボクシング戦績は1勝3敗。  1R、KAIのワンツーに対してリーはワンツー&右ミドル、さらに右カーフ。KAIも足を止めてワンツーを返していくが、リーチの長いリーの右ストレートをモロにもらってしまう場面が目立った。  2R、ジャブと前蹴りで距離をとり、ワンツーを当てに行くリーにKAIは下がらずワンツー&左フック。KAIの右フックを被弾sh、鼻血を出すリーだが、前蹴りでKAIを転倒させるなど有効打はリーか。  3Rも両者は激しく打ち合う。KAIの左ボディを交えたコンビネーションパンチに下がる場面もあったリーだが、口を大きく開けながらも前へ出てワンツーを連打、ヒザ蹴りも突き刺す。最後はリーの気迫に押されたか、KAIがコーナーへ詰められた。  判定は3-0でリーが勝利をもぎ取った。 [nextpage] ▼第3試合 Krush女子アトム級 3分3R〇紗依茄(月心会チーム侍)判定3-0 ※30-29、30-28×2×Kiho(TeamK.O.Garage)  紗依茄はジュニアで6冠王、第9回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝の成績をあげ、2021年1月にプロデビュー。ジュニア時代から積み上げてきた卓越したテクニックでAIKOから勝利を収めたが、6月の2戦目ではチャン・リーのパワーに屈し初黒星。豊嶋里美、谷田美穂に連勝してチャン・リーとの再戦に臨んだがKO負け。戦績は3勝2敗。  Kihoはアマチュアで20戦以上を経験。2020年12月の『KROSS×OVER』でプロ初のKO勝ちを飾ると、2021年2月からKrushに参戦しているが4敗3分で白星をあげられていない。今回はKrush初勝利を目指す。戦績は3勝(1KO)5敗2分。  1R、Kihoはじりじりと前へ出ていくが、攻撃が単発に終わりがち。対して紗依茄は攻撃を2~4連打へつなげていく。特に左の三日月が鋭く突き刺さる。  2R、右ボディと右ローを繰り出すKihoだが、このラウンドも手数は少ない。紗依茄をロープへ追い詰めても前蹴りで突き放され、攻撃も出ないため紗依茄が攻撃をまとめるのが目立つ。  3Rは前に出て右ストレートを出していくKihoだが、紗依茄のジャブ&前蹴りに阻まれる。それでも詰めようとするとヒザが来る。紗依茄の前蹴りでKihoが転倒し、見栄えが悪い。最後は打ち合いに行ってKihoだったが時すでに遅し。紗依茄が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 Krush女子アトム級 3分3R×谷田美穂(K-1ジム大宮チームレオン)判定0-3 ※26-30×3〇末松 晄(Weed GYM)  谷田は148cmと女子アトム級の中でもさらに小柄ながら攻撃の手を休めない突進ファイター。デビュー以来5敗となかなか勝利をつかめなかったが、2021年6月にAIKOに判定勝ちして嬉しい初勝利。前戦は2022年6月にKihoとドロー。戦績は1勝6敗2分。  末松は今回がKrush初参戦で、福岡出身の17歳。戦績は1勝(1KO)。  1R、ゴングと同時に前へ出ていく谷田だが、末松は左ミドルを蹴り、かなりスピードのあるパンチ&キック。ワンツーから左右ボディへもつないでいく。  2R、末松は谷田が詰めてくるとサイドへ動き、左フックのカウンター。右を打って左ミドル、右を打ってヒザ蹴りと、パンチと蹴りをしっかりつなげていく。谷田は距離を詰めようとするが末松のスピードについていけず、右ストレートの連打でダウンを奪われる。  3Rも前に出る谷田だが、末松はサイドに動いて突進をかわし、右ストレートと左右フック、前に出る谷田にはヒザを突き刺す。スピードは落ちたものの、しっかり動いて最後までパンチを当てていき、機動力とスピードを活かした末松が判定3-0で圧勝を遂げた。 [nextpage] ▼第1試合 Krush女子フライ級 3分3R〇小澤聡子(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定3-0 ※30-27×3×上野hippo宣子(ナックルズGYM)  小澤は10勝23敗4分の戦績を持つ大ベテランで、2022年2月にTOODY NAOMIに勝利すると、2023年2月の九州キックではBreakingDownの“土木ネキ”こと坂本瑠華にも勝利した。  当初、NA☆NAが小澤の対戦相手に決まっていたが、練習中の頭部のダメージにより欠場。代わって4勝11敗3分の上野が小澤と対戦することになった。上野は4月2日に地元・岡山で試合をして勝ったばかり。  1R、気合いの声を発しながら右ローと右フックで前へ出る小澤。その気迫に押された上野だが、立ち止まって左右フックで反撃。しかし、小澤は上野のパンチをもらいながらも前へ出て右フックと右ローを打ち続ける。  2Rも突進する小澤は右フックに加えてヒザ蹴り、右カーフも蹴るが、上野は右フックをひたすら連打してヒットを奪っていく。小澤も負けじと右フックで反撃し、右フックで上野を追い詰める。  3Rは上野が前に出て左右フックを連打。右ミドルや右ローも混ぜる。手数を出す上野だが、小澤が雄叫びをあげて繰り出す右の一発のパワーにバランスを崩す。さらにワンツー連打で勝負をかけた小澤が判定3-0フルマークで勝利を収めた。
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