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【PFL】東よう子、PFLデビュー戦はTKO負け、ケイラ・ハリソン破ったパシェコが元Bellator王者バッドも下す、ライブロックが左ハイKO勝ち! ヘビー級カッペローザがシェフェルにリベンジKO、モハメド・アリの孫が1R TKO勝利

2023/04/08 08:04
 2023年4月7日(日本時間8日)、米国ネバダ州ラスベガスのザ・シアターにて『PFL 2: 2023 Regular Season』が開催された(4月8日AM8時~DAZN配信)。前週の工藤諒司に続き、日本から女子フェザー級に東よう子(リバーサルジム新宿 Me,We)が出場した。またメインカードでは異例のアマチュア戦も行われ、モハメド・アリの実孫ビアッジオ・アリ・ウォルシュがアマMMA4戦目に臨んだ。 【女子フェザー級・リーグ戦】 ▼メインイベント 女子フェザー級 5分3R〇ラリッサ・パシェコ(ブラジル)146.0ポンド(66.22kg)20勝4敗(3P)[判定3-0] ※30-27×2. 29-28×ジュリア・バッド(カナダ)145.6ポンド(66.04kg)16勝6敗  女子フェザー級では、2022年11月にケイラ・ハリソンに16戦目で初黒星をつけたPFL世界女子ライト級王者のラリッサ・パシェコ(ブラジル)が参戦。元Bellator女子フェザー級王者のジュリア・バッド(カナダ)と対戦する。  前日計量で先に登場したバッドは145.6ポンド(66.04kg)でパス。続けてパチェコも146.0ポンド(66.22kg)でパス。ともにスケールの上でガッツポーズを見せると、フェイスオフでは10秒間ほど視線を合わせた。余裕の笑みを浮かべるパチェコに対し、バッドは表情を崩さず頷き、最後はともに握手をかわした。  ムエタイベースでUFCではバンタム級で戦い、TUFでフェザー級、PFLではライト級で戦ってきたパシェコはPFLフェザー級でどんなパフォーマンスを見せるか。  対するバッドは、MMA11連勝・Bellator7連勝で臨んだクリス・サイボーグ戦で4R TKO負け。その後、Bellatorで2連勝後、2021年10月からPFLに参戦し、ケイトリン・ヤングを相手に拝呈勝ちで初陣を飾るも、2022年5月にジナ・ファビアン、11月にアスペン・ラッドにいずれも判定負けで2連敗中。ライト級王者を相手に再起を果たせるか。  1R、ともにオーソドックス構え。先に詰めるパシェコは、バッドの右ローに右ストレートを合わせる。さらに強い左ミドル! ケージから出たバッドにさらに右フック。ワンツーで詰めると、バッドも左ジャブを内側に突く。パシェコの右、左を頭をずらしてかわすバッドはダブルレッグテイクダウン! 三角絞めを狙うパシェコに鉄槌。さらに持ち上げスラムして両肩を中に入れる。  クローズドガードのパシェコ。上のバッドはパシェコの腕十字もかわしてインサイドガードから金網に押し込み鉄槌。パシェコは三角に組むがゴング。  2R、詰めるパシェコのワンツーに右を返すバッド。右で差して組むパシェコに首相撲に持ちむバッド。首抜くパシェコは詰め。サークリングするバッドに右ローを当てる。ワンツー。さらにスリーフォーと繋ぐパシェコにガード固めて凌ぐバッドは右フックを返す。  ワンツー右の蹴りの打ち終わりに右ストレートを突くバッドはシングルレッグへ。これを胴を掴んで切り返したパシェコが上に。ハーフから右で枕に巻いて背中を着かせると、ハーフのバッドにパスを狙うが、バッドも腹下に潜り凌ぐ。  3R、詰めるのはパシェコ。右ローも。ベタ足で詰めるパシェコは右から右ローも、細かくステップを踏むバッドも右を返す。左ハイはブロックしたパシェコが右で差して組んで脇を潜り、スタンドバックに。左足をかけて引き出して崩すとバツドは亀に。  パシェコの腕十字狙いをまたいで外したバッドが上に。しかしニーシールドから押し込み上体を立てたパシェコに、バッドは上の取いからバック狙うが、落とされ下に。ハーフのパシェコは、パウンドをボディに連打! ゴングに下のバッドを起き上がらせ、互いにハグ。判定へ。  判定はバッドに決定打を許さず、要所で有効打を当てたパシェコが3-0で勝利。ライト級に続きフェザー級でも頂点を目指し、好スタートを切った。 [nextpage] ▼女子フェザー級 5分3R〇マリナ・モクナトキナ(ロシア)146.0ポンド(66.22kg)9勝3敗(5P)[2R 1分29秒 TKO] ※パウンド×東よう子(リバーサルジム新宿 Me,We)144.8ポンド(65.68kg)8勝3敗  同じくフェザー級リーグ戦で、DEEP JEWELSフェザー級王者の東よう子(リバーサルジム新宿 Me,We)が、マリナ・モクナトキナ(ロシア)と対戦する。  DEEP JEWELSの前戦ではバンタム級でダイヤモンドローズに3R TKO勝ちしている東は、PFL初の計量でオレンジ色の髪で144.8ポンド(65.68kg)とアンダーでパス。対するモクナトキナは、PFLの前戦でライト級で戦っており、今回はフェザー級(+1ポンド許容)の146.0ポンド(66.22kg)でパス。フェイスオフ後は互いに両手で握手をかわしている。  東は柔道の元全日本強化選手。2002年全国高等学校選手権78kg級優勝、2003年フランスジュニア国際大会同級3位などの実績を持つ。  2017年12月にPANCRASEでプロデビューし、5勝2敗でバンタム級1位に。2021年6月にDEEPでKINGレイナに判定勝ちすると、2022年5月の再戦でも判定勝ちし、DEEP JEWELS初代フェザー級王者となった。2022年11月には、ラスベガス修行も経て、2年ぶりにバンタム級に戻してダイヤモンドローズことティタパ・ジュンソークプランに3R、TKO勝ちしている。  対するモクナトキナは、女子参加が禁止されているキルクリフFCで唯一練習が認められている有望株。サンボで6度の世界王者、2度の欧州王者、6度のロシア国内王者に輝いた実績を持つ。2017年の世界大会では68kg級で腕十字、ストレートフットロック等で優勝。  2016年から出場しているMMAでは8勝3敗。うちロシア・Fight Nights Globalで4勝1敗。その黒星は元UFCのリアナ・ジョジュアに判定負け。Bellatorではジャネイ・ハーディングに判定負け、アマンダ・ベルに判定勝ちで1勝1敗となっている。  2022年5月にはPFL女子「ライト級」でケイラ・ハリソンと対戦し判定負けながら、5試合連続フィニッシュ勝利していたハリソンを相手に判定まで持ち込む善戦で、「ハリソンに初めてフィニッシュされなかった選手」となった。その後、2022年7月にアビイ・モンテスにスプリット判定勝ち後、12月のRCCでフェザー級に転向。タチアナ・アギュイアラにアメリカーナで一本勝ちしている。  MMAキャリア8勝のうち5つの一本勝ちは、腕十字2回、アキレス腱固め、ニーバー、そして直近のアメリカーナとサンボ時代から得意とする極めが多い。ハリソンとの試合では、ビクトル投げからのヒザ十字も見せており、柔道ベースの東にとって「すべて研究してきた」という投げ、そして足関節には早めの対処が必要だ。 1R、ともにオーソドックス構え。先に詰める東にモクナトキナは右ストレートを打ち込む。右を振って組んだ両者だが離れる。ワンツーをヒットさせるモクナトキナ! 右で差して金網まで押し込みヒザ。右足にシングルレッグで横に崩すと金網背に立つ東が右で差してボディロック。大腰狙いも、体を入れ替えるモクナトキナ。  突き放して離れる東にオーソから左ミドルのモクナトキナ。ブロックする東はワンツーで前に。さらに左ジャブの刺し合いも、すぐに右に繋ぐのはモクナトキナ。「大きいの狙いすぎるな」という山崎剛代表の声に、ジャブから突く東だが、モクナトキナはそこにダブルレッグテイクダウン!  立ち上がる東を投げて両手をマットに着かせてバックテイク。リアネイキドチョークを狙うが組み手争い。残り3秒でモクナトキナは絞めもゴング。モクナトキナのラウンド。  2R、ワンツーで前に出る東に下がりながら右を突くモクナトキナ。東が前に出たところにダブルレッグテイクダウン! 中央で倒された東をエビを打つが、詰めるモクナトキナがハーフから脇差しパスガード。サイドから東の左腕を固めてクルスフィックスにとらえて、パウンド連打! 右脇も差されたまま動けない東に右のパウンドを打ちこみ、レフェリーが間に入った。  モクナトキナはリーグ戦で5Pを獲得する初戦の勝利に。東は2戦目での勝利を目指す。 [nextpage] ▼女子フェザー級 5分3R〇オレナ・コレシニク(ウクライナ)146.4ポンド(66.40kg)8勝5敗(2P)[判定2-0] ※29-28×2, 28-28×アスペン・ラッド(米国)145.6ポンド(66.04kg)10勝3敗※コレシニクが体重超過。ファイトマネーの20%を没収され、リーグ戦で1ポイントマイナスに。  体重超過のコレシニクは坊主頭にするが、一回り大きな体躯。元バンタムのラッドは、2022年11月にジュリア・バッドにスプリット判定勝ちも小ささが目立つ。   1R、サウスポー構えのコレシニクのジャブの打ち終わりに組みに行くオーソドックス構えのラッド。切るコレシニクに右ハイもスリップ。その立ち上がりにコレシニクは左ミドルを入れる。  前手の右ジャブを突き、左インローのコレシニク。ラッドは左ボディで前に出て、コレシニクの左回りに右フックで止める。さらにオーソから左ローを当てるラッド。コレシニクのワンツーの左をダックでかわす。ラッドの右ストレート、コレシニクの左ストレートが交錯。  2R、右から左を伸ばすラッドは左ミドルに繋ぐ。コレシニクのサークリングにラッドは前足にシングルレッグへ。右手で小手に巻くコレシニクに左足をかけようとするが、足を外したコレシニクは金網背に防御。ラッドの崩しを凌ぎ、右で小手に巻いての投げ!  下のラッドは足にからむとコレシニクは離れる。追うラッドは再びシングルレッグもすぐに差し上げるコレシニクは体を入れ変え、左ヒザを2発入れて離れて、距離を取る。  3R、詰めるラッドに、サークリングするコレシニクは左ロー。追うラッドはダブルレッグから崩してスタンドバックに。スイッチ狙うコレシニクにヒザを突き、左で差してボディロックテイクダウン!  マウントを奪うと、パウンドからバックマウント。両足をかけてリアネイキドチョークを狙うも極め切れず。  判定は3Rにテイクダウンを奪うも極め切れなかったラッドに、細かい打撃を入れたコレシニクが2-0で辛勝。体重超過のマイナス1Pがあり、判定勝ちで2Pを獲得した。 [nextpage] ▼女子フェザー級 5分3R〇アンバー・ライブロック(米国)145.6ポンド(66.04kg)7勝4敗(6P)[1R 2分19秒 KO] ※左ハイキック→パウンド×マルティナ・インドロヴァ(チェコ)145.6ポンド(66.04kg)6勝4敗  1R、ともにオーソドックス構え。右から打ちこんだインドロヴァ。左右からのライブロックの組みを突き放す。  ジャブのライブロックに、右カーフを打つインドロヴァ。ライブロックの入りに右を突くが、高いガードでムエタイの構えのライブロックは、オーソからスナップを効かせた左ハイキック!  インドロヴァが後方にダウンし、鉄槌3連打にすぐにレフェリーが間に入った。ライブロックは初戦で6Pを獲得。4連勝をマークしたライブロックは、ギルバート&ケリー・メレンデス夫妻らコーチ陣に感謝の言葉を語った。 [nextpage] ▼女子フェザー級 5分3R〇エヴリン・マルティンス(ブラジル)145.8ポンド(66.13kg)5勝0敗(3P)[判定3-0] ※29-28×3×カロリーナ・ソベック(ポーランド)145.6ポンド(66.04kg)4勝1敗  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローを連打で突くマルティンス。左ローを掴んだソベックがテイクダウン。ハーフから右で脇差すが、両足を戻すマルティンス。右手でアームインギロチンチョークを狙いながら、金網に這う。  中腰になり金網に押し込むソベック。マルティンスは後方に頭を反らせないため極め切れない。首を抜いたソベック。頭を下のマルティンスのアゴ下に置いて押さえ込み、細かいパウンドを打ち込みゴング。  2R、先に詰めるソベックに、右で差して小外がけテイクダウンはマルティンス! そのままサイドを奪い、レッグドラッグで肩パンチ。蹴り上げで立ち上がるソベックだが、マウスガードが外れ、装着。  スイッチして左右のマルティンスに、右を振り組みに行くソベックだが、右を差すのはマルティンス。両差しとなるも右を差し返すソベックは四つに。押し込み左ヒザを突くマルティンスが取り戻したラウンドに。ゴング。  3R、左を突いて前に出るソベックにまたも組み勝つのはマルティンス。四つからシングルレッグに切り替える。差し上げるソベックにヒザ。首投げを狙うソベックに離れるマルティンス。  ソベックは右を当てて前に出るが、組むマルティンスは右差し押し込み。ソベックの体を入れ替えを許さず。ヒザ裏を掴んでテイクダウン! アンクルロックに行くが、蹴って外したソベック。すぐに上を取りに行くマルティンスに、ソベックも上体を上げて立ち上がり。左を突いて前に出るが、マルティンスが体を入れ替え、ゴング。   判定は3-0(29-28×3)でマルティンスが勝利。3Pを獲得した。 [nextpage] 【ヘビー級リーグ戦】 ▼ヘビー級 5分3R〇ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)240.8ポンド(109.22kg)16勝6敗[1R 2分15秒 TKO] ※右ストレート×マテウス・シェッフェウ(ブラジル)258.0ポンド(117.02kg)17勝10敗  カッペローザは、RIZINでイリー・プロハースカと対戦(1RKO負け)後、2021年からPFLに参戦し、リーグ戦優勝。しかし、5連勝からシェッフェウに判定負け。決勝トーナメントは負傷欠場している。  対するシェッフェウは、2022年シーズン初戦でアンテ・デリアの右クロスに2R KO負けしたが、2戦目でカッペローザに判定勝ちで決勝トーナメント進出。準決勝はフアン・アダムスに3R KO勝ちも、決勝で再びデリアに1R KOで敗れ、100万ドル獲得ならなかった。  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブを上下に突くカッペローザ。シェッフェウは右ローを返す。シェッフェウの右ストレートを左手ではじくカッペローザ。  左ジャブをこつこつ突くカッペローザは、左ジャブから右ストレートのワンツー! その場にヒザから崩れ落ちたシェッフェウに鉄槌連打し、レフェリーを呼び込んだ。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇リズヴァン・クニエフ(ロシア)13勝2敗1分(3P)[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×ヘナン・フェレイラ(ブラジル)9勝4敗  フェレイラは、チームノゲイラ所属。2022年にヘビー級予選リーグで3勝(内2試合をフィニッシュ)で決勝トーナメントに進出し、準決勝でアンテ・デリアに1R KO負け。  ロシアのクニエフは、2015年8月のIGFで現UFCのジャスティン・ウィリスに判定負けしたが、その後、10連勝中。2022年3月には、Eagle FC 46で元UFCのアンソニー・ハミルトンに1Rギロチンを極めて一本勝ち。Eagle FCヘビー級王座を獲得している。  1R、左を強振し、右差しから左差しに変えて押し込むクニエフ。金網背にするフェレイラに、右ヒザを突く。突き放すフェレイラをすぐに左右で追うクニエフは左で差してボディロックテイクダウンを狙うが、金網背に残すフェレイラ。  左で差して右ヒザを突くクニエフに、体を入れ変えるフェレイラが捨て身気味に後方に投げも、すぐに立つクニエフが押し込み。  2R、その場の跳びヒザでスリップしたフェレイラが下に。下になるフェレイラは足関節。足を抜き、ハーフからキムラ狙いのクニエフをケージウォークでスイープし、マウントから肩固め狙い。  外して上体を起こしてきたクニエフに下から腕十字を仕掛けるが、ヒジを外すクニエフは足を捌いて中腰からパウンド。  3R、先に詰めてクリンチボクシングのクニエフはいったん離れても左ストレートを当てて押し込み。内股で投げてサイドを奪うと、サイドバックでパウンド。  そこですぐに立つフェレイラだが、クニエフはなおもボディロックテイクダウン。鉄槌で削りながらニーオンでパウンド。フェレイラがハーフに戻してヒザ十字を狙うもクニエフもクラッチを掴みヒザを伸ばさせずゴング。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇モーリス・グリーン(米国)10勝7敗(5P)[2R 1分20秒 TKO]×マルセロ・ヌネス(ブラジル)9勝1敗 ケージに詰めたグリーンが、首相撲から右ヒザを突き、左右を当て、最後は左ストレートの3連打でヌネスが背中を見せ、レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇ダニロ・マルケス(ブラジル)14勝4敗(3P)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ヨルガン・デ・カストロ(カーボベルデ)9勝4敗 [nextpage] ▼アマチュアライト級 3分3R〇ビアッジオ・アリ・ウォルシュ(米国)[1R 1分42秒 TKO] ※右ストレート×アイザイア・フィゲロア(米国)  今回の会場があるラスベガスで育った24歳のビアッジオ・アリ・ウォルシュは、モハメド・アリの実孫。  アリの娘の息子で、弟のニコ・アリ・ウォルシュはトップランクボクシングのスーパーミドル級で8勝0敗と活躍中だが、兄のビアッジオは、ボクシングではなくアメリカンフットボールがベース。  祖父モハメド・アリが試合をしていたラスベガスのシーザーズ・パレスのナイトクラブで働き、MMAファイターを目指し、ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーで練習してきた。  アマMMA戦績は2勝1敗。黒星はリアネイキドチョークでの一本負け。対するフィゲロアはアマMMA1勝(1KO)1敗。  ビアッジオ・アリ・ウォルシュは、祖父や弟の足跡をたどらず、MMAを志した理由を「パンチしてもキックしてもテイクダウンしても極めてもいい──様々な方法で相手を打ち負かすことが出来るのが好きなんだ」と語る。 「僕と弟が関係しているという理由だけで、多くの人間がくだらない話をして、『モハメド・アリの孫に勝った』と言いたがるけど、僕は気にしない。相手の持っているものをすべてと自分のすべてを賭けて戦い、勝利するつもりだ」  1R、先に右ローのフィゲロアはダブルレッグも両足を後方に飛ばしてスプロールするアリ。金網に詰めての左右から右アッパー、右ハイも見せる。  さらに詰めるアリに右カーフを打つフィゲロア。構わず左から右を当てたアリはアグレッシブに攻めると、左ジャブを伸ばして、フィゲロアが左フックを打ってきたところに、伸びる右ストレートをカウンターでクリーンヒット! ヒザが落ち、金網に詰まったフィゲロアにアマチュア戦らしくレフェリーが早めに間に入った。  見事なKO劇に、エクストリーム・クートゥアーで練習も見るレイ・セフォーPFL代表がケージの中に入り、アリを祝福。  試合後、アリは「右ストレートは間違いなく僕のお気に入りの武器の一つ。ホームタウンでの試合で、少しナーバスになった」と生まれ育ち、祖父が戦った街での試合について振り返った。  今後について問われると、「次? また戦って勝って、そしてその後も戦って、その次も戦う。僕は戦い続け、プロになって戦う」と、MMAで上を目指すことを宣言。 『モハメド・アリの孫』であることのプレッシャーを問われ、「自分の名前を作っていくこと。自分自身のレガシーを築き上げること。僕は他のファイターと全く同じことに取り組む。より少しプレッシャーがかかり、注意することも少し増えるだろうけど、それは本当に問題にならない」と力強く語った。  PFLは世界最高峰のUFCとのパイプが強い団体で、早くもその夢が報道されるビアッジオ・アリ・ウォルシュだが、まだアマチュアで3勝1敗。プロMMAでの最初の一歩は、これから踏み出すことになる。
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