MMA
インタビュー

【RIZIN】石渡伸太郎と対戦する佐々木憂流迦、減量から内臓疾患の恐怖を語る

2019/07/19 21:07
7月28日さいたまスーパーアリーナで開催される「RIZIN.17」セミファイナルで石渡伸太郎(CAVE)と対戦する佐々木憂流迦(Serra Longo Fight Team)が7月19日、リバーサルジム新宿Me,Weで公開練習を行った。 佐々木は、元修斗環太平洋バンタム級王者。UFCではパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2度獲得するなど活躍し、2018年大晦日にRIIZNデビュー。マネル・ケイプに判定勝ちを収めている。 公開練習では、シャドーボクシングを1R行った後に、オーソドックス、サウスポーと1Rずつスタンスを変えて、山崎剛代表が持つミットにパンチのコンビネーションを打ち込んだ。 2019年4月の「RIZIN.15」では朝倉海と対戦予定だったが、内臓疾患により急遽欠場。今回の石渡との試合が約8カ月ぶりの復帰戦となる。 現在の体調について佐々木は、「医者から大丈夫と言われているので、大丈夫です」と語りながらも、欠場の原因となった内臓疾患については「(診察に行く前も)動きとかは全然出来ていたので自分では分からなくて。嫁に病院に行けと言われて、ニューヨークの緊急病院に行ったらヤバくてびっくりしました」と、一時は深刻な状況だったことを明かした。 「全然動いちゃダメだし、お腹に負荷を加えてはダメだったんでトレーニングができなくて、ちょっと心配でしたね。医者からは1カ月くらいは動くなと言われていて。原因は詳しくは分からないですが、減量のダメージだと思うんですけど、目が黄色くなって黄疸が出て、(スパーリングで)ボディーに入ったら『あっ、痛い!』となって、『こんなに痛いのはないだろう?』と思ってそのまま入院となりました」 「いまは数値も落ちて、完治しました」という佐々木は、59kg契約で戦った前戦と異なり、今回はバンタム級相当の61kg契約で戦う。 「今回は減量も無くなって負荷も軽くなって安心です。あわよくばもっと上を……普段は節制していないとメチャクチャデカいですし(笑)」と更なる階級アップも視野に入れる。  180cm近い長身の佐々木は、骨格的には増量すればヘビー級も? と水を向けられると、「中邑真輔さんのようには無理です」と笑顔。和術慧舟會(駿河道場)出身で、現在ニューヨークを拠点としている佐々木は、かつて慧舟會で練習を行っていた現WWE・インターコンチネンタル(IC)王者の中邑真輔とUFC時代から交流があり、米国で食事に誘われたことがあるという。 「中村さんは色気がすごいですよね。いるだけで色気が溢れている(笑)。前に行っていたムエタイのジムで一緒に練習したことがあり、ご飯に誘っていただきました。MMAファイターとは異なる観点でファイトビジネスを見ていて、プロとしての魅せ方を学びました」と“アーティスト”を語る佐々木は、7月にIC王座に就いた中村に倣い「いつか僕もRIZINのベルトを獲って、また食事したいです」と語った。 佐々木憂流迦「(石渡の)穴を何個か見つけてるので、そこを攻めていければ」 ──現在のコンディションは? 「いいですね。フライからバンタムにあげて今回2kg上なんですけど、いつもより減量が苦じゃなくて、まだ組み力も残っているのでいい感じです。ちょっと懐かしいですね。バンタムでやった時の懐かしさを感じます」 ──動きやすいですか? 「動きやすいですね。フライだと普段から結構キツめに節制して、試合前にヘロヘロで組みで力が入らない状態時だったんで、バンタムだと少し違います」 ──今回はいつ日本に入りましたか? 「1週間前くらいですかね?(試合の)14日以上前に入ってます。なので時差ボケはないです」 ──早く日本入りした理由は? 「こっち(日本)でも調整出来るというのと、時差ボケが結構辛いので早めに入った方が慣れるかなと思って」 ──大晦日は時差ボケがきつかった? 「慣れてきたかな? くらいでした」 ──デリケートな話ですみません、体調は回復されたのでしょうか? 「もう大丈夫です。数値も大丈夫、医者に言われているので、大丈夫です」 ──動けない時期もあったのですか? 「動きとかは全然出来ていたので自分自身では分からなくて。嫁に病院に行けと言われて、大丈夫だよ、と言っていたのですが、行ってみらヤバくてびっくりしました」 ──ではトレーニング出来ない時期もあったのですね。 「出来ない時期がありました。全然動いちゃダメだし、全然出来なくてちょっと心配でしたね。医者からは1カ月くらいは動くなと言われてて。でも今は全然大丈夫っす。バッチリ仕上げてきているので」 ──石渡選手と5年半越しの因縁があるという事ですが、この1戦にどんな思いがありますか? 「どんな思いですかね? でもやっぱりすごい好きな選手なので。ファイトスタイルとかも好きで。こうやって戦えることがすごく楽しみというかワクワクします。5年半経ってもそれは変わらないですね」 ──過去に挑戦状を叩きつけた理由は? 「あの時点で日本人最強、トップクラスの実力だったので、ここでクリアすれば先が広がると思ってですね」 ──5年半、待っている間の気持ちは? 「待っていたというか、その後すぐに戦う場所が2人とも変わっちゃったんで、待ってたという意識はなかったですね。でもまさかここでやると思わなかったので、ビックリです」 ──この1戦が今後の分岐点になるかと思いますが、勝ってこれからどうしていきたい? 「先の事は分からないっスからね。毎試合そうですけど、勝って広がっていくと思うんですけど、先は分からないから、とりあえずこの試合に尽力して勝ちにいくことが大事なんじゃないかなと思います」 ──ベルトへの興味も? 「ベルトは欲しいですね。はい(笑)」 ──今日の練習はオーソドックスからサウスポーに構えてのミット打ちでした。ケイプ戦のときはサウスポー構えでしたが、今日の公開は何か意図があるのですか? 「そうですね、結構UFCに入ってからオーソも練習するようになって。両方出来ないと厳しいので対戦相手によって変えますね。今回もいい作用が働けばオーソでやることもあると思います。あと何個か今回やりたいこと、チャレンジしたい事もあるので、ぜひそれを見てもらえれば」 ──それは今までやっていないチャレンジですか? 「今までやっていないですね。やっぱりUFCの時もそうですけど、納期(試合までの間隔)が早くて、次の試合、次の試合と新しいチャレンジをしないと成長が止まっちゃうので、今回もやってみたいですね」 ──ニューヨークではUFCで4連勝中のアルジャメイン・スターリング選手と練習されているかと思いますが、どんな刺激になっていますか? 「やっぱりスパーリングですよね。ガチのスパーリングが週1であるんですけど、アルジャは強いですから。特にケージ際がめちゃくちゃ強いので、凄い勉強になります。あと、彼とは同い歳なんですけど、高いレベルで勝っているのですごい刺激になってます。今回はセコンドで来ますよ。飛行機に乗り遅れなければ(笑)。大丈夫かな、とずーっと思っているんですけど」 ──マネル戦では低いタックルも見せていました。スタイルが変わった印象を受けたのですが? 「マネル戦についてはああやった、という感じですね。彼は反応がものすごく良いので。そこの反応勝負で付き合うと苦しい試合展開になると思ったので、そこを避けて潰していくようなあの作戦でやりました。今回はまた違った形でパフォーマンス出来ると思います」 ──石渡選手はテイクダウンディフェンスもすごく強いですし、立ち技で向き合う時間も増えてくると思いますが、その面での対策は? 「もうバッチリですね。穴も何個か見つけてるので、そこを攻めていければなと思います。5分3R、15分間でそこを攻めていきたいですね」 ──今まで石渡選手と舞台裏や練習場で話をしたことはありますか? 「練習もやった事もあったりして、もうめちゃくちゃ強いし、凄い強いファイターで尊敬する人の一人でもありますし、好きな選手の一人でもあります」 ──それはUFC時代ですか? 「そうですね」 ──ご自身が石渡選手より勝っていると思う部分はどこでしょう? 「優っている部分……どこだろうなあ。すごく細分化しちゃえば勝っている部分も、勝られている部分もたくさんあると思うんで、そこの取り合いの15分間になるんじゃないかなと思う。結果論として、KOか一本を取れればいいかなと思ってます」 ──仕留めるにしても15分はかかると思いますか? 「その気持ちを持ってないと途中で集中力切れちゃうので、15分間はやり切るつもりで。途中で決められるなら一気に行く。そこは培ってきたものなので。行けそうだったら一気に行きます」 ──「ベルトが欲しい」とのお話がありましたが、Bellatorでのニューヨークでの堀口選手の試合はどう受け止めていますか? 「最近すごくニューヨークで感じるのは、行った当初とかはあまり向こうの選手がRIZINを知らなかったんですけど、最近はRIZINに出たい、という軽量級の外国人選手も増えて、知名度が上がってきているなと思うし、『ホリグチ』という言葉も向こうで良く聞くので、現地でも受け入れられているんじゃないですかね」 ──朝倉海選手との試合が流れ、その朝倉選手が堀口選手と戦う事については? 「試合を飛ばしてしまって申し訳なかったという気持ちと、こればっかりはタイミングなので。8月はしっかり試合を見たいなと思いますね。また恭司くんの試合を見れるので、何かいい材料を見つけられたらいいなと思います(笑)」
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