2023年3月26日(日)大阪・176boxにて『BODYMAKER presents GLADIATOR 021』が開催された。
長谷川賢タレントリレーションズ代表が直にスカウトしたモンゴルからの2選手、さらにフィリピン、韓国からそれぞれ1選手の4選手が来襲した今大会。
メインでは、MGL-1 FCフライ級王者のニャムジャルガル・トウメンデムベレルが、第3代GLADIATORフライ級王者のNavEと対戦。トウメンデムベレルが1Rわずか7秒で、右ストレート、左フックの連打からのパウンドでKO勝ちし、第4代 GLADIATORフライ級王者となった。
また、コメインでは、第6代GLADIATORバンタム級王者で5連勝中だった神田T-800周一を、モンゴルのテムーレン・アルギルマーが豪快なテイクダウンからパウンドで1R TKO。ノンタイトルながら、王者を粉砕する強さを見せた。
第13試合では、第2代WARDOGストロー級王者でRIZINでも活躍中の中務修良が、フィリピンのエイドリアン・バトト・ジェマーを内ヒールフックで斬って落として2連勝。
第10試合では、第2代WARDOGバンタム級王者のゆうとが、韓国ICKFフェザー級王者のキム・ウィジョンに判定3-0で競り勝っている。
また、第4試合には、アマチュアのバンタム級戦で、平本蓮の実弟・平本丈が出場。飴山聖也と対戦し、剛毅會空手の足運び、蹴り、突きなども見せたが、飴山が力強いテイクダウンから間合いを潰しての左ストレートにダウン。1R KO負けした。
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『BODYMAKER presents GLADIATOR 021』写真・リポート
▼第15試合 GLADIATORフライ級タイトルマッチ 5分3R〇ニャムジャルガル・トウメンデムベレル(ASM association/モンゴル/MGL-1 FCフライ級王者)[1R 0分07秒 KO] ※右ストレート→パウンド×NavE(N★TRUST/第3代GLADIATORフライ級王者)※ニャムジャルガルが第4代 GLADIATORフライ級王者に
GLADIATOR王者のNavEは2018年9月に加マーク納を破り戴冠。2021年9月に宮城友一に判定勝ちで初防衛後、今回が2度目の防衛戦となる。
対するは、当初挑戦予定だったDOUBLE GFCフライ級王者チェ・ドンフン(韓国)の負傷により、モンゴルのMGL-1FC フライ級王者ニャムジャルガル・トゥメンデムベレルがNavEの王座に挑戦することになった。
ニャムジャルガルはウランバートルのASMアソシエーション所属、出身地のボヤンホンゴル県バヤンボラグ村ではモンゴル相撲でナチンの称号を得て、柔道ではアジアオープン3位、モンゴル学生選手権準優勝、柔術は青帯でコンバットサンボではモンゴル選手権で銅メダルを獲得している強豪グラップラー。
MMAではアマ2戦2勝、プロ5戦全勝でMGL-1FC フライ級王座を獲得、現在もベルトを巻く同国軽量級最強の一人だ。
1R、グローブタッチ。サウスポー構えのNavEに、オーソドックス構えのニャムジャルガルが中央を取る。喧嘩四つで前手をともに突く、両者の前足が近い距離。
ニャムジャルガルは同じ足の位置のままステップせずに左ジャブ、続けて顔面に右ストレートをヒット!
NavEの右の打ち返しより速く、返しの左フックでNavEのアゴを打ち抜くと、NavEは前のめりに頭からマットにダウン。ニャムジャルガルの右のパウンド1発とともにレフェリーが間に入った。
ニャムジャルガルが7秒KO勝利。Gladiatorフライ級王座を獲得し、MGL-1FC王座とあわせ2冠王となった。
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神田周一もアルギルマーのスラムからパウンドに沈む
▼第14試合 GLADIATORバンタム級 5分3R〇テムーレン・アルギルマー(Shiqen Beelii/モンゴル)[1R 4分54秒 TKO] ※パウンド×神田T-800周一(パラエストラ広島/第6代GLADIATORバンタム級王者)
2022年4月に福島啓太を破り、GLADIATORバンタム級のベルトを巻いた神田T800周一(パラエストラ広島)が、ノンタイトル戦でテムーレン・アルギルマー(Shiqen Beelii/モンゴル)と対戦する。
ベルト奪取以来、修斗公式戦「闘裸男」で野尻定由を下し、11カ月振りにホームに帰還する神田は初の国際戦でプロ10年目のスタートを切ることとなる。現在、キャリア2度目の5連勝中だ。
テムーレンは23歳の新鋭。モンゴルでシレンビーリ・ジム、マザーライ・ファイティングセンター、112ファイトアカデミーと3つのジムに所属し、長谷川賢タレントリレーションズ代表が112ファイトアカデミーでの練習を見た際に「神田選手との試合が見たい」と直感したという。
MMA戦績はプロで5勝4敗、アマで4勝0敗、MMA以外ではムエタイで4戦4勝(モンゴル選手権優勝)、忍アマラーが代表を務めるSBモンゴル支部でのシュートボクシングは3勝0敗。
散打とコンバットサンボでともに国内選手権銅メダルという結果を残している打撃を軸とする万能型ファイター。ベテランのトータルファイターの神田はテムーレンをいかに攻略するか。
1R、ともにサウスポー構え。アルギルマーは右前手を振る。圧力をかける神田は左後ろ廻し蹴り。かわしたアルギルマーを追う神田は右インローで牽制。神田の踏み込んでの左ストレートに左ストレートを合わせに行くアルギルマー。互いにかわすが、そこにアルギルマーはすぐに右の返しを振り神田をかすめる。
圧力をかけるアルギルマーに、神田は踏み込んでの左ハイを頭部にかすめる。構え直すアルギルマーに右インロー。一瞬スイッチしてサウスポー構えに戻す神田の詰めに右のサイドキックはアルギルマー。
神田は飛び込んでの左スーパーマンパンチ! ここも大きな左を合わせに行っているアルギルマー。その飛び込みのまま近い距離になり右で差して崩そうとする神田を、右で差して投げるのはアルギルマー!
下から左で差して立とうとする神田を右で小手に巻いて潰しに。ハーフガードの神田は頭を胸につけて起き上がろうとするが、そのまま潰したアルギルマーはニアマウントに。しかし亀になる神田。アルギルマーは左腕を狙う。
またいで腕を抜いた神田に対し、アルギルマーはすぐに上からがぶり、バックへ移行。立ち上がる神田のスタンドバックについていく。神田はアルギルマーの左腕を取って、キムラクラッチから引き込み。
そこに上から右手の片手で鉄槌のアルギルマー。左腕を持ちながら立ち上がる神田に、背後から左右のヒザを突くアルギルマー。正対する神田だが左脇を潜っているアルギルマーは再びスタンドバックに。
神田をボディロックから持ち上げテイクダウンすると左足をかけにいく。再び立ち上がる神田は背中を見せながらアームロック狙い。キムラに組んで肩口に回そうとするが、これも前方に潰したアルギルマー。立つ神田に右足をかけて外れるも、左ヒザを背後から神田の顔面近くに突く。
神田が左腕を回して正対を試みるが、そこにボディロックから持ち上げて中央に運んでテイクダウンはアルギルマー! 神田を頭から落とすと、サイドから左パウンド! 神田の動きが鈍くなったところにアルギルマーは右のパウンド・鉄槌を連打。レフェリーが間に入った。
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肋骨骨折の中務がフィリピンのエイドリアンをヒール葬
▼第13試合 GLADIATOR 55kg契約 5分3R〇中務修良(NOMAD ENJOYGYM/第2代WARDOGストロー級王者)[1R 3分39秒 ヒールフック] ※内ヒール×エイドリアン・バトト・ジェマー(エロルデボクシングジム・サウスボックス チェックマット・マニラ/フィリピン)
WARDOGストロー級王者としてRIZINにも参戦し、征矢貴にTKO負けも、2022年7月の前戦で砂辺光久に1R TKO勝ちした中務修良(NOMAD /ENJOYGYM/第2代WARDOGストロー級王者)が、エイドリアン・バトト・ジェマー(フィリピン)と対戦する。
バトト・ジェマーは、フィリピン・ボクシング界の名門エロルデ・ボクシングジム・サウスボックス所属、柔術ではチェックマット・マニラに属するプロMMA2勝1敗1分のファイター。
2022年12月に同じく長谷川スカウトがフィリピン視察を行った際、エロルデ・ボクシングジムで行われたトライアウトに参加していた27歳のファイターで、そのときはレスリングと柔術を融合させたサブミッション・レスラー振りを発揮していたという。
しかし柔術は青帯で、アマ・ムエタイ12勝2敗、アマ・キック4勝0敗、プロでのムエタイは2勝0敗とち技でのキャリアが豊富。2016年、2017年、2022年のムエタイ・フィリピン王者にも輝いている。2023年1月大会に来日したジョン・オルニドと並び、同トライアウトで動きが良く、今回の抜擢となった。
迎え撃つ中務はレスリングベースで打撃力もアップ。1年2カ月振りのGLADIATOR出場、そして初の国際戦でその力を発揮できるか。
1R、サウスポー構えの中務、ジェマーはオーソドックス構え。中務は開始早々左インロー。ジェマーは右前足でミドル、戻してかけ蹴りもジャブのように突く。
ジェマーのワンツーをかわす中務。ジェマーの右ストレートをかわしてダブルレッグテイクダウンは中務。ケージまで這うジェマーは、腰に足を当てるがフックガードに。押し込む中務はパスを狙うが、そこで股を抜けたジェマーは立ち上がり。
その首を抱える中務に、ジェマーはシングルレッグテイクダウン。ギロチンの形から後方に回そうとする中務だが、ジェマーは金網支点に戻す。そこに外掛けから外ヒールは中務。足を解除しようとするジェマーだが、ヒザは抜けず。組み直す中務は内ヒール狙いに。ジェマーもストレートフットロックを狙う。
中務の右のパウンドに足を解いたジェマーだが、右足は深く入ったまま。内ヒールを狙う中務に左足をかけてロックして防ごうとするが、中務はその左足を手で外して右足に内ヒールフック! ヒザが伸びきりタップを奪った。
2連勝でMMA9勝4敗とした中務は、GLADIATORとWARDOGの両代表に感謝の言葉を述べると「勝ったんで、言っていですかね。試合2週間前に肋骨を骨折していて、めちゃくちゃ不安だったんですけど、ボルタレンケツに突っ込んで試合をしてました。なんとか勝てましたが、組んだときにすごく強くてびっくりしました。技術で勝てました。あんまりいい勝ち方じゃなかったと自分では思っていて、もっと強くなってもっともっと試合をして頑張ります」と語った。
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フォークスタイルグラップリングで世羅智茂と前田吉朗と花澤大介が勝利
▼第12試合 PROGRESS フォークスタイルグラップリング ウェルター級 5分2R〇世羅智茂(CARPE DIEM)[判定10-4]×大嶋聡承(今成柔術)
▼第11試合 PROGRESS フォークスタイルグラップリング バンタム級 5分2R〇前田吉朗(ENCOUNTER)[判定10-5]×江木伸成(藤田柔術/LEOS JIU JITSU ACADEMY)
▼第6試合 PROGRESS フォークスタイルグラップリング バンタム級 5分2R〇花澤大介(STUDIO Will)[判定4-2]×ハシャーンフヒト(hassern GYM)
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WARDOG王者ゆうとがキムに判定勝ち、中西が一本勝ち、藤岡がフェルナンドに競り勝つ
▼第10試合 GLADIATORバンタム級 5分3R〇ゆうと(OSC/第2代WARDOGバンタム級王者)[判定3-0]×キム・ウィジョン(JBジム/韓国/ICKFフェザー級王者)
▼第9試合 GLADIATORフライ級 5分2R〇中西テツオ(EQUIPO CERO)[1R 2分43秒 リアネイキドチョーク]×宮川日向(SMOKER GYM)
▼第8試合 GLADIATORフェザー級 5分2R〇藤岡 陸(GSB多治見)[判定2-1]×フェルナンド(PITBULL BROTHERS/SMOKER GYM)
▼第7試合 GLADIATORウェルター級 5分2R〇阿部光太(TRIBE TOKYO MMA)[1R 0分13秒 KO]×橋本健吾(総合格闘技道場Reliable)
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平本蓮の実弟・丈が、間合い潰した飴山の左ストレートにダウン
▼第4試合 アマチュア バンタム級 3分2R〇飴山聖也(ENCOUNTER)[1R 2分07秒 KO] ※左ストレート→パウンド×平本 丈(剛毅會)
平本蓮の実弟・平本丈は19歳にしてキック歴14年、伝統派空手出身の平本丈は、『格闘DREAMERS』の「入れ替え戦」で名津井楓にアナコンダチョークで一本勝ち。最終審査でEXFIGHTの鈴木崇矢に2R TKO負けしている。
その後もMMAの研究を怠らず、世界のMMAファイターに精通するなど「平本蓮の情報源」にもなっているという。蓮とともに剛毅會空手での稽古の成果を、1年11カ月ぶり試合でいかに発揮するか。関西アマチュアMMAから初出場となる飴山聖也(ENCOUNTER)とバンタム級で対戦する。
平本丈のセコンドには、ともに剛毅會で練習する兄・平本蓮と大塚隆史がつく。
1R、サウスポー構えの平本は腰を落とし気味にヒジの位置も低い構え。飴山はオーソドックス構え。飴山の左フックをかわすと右前蹴りも、そこに飴山は左フックを狙う。
左前蹴りを腹に突く平本。飴山の詰めに下がりながらスイッチする平本は、飴山の入りに右ストレートをヒット。しかしヘッドギアをつけた飴山は構わずシングルレッグへ。
左股下でハイクロッチで組んで持ち上げると平本は右足で着地。ならばとボディロックに組んで後方に投げて、すぐに両足をかけてバックマウントに。リアネイキドチョークを狙うが、剥がして立ち上がる平本。
ヘッドギアがずれた平本が直して再開。左右の足を入れ替えながら左前蹴りは平本。飴山は左を振ってから詰めてダブルレッグへ。差し上げる平本は突き放すが、その際で右フックを当てた飴山は、回る平本を追って右の蹴りから右で詰める。
左前蹴りを腹に突き距離を取る平本は、左ストレートをヒット。ワンツーの左をかい潜った飴山はシングルレッグへ。ここも付き放す平山は背中を見せて走って回るが、すぐに追った飴山は、平本の向き直りを詰めて左ストレートをヒット!
後方にダウンした平本にすぐに右のパウンドを落とすとレフェリーが間に入った。1R 2分07秒、飴山のKO勝ち。
ケージの中でヘッドギアを外した平本丈は、平本蓮に脇を抱えられて退場。飴山は両手を挙げて勝ち名乗りを受けた。
▼第5試合 アマチュア ライト級 3分2R〇佐藤フミヤ(剛毅會)[判定3-0]×北原 蓮(修斗GYM神戸)
剛毅會で平本兄弟の稽古仲間である佐藤はキックボクシング3年で、2戦2勝0敗のレコードを持ち、今回がMMA初陣となる。修斗GYM神戸の北原蓮とライト級(3分2R)で対戦。判定3-0で勝利した。
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▼第3試合 バンタム級 5分1R〇吉田開威(空手道剛柔流 朋武館)[判定3-0]×藤井丈虎(SMOKER GYM)
▼第2試合 バンタム級 5分1R〇有田一貴(MIBURO)[判定3-0]×武田純忠(SMOKER GYM)
▼第1試合 フライ級 5分1R〇古賀珠楠(総合格闘技スタジオSTYLE)[1R 1分27秒 KO]×那須裕次郎(修斗ジムASH)
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木村旬志が左ハイKO、谷口武、秋田良隆が一本勝ち
▼第18試合 GLADIATORストロー級 5分2R〇木村旬志(ゼロ戦クラブ) [1R 1分10秒 KO] ※左ハイキック×田中優樹(総合格闘技道場Reliable)
▼第17試合 GLADIATORバンタム級 5分2R〇谷口 武(修斗GYM神戸)[2R 0分47秒 アナコンダチョーク]×今村 豊(宇留野道場)
▼第16試合 GLADIATORバンタム級 5分2R〇秋田良隆(KINGGYM KOBE)[1R 2分47秒 腕十字]×藤原克也(SMOKER GYM)