キックボクシング
レポート

【RISE】ダークホースが来た!松本天志が逆転KOで優勝、小林愛理奈がダウンを奪いMISAKIに勝利、加藤有吾がKOで強打者対決制す、リカルド・ブラボが豪快KO勝ちでOFGマッチの対戦者を募集、那須川龍心が塚本に敗れる

2023/02/23 18:02
RISE 1662023年2月23日(木・祝)東京・後楽園ホール ▼メインイベント RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント決勝戦 3分3R延長2R×塚本望夢(team Bonds/初代DEEP☆KICK -51kg王者)TKO 3R 0分46秒 ※左アッパー〇松本天志(HAWK GYM/JAPAN CUP2021 -55kg準優勝)※松本が優勝。  全員高校生で争われたトーナメントは、1回戦で那須川龍心を破った塚本と空龍を破った松本によって決勝戦が争われた。  1R、サウスポーの松本に左ボディストレートを伸ばしていく塚本。右ストレート、左右フックを打っておいての左ボディと松本のガードの隙を狙い撃ちする塚本。右ボディからの左フックがクリーンヒットし、松本はダウンにならずも腰を落とす。  2Rが始まってすぐ、松本のローが急所に当たり、試合中断。再開後、右ボディを当てる塚本はバックステップで距離を作り、松本が蹴ってくると蹴り足キャッチから右ストレート。塚本は右ストレート、左フックでヒットを奪うと左へ回り込みながら右ストレート、左フックをしっかり当てに行く。松本は鼻血を出し、塚本と打ち合いに行く。塚本もこれに応ての打ち合い。松本が左右フックをヒットさせてダウンを奪う。  フラフラになりながらも立ち上がる塚本に松本が連打で襲い掛かり、右フックで再びダウンを奪う。さらにフラフラになりながらも立ち上がる塚本。  3Rも序盤から打ち合いとなり、塚本も強気に打ち合う。松本の左右フック、ヒザにフラフラとなる塚本だがそれでも打ち返す。しかし、松本が左アッパー2連打を突き上げたところでレフェリーがストップ。ダークホースと呼ばれた男が見事、トーナメント優勝を飾った。  松本には“Mr.RISE”こと裕樹からトロフィー、伊藤隆RISE代表からは優勝賞金100万円が贈られた。  マイクを持つと「今日の試合、たくさんの人のサポートと応援が力になって最後まで追い込み練習が出来て本当に幸せでした。20周年でメインを務めさせていただいて、相手選手のおかげでいい試合が出来たのでありがとうございました。僕、絶対にもっと強くなってRISEを引っ張っていきます。SNSのフォローよろしくお願いします」と松本は涙を流しながら語った。 [nextpage] ▼セミファイナル -46.5kg契約 3分3R延長1R〇小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/アトム級1位、ミニフライ級2位)判定3-0 ※29-28×3×MISAKI(TEAM FOREST/初代SB日本女子アトム級王者、第7代J-GIRLSミニフライ級王者)  小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。RISEは奥脇奈々、平岡琴、百花、祥子JSKらを次々と撃破するも、2022年5月に3度目の対決となった王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。7勝(2KO)3敗1分の3敗はいずれも宮﨑に付けられたもの。12月には女子初のオープンフィンガーグローブマッチに臨み、平岡を返り討ちにしている。  対するMISAKIはシュートボクシングの女子トップ選手で、2016年3月にプロデビュー、“猪突猛進女子”の異名通り、最初から最後までガムシャラに攻め続ける驚異のスタミナを武器に勝ち続け、2017年12月に寺山日葵を破ってJ-GIRLSミニフライ級王座に就いた。2020年8月にはぱんちゃん璃奈とREBELS-BLACK女子46kg級初代王座決定戦を争うも判定負け。2021年に入ってからは的確性を重視したファイトスタイルにチェンジし、12月のSB日本女子アトム級王座決定戦で勝利して王座に就いた。2022年12月には宮﨑小雪との女王決戦を行ったが、判定2-0で敗れている。戦績は20勝(3KO)8敗1分。  1R、互いに右カーフを蹴る、ワンツーを狙っていく展開からいきなり打ち合いに行くMISAKI。小林もワンツーで迎え撃つ。MISAKIのワンツー左ミドルに小林がワンツー。MISAKIの右ストレートに右ストレートを合わせにいく小林。MISAKIは左右ミドルを蹴るが、右ストレートに右を合わせられる。左ボディにも小林は左フックを合わせに来る。小林が右の強打でMISAKIを仰け反らせた。  2R、MISAKIはワンツーで前へ出ていくと小林は左へ回り込む。MISAKIが左ボディ、小林は右フック。MISAKIの左ローに小林は右を合わせに行く。右の相打ちが続いたところで小林は胴廻し回転蹴りを放つ。真っ直ぐに入って来るMISAKIは小林はジャブ、右ストレートを合わせるが、逆にMISAKIの右フックをもらって後退。MISAKIはまたも右に右ストレートを合わせられる。  3Rが始まってすぐ、打ち合いに行ったMISAKIに小林が左フックを決めてダウンを奪う。すぐに前へ出て打ち合いに行くMISAKI。猪突猛進スタイルでガムシャラに取り戻しにいくMISAKIに小林は防戦一方となるが、MISAKIはクリーンヒットはなかなか奪えない。小林のワンツーにMISAKIはヒザ。突っ込みすぎて攻撃につながらないMISAKIへ、逆に小林はパンチを当てていく。  判定3-0でダウンを奪った小林が勝利。初代RISE QUEENのRENAからトロフィーを受け取った小林は「ダウンがなかったら普通に負けていたのでまだまだやなと思いました。ほんまに強かったです。3月のエルドラドもう全部試合決まったと聞いたんですが、あんなに盛り上がった私のオープンフィンガーグローブマッチが決まってないのはなんでやろって思っていますが、相手がいないと思うので強い外国人といつかお願いします」と、MISAKIを称えるとOFGマッチか国際戦をやらせて欲しいとアピールした。 [nextpage] ▼第9試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R〇麻原将平(パウンドフォーパウンド/同級7位、HOOST CUP初代スーパーライト級王者)KO 1R 3分01秒 ※左フック×瑠夏(L-REX/2017年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級優勝)  麻原は2008年2月にRISEのアマチュア大会KAMINARIMON(現在Nova)のトーナメントで優勝し同年4月27日RISEゴールドジム大会でプロデビュー。これまでRISEの他にもK-1 WORLD MAXやホーストカップなどに参戦した現在38歳。RISEに参戦してる選手としてはT-98と並び大ベテランの選手が20周年記念大会に登場する。  瑠夏は空手をバックボーンに右ストレートを武器とするファイターで、2017年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級優勝の実績を持ち、プロ戦績は9勝(7KO)5敗1分。2019年3月の試合を最後にリングから遠ざかっていたが、2021年7月に復帰。連敗を喫したが、2022年6月にオープンフィンガーグローブマッチに臨み、ダウンの応酬の末に逆転KO勝利を飾っている。  1R、まずは瑠夏が左ミドル、右ローと前に出て攻めていく。麻原は下がりながらジャブ、左右フック。瑠夏の右カーフには得意の飛びヒザを放つ麻原。両者がフックを空振りしたところでバッティングがあり、試合中断。再開後、思い切ってパンチを振っていく瑠夏に麻原はコンパクトなフックを合わせていく。そして最後も、瑠夏が前へ出てフックを振り回したしたところへ麻原が左フックをドンピシャのタイミングで合わせてKO勝ち。  RISEで活躍した菅原勇介からトロフィーを受け取った麻原は「RISE20周年おめでとうございます。僕は15年前にRISEでデビューさせていただいて、RISEに育ててもらったと思っています。僕は今日こうやっていい結果で20周年のお祝いが出来たと思います。11月1日に大阪にジムを出しました。よかったら皆さん来てください」と、お祝いの言葉とマイクPRをした。 [nextpage] ▼第8試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R〇加藤有吾(RIKIX/同級6位)KO 2R 2分59秒 ※左フック×京谷祐希(TEAM TEPPEN/同級9位)  加藤は元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者・石井宏樹の愛弟子でジュニア時代から石井の指導を受け、プロデビューすると持ち前の強打で頭角を現し2019年12月にWMC日本スーパーバンタム級王座を奪取。2021年1月には元山祐希と壱・センチャイジムを破って岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント優勝を果たした。2022年8月のRISE大阪大会で初参戦を果たしDEEP☆KICK王者の翔真を判定3-0で下すと、12月には大森隆之介も破りランキング入り。戦績は22勝(10KO)5敗。  京谷は強打と当て感の良さで連戦連勝。2010年に『DEEP☆KICK』で当時無敗だった皇治に初黒星を付け、2012年6月には『Krush』で当時5戦5勝の武尊からダウンを奪った末にドクターストップでTKO勝利。2016年10月には『HOOST CUP』にて玖村修平からも勝利を収めるなど実力者ぶりを発揮した“伝説の壊し屋”。その後、怪我のため試合から離れたが2019年9月のRISEで約3年ぶりに復帰。2022年は2月に拓也にKO勝ちも8月には大森隆之介にKOで敗れた。戦績は18勝(10KO)9敗2分。今回より関東に拠点を移し、TEAM TEPPEN所属となった。  1R、アタックをかけるのは加藤でリングを大きく使って回り込む京谷へパンチを打ちに行く。サウスポーの京谷もそれに左を返していくが、加藤が積極的に仕掛けていくのが目立つ。  2R、回り込みながらも左のカウンターを狙う京谷。加藤は右フックからの左フック。京谷は左カーフ、左ボディを打ってワンツー。加藤も右を売って飛び込む。加藤の右ストレートに後退する京谷。すかさず左フックで畳み込む加藤だが、京谷も左を打ち返す。加藤のワンツーに組み付く京谷。ロープを背負って左ストレートを打っていくが、そこへ加藤が左フック。京谷がバッタリと倒れ、加藤の鮮やかなKO勝ちとなった。 「FLASH to CRUSH TOURNAMENT '07」優勝のTURBOからトロフィーを受け取った加藤は「RISE去年から参戦して3連勝して強い相手に勝ってきてるので、そろそろ王者とやらせてください。王者強いけれどお話しください」とタイトルマッチをアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R〇リカルド・ブラボ(アルゼンチン/WSRフェアテックス/同級3位、初代M-1世界スーパーウェルター級王者)KO 2R 1分35秒 ※3ノックダウン×サーシャ・タダヨニ(イラン/TEAM OTA)  ブラボは17歳の時にアルゼンチンから来日。長いリーチから生み出される鋭いストレートを武器にKOを量産し、2018年に7戦無敗で新日本キックボクシング協会ウェルター級王座を獲得。2022年に所属していた新日本キックを離れ、新たにWSRフェアテックス所属となり12月にRISE初参戦。緑川創と延長戦まで戦い引き分けている。戦績は22勝(17KO)2敗2分。  タダヨニは今回が初参戦で、北米のアマチュアムエタイキックボクシング王者。極真空手も学んでおり、空手衣で入場した。  1R、ゴング同時に突進するタダヨニは打ち合いを挑む。ブラボもこれに応じて至近距離でフックが交錯。タダヨニは右ローも連打する。しかし、ブラボが左フックでダウンを奪う。タダヨニはジャンプしての右フック、ブラボも打ち合いに行き両者の強いパンチがヒット音を奏でる。ブラボのスピードある連打で場内がどよめく。ワンキャッチのヒザも突き刺す。タダヨニの左ハイをブロックするとすぐに右ロー。ワンツーから左フック、ヒザ蹴りと畳みかけるブラボ。フックが当たるたびに鳴り響く音に場内からは何度もどよめきが起こった。  2R、タダヨニは右カーフ連打、カカト落としも繰り出す。ブラボは右ストレートからラッシュをかけ、左フックでスタンディングダウンを奪う。ブラボの左フックを必死にブロックするタダヨニだが、コーナーで一方的に打たれ続けてスタンディングダウン。またもコーナーに詰めるブラボが左ボディ、左フックで畳みかけ、一方的な展開にレフェリーがストップした。  インパクトのあるKO勝利を収めたブラボには、RISEで活躍したHAYATOからトロフィーが贈られた。ブラボは「なんでみんな笑っているんですか(笑)。日本語もうちょっと勉強します。皆さんいつも応援ありがとうございます。サーシャ選手を1Rで倒すと思いましたけれど凄い頑張りました。私23歳でこれからですね。緑川選手と試合をして緑川選手むちゃくちゃ強かった選手でいい試合を見せられなかったけれど、今日は倒せてよかった。3月に70kgのタイトルマッチやりますが、どっちが勝つか分からないけれど私がベルトを獲りに行きます」と、タイトルを狙うと宣言。  続いて、「私とオープンフィンガーグローブでやりたい選手、いれば言ってきてください」とOFG戦での対戦相手を募集した。 [nextpage] ▼第6試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R延長1R×青木洋輔(大和ジム/NJKFウェルター級王者、WBCウェルター級1位)判定0-3 ※29-30×3〇稲井良弥(TARGET/同級3位、第4代DEEP☆KICK-70kg王者)  洋輔YAMATOこと青木洋輔は地元で恐れられるワルとして少年院に入ることとなったが、キックボクシングと出会い更生し現在は名古屋の名門・大和ジムで練習を積み、2020年10月にはNJKFウェルター級王者となった。2022年3月にはRIZINに出場し、RISEランカーの憂也にTKO負け。6月にはKO勝利で王座防衛を果たしている。  稲井は2021年11月、籔中謙佑を初回KOで破り、6勝(5KO)無敗でDEEP☆KICK-70kg王座に就いた。2022年5月には無敗のまま第3代 ウェルター級(-67.5kg)王座決定戦に臨んだが、元NJKFウェルター級王者の中野椋太にKOで敗れて戴冠ならず。9月にDEEP☆KICKでKO勝ちして再起を飾ったのも束の間、10月にはモンゴルでTurbayar UzliibatにKOで敗れた。戦績は8勝(6KO)2敗。  洋輔はRISEランカーの憂也、稲井は元NJKF王者の中野にそれぞれ敗れており、それぞれ相手の団体へのリベンジマッチという形となった。  1R、前に出る青木は右フック強打、稲井は下がりながらも右ロー、左インローを蹴っていく。稲井が不用意に前蹴りを出したところへ青木が左フック。ラスト10秒で稲井も右フックを打ちに行った。  2R、青木が蹴ってくるところへ思い切り右を合わせに行く稲井。左三日月を蹴った稲井に青木は左フック強打。稲井も負けじと右フックフルスイング。稲井のワンツー、青木の左フックが交錯する。  3R、稲井が右ボディを強打すれば青木は左フックを強打。前に出る青木は右カーフを蹴り、稲井は前蹴り。稲井は後ろ蹴りを空振りすると、そのまま1回転して左フックを打つ。ハイを空振りした稲井に青木は左右フックで襲い掛かり、稲井はガードを固める。右カーフを蹴る青木に稲井は左右フックで応戦、両者右フックから左フックを返したところでヒットを奪ったのは稲井。  判定3-0で稲井が勝利し、第2代RISEスーパーライト級王者・左右田泰臣からトロフィーを贈られた。 [nextpage]▼第5試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R×龍翔(BLACK☆Jr/同級12位)=58.10kg(600グラムオーバー)不戦勝〇松下竜之助(Team +1/同級17位)=57.25kg※龍翔が計量後に体調不良となり救急搬送されドクターストップとなったため、計量を通過している松下の不戦勝となった。 [nextpage] ▼第4試合 RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント準決勝第2試合 3分3R延長1R×空龍(空修会館/同級2位)判定0-3 ※28-29、28-30、27-30〇松本天志(HAWK GYM/JAPAN CUP2021 -55kg準優勝)※松本が決勝進出。  空龍はジュニアキック出身で高いレベルのテクニックを持つ広島在住の18歳。2021年9月の『KNOCK OUT』で初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメントに出場し、1回戦で花岡竜に判定負けして9戦目にして初黒星を付けられたが、11月にはDEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメントで決勝戦進出。今年1月の『RISE 154』の初参戦では快進撃を続けていた数島大陸にプロ初黒星をつけた。4月にはRISE初代フライ級王座決定トーナメントに参戦し、田丸辰と対戦したがノーコンテストに。同トーナメントは棄権となり、10月にはRISEでの試合決まっていたが、対戦相手の怪我で試合中止。12月にはBOMで吉成名高とムエタイルールで対戦し、判定で敗れた。戦績は8勝(3KO)3敗1分1無効試合。  松本はJAPAN CUP2021 -55kg準優勝で、2021年8月にRISEでプロデビュー。3戦目で初黒星を喫するが、酒井柚樹、Novoに勝利して5勝(2KO)1敗の戦績を持つ。  1R、両者サウスポー。空龍は右インローを蹴りつつジャブ。前に出る空龍を松本もジャブ、左ストレートで迎え撃つ。  2Rも前に出る空龍がジャブ、右ロー。松本もジャブを打ち返して右ストレートを打つが、空龍はかわして左ボディ。プレスをかける空龍は松本のガードの隙間を縫うようなジャブ、逆に松本の左ストレートはブロック。互いにカーフを蹴り合い、空龍は左ローを狙い撃ち。松本はパンチのコンビネーションをフル回転させるも空龍のブロックは堅い。  3R、接近戦で互いにコンビネーションを回転させる両者。離れると空龍のロングがヒットする。松本はミドルをキャッチしての右ストレート。松本が左ミドルを連打すると空龍は右脇腹をかばうような仕草。これに松本が一気にまとめ始めパンチを当てていく。空龍も反撃し、打ち合いになると松本の左フックがヒット、空龍が腰を大きく落としてダウン。その直後に試合終了。  判定3-0でダークホース的な存在であった松本が決勝進出を果たした。 [nextpage] ▼第3試合 RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント準決勝第1試合 3分3R延長1R〇塚本望夢(team Bonds/初代DEEP☆KICK -51kg王者)判定3-0 ※30-29×3×那須川龍心(TEAM TEPPEN/2021年RISE Nova 全日本トーナメント-55kg級優勝)※塚本が決勝戦へ進出。  塚本はジュニアキック出身で、2020年12月には那須川天心の弟・龍心と対戦して勝利を収めている。2021年7月のDEEP☆KICKでプロデビューし、11月から行われたDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントで、1回戦でタネ(ハートマーク)ヨシキに初回TKO勝ち、決勝では空龍から1Rにダウンを奪って判定勝利し、初代王座に就いた。2022年4月の「RISE初代フライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」では1回戦で数島大陸とダウンの奪い合いの末に判定負けで初黒星。8月にKING TSUBASAに勝利して再起を果たすも、9月にソンチャイノーイ・ゲッソンリットに初回KO負けを喫した。戦績は7勝(2KO)2敗。  那須川は2021年RISE Nova全日本大会-55kg級トーナメント優勝、Stand Up Aクラストーナメント-55kg級優勝、2021年RISE NovaジュニアAクラストーナメント-50kg級優勝などアマチュアで経験を積み、今春から高校生となって4月のRISEでプロデビュー。笠原直希に判定勝ちして白星で初陣を飾った。しかし、6月の『THE MATCH 2022』ではK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星。8月の平山龍馬戦からフライ級に階級を下げ、TKO勝ちで再起を果たすと続く10月の吉田亮汰朗戦は判定勝ち、12月にはKOUJIROにも判定勝ちと3連勝。  1R、前蹴りの出し合い。那須川は右カーフとジャブでけん制。塚本はボディから顔面へとフックを回転させる。那須川のパンチをよく見てかわす塚本は、よけてパンチを打ち込む。那須川が左ボディを打つと塚本はすかさず右フックを返す。ジャブで前に出る那須川だが、塚本は見事にパンチをかわしていく。  2R、塚本はかわして打つ、打ってかわす。塚本の左ボディに右フックを合わせに行く那須川だが、塚本は構わず左ボディを狙っていく。那須川はパンチを出しながら前へ出る。あしっを止めての打ち合いでは那須川が左フックをヒット、塚本も左フックを当てて相打ちに。那須川のジャブの引き際に右ストレートを打つ塚本。左ボディを打つ塚本には那須川が左ボディを返す。足を止めての打ち合いから、塚本が飛びヒザやハイキックを狙う。リングサイドに陣取った兄・那須川天心も声をからしてアドバイスを飛ばす。  3R、塚本が左ボディを打つと那須川は左ヒザを突き返す。しかし、塚本の右フックがヒット。塚本は左ボディを打ち、那須川の返しの右フックはかわす。フックの相打ちが見られる中、那須川が前へ出てパンチを当てに行くが、塚本はステップとボディワークでかわす。逆に右ストレート、左右ボディからm着ストレート、左フック、左ボディ。ラスト10秒は塚本がパンチをしっかりと当てに行った。  判定は3-0で塚本が勝利。那須川のリベンジはならなかった。 [nextpage] ▼第2試合 アトム級(-46kg) 3分3R〇小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷)判定3-0 ※30-28×3×坂尻桃音(Crazy Gorilla Gym)  小林は幼い頃から空手とキックボクシングを学び、高校・大学時代はボクシング部に所属。高校生の時には「第17回全日本女子ボクシング選手権ジュニア(高校生)の部ピン級」(2018年)で準優勝、全日本女子ジュニアランキングでも1位にランキングされていたアマチュアボクシングの強豪選手。JAPAN CUP 2022 女子-50kgトーナメントでも準優勝している。2022年10月にRISEでプロデビューし、辻井和花と好勝負を繰り広げて勝利した。今後が注目される女子ファイターだ。  対する坂尻は空手をバックボーンに持ち、第42回K-1アマチュアのK-1チャレンジ(一般) Bクラス女子-45㎏トーナメント優勝&MVP。RISEのアマチュア大会RISE Nobaでも経験を積んできた。  1R、サウスポーの小林は軽快なステップを踏み、坂尻が蹴りでけん制するところ鋭い踏み込みから左ストレート、左ボディを打っていく。両者とも距離が合わず、クリンチの多い展開になった。  2R、小林は踏み込んでの左ストレート、左ボディ、つかまれると左ヒザ。前蹴りで突き放してワンツー、さらに前蹴りからワンツーと坂尻を下がらせる小林は、ロープを背負わせての連打。小林は飛び二段蹴り、後ろ廻し蹴りも見せる。坂下はミドルを蹴っていくが小林にキャッチされる。  3R、左右フックからヒザにつなげる小林に坂尻もフックで反撃するが、回転力で小林が上回る。小林の顔面前蹴りが命中し、坂下も左右ミドルを蹴っていく。小林は左右ロングフックとサイドキックで対抗し、蹴り足はキャッチ。小林の強烈な顔面前蹴り。坂下は左ローを蹴って小林の動き止めに行く。そこへ小林が左ストレートを合わせる。小林がワンツー、左ミドルを当てたところで試合終了。  判定3-0で小林が2勝目をマークした。初代RISEスーパーライト級王者の吉本光志からトロフィーが贈られた。 [nextpage] ▼第1試合 ミニフライ級(-49kg) 3分3R△登島優音(NEXT LEVEL渋谷/2022年Amateur RISE Nova全日本女子トーナメント-52kg級優勝)ドロー 判定0-0 ※29-29×3△RINA(Crazy Gorilla Gym)  夜大会の第1試合で、注目の新人選手がRISEデビューを果たす。その選手は登島優音(としま・ゆん)。王者を多数輩出した女子キックボクシングの名門NEXT LEVEL渋谷所属で今春高校生になるJKファイターだ。  アマチュアでは2022年Amateur RISE Nova全日本女子トーナメント-52kg級優勝の実績を持つが、彼女を有名にしたのは人気深夜番組『月曜から夜更かし』への出演だった。今年の元旦に放送された『月曜から夜更かし~2023元日SP』の中で、フェフ姉さんがライバルとして紹介し、スパーリングも行い、最後の女子会では「優音ちゃんの夢は何?」と聞かれて「世界に行ってベルトを獲りたい」との夢と共に「あとは歌うことが好きなので自分で作詞作曲してシンガーソングライター。自分で歌いたいなって」と歌を披露したことで話題となった。  2022年10月に『KROSS×OVER19』にて15歳の誕生日前にプロデビュー戦を行い、フェフ姉さんと2戦して2勝の宿敵Melty輝と対戦。判定勝ちを収めて白星デビューを飾った。今回が2戦目となり、RISEには初参戦でRINA(Crazy Gorilla Gym)と対戦する。  1R、RINAは左ロングフックを振りながら前へ出て登島を下がらせる。クリンチすると右フック。登島は前蹴りを出すがRINAの突進は止められず、途中連打を決める場面もあったが、RINAのパワーに押され気味。  2R、登島は前蹴りで突き飛ばしてのワンツーも、RINAはクリンチに持ち込む。登島はフットワークでRINAの突進をかわし、右ロングフックからパンチを打ちに行くがRINAは腕を巻き込むようにしてクリンチ。やや疲れが見えるRINAに登島の左フックがヒットする。  3R、登島はゴングと同時に飛び込んでの前蹴り。右フックのRINAに登島も右フックを返す。左手で首を抱えに来るRINAに登島は右腕を塞がれフックを回転させることが出来ない。RINAは左手で抱えてのクリンチアッパー。  判定は0-0でドロー。プレゼンターとして登場する予定だった初代RISE QUEENアトム級王者・寺山日葵との記念撮影で、登島は悔しさから号泣した。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント