RIZINに参戦したテオドラス(左)を伴って“来日”した石井
2023年3月12日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K’FESTA.6~』にて、スーパーヘビー級3分3R延長1Rで京太郎(チーム未完)と対戦する石井慧(クロアチア/チーム・クロコップ)が2月22日(水)都内にて公開練習を行った。
RIZINやPFLで活躍したテオドラス・オークストリス(リトアニア)をパートナーとして伴って現れた石井は、テオドラスを相手に対面シャドーを行った後、パンチのみのミット打ちを披露。パワフルな左右フック、左右ボディをミットに叩き込んだ。
デオドラスを伴ったのは「トレーニングキャンプをするにあたってスパーリングパートナーと、僕がK-1に初めて出た時からチームとしてサポートしてもらっているので。今回京太郎選手との試合なのでやれることは全てやろうと思って連れてきました。いい練習ができるから」と、その理由を説明。
2021年9月にK-1に初参戦し、今回は2022年4月の「K-1無差別級トーナメント」以来4戦目。「あっという間に過ぎたのはあるし、この1年で総合も1試合、ボクシング2試合、常に試合があったので練習を詰めて格闘家として強くなったと思います。いろいろな場所で練習してきてADCCのキャンプにも参加することが出来ました」と、充実した1年だったと振り返る。
その間に打撃は「自分では分からないけれど、いろいろな経験を積むことで向上して研ぎ澄まされているモノがある。それは試合で分かると思います」と、進化しているとした。
K-1に初参戦した時から京太郎との試合を熱望していたが、「緊張もしますし、楽しみもあるし。思い入れのある選手なので勝敗以上のモノを見せたいのはありますが、何としても勝ちたいというのがある。心で戦いたいと思います」という。
その思い入れとは何か。石井は「同級生でずっと旧K-1の頃から日本人代表としてヘビー級を引っ張ってきて、体型も恵まれていないけれど強い選手とやって勝っていたので意識していたし尊敬もしていました。そういう選手とやれて、僕の人生としてこの経験は厚みになると思うので絶対に勝ちたいと思います」と語った。
共に日本格闘技界の浮き沈みを経験し、同じ時代を生きてきたことのシンパシーを感じているのか。そう聞かれると「いろいろなことをお互い経験したと思うし、想像していたモノとは違うモノや難しいモノがお互いあったと思うので、それも含めて感慨深いです」と2人にしか分からない気持ちがあるようだ。
K-1という舞台については「好きだし、感謝していますし、チャンスを与えてくれて、次が4回目でポジティブな想いしかないです。僕は素晴らしい舞台だと思います。みんなにチャンスがあって、昔のK-1とは全く違うと思いますが、今のK-1にしかない良さがあると思います」とし、競技としては「逃げ場所がないので僕が最も得意としているテイクダウン、グラウンドがないので、打撃の部分だけでやるのは打撃の向上に一番近付けるし速いし、学んだことはたくさんあります」とする。
そのK-1に今回で一区切りをつけるとの発言もあったが、「一区切りというか、この試合以降のことは考えていないというか。全てこの試合にオールインしているので次のことは考えてないし、この試合に勝てるなら何でもするという気持ちでいるので。何でもします。早死にしてもいいです(笑)」と、京太郎戦に懸ける気持ちを口にした。
対戦が実現するタイミングは「今がベストだと思います。K-1にデビューしてすぐだと多分全然ダメだったと思うし、K-1に来て試合するようになって段階を踏ましてくれたというのもK-1に感謝しています。MMAに移って当初は、名前が先行していて強い選手とやらされた経験もありましたが、そういう意味で育ててもらったと思っています」と、このタイミングでの実現がベストだとする。
とはいえ、前回のK-1参戦からは1年空いており、ブランクが気になるところだが「総合の試合もやったし、打撃の試合(ボクシングで2試合)にも出ていたし、練習はしっかりやっていたので。あと試合数も僕はビギナーと言うか、出たばかりの選手ではないので大丈夫です」と問題ないという。
ボクシングを経験したことはvs.京太郎においてもいい材料になるのではないか。そう聞かれると「経験してどんなものなのかなと。ボクシングをやってみて何がキックボクシングで使えて使えないのか、何が不利か有利か。それが総合の場合も分かった。やってみないと分からないので、そこは僕の自論だし自分はたたき上げだと思っているので、レコードになる試合が出来たのはよかったと思っています」と、経験に優るものなしとした。
現時点で京太郎を超える自信はどれくらいあるか。その問いに石井は「自分自身の自信は120%」と言い放った。その根拠は「練習量ですね。朝から晩までずっとやっていますから。この試合に全部を懸けています」と、全てをこの試合に懸けていることだとする。
最後には「次の試合、何をしても必ず勝ちます」と、何が何でも勝ちに行くとの決意を語った。
また、京太郎も気にしていた長いアゴヒゲについては「これは人を外見で判断する人が増えているので、そういう人間とは付き合いたくないので生やしています。警戒はされていますね。理由はそれだけです(笑)。ロシアに行った時は『お前はイスラム教か?』と言われました」と笑った。