キックボクシング
レポート

【GLORY】アベナがマスロボイエフにTKO勝ちで新王者に、ノンタイトル戦になった再戦はウィッセが返り討ち、オズカグライヤンが豪快KOで王座挑戦アピール、巨漢ハチャブが完勝

2023/02/12 03:02
GLORY 832023年2月11日(土・現地時間)ドイツ・エッセンGrugahalle※U-NEXTにてLIVE配信 ▼メインイベント GLORY世界ライトヘビー級タイトルマッチ 3分5R×セルゲイ・マスロボイエフ(リトアニア/王者)TKO 4R 2分15秒 ※ドクターストップ○ドネギ・アベナ(スリナム/オランダ/挑戦者・同級1位)※アベナが新王座に就く。マスロボイエフは初防衛に失敗。  マスロボイエフはアマチュアで2018年世界アマチュアK-1連盟WORLD CHAMPIONSHIP K-1ルール +91kg級金メダル、2019年WAKO World Championship K-1ルール -91kg級金メダルなど数々の大会で優勝し、2007年7月のプロデビュー戦ではなんといきなりWKAヘビー級タイトルマッチを行いKOで王座を獲得。2戦目もタイトルマッチでバルティック・ムエタイ・ライトヘビー級王座を獲得した。  KOKヨーロッパGP 2011ヘビー級トーナメント優勝、欧州格闘技連盟キックボクシングライトヘビー級世界王者、KOKライトヘビー級王座、WAKO PRO世界K-1ライトヘビー級王座など次々とタイトルを獲得。2018年には2度ONEに参戦して2勝している。2019年9月からGLORYに定期参戦し、2022年10月にタリク・カバベ(モロッコ/オランダ)との王座決定戦を判定3-2で制して新王座に就いた。今回が初防衛戦。戦績は36勝(21KO)5敗。プロボクシングで7勝(3KO)3敗、MMAでは11勝6敗の戦績を持つ。自らを「ドラゴンボールZの大オタク」と呼ぶ。  アベナは2015年9月にプロデビューし、2017年のA1WCCチャンピオンズリーグトーナメントで決勝まで勝ち上がった。GLORYには2018年12月から参戦し、2019年6月にはGLORY世界ライトヘビー級王座に挑戦したがタイトル奪取ならず。ここからGLORYで4連敗を喫するも2022年10月に当時ライトヘビー級3位のフェリペ・ミケレッティに判定勝ちして2度目のタイトル挑戦に漕ぎ着けた。  両者は2021年10月にGLORYで対戦し、判定でマスロボイエフが勝利している。  1R、右ローと左ミドルで先制したのはマスロボイエフ。アベナは左インローと接近するとヒザ、左ボディ。マスロボイエフは左右フックから左右ローにつなぎ、アベナは左ボディから左右フック、ヒザ。アベナは左ボディを多用する。マスロボイエフは細かくパンチを打ち、右ローにつなげる。  2R、マスロボイエフのパンチに蹴りで対抗するアベナ。変わらずマスロボイエフは右ローを蹴り、アベナはヒザを突き上げてくる。右フックから左ボディのマスロボイエフにアベナは右ヒザ、右フック。アベナはカカトでローを蹴る。アベナはボディへのパンチとヒザから右フック。手数の多いアベナだが、マスロボイエフの右ローにアベナのリアクションが大きくなり始めた。  3R、左フックと左ボディからの右ローを蹴るマスロボイエフに、アベナは右ヒザを突き上げる。ワンツーを打つマスロボイエフだがアベナもすぐに打ち返す。マスロボイエフの右ローに足が流れるアベナだが、アベナも右ローを蹴る。  4R、マスロボイエフがジャブから右ローも左右フックは空振り。アベナは左ボディとヒザ。ジャブを当てて前へ出ていくマスロボイエフにアベナはこの試合初めて後退。右ローの蹴り合いでアベナのカットによってマスロボイエフの右スネがバックリと割れて大流血。ドクターチェックでストップがかかり、アベナのTKO勝利となった。  タイトルを奪取したアベナは「俺がナンバーワンだ」と高らかに宣言した。 [nextpage] ▼コ・メインイベント(第6試合)ミドル級 3分3R○ドノバン・ウィッセ(スリナム/GLORY世界ミドル級王者)判定3-0 ※29-28、30-27×4×シーザー・アルメイダ(ブラジル/同級1位)  ウィッセは2016年11月にプロデビューすると連戦連勝で2018年9月からGLORYに参戦。しかし、12月の2戦目でプロ初黒星を喫した(12戦目)。その後は再び連勝の波に乗り、2021年9月にユスリ・ベルガロイをTKOに破って王座を獲得。2022年8月には初防衛に成功した。  アルメイダは2009年11月にプロデビューし、2014年9月にWAKOプロブラジル-85kg級トーナメント優勝。2016年5月にSUPERKOMBATライトヘビー級プラスタイトルとWKNインターナショナルオリエンタルルール-85kgタイトルを獲得すると、2018年10月にWGPキックボクシング-85kg級王座を獲得した。2019年12月からGLORYに参戦したが、今回対戦するヴィッセに判定で敗れ黒星デビュー。  2022年10月にセルカン・オズカグラヤンを破り、今回タイトル挑戦が決定していたが前日計量で1kg体重超過したためタイトルは懸けられずノンタイトル戦となってしまった。  1R、互いに右カーフを蹴り、前蹴りで距離をとる。ガードを高く上げるのはウィッセ。その位置からジャブを打つ。ウィッセが左右フックから右ロー。ウィッセはガードの隙間を縫うような右を打ち、アルメイダも右フックを返す。右フックの打ち合いではウィッセがヒットさせる。互いに様子見のような初回となった。  2R、ワンツーで前に出るウィッセに組み付いたアルメイダはウィッセをコカす。さらにワンキャッチからのヒザを多用。右カーフも蹴る。かなり距離を詰めたアルメイダに右カーフを蹴られるウィッセはサウスポーに。ウィッセは左ヒザを顔面に突き上げる。ウィッセは前蹴りを多用し始め、左右フックにつなげる。  3R、ワンツーを打つアルメイダにウィッセは左ハイ。アルメイダが前に出てくるとウィッセはバックステップを使ってかわす。右ローを狙うアルメイダにワンツーを打つウィッセ。右ローを蹴られるウィッセだが、左インローと左前蹴りを返す。ショートの距離でフックを打ち合った両者だが、クリーンヒットはなく試合終了。  淡々と進んだ3Rノンタイトル戦を判定で制したのはウィッセ。「相手は思っていたよりもタフだった。タイトルマッチをやりたかったからフラストレーションがあった」とコメントするウィッセに笑顔はなかった。 [nextpage] ▼第5試合 ミドル級 3分3R○セルカン・オズカグライヤン(トルコ/同級2位)TKO 2R 2分40秒 ※左フック×セルゲイ・ブラウン(ドイツ/同級5位)  オズカグライヤンはK-1ヘビー級で活躍したグーカン・サキの従兄弟。41勝(35KO)7敗という戦績を持つサウスポー。『GLORY82』でジュリ・デ・スーザにTKO勝ちしている。  ブラウンは2013年6月に来日経験があり、オープンフィンガーグローブ着用で顔面打撃ありの極真館2013全日本ウェイト制空手道選手権大会にて-89kg級で準優勝を飾っている。極真空手三段。WKU(World Kyokushin Union)の世界選手権では2度優勝の実績を持つ空手家。『COLLISION4』でマイケル・ボアペアを破り、GLORYデビューを飾ったばかりだ。  1R、サウスポーのオズカグライヤンが圧をかけて右ストレート、右フックからの左ヒザ。ブラウンは左フックから右ボディを打つが、オズカグライヤンは長いリーチからのジャブでブラウンを遠ざける。ラウンド終了間際、ブラウンが後ろ廻し蹴りを放つ。オズカグライヤンの丁寧なパンチが目立った。  2Rもジャブの長い距離と接近しての右フックを使い分けるオズカグライヤン。ブラウンは左へ回り込みながらワンツーを狙うが、オズカグライヤンの長い距離と接近戦を使い分ける動きになかなかヒットを奪えない。左ミドルと左ボディはオズカグライヤン。ブラウンが左フックを打つとすかさずオズカグライヤンは右フックを被せる。  オズカグライヤンの左ボディからの左フックにグラつくブラウンに、オズカグライヤンがさらにブラウンの右ストレートをかわしての左フック。テンプルを直撃され、ダウンしたブラウンは立ち上がろうとするも身体が言うことをきかず、様子を見たレフェリーが試合をストップした。 「みんな、俺がKOしに来たことは知っているだろう。俺はKOファイターなんだ」と言い放つオズカグライヤンはタイトル挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級 3分3R○ゲリック・ビレット(フランス/同級2位)判定4-1 ※29-28×3、28-29、29-27×シハード・アキパ(ドイツ/同級5位) ビレットは2018年ベストファイターWAKOワールドカップ (-71kg)で金メダルを獲得するなどアマチュアで数々の戦績を収め、2016年11月にプロデビュー。2018年10月にはGLORYデビューを果たしている。2021年にISKA欧州スーパーウェルター級王座と同世界王座も獲得。前戦は2022年11月、アルコラック・カバレロを破りWAKO-PRO K-1欧州スーパーミドル級(-78.1kg)王座を獲得している。戦績は36勝(15KO)6敗1分。  地元ドイツのアキパは2022年11月にGLORY初参戦、イタイ・ガーションを判定で破っている。戦績は49勝(18KO)10敗。普段はバーガーショップのオーナーであるという。  1R、長いリーチからジャブを突くアキパにビレットはワンツーから右ロー。ビレットは前後のステップとスイッチを多用する。ビレットは右ローを狙い撃ち、アキパはパンチからヒザに繋ぐ。アキパのカウンターの右フックで一瞬ビレットの腰が落ちるが、すぐに打ち返して持ち直す。ビレットはワンツーで反撃もアキパは右ストレートとヒザ。ラウンド終了間際にビレットの右ストレートでアキパがフラつく。  2R、前に出ていくのはビレット。左右フックから左ボディ、右ローとコンビネーションをつなげるビレットにアキパは長いワンツーから飛び込んでのヒザ。右ローとスピードのあるパンチを繰り出すビレットだが、アキパの長いワンツー、ヒザが鋭い。ビレットがワンツーと左フックで前へ出てアキパにロープを背負わせる。アキパはスーパーマンパンチもビレットのパンチが正確に捉える。  3R、ビレットがバックキックを繰り出すとアキパも同じ技を返し、飛びヒザ蹴りも発射する。ビレットの右ローとワンツーに劣勢のアキパはヒザに活路を求めるが、ビレットのスピードのあるパンチがアキパを捉える。ビレットのワンツー、そして右フック。最後はアキパがワンツーでビレットをロープに詰めた。  判定は4-1でビレットが地元ドイツの声援を受けていたアキパに勝利。GLORY世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティと戦いたいとアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 ヘビー級 3分3R×ウク・ユルジェンダル(エストニア)判定0-5 ※30-27×5○ナビル・ハチャブ(モロッコ)  ヘビー級では共にGLORY初参戦となるユルジェンダルとハチャブが対戦。ユルジェンダルは16勝(12KO)6敗、ハチャブは24勝(4KO)3敗1分。137.3kgの巨漢ハチャブはバダ・ハリとの練習を積んでこの試合に臨む。  1R、ガードを固めて前に出るハチャブに右ローを蹴るユルジェンダル。ハチャブのパンチにガードを固めるユルジェンダルにハチャブはヒザ蹴りを見舞う。ユルジェンダルも負けじとヒザを連打で突き刺す。どんどん押していくハチャブがコーナーへ詰めての左ボディ。左右フックと右ローで前へ出るハチャブ。  2Rも前に出るハチャブが左右フックからヒザ、ユルジェンダルはジャブと右フックも身体ごと押すように距離を詰めるハチャブ。ハチャブは飛び二段蹴りを繰り出す軽やかな動き。両手でハチャブを押し返そうとするユルジェンダルだが、ハチャブが右フックと右ボディストレート。気合いの声を発しながらワンツーを繰り出すハチャブが距離を詰めて左右フック。ユルジェンダルはガードを固める場面が目立つ。  3Rもワンツー、左フックで前へ出て距離を詰め、コンパクトなパンチを打ち込むハチャブ。ユルジェンダルはまたもコーナーへ詰まる。ユルジェンダルは右フックを繰り出すがパワーが感じられない。ハチャブは相手に体を預けるように押し、左ボディも打つ。ハチャブのコンパクトな右フックがヒット。ハチャブのワンツーがユルジェンダルを捕らえたところで試合終了。  判定5-0で完勝したハチャブに、観客は立ち上がって大きな声援を送った。 [nextpage] ▼第2試合 65.3kg契約 3分3R○アフマド・チク・ムーサ(ドイツ/同級6位)判定5-0 ※28-27×3、29-26×2×ベルジャン・ペポシ(アルバニア)  ムーサは“ゴールデンボーイ”の異名を持ち、ドイツ人キックボクサーの中でも優れたファイターであるという。GLORYには2022年8月から参戦して2戦2勝(1KO)。AFSOヨーロッパ王者で戦績は57勝(28KO)8敗1分。試合は300グラムオーバーで計量をパスできず、フェザー級ではなく65.3kg契約で行われることに。  ペポシは今回がGLORY初参戦となり、戦績は27勝(16KO)1敗。2019年11月にWFMCヨーロッパ-64.5kg王座、2022年3月にISKAヨーロッパK-1ルール -63.5kg王座、10月にWKN -65kg世界王座を手にしている。  1R、ペポシがいきなり連打で仕掛ける。ジャブから接近しての左ボディ。ムーサはブロックを固めて左フックから右ロー。ペポシはワンツー、右ロングフック、、前蹴りと距離をとった攻撃。それにムーサは前へ出てガードの隙間を縫うような右ストレート、左アッパー。手数を出すペポシだが、ムーサはもらっても構わらず前へ出て強い右と左ボディを打ち込む。  2Rもアグレッシブにパンチを繰り出し、左ハイを放つペポシだが、ムーサは下がらず左ボディと右ロー。ペポシも攻撃の手を止めずジャブ、前蹴り、右ストレートを打つ。ペポシの顔面前蹴りでムーサが仰け反る。ペポシは技が止まらず運動量が凄い。ムーサもその攻撃をもらいながらも前へ出て左フック、右ローを放つ。  3R、ムーサは強い右ローを連打、ペポシは左右の連打から右ハイを繰り出すが、至近距離の打ち合いでムーサの右フックがクリーンヒット。ペポシは前にダウンする。詰めるムーサは左フック、右ロー。ペポシは左右フックと飛びヒザで反撃するが、ムーサの強烈な右ロー。最後にペポシが左フックをヒットさせたが、ムーサの判定勝ちとなった。ペポシがマウスピースを落としまくったことも印象に残る試合だった。 [nextpage] ▼第1試合 ウェルター級 3分3R×ヨス・ファン・ベルゼン(オランダ/同級7位)判定1-4 ※29-28、28-29×4○ロビン・シリック(オランダ/元Enfusion -80kg級王者)  ウェルター級では同級7位ベルゼンが元Enfusion -80kg級王者シリックと対戦。ベルゼンはGLORYで3勝2敗、シリックは1敗。戦績はベルゼンが9勝(3KO)2敗、シリックが37勝(10KO)7敗。ベルゼンはディック・フライ&ハンス・ナイマンのジムに所属。25歳のオランダ人対決となった。  1R、両者ともパンチのコンビネーションから右ローにつなげるオランダスタイル。ベルゼンは頻繁に左右に構えをスイッチしていく。シリックはバックキックを繰り出すが、コンビネーションでの手数はベルゼンがかなり多い。シリックはバックブローをヒットさせるも、ベルゼンの手数が目立つ展開に。  2Rが始まってすぐ、至近距離での左右フックの打ち合いでシリックが左フックをヒットさせベルゼンの腰が落ちる。さらにバックキック。ベルゼンはステップを使ってすぐに立て直す。シリックはカカト落としを繰り出し、ベルゼンは後ろ廻し蹴り。シリックの力強い攻めが目立ち始め、ベルゼンはステップを多用して動き回る。  3Rも動き回るベルゼンにシリックは前へ出て右フックとヒザ、さらにバックキック。ベルゼンは右フックと左ミドルで対抗する。しかし、シリックの右ミドルがヒット。シリックのワンツーからの左右ロー、そしてバックキック。かなり動きが落ちてきたシリックにベルゼンの後ろ廻し蹴りがかすめる。互いに攻撃を繰り出すラウンドとなった。  判定は4-1で2Rから盛り返したシリックが勝利を手にした。 [nextpage] ▼プレリム第2試合 ライト級 3分3R○クリス・ウォン(ドイツ)判定5-0 ※29-28 30-27×4×ジョナサン・マイゾ(モロッコ)  地元ドイツのウォンはライト級10位で、2022年8月のGLORYでイリアス・ダラジに判定勝ち。Enfusionでは3戦全勝。普段は警察官だという。戦績は34勝(14KO)5敗1分。  マイゾはモハメド・ジャラヤの代役としてGLORYに初参戦。2020年エンパイアファイト-72kgトーナメント優勝、2021年エンパイアファイト -70kg王座、2021年スーパーコンバット・スーパーライト級王座、2022年WAKOプロ世界K-1ライト級(-69kg)王座などを獲得している。タイでも多くの試合を経験。戦績は23勝(10KO)8敗1分。  1R、右ミドルを蹴っていくマイゾにウォンはインファイトを仕掛けてパンチ主体。マイゾは前蹴り、右ローと蹴り主体だ。パンチと蹴りが激しく交錯した。  2Rもウォンのパンチとマイゾの蹴りが交錯する。ウォンが前へ出てくるところにヒザを突き刺すマイゾだが、ウォンは前に出て左右フックと左右ボディを叩きつけていく。ヒザとクリンチを多用するのはマイゾ。飛びヒザ蹴りも放った。  3Rも前に出ていくウォンをヒザと右ミドル、右ローで迎え撃つマイゾ。ウォンは右フックをヒットさせるがすぐにマイゾに捕まりヒザをもらう。ウォンは左右ボディから右フックで前へ。ウォンがバックブローを放つとマイゾも負けじと同じ技を繰り出す。左右フックを回転させるウォンが最後まで押し切り、判定5-0でウォンが勝利した。 [nextpage] ▼プレリム第1試合 ライト級 3分3R×ソリン・カリニューク(ルーマニア)判定2-3 ※29-28×2、28-29×3○アルマン・ハンバリアン(アルメニア)  カリニュークは4歳から15歳まで柔道を学び、17歳でキックボクシングに転向。2016年にIKF世界拳法選手権大会-75kg級で優勝、2017年にはIKFヨーロッパ拳法選手権大会-80kg級でも優勝。2018年11月にプロデビューすると、2020年1月に第1回コロッセオ世界スーパーライト級王座、翌年2月にはコロッセオ世界ライト級王座も獲得して同時2階級制覇。ライト級王座は4度の防衛に成功している。  2019年6月にはディラン・サルバドールに判定勝ち、2021年9月には2022年12月に海人と対戦したストヤン・コプリヴレンスキーにも判定勝ち。戦績は11勝無敗。さらに、ボクシングでも2020年と2022年のルーマニアボクシングカップ-75.0kg級で金メダル、2020年(-75.0kg級)と2021年(-80.0kg級)にはルーマニア・ナショナルボクシングチャンピオンシップで金メダルを獲得した。東京五輪のルーマニア代表候補でもあったという。  対戦相手のハンバリアンは57勝(27KO)8敗2分と豊富なキャリアを持ち、元ISKA世界ライトミドル級王者。同じく今回がGLORY初参戦となる。  1R、上背に優るハンバリアンは圧をかけていき左ミドル&右ロー、カリニュークはコンパクトな左右フックと見美アッパーを繰り出す。前に出るカリニュークが左右フックをヒットさせ、右アッパーを突き上げる。カリニュークのパンチのスピードと回転力が目立つ。ハンバリアンは右ローを多用したかと思うと、サウスポーにスイッチして左ローで奥足も蹴る。これが何度も入った。  2Rも右ローを蹴ってパンチ主体のカリニュークの前足を狙うハンバリアン。さらに前蹴りから左右のヒザが何度も突き刺さる。下がるカリニュークにサウスポーに構えたハンバリアンは左ローで奥足も蹴る。カリニュークはフックに行こうとするとハンバリアンにヒザをもらう。左右フックとアッパーを回転させるカリニューク。  3R、ハンバリアンは飛びヒザを繰り出し、カリニュークはフックとアッパーで前へ出ていく。パンチはヒットしているが、ハンバリアンは下がらず右ローを蹴る。連打をまとめるカリニュークにハンバリアンはヒザと左ロー。かなり疲労した様子のハンバリアンだがカリニュークのフック連打にヒザで応戦し、右フックをもらっても組みに行ってヒザ。カリニュークが左右フックをフル回転させて試合終了。  判定は3-2と割れ、ハンバリアンがカリニュークに初黒星を付けた。
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