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【DEEP】注目のフェザー級で暫定王者になるのは? 神田コウヤ「最後に勝っているのは自分」×五明宏人「“格闘技で生きてる人”たちと組んできた」

2023/02/11 14:02
 2023年2月11日(土)『skyticket Presents DEEP 112 IMPACT』後楽園ホール大会(18時~)の第6試合「DEEPフェザー級暫定王者決定戦」(5分3R)で、神田コウヤ(パラエストラ柏)と、五明宏人(トラフォース赤坂)が暫定王座を争う。  現DEEPフェザー級王者の牛久絢太郎(K-Clann)がRIZINで朝倉未来(トラフォース赤坂)との対戦が決定するなど、DEEP王座の防衛戦のスケジュール調整がつかず。今回の「暫定王者決定戦」となった。 神田「覚悟して練習してきました」  神田は、過去に王座挑戦経験がある。2021年12月に王者・牛久に挑戦し、あと一歩まで追い込みながらも判定負けで王座奪取ならず。牛久戦後、青井人を3R TKO。2022年11月には中村大介にも判定勝ちで再び連勝街道に乗っている。  バックボーンは小学生時代の柔道、そして高校、大学時代に学んだグレコローマンレスリングでは、2017年の全日本学生選手権66kg級準優勝、全日本選手権67kg級で5位に入賞している。  対する五明は、2022年3月のフューチャーキングトーナメントで優勝し、5月のプロデビューから3戦全勝。わずか9カ月で王座戦に抜擢された。  伝統派空手出身で、2019年度の全日本空手道選手権大会男子個人組手で優勝。2022年5月にプロMMAデビュー戦で佐藤勇駿に判定勝ちすると、8月にはゲオ・レバナに左ストレートを効かせての高速ラッシュで42秒、TKO勝利。11月の前戦では、アマチュアルーキー時代の朝倉未来に腕十字で一本勝ちの戦績を持つTATSUMIを相手に、1R 1分55秒、TKO勝ちを収めている。  前日計量では両者ともにリミットの65.8kgから100gアンダーの65.7kgで計量。マイクでは、五明が「トラフォース赤坂の五明です。毎日、朝倉未来さんと練習してきました。明日は全局面で圧倒します。押忍」と挨拶。神田は、「意気込みはインタビューで。PPV配信もあります。買ってみてください」と語った。  インタビューで、五明対策として伝統派空手の現役選手とも練習をしてきたことを明かした神田は、「そこらへんはスペシャリストだと思うので、自分より上回っている部分もあると思います。それを体感することで、侮ることなくしっかり自分のやってきたことを発揮したいと思います」と語る。  身長180cm、リーチ190.5cmの身体で65.8kgのフェザー級で王座を目指す。 「今回ベルトがかかっているということで、すごくやりがいがあるなと思い、一生懸命体重を落としてきました。いままだ(減量で)水中にいるような感じですが、これからしっかりリカバリーします」と笑顔を見せた。  その体躯を活かしたサウスポー構えの打撃と、上下のテイクダウン。上で組めばムエタイの首相撲からヒジ・ヒザも大きな武器としている。特に青井人をTKOに下した左ヒジは金網に詰めて近距離で打ち下ろしたもので、テンプルに効かされた青井は少しの間を置いて倒れている。 「前回も前々回も縦ヒジを使ってます。首相撲もムエタイも練習してきました。自分はMMAの練習してからずっとヒジにパットをつけて練習しているので、普段からヒジを打つタイミング、距離なども練習してきたので、そのあたりはほかの選手との差になっていると思います」  柔道、レスリング、ムエタイそれぞれがMMAとして融合されてきているが、2試合連続1R TKO勝ちの五明の打撃をもらうことも想定しているという。 「効かされたくないけど、効かされることも想定してちゃんと覚悟して練習してきました。それほど相手のパンチは脅威だと思いますが、それでも最後に勝っているのは自分だという自負もあるので、そこは諦めずにやっていきたいなと思います」  強豪揃いのパラエストラ千葉ネットワークで、DEEPでデビューし、苦い黒星も経験するなかで、ベルトに手をかけた。 「DEEPは自分がデビューした団体なので、そこで王者になりたい。それが団体に対しての恩返しにもなると思います」と、悲願の戴冠を目指す。 [nextpage] 五明「未来さんと同じスタートラインに立つ」  父が指導していた日本空手松濤連盟から全日本空手道連盟の試合でも結果を残してきた五明。MMAではプロMMA14戦の神田に対し、五明はプロMMA3戦。しかし、そこに至るまでに数々のコンペティション、そしてDEEPでもフューチャーキング・トーナメントで優勝するなど、アマチュアで7勝1敗の経験を積んでいる。  今回の「暫定王座戦」の抜擢に、「期待されているなと。その期待に応えてこれからもっと上に上がっていきたいなという気持ちになりました。暫定王座戦に選んでもらえたことを光栄に感じますし、神田選手が対戦相手と聞いて、前回タイトルマッチを経験している選手で、自分はここが勝負どころだなと。相手のことを認めた上で必ず勝つという気持ちです」と、落ち着いた口調で語る。  MMAデビュー戦で佐藤勇駿に2R判定勝ち。 デオ・レバナ、TATSUMIはいずれも1Rに仕留めているため、3Rは五明にとって未知の領域となるが、「自信はあります。いくら中堅どころと戦っても中堅層のままなので、やはりトップに行くならトップどころと戦うしかない。そう考えたときに神田選手はちょうどいいんじゃないかと感じました。自分にとってはベストタイミングで戦わせてただけます。運がいいですね」と、連勝のタイミングで掴んだことを「運」とととも「ちょうどいい」とも表現する強心臓ぶりも見せた。  計量のマイクでは、あえて「毎日、朝倉未来さんと練習してきました」と口にした。 「僕がこの試合が決まって、未来さんも(牛久絢太郎戦が)決まって、お互いスイッチが入って、タイミングよく練習を付き合っていただいたので名前を出させてもらったのと、ここで勝って、必ず同じ舞台に、未来さんと同じスタートラインに立つぞ、という思いからです」と、その想いを語る。  朝倉が今春のRIZINで対戦する牛久は、前述の通り1年2カ月前に神田と3Rを戦っている。研究肌の朝倉が牛久を通して神田の動きも確認しているのは想像に難くなく、五明に聞くと、すでにアドバイスをもらっているという。 「未来さんの分析力は凄いです。牛久選手と神田選手の試合を見た上で対策を練ってくれていたので、すごく自信がありますね」  攻撃と守備が一体化した空手の間合いのコントロールが五明のMMAに生きる。前戦では、近い間合いでラッシュしながら、相手を打ち合いに引き出してフィニッシュしている。 「遠い相手はもちろん、近場も自信がありますので全然できますし、相手を分析・研究して、相手によって変えられる力もあるので、いろいろな動きを見せられると思います」  その近場では、神田もヒジ・ヒザを得意とするが、「やっぱり相手のヒジ・ヒザはいいなと思いますが、逆にほかが……そこさえ気をつければ別に大丈夫じゃないかなと」と想定済みだという。  危険なのは、それがレスリングと首相撲を融合させたMMAの際のなかで繰り出されることだが、「組んでも大丈夫です。練習でもレスラーや腰の強い方々と組んでいるので、『全局面で圧倒する』と言った通りに戦います」と自信を見せる。  その練習パートナーとは、「トライフォース赤坂の先輩たち、未来さん、海さん、(白川)陸斗さん、パーソナルで津田(勝憲)さんの指導、出稽古や赤坂でBRAVEの方たち、ALLIANCEでは堀江(圭功)選手とも組ませていただいているので、試合前の選手も多いし、みんな“格闘技で生きてる人”なんで、容赦なく組んでくれるので、僕としてはありがたいです」と、充実した練習環境と多彩な相手とのタフな練習で、準備は出来ている、とした。  2度目の王座戦となる神田に対し、五明は4戦目での戴冠を狙う。 「1回勝負でその1回で勝つのがタイトルマッチ。いい展開の予想は圧倒して勝つ、悪い予想はドロドロで判定で勝つ。良くも悪くも両方想定していますが、どちらになっても勝つことには問題ないです」と、短期決戦でも死闘でも、勝つのは自分とした。  ともに27歳。フェザー級のベルトを巻くのは神田コウヤか、五明宏人か。
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