2019年7月21日(日)東京・後楽園ホールで開催される『K-1 KRUSH FIGHT.103』の[日本vs中国・7対7全面対抗戦戦]に出場する日本人7選手が、9日(火)東京・K-1ジム総本部にて公開練習を行った。
対抗戦の先鋒を務めるのは、3月大会で川崎真一朗に初めてのKO負けを喫して以来の再起戦となる瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)。対戦相手のワン・ジーウェイは日本人選手との対戦経験も多く、昨年は佐々木大蔵に判定で敗れ、KRUSHのリングでの汚名返上に燃えている。
瓦田は慣れ親しんだ総本部のリングで梶原龍児代表を相手に左のパンチのコンビネーションを中心としたミット打ちを披露。「いつも通り順調に仕上がってるので、試合で出せればなと思っています。前回は気持ちの面で初めから自分のベストの状態で臨めていなかったと思うので、一から自分を見つめ直し、今回は良い状態で迎えられるかなと思っています」と意気込みを語る。
ジーウェイに勝利した日本人選手がトップ戦線で活躍していることについて「前回の日中戦の佐々木選手もそうですけれど、完封はできても倒せてはいない。ここで自分が倒せたら、自分の方が他の日本人選手より強いことをアピールできると思う」と、ジーウェイをKOして自分の存在をアピールしたいと語った。
次鋒戦を戦うのは日本チームでは唯一の2年連続出場、しかも昨年と同じワン・ジュンユーとの再戦となる山本直樹(優弥道場)。公開練習では多彩な蹴り技を中心としたミット打ちを行い「前回は延長まで行ってしまったので、しっかり倒せるように仕上げてきます」と完全決着を誓う。
ジュンユーは延長判定の末に山本に敗れた後、中国・武林風では挑戦者決定トーナメントを制して朝久裕貴の持つ-60kgのタイトルに挑戦するなど躍進。朝久には敗れたものの進化を遂げている相手に対して、山本は「前回の対戦から1年も経っているのでジュンユー選手も成長していると思いますが、自分の方が成長している姿をこの試合で見せたい」と自信を見せ「7月21日はしっかり倒して次につなげる」と改めてKOを宣言した。
五将戦では加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS)が過去にブアカーオとも対戦したことのある古豪ジャン・チュンユーと激突。対抗戦で大将を務める卜部功也が大好きだという加藤は、インタビューでも「今回はアンタッチャブル戦法で行く」と功也のキャッチコピーを使った発言をしていたが、公開練習を共にして「もうめちゃめちゃカッコイイっす。本当にリスペクトしてます」と改めて功也へ尊敬の意を表した。
チュンユーはキャリアで加藤を大きく上回り、長年ムエタイルールを主戦場に戦い、ブアカーオとも判定までもつれたタフファイター。だが加藤は「今回は格上ですけれど倒します」と言いきり「次は必殺技を2つ考えたので、それを出して倒します」とサプライズKOを予告した。
中堅戦では藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST) とドン・ウェンフェイが拳を交える。ウェンフェイは武林風の古参選手で“兄貴”と親しまれる中国チームのリーダー的存在。ファイトスタイルもパンチで前に出てくるアグレッシブなファイターで、藤村との日中ハードパンチャー対決が期待される。
この試合決定後にK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTへの移籍を決意した藤村は「やっぱり地元・静岡にいる時は練習環境を整えるのが大変で、今回思いきってKRESTに移籍という形になりました。世界レベルの選手と毎日切磋琢磨して、めちゃくちゃ練習は厳しいですけれど、その成果が出るんじゃないかと思って、早く戦いたくてウズウズしています」と既に臨戦態勢。ボクシングの井上尚弥やK-1ライト級王者・林健太のフィジカルトレーナーを務める高村淳也氏の指導も仰ぎ、心肺機能やフィジカルの向上にも力を入れている。
三将戦は中野滉太(POWER OF DREAM)とワン・ポンフェイの一戦。ポンフェイは初来日となった2016年の名古屋KRUSHでは野杁正明に三日月蹴りでKO負けを喫したが、その後めきめきと力をつけ、今回は武林風の現役王者として来日。中国ではマサロ・グランダーに勝利した実績もあり、パンチのコンビネーションを武器とする中国新世代のファイターだ。
そのポンフェイを迎え撃つ中野はPOWER OF DREAMの新鋭。先輩のKRUSHフェザー級王者・江川優生を相手にリズミカルなミット打ちを披露した中野は「最高の状態に仕上がっているので、しっかり倒します。相手がチャンピオンというのもありますし、けっこう強い相手なのでしっかりした対策と、コンディションは今はばっちりなので試合するのが楽しみです」と武林風王者の撃破に自信を見せる。
POWER OF DREAM勢が今年全勝と波に乗っていることもあり「先輩方が良い勝ち方で6月も終ったので、7月はしっかり自分が良い勝ち方で倒して次につなげる。日中対抗戦なので日本を代表してしっかり仕上げてきます」と力強く語った。
副将戦に抜擢された伊藤健人(K-1ジム目黒TEAM IGER)は4月のKRUSH後楽園大会で優谷と対戦し、約5年ぶりのKO勝利を挙げた。その対戦相手として選ばれたジャオ・チョンヤンは昨年の対抗戦ではレオナ・ペタスと激闘の末にKO負けに終ったが、ムエタイの強豪やK-1で活躍しているホルヘ・バレラにも勝利するなど実力は折り紙つきだ。
「調子はばっちりなので、試合でどれだけ出せるかが勝負なので試合まで集中してやります」と万全のコンディションで臨む伊藤は「映像も見て、警戒する技だけは警戒して、(強いといわれているが)これといった印象は特にないですね」と全く臆するところはない。「強豪と言われている相手に勝って、そこから日本人の強い選手とやってベルトに駆け上がるイメージを持っています」と、チョンヤン戦を足がかりに一気にスーパー・フェザー級トップ戦線への浮上を狙う。
対抗戦の大将を務めるのは元K-1ライト級王者・卜部功也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)。今年3月の『K'FESTA.2』で同門の林健太に敗れてベルトを失い、引退も考えていたが、過去に兄・弘嵩が対抗戦で敗れているジェン・ジュンフェンとの対戦オファーを受けて再びリングに上がることを決断した。
カード発表会見時には「もしかしたら次が僕にとって最後の試合になるかもしれない」と語っていた功也だが、「本当に良い練習ができているので試合当日は楽しみにしてほしい。今回が最後だとかそういうことは今は考えていなくて、目の前の試合にベストな状態で臨むだけ。今はネガティブなことは考えずに、ただ単に強い姿を見せたいとシンプルに思っています」とジュンフェン戦に完全に集中している。
昨年の怪我から半年以上フィジカルトレーニングができていなかったこともあり「もう1度身体を作り直してベストな状態に持って行きたかったので、まずはフィジカルをもう1度戻そうと。そうするとやっぱり身体の反応も良くなりますし、フィジカルは自分にとって凄い合っていて、今は本当に良い練習ができていますね」とフィジカル面でも最高の状態を再構築。「しっかり大将として試合を締めたい」と対抗戦の大将としての心意気も見せた。
昨年の対抗戦では6勝1敗と完勝した日本チーム。昨年の雪辱を誓う中国チームを相手に今年も対抗戦を制することが出来るか?