2023年2月9日(木)東京・後楽園ホールにて、元RISE世界フェザー級王者・那須川天心(帝拳ジム)がボクシングのプロテスト受験に臨んだ。
プロテストは那須川1人で行われ、正午過ぎに会場入りした那須川は最初に計量を行いスーパーフェザー級の58.0kgをパス。続いてリングサイドで筆記試験を行い97点でクリアした。
帝拳ジムのロゴが入ったウェアを着用し、リングシューズを履いた那須川はリングインして軽く走ると、マットを叩いて感触を確かめたり、数回の前転、ロープにもたれかかるなどした後、シャドーで入念なウォーミングアップ。
健康診断の後はバンデージを巻き、ノーファウルカップとヘッドギアを着用する間、顔見知りの記者たちと笑顔で会釈を交わすなど那須川は終始リラックスした表情。
実技試験では、日本バンタム級1位の南出仁(セレスジム)と3分3Rのスパーリング。1Rはやや堅さが見られディフェンス重視だったもののジャブ、左ストレートを当てる場面も。2Rはジャブの手数を増やし、避けて打つ、打って避けるといったスピードのある動き。3Rはステップを使って動き、ジャブ、右フックと左ストレートのカウンターなどを披露して終えた。
最後は1Rのシャドーを行って終了。約10分後に合格が告げられ、合格証書が手渡された。
100名近い報道陣に囲まれ、那須川は「何かに合格するのは嬉しいですし、受験は高校受験以来なので凄く新鮮です。緊張感はありました。新しいことですし、人も超多いですね、カメラもこんなに多いので、変なことは出来ないなってそういう緊張感です」と久しぶりの緊張感を味わったと言い、「ここで落ちるわけにはいかない状況でしたし、今日マウスピース忘れちゃって。さっき(近所の)フィットネスショップへ行って代わりのを着けたんですけれど、そういうところは新人らしくていいんじゃないかなって(笑)。自分で言っちゃいますけれど思いますね」と、緊張からかマウスピースを忘れてきたとのエピソードを明かす。
ボクサーとして後楽園ホールのリングに上がった感想は「(キックボクサー時代とは)違いますね。マンガとかで観ていた世界じゃないですけれど、うわっ、プロテストだ、葉っぱ10枚つかめないと…みたいな(笑)」と、『はじめの一歩』を思い出したという。
筆記試験では「久しぶりに鉛筆を持ったので懐かしかったです。97点だったので今までとった点数の中で一番よかった(笑)」と今まで受けたテストでは最高点だったと笑い、3点については「トランクスがスカート状でいいみたいな問題で。○だと思ったら×でした。キックボクシングではOKだったので(笑)。そこの違いを知れたのでいい発見ですね」と、ボクシングとキックボクシングの違いを知れたとする。
改めてボクシングに転向した理由を聞かれると「理由としては単純に強くなりたいというのがありますし、自分の人生挑戦し続けたいなっていうのが自分の中であって。それをみんなに見てもらって。口だけで言うのは簡単なので、行動で示して若い子たちとか他の格闘技だけじゃなく何かに挑戦してくれたらいいなって想いを込めて自分の身体で体現したいのがあります」と、挑戦する姿を見せたいことだとした。
目標については「目標はないですね。探り探りじゃないですけれど、道なき道に挑むみたいな感覚。どういう風になるか今後分からないから。でもひとつのものとしてはベルトを獲って証明したいというのはあります。まずはそこを目指そうかなとは思っています」と、タイトルを獲ることをあげた。
ファンへのメッセージを求められると「ボクシングファンの皆さん初めまして、那須川天心です。僕のことを応援してくれる人、そんなに甘くないぞっていろいろな目で見られると思うんですけれど、僕はボクシングをナメているわけでもないし、尊敬を持って挑もうと思っているので。そういう人たちとの勝負でもあるのでしっかり自分を証明するので、今まで応援してくれている人はまた応援してくれれば嬉しいですし、新しく応援してくれる人も注目して見てもらえたら。これからよろしくお願いします」と話した。